2019年6月 1日 (土)

札幌戦~城福監督の限界

2019年6月1日 コンサドーレ札幌vsサンフレッチェ広島 札幌ドーム

 1-0で負けてしまった。それもそもはず、防戦一方でボール支配率35%の中での敗戦。これはもう運などというもので言い表せない完全なる敗北である。5連敗のあと大勝して気分をよくしているとまたこういう失態を犯す。いや、この傾向は城福監督となってから顕著であり、実はすでに予想をしていた。大勝の後は負ける、もはやこれはパターン化されてしまったようである。
 パスミスが多い、守備からカウンターへとつなげられない、攻撃が読まれている。これらの打開策を未だに城福監督は見出すことができない。本当に引き出しの少ない監督である。ここまでワンパターンな戦術しかできないというのは逆になかなかできないものである。
 攻められ、攻められ、攻められまくって耐え切れなくなり失点。尻に火がついて点を取りに行くもゴールが割れず敗戦。同じことの繰り返し。浦和意外みんな同じパターンでやられている。もはやこれは劇術的ですらある。ああ、城福監督は実は芸術家だったのだ。
 そんな愚痴ばかりがこぼれてしまう。せめて負けるにしてももっとまともに戦ってお互い火花を散らすような試合が観たい。面白くない。こんなサッカーは観たくない。ただ相手の攻撃を堪えるだけのサッカーなんて耐えることができない。
 点の取れないサッカー。守備ばかりやらされるサッカー。これを続けてるようでは城福監督の途中解任あるのではなかろうか。さすがにもう限界が近づいてるような気がするのだった。

2019年5月27日 (月)

浦和戦~森島の活躍

2019/05/26 浦和レッドダイヤモンズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 呼吸をすると熱せられた空気が肺の中に入りそれが一段と体温を上げそうな気がしてくる。もはやこれは夏の気温。5月でこれだから真夏はどうなるのだろう。地球の温暖化に真剣になって心配をしてしまうのだった。
 だがスタジアムへ向かうこのぼくの行為はそれ以上の心配事を抱えることになりそうだ。。5連敗中のチーム。相手はサンフレッチェに異様なライバル心を持つ浦和。数年前、毎年のようにサンフレッチェの選手を引き抜くのにサンフレッチェが優勝するという時期があった。もはやそこはメンツに関わる問題だけに致し方ないだろう。
 そんな逆境を打ち返す底力を見せてくれることを期待して東部スカイツリーラインに乗る。まるでサッカー観戦客らしき人がいない。本当に今日試合あるんだろうかと不安になる。赤い人、赤い人はいないのか。
 それでも北越谷駅に降りるとシャトルバスは待機していた。あ、単にぼくの出かける時間が遅かっただのようだ。そう、ぼくはあまりにもぎりぎりになってしまった。キックオフ間に合うだろうか。幸か不幸か指定席しかチケット購入できなかった為に席の心配がないというのは仇となってしまったのだった。
 とはいえかろうじてキックオフには間に合い見下ろすような位置で席に座った。スタンドに屋根が掛かってるのは観戦者の日よけになるだけでなくピッチも程よい影を落として選手のパフォーマンスにおいても有利に働くのだった。
 白いアウェイユニフォームのサンフレッチェ。いつものように守備から入りカウンターを狙う。そんな戦術はいつも力でねじ伏せられるもののこの日は違った。右サイド柏が持つとドリブルを仕掛けるのは勿論のこと、裏へのスルーパスが面白いように通る。サイドからクロスが上がる。ゴール前での混戦。ごちゃごちゃっとした状態でかろうじて放ったシュートはカツンとゴールバーに弾き返される。だがセカンドボールに反応したのは森島だった。脚を振り抜きシュート。ドンという音が聞こえてきそうな豪快なシュートがゴールネットに突き刺さったのだった。
「うおおおおおおおおおおおっ!」
 一斉に立ち上がったアウェイの紫のサポーター。長い長いリーグ戦での無得点を今季初スタメンの森島が打ち破った。期待されつつ結果が出ないまま時を過ごした森島。ACLで結果をだしたことからの大抜擢に見事応えた。そのゴールは勿論本人が一番喜んだろうが、応援してるこちらも熱く、燃え上がるものがあるのだった。
 早々に点を入れたサンフレッチェ。でも1点などすぐに吹き飛ぶ。試合は始まったばかりなので気を抜くわけにはいかない。
 ところが今度はサイドで柏がボールカット。その勢いに乗りドリブルで突き進み折り返し。中からエミルがシュート。完全に崩したかと思ったそのシュートはGK西川に弾かれてしまい天を仰ぐ。それでもCKは得ることができた。
 セットする森島。キックを放つとドウグラス・ヴィエイラがヘッドで叩き込む。だがゴールから跳ね返ってしまう。ああ、入ってないのかと思いきや主審はゴールの判定。一度入ったらしい。入った、入った、入ったと喜びを分かち合うもそれは遅れた反応となってしまった。
 2点差となり後半に入る。GK大迫のパントキックから裏へロングボールが出る。駆け抜けた森島。追走するDFを置き去りにしてGKと1対1。決定的場面。このシュートをGK西川にぶち当ててしまった。ああ、これは決めて欲しかった。ここでループシュートを打つ技術があればと嘆いてしまう。
 ところがその後中盤でボールを受けるとゴール前へスルーパス。エミルに代わって入ったハイネルが鬼神のようなスピードで裏に出るとシュート。西川ブロック。だがボールがこぼれそれを再びハイネル、シュート。入った。ゴールに叩き込んだのだった。
 ハイネル初得点。あれだけゴールから遠ざかっていたのに2人も初得点が生まれた。そしてハイネルのゴールへ向かう迫力。それはパスでの崩しにこだわったサンフレッチェにとってもっとも不足してる部分なのだった。
 そしてこのゴールによって浦和の士気はガクッと落ちてしまった。バイタルエリアにスペースが生まれ、森島を経由してまたしても裏のスペースへ出る。そしてそれを中盤の底から駆け上がってきた川辺が追いつきそのままドリブル。深くえぐると折り返し。ゴール前で待ち構えてた渡が当てるだけできめ、4点目が入ったのだった。
 もはやこれは勝利を決定づけるゴールだった。しばらくぶりの渡のゴール。出場機会の割に決めてないことは本人も意識してただろう。それだけに喜びを爆発させる。そしてそんな渡を祝福する為に渡コールが響き渡るのだった。
 勝った。リーグ戦6試合振りの勝利。ああ、酔いしれたい。勝利とは何とよい響きをもたらすのだろうか。ただ、次節が勝てるかどうかが問題である。さすがに5連敗もしてしまっただけにこれだけで不調を脱したとは思えない。ただ、全ての得点に絡んだ森島には大きな可能性は見いだせたのだった。

2019年5月22日 (水)

メルボルン戦~控え選手のアピール

2019年5月22日 ACL予選リーグ メルボルン・ヴィクトリーvsサンフレッチェ広島 メルボルン・レクタンギュラースタジアム

 予選リーグ1位通過決定。対するメルボルンも敗退が決まってる。その為この試合は紛れもない消化試合である。当然ながらメンバーは出場機会の少ない選手が中心となる。が、翻ってそれはまたとないアピールの機会。熱いプレーが観れることだろう。
 そんな予想は見事に的中し、メルボルンにボールの取りどころを与えずパスによりどんどんゴールに迫っていく。そしてCKを得ると松本大哉がニアで逸らしファーサイドに飛び込んだ松本泰志。見事頭で合わし先制点を叩き込んだのだった。
 松本泰志のプロ初ゴール。幸先いいスタート。まだまだ点が取れるだろう。そして清水や水本がミドルシュートを放つ。積極的である。ただその後シュートがめっきり打てなくなってしまった。それもこれもプレーに正確性がないからだった。
 シュートパスを駆使してつないでいくもパスが合わない。それによってボールを奪われると本田が絶妙なスルーパスを送る。飛び出したGK林。そのお陰なのだろうか、シュートは枠を外してくれた。危ない。本田は警戒しなければならない。ただ本田のボールキープには3人掛かりでも取ることができないのだった。
 そこでもたついているとメルボルンの選手はどんどん前掛かりになる。そして気づいたら自陣に引きこもって守備一辺倒になる。跳ね返してもそのボールの先に皆川は見事にいない。例えいたとしてもボールキープができない。お陰でサンフレッチェは押し上げることができずに再びゴール前の守備に翻弄されるのだった。
 せっかく勝ってるのにまたこういう展開になるのか。
 時間が60分を超えるとますますその傾向は強まる。魔の時間帯である。トップの皆川を残して全員ペナルティエリア前で相手に攻撃を食い止めようと悪戦苦闘する。左右前後、目まぐるしくパスを回される。そして耐え切れなくなり倒してしまった。ペナルティエリア前からのFKである。ああ、と喘ぎながらも入りはしないだろうと思っていた。だが甘かった。決められてしまった。本田を囮としてトイボネンに決められたのだった。
 時間70分。またこの時間帯にやられた。毎回毎回同じパターンである。アピールすべき選手達はちっともアピールになってない。これでいいんだろうか。
 そんな焦りからか、攻撃への姿勢を強めていった。パスでつなげるも、無駄に手数を掛けることなく前に進める。そしてエリア前森島に入る。サイドに落とす。ちょっとずれたかと思ったが皆川がいた。ダイレクトシュート。豪快なそのシュートはファーサイドに見事に突き刺さった。
 皆川、皆川、皆川。シュートすら打てなかった皆川が停滞した雰囲気もろとも吹き飛ばしたのだった。今シーズン初ゴール。今まで散々揶揄したものの、喜びを爆発してしまうのだった。
 そのゴールは間違いなくチームに活力を与えた。中盤で森島が受けると前はDFが揃ってなかった。そこで迷わずミドルシュート。アウトサイドに回転したボールはゴールにぶち込まれた。3点目。森島初ゴール。爽快だ。実に爽快なゴールだった。
 失点したことによりゲームをコントロールできない未熟さを露呈させた。それでいてその失点がスイッチとなった。結果としてあのゴールが覚醒させた。皆川、森島はいいアピールになったはずだ。
 そして1-3で勝てた。リーグ戦5連敗によりどんより曇った雨空の中に一筋の光を観たような心境だった。これはリーグ戦にもいい影響を与えるだろう。そんな単純なものじゃないのは分かっているものの、そう思い込みたいのは仕方なかった。

2019年5月17日 (金)

鳥栖戦~5連敗

2019年5月17日 サンフレッチェ広島vs サガン鳥栖 エディオンスタジアム広島

 4連敗。さすがにこの戦績は自信を失ってしまいさしたる期待も持たなくなってしまった。だがここでメンバーを4人も替えてきた。特にACLで結果を出している清水がキャプテンマークを着けて初スタメンになってたことに俄然応援のボルテージは上がるのだった。
 その清水が左サイドで高い位置を取るとクロスを入れる。左の柏も連携から切り崩そうとする。が、どれも有効的な脅威となっていない。クロスは簡単に弾き返され、崩しにいたっては中途半端に終わる。もはや攻撃のパターンが読まれてる。意外性、個の強さ、ドリブルでの切込み、ミドルシュート。どれを取っても足りない。結果、いいとこまで来てるようで相手はちっとも脅威を感じてないのだった。
 それでも相手にシュートを打たせてないことでこちらが優位に立ってる、そんな感覚に陥る。その感覚は実に危険である。確かにいくらでもボールを回せる。詰めてきたら後ろに下げてGKからやり直し。そこでプレッシャーに来たらギャップを生んでパスで前に運んでいく。上手い、と感嘆するもそこから先が続かない。いや、シュートまでは行ける。行けるのだが決まらない。欠けている。何かが欠けているのだった。
 ついには最終ラインの荒木がオーバーラップからクロスを上げる。柴崎ヘッド。が、GK真正面。セカンドボールを拾い再びクロスが入るもゴール前のファールで止められてしまった。
 そんな攻めあぐねをしている内に鳥栖はどんどん圧力を強めていった。プレスをいなそうにもパスミスをしてつながらない。そしてまた攻められる。65分、大体これくらいの時間から防戦一方になる傾向があるがそれは今節も変わらない。守備から入ってワンパターンな攻撃にゴールを割れないのも同じなら、時間による試合展開も同じパターン。どうしてこうも毎回毎回同じ失敗を繰り返すのだろうと疑問に感じてきた。
 鳥栖に金崎が交代で入る。前線でどんなに孤立しても単独で受けたボールは絶対にマイボールにする。対して同じく途中交代で入った渡はボールキープができない。ドリブルを仕掛けてもシュート、もしくはラストパスを出すまではいけない。この両ストライカーの勝負という意味では完全に金崎に負けていた。だとしたら頼るはトップのドウグラス・ヴィエイラしかいないのだった。
 すると川辺が前線まで上がる。シュートレンジ、前が空いている。素早く寄せた鳥栖のDF。が、そこからフリーのドウグラスに出た。いける。だがこの時ドグはよりによってワントラップしてしまった。その余計なプレー一つでコースを塞がれブロックされてしまったのだった。
 ああ、ドウグラスよ。どうしてあそこでダイレクトにシュート打たないんだよ。どうやらこのチームはストライカーと呼べる選手がいないようだ。
 更に柏が切り返しを2度もして完全にフリーな状態から放ったクロスに柴崎がバイシクル。GKがキャッチ。そして今度は中央で受けた柴崎シュート。GK真正面。ああ、元々中盤の選手である柴崎にはシュート力がない。でも印象に残るシュートは柴崎が一番打ってるのだった。
 そんなことを繰り返していく内、鳥栖のCK。一旦は跳ね返すもセカンドボールはまた鳥栖。そして単純にクロスを入れてきた。サロモンソンヘディングでクリア。だがボールはそのまま後ろへ飛んでいき弧を描いてゴールに吸い込まれてしまった。
 失点。オウンゴール。唖然とした。単純なクロスに対して鳥栖は完璧に蓋をしてるのにサンフレッチェの守備はなんと脆いこと。喜ぶ鳥栖の選手を尻目にもはや敗戦は覚悟した。失点した時間も前節と同じである。同じことの繰り返し。もう勝てない。こんなに早い時期に城福監督の引き出しのなさが露呈されてしまったとは。
 5連敗。結局このまま負けてしまった。とにかく点が取れない。100万本クロスを入れても中で合わす選手に圧倒的にパワーが不足している。もう今シーズン勝つことはできないだろう。城福監督は一度負けだすともう立て直すことができない。本気で次の監督を考えた方がいい時期に来てる。またヨンソン監督に来てもらうか。少なくとも今試合観ててちっとも面白くないのは確かなのだった。

2019年5月12日 (日)

仙台戦~悲劇の4連敗

仙台戦~悲劇の4連敗

2019年5月12日 ベガルタ仙台vs サンフレッチェ広島 ユアテックスタジアム仙台

 それは悲劇としか言いようがなかった。正直これを記事にするのは身を切るように辛い。忘却の彼方に解き放ちたい。これは悲劇。もしくは憤怒の再現。ああ、この敗戦をどう例えればいいんだろう。試合の入りはよかった。入りはよかったのだった。
 開始早々、サンフレッチェは柏のクロスからドウグラス・ヴィエイラが合わせて先制した。それはDFを背にしながらも脚を伸ばしただけ。後ろのディフェンダーもまさかあそこまで足が伸びるとは思わなかっただろう。ドウグラスの脚の長さは想像の範疇を越えていたのだった。
 そこからというものブロックを形成して仙台の攻めどころをなくしてしまう。ボールは持たせているけど際どいとこまではいけない。カットされるとカウンター。サイドの柏やエミルが上がる。そこからシュートに結び付くチャンスもあった。ペナルティエリア内での混戦では相手の手に当たった場面もあった。飯田主審が笛を吹かなかった為にPKにはならなかったが、相手の攻撃をよく絡めとりそれを逆に自分たちの攻撃につなげるという循環が上手くいってた。1点あればこのまま逃げ切れるという自信があった。
 それでももう1点あれば安泰。エミルがタイミングを見計らった飛び出しからペナルティエリアへ入るりシュート。DFに阻まれ枠に入らなかった。だが手に当たった。当たったはずだった。なのにまたしても飯田主審は笛を吹かなかった。1度ならず2度までも。これは審判のレベルが低いということだろうか。それともサンフレッチェには勝って欲しくないという恣意性があったのだろうか。いずれにしても飯田主審は吹くべき場面で吹かなかったのであった。
 そして残り40分を迎えたとこで佐々木に代わりルーキーの荒木が入る。ACLではいいパフォーマンスをしてただけにチャンスを与える為にも間違った交代ではなかった。ところがここでディフェンスの強度が徐々に薄まっていった。仙台がいいように攻撃してくる。もはやボールを持たせてるとは言えない。完全にボールを持たれたのだった。それにたまりかねて野津田、パトリックをドウグラス、柴崎に代えていれたのだった。
 ところが前への推進力を期待されて投入された2人、全く流れを変えることができなかった。守って守って守ってばかり。前に行けたかと思うとすぐに相手の守備の網にかかってしまう。どうして攻撃に人数を割いてる相手に対してあそこまでボールを奪われるのか、不思議で不思議でしょうがないのだった。
 そしてサイドをえぐられてしまう。食らいつくも折り返された。すると真正面に入ったハモン・ロペスに打たれた。ゴール前に数人いるにも関わらず決められてしまった。その時間
86分。あと数分堪えることができなかったのだろうか。だがこれで攻めなきゃいけなくなった。それなのに攻撃が中途半端に終わってしまう。そこが仙台に尚更活力を与え逆襲へつなげていく。ゴールラインまでへ突き進む。しがみつく野津田。だがまたしても中に入れられると叩き込まれてしまった。この時、ゴール前には4人もの選手がいたにも関わらず防ぐことができなかった。ああ、たった2人の攻撃を数人いて止められなかった。対してサンフレッチェは1人の相手もかわすことができずシュートを決めることができなかった。
 この終盤の8分により逆転、敗戦が決まった。何とも滑稽である。情けなくもあった。マリアナ海溝よりも深い哀しみに沈んでしまう。仙台に劇的勝利をプレゼントしたようなものだった。
 点が取れない、佐々木がいないと守備が破綻する、傾いた流れを引き戻せない。あらゆる課題が浮かび上がる。そして攻撃ではドウグラスがいないと点が取れないというのが確証された。昨シーズンあれだけ点を取ってたパトリックはちっとも脅威を与えなくなってしまった。ACLであれだけ結果を出した渡はちっとも点が取れない。野津田に至ってはシュートすら打ってない。もはやドウグラスがいない限り勝つことはできないようだ。
 パトリックという特定の選手に依存することの危うさを昨シーズン嫌というほど味わったはずである。その為、ドウグラスが機能したことに喜んだら今度はパトリックがトーンダウンしてしまったのであった。
 4連敗。いよいよ勝てなくなってきた。体調が万全でないドウグラスをどれだけ使えるかに掛かっているのだろうか。

2019年5月 8日 (水)

広州恒大戦~グループステージ首位

2019年5月8日 アジアチャンピオンズリーグ予選リーグ サンフレッチェ広島vs 広州恒大 広島広域公園陸上競技場

 日の落ちてきたスタジアムの上空は夜へと橋渡しするように蒼い色彩が闇へと溶けていった。照明の落ちたピッチ。さながらそれは嵐の前の静けさである。予選リーグ突破を掛けてどちらも負けられない試合。厳しい試合になるのは目に見えていた。
 前回対戦した時の攻撃圧力。ブラジル代表のパウリーニョなど錚々たるメンバーは資金力の大きさを見せつけられる。ただ、こういった相手と戦う絶好の機会でもある。特に若手である荒木、東、森島、大迫にとってはいい経験になるはずだ。
 胸を借りるつもりで挑む決選、サンフレッチェは守備から試合に入るのだった。
 前線からの追い込み、素早い身体の寄せ、ブロックを形成した守備は相手の自由を奪っていた。後ろで掴んでカウンターという狙いであるがそこは広州も予測できてるようでなかなか攻撃の機会が訪れない。が、清水が中盤でボールをもぎ取るとそこから攻撃が始まる。後ろに回し2人目、3人目が連動して前に進めていきサイドに入ると折り返してミドルシュート。入りはしなかったがずいぶん思い切ったプレーをしたことに心強くなるのだった。
 そこからというもの、ボールを持てる時間が長くなり清水からクロスが入る。合わせられないがCK。これも合わせられない。だがそんな攻撃を続いていく。相手の逆を突くパスがどんどん前に突き動かす。左サイドへ通す。野津田がクロス。ターゲットのパトリックは走っていたもののDFがクリア。それでもCKになった。いい流れである。
 するとこのCKを低い弾道で蹴られた。ニアに飛び込んだ佐々木。それを防ごうとなだれ込む広州の選手。すると次の瞬間ゴールの中にボールが入っていた。入った。入った、入った、入った。先制点だ。
 正直何が起こったのか分からなかった。佐々木のゴールかと思っていたものの、どうやら広州のオウンゴールだったらしい。キックが巧みだったのだろう。それが佐々木の動きと相まって広州の守備に混乱を与えたようだ。まだ広州シュートを打たせてないだけにこれで有利に試合を進められそうだ。
 最終ラインから上がった佐々木がミドルシュートを打つ、森島がサイドからクロスを上げる、東もクロスを上げる。いい流れだ。カウンターへの警戒も怠らず追加点が取れてもおかしくはない。だが時間の経過と共に段々とその精度が落ちてきた。
 サイドでのパス交換。パス、パス、パス、パスの後ミスパス。カットされるとカウンター。前線に運ばれミドルシュート。入らなかった。それは助かったが攻撃時のミスからピンチを招くというのはこの後の流れを変えてしまった。
 次第に広州の支配時間が多くなる。ミドルシュートを打たれるようになる。そして右サイドを突破されると無理な態勢からもクロス。真正面からシュート。ジャストミートした瞬間もう駄目かと思ったもののカバーに入った野上によりブロック。命拾いしたのだった。
 その後は守備一辺倒。前線に味方がいないので跳ね返すのが精一杯。柏が森島に代わって入るもドリブルを生かす機会がない。セカンドボールが拾えない。パトリックにボールが収まらない。
そのパトリックに代わって得点力のない皆川が入る。だが皆川は身体を張ることができる。ハイボールで競り合うことができる。そして何より時間を稼ぐボールキープをすることができるのだった。
もはや時間を稼ぐだけ。もはや誰もゴールを奪おうとはしていない。ボールを持てば深い位置まで持ち運ぶがそこから中をえぐることはない。堪えて堪えて堪えて時間を使う。そしてタイムアップを迎え首位で決勝トーナメント進出を決めたのだった。
初めてのACLグループステージ首位通過。初戦、広州に2-0で負けた時には誰も通過できると思ってなかった。そして何よりリーグ戦で出れないメンバーが勝ち進むことによって自分の出場機会を得てるというのが頼もしかった。
あと1試合、消化試合として残ってる。1位通過が決まっただけにどんなメンバーが出てくるのか、そんな楽しみもできたのだった。

2019年5月 3日 (金)

マリノス戦~世紀の誤審による3連敗

2019年5月3日 サンフレッチェ広島vs横浜Fマリノス エディオンスタジアム広島

 10連休の間、よく晴れたエディオンスタジアムは背景の緑がよく映えていた。その気候の良さもあってかずいぶん沢山の観客でスタンドは埋め尽くされてた。雰囲気は上々。2連敗の後だけにもう負ける訳にはいかない。そんな意気込みを感じつつ、一抹の不安があったのは確かだった。哀しいことにサンフレッチェは客の入った試合に限って負けるという傾向があるのだった。
 更に渡のワントップもマイナス要素だった。ドウグラス・ヴィエイラが怪我をして他に適役がいないとはいえ、渡のワントップではチームに点が取れない。どことなく迫力に欠け、実際ここ2試合点が取れてないのであった。
 それでもサンフレッチェの組織的守備はボールホルダーを前後で挟み込むことで摘み取っていってた。攻撃の起点を与えていない。そんな余裕が柏のドリブルで何度も駆け上がるシーンをつくった。ただクロスを上げても中で合わせる選手がいない。そこで柏が左サイドを駆け上がると佐々木のオーバーラップを待つものの、裏へ出したパスはオフサイド。スルーパスが通用しないのだった。
 手詰まりであった。ブロックを敷いてボールカットしても素早い攻撃へと移ることができず相手が帰陣してからの遅攻になるので手詰まりとなる。そして無理に味方にラストパスを送ろうとするとことごとくカット。どれもこれも攻撃が中途半端に終わる。それが相手に恐怖心を与えないのだった。
 そんな攻めあぐねに前掛かりになってしまう。すると悪い取られ方をするとDFの裏に広大なスペースができていた。ロングボールで抜け出されるとゴールまでドリブル。斜めからシュートと見せかけるとGK大迫は見事につり出されてしまい倒れるとゴールラインぎりぎりの角度から打たれてしまった。入った。文句の言いようのないゴールである。1対1の対応に負けた大迫。あそこにフリーで走りこませたDF。ボールは持ちつつも攻撃を完結できなかった攻撃陣。色んな要素がありながら間違いなく言えるのはマリノスは少ないチャンスを確実にモノにしたというとこである。一方サンフレッチェは100万回チャンスがあっても決められないような雰囲気があった。
 ゴール前の密集地で渡に入る。胸トラップからバイシクルシュートを放つ。が、当たり損ね。柏からクロスに柴崎がDFの背後を突いた。が、当てることができない。DF2人しかいない敵陣でドリブルで抜け出た。が、パスをカットされてしまう。そのどのプレーもゴールに直結するものでありながら精度のなさが災いしてる。精度、精度がないのだ。
 野津田のFK。サロモンソンのクロス。それらも全てGKが直接キャッチ。そして稲垣が中央からミドルシュートを放てば地球の裏側へでも飛んでしまうのではないかというような大きく外れたボールを蹴ってしまう。数打てば当たると言わんばかりの有様である。ああ、どうしてみんなここまでシュートが下手なんだろう。
 ついに切り札としてパトリックが入る。すると途端に前線目掛けてロングボールが入るようになる。それが攻撃の圧力を高めCKを得るとパトリックが合わせる。が、叩きつけたボールは枠の外に転がしてしまう。ああ、入らない。そして今度は右からのクロスに川辺が合わせる。これもGKが掻き出した。ああ、枠に入れただけでも良かったのかもしれないがあんな真正面からのヘディングを決めることができないのか。
 と、ここで多大なる違和感を感じた。すると後にスロー映像で確認したのだが入っていた。完全にゴールラインは割っていた。それをゴールとして認めなかった。ああ、誤審である。審判はとんでもないチョンボをやらかしてしまった。ついに審判までゴールを見落としてしまったのである。
 だが最後の最後にCK。これに吉野がドフリーで合わせた。決まった、と立ち上がろうとしたもののボールは真下に叩きつけられゴールには向かわないのだった。
 唖然とした。あんなヘディングは普通にシュートするより難しい。どうして単純にゴールに向かわすということができないのだろう。あれが全てを物語ってた。やはり今のサンフレッチェは100万回チャンスがあっても決めることができないという確信が持てたのだった。
 これにより3連敗が決まった。そして3試合ノーゴール。皆前半の似たような時間にわずかなチャンスを決められたというのも一緒である。負けるにしても同じパターンで負け続けてるというのは進歩がないということではなかろうか。
そしてこうやって連敗が嵩むと城福監督はどんどん采配が硬直化してしまう。それだけにあの誤審への恨めしさは到底拭い去ることができないのだった。

2019年4月24日 (水)

大邱戦~ルーキー荒木のゴール

2019年4月23日 アジアチャンピオンズリーグ・グループステージ 大邱FC vs サンフレッチェ広島 フォレストアリーナ

 初戦をアウェイで落としたことでやはり今回もACLは消化試合となって終わってしまうのかと諦めていたらその後ホームで2連勝。それにより予選リーグ突破の芽が出てきたことで俄然やる気が出てきたのだが、さすがにアウェイでは厳しいだろうというのが正直なとこだった。会場のフォレストアリーナはサッカー専用スタジアム。チームカラーのスカイブルーの色彩に染まったスタンドはとても洗練された印象を醸し出していた。
 そんなアウェイの地にサンフレッチェは若手を中心にメンバーをターンオーヴァーをしてきた。東、森島という攻撃陣だけでなくDFに荒木という若手が入り、ベテランの水本、稲垣、清水、パトリックが入る。その誰もがレギュラーで出てもおかしくないにも関わらず満足な出場機会を得てない。それだけにアピールのチャンスでもある。トーナメントの大会であるが故に勝つ限りは使ってもらえるのである。
 そんなぎらぎらした気概からキャプテンの清水を中心にチームとしてまとまってる。一進一退の均衡を保っている。が、徐々に大邱の前に突き進むパワーの前に重心が下がっていくようになる。それでもDFが崩れることはない。水本など1対1で負けることなく食い止めてる。最後にシュートを打たれたとしてもGK大迫は掌に収める。パンチングで逃れると2次攻撃を受けるがキャッチすることでマイボールとすることができる。これが大迫がGKでいることによる大きなポイントなのだった。
 そんな大邱の攻撃に耐えてる内に攻撃の機会も訪れる。森島も臆せずミドルシュートを放つ。DFに弾かれてしまったがその気概がいい。そして少なくともCKを得ることができた。
何度かあったCKではフィジカルに優る韓国の選手には勝てなかった。密集したゴール前。ところが放ったキックはニアサイド。飛び込んだ荒木がヒット。ゴールネットが揺れた。荒木のダイビングヘッドはゴールへと叩き込まれたのだった。
 先制、先制、先制。ドワーッと駆け降りるアウェイゴール裏のサポーター達。ルーキーの荒木が決めたとによりその興奮はひとしおだった。守備の選手だがこういうセットプレーでもヘディングを決めるというのは頼もしい。守備でも競り合いの強さを期待してしまうのだった。
 そしてここからが本番である。大邱は追いつこうと前線への圧力を強める。テクニックがあり鋭い切込みをするセシーニョ、高さとしなやかさを持ったエドガルがゴール前で脅威を高める。ドリブルで切り込む、テクニックでかわす、アーリークロスによるパワープレー。それら一連のプレー実に効果的だった。が、それも身体を張りゴールに鍵をかけたのだった。
 荒木もドリブルを仕掛ける相手に対して飛び込まず、粘った挙句に摘み取った。駆け引きにも長けている。点を取っただけでなく守備でもちゃんと機能してるのだった。
そんなゴールを許さない守備がカウンターを呼んだ。パトリックへ向けたスルーパス。スピードのあるパトリックは追いつくのだった。
 ゴールに迫るパトリック。追加点が入ればかなり楽になる。だがシュートを打つも後追いをしたDFに詰められてしまう。あと一歩、もう一つ早いタイミングで打てば枠に飛んでいた。慎重になり過ぎた。周りを使うことでプレーの幅を広げているパトリックだが、今はその繊細さと強引との間でこういう千載一遇のチャンスで駆け引きで迷いが生じているようだ。
 そんな中、後半も半分くら過ぎたとこで水本は佐々木と交代した。後には若手の東と森島が野津田と渡に交代へ。イエローカードとの兼ね合い、そして終盤へ向け、より強いプレッシングから逃げ切りへと掛かったことを伺わせた。
 終盤に近付くに従い圧力が増していく。審判の笛も混迷を深める。ホームサポーターの声援。それらが渦となって押し寄せる。堪えて堪えて堪え抜く時間。息は苦しくなり心臓の鼓動が高鳴る。真正面からのFKでは緊張が最高点に達する。だがそれを外してくれるとタイムアップの笛は響き渡ったのだった。
勝った、勝てた。歓喜が身体中を駆け巡る。抑えきれない解放感。まさかまさかのグループ首位である。よくやった、荒木。そして他の若手選手達。これがチームの底上げにもなり自身も実績を重ねていける。
でもまだ予選リーグ突破が決まった訳じゃない。昨シーズンのルヴァンカップでもメンバー総入れ替えで一時は勝ち続けた。だが結局最後は勝ち切ることができずに決勝トーナメントに進出できなかった。その苦い記憶が残ってるだけにまだまだ気を抜く訳にはいかないのだった。

2019年4月15日 (月)

神戸戦~渡の2ゴール

2019年4月14日 ヴィッセル神戸vs サンフレッチェ広島 ノエビアスタジアム神戸

 1点追う形でハーフタイムを迎え後半に入る。それでも大勢は変わらない。神戸がボールを持つと付いていけない。せめてイニエスタだけにはボールを入れさせたくない。といってそこだけマークしてると右に振り左に振られる。そうやって惑されるといつの間にかイニエスタがボールを持ってる。今度はどこに出してくるか。わからない。読めない。掴みどころがない。神戸の攻撃に完全に幻惑されてるのだった。
 プレスを掛けるも徹底的に取れない。逆にマイボールになった時には神戸の圧力に負けてロングボールに逃げる。するとそれをまた神戸に処理される。パトリックはターゲットとして機能してない。ついに交代を告げられると悔しそうに振舞ってた。自分でもうまくいってないと感じてたのだろう。だが代わりに入った皆川は得点力がない。その為、同点の期待は到底望めそうにないのだった。
 左サイドで柏と野津田がパス交換。そこから打開を試みるも神戸DFが集まり次第に窮屈になってくる。もうそこから攻撃を組み立てることがわかっているのでそこへ人数を掛けられる。その分、右にスペースがあったのだろう。中盤の底である川辺が右に上がるとボールが入りクロス。密集するゴール前。渡が競り勝つ。ボールが浮かぶ。野津田が当てた。更にゴールの前に立った柏が頭を振ることによりボールはゴールネットを揺らせたのだった。
追いついた、追いついた、追いついた。もう絶対このまま点が入らず終わるんだと思っていた。まさかまさかの展開である。柏も野津田もさっきまで左サイドいたのによくゴールエリアまで走ってきたものだ。混戦状態の中、訳も分からず入ったようにも見えたが決して偶然ではなかった。
このままいけば一先ず負けはない。アウェイで勝ち点1なら十分である。前半、追いついたと安堵すると簡単に勝ち越しゴールを再び決められたことがトラウマになっている。とくかく失点だけはふせぎたい。
 そう思っているとまたしてもイニエスタがペナルティーエリアに侵入してきた。吉野がマッチアップ。だが取れない。取れない、取れない、取れな。そしてCKに逃げたのが精一杯だった。
またしてもプレー。緊張が走る。イニエスタのキックには一瞬たりとも気が抜けない。が、 さすがに2回もやられたとあってこれは跳ね返すことができた。だが古橋のドリブルを防ぐ流れの中でまたしてもCK。今度蹴るのはポドルスキ。これをGK大迫キャッチ。それによりボールをつなげることができる。中盤を経由して縦パスが入ると川辺がドリブル。ペナルティエリアに侵入、そしてクロス。が、大きすぎた。と思ったら逆サイドでサロモンソンが拾う。クロス。フワッと浮いたクロスは誰も触ることができない。そう見えたそのボールに下がりながらも脚を投げ出した渡。それがヒットしゴールに入った。
逆転、逆転、逆転!2度追いついた後、逆転してしまった。しかもそれが渡のゴール。身体を投げ出すアクロバティックなシュートはかつてのエース、久保竜彦を思い出させた。そんな郷愁も入り混じりその喜びは僥倖と化すのだった。
このゴールは神戸の精神に大きなダメージを与えた。それからというものサンフレッチェに俄然勢いが増す。前半から飛ばしてる柏の運動量が止まらない。縦パスを受けると迷わずドリブル。DFに立ちふさがれるとまたぎのフェイント、そこから野津田へスルーパス。ボールに追いつきクロス。ゴール前、合わせた。渡のダイビングシュート。わずかな時間で2点も決めてしまった。そしてそのどちらもFWらしいゴールだった。
駄目押しとも言える追加点。この時間で2点差は大きい。ここから渡を稲垣、サロモンソンを清水と交代させていきいよいよ守備への意識を高める。ポドルスキの弾丸シュートは大迫が止め、DFが剥がされゴール前までの侵入にはボランチの松本がカバーをし、皆が最後まで走り神戸の攻撃に対処した。それが功を奏し2-4というスコアで終わることができたのだった。
イニエスタがいると勝てないのか。2度勝ち越された時にはそう思ってしまった。でもそれを追いつき追い越した。そして何よりもうれしいのは渡の2ゴールであった。
ストライカーというのは単純にゴールが多いだけではない。その選手が決めることによって大きく盛り上げチームを勢いづける性質を持つ。そんな存在になることを入団してきた時から期待していた。そしてこの試合の2つのゴールはその理想像に大きく近づくものであった。

2019年4月11日 (木)

大邱FC戦~PKによる先制

2019年4月10日 アジアチャンピオンズリーグ 予選リーグ サンフレッチェ広島vs 大邱FC 広島広域公園陸上競技場

 全国的に底冷えする気温の中、平日のナイトゲームに駆けつけてくれる観客はやはり少なかった。そういう意味ではホームの利を生かせてない。いや、元々韓国のチームとの対戦でそんなものは存在しない。あるのはむしろ不可解なPKの判定なのだった。
 5年前、1試合で2回PK判定を取られたことがあった。他のJリーグチームでもなぜか韓国のチームとやる時だけPKを取られる。これはピッチ以外の力が働いてる。そう考えるのは無理もない話だろう。
 そんな厄介な相手にどう戦うべきか。メンバーとして選んだのはリーグ戦の成熟した守備陣をそのまま使うことだった。その上でスターティングメンバーを4人変更。レギュラー組とアピールに努めたい選手のバランスの取れた布陣となった。
 渡、清水、東、稲垣がアピールをしたい4人である。攻撃に特徴のある選手が多いだけに積極的に攻撃を仕掛ける姿勢が出た。それが好転し早々にCKを得る。ここでせめて競り合いには勝ちたいと思うもヘッドで弾かれてしまった。ただクリアが上に行ってしまった故にセカンドボールを確保すればビッグチャンスが生まれる。そんな落下ボールの奪い合いの場面で野上が相手のキックを足に受けてしまった。次の瞬間、野上が倒れると共にホイッスルの甲高い音が響き渡ったのだった。
 駆け寄る主審。手はペナルティスポットを差している。PK、PKである。まさかそんなことがあるとは。PKが貰えたのである。
 ボールをセットしたのはドウグラス・ヴィエイラ。ゆっくりとした助走からのキック。んだGK。コースは合っていた。が、シュートの威力が上回っており、GKの掌を弾き飛ばして入ったのだった。
 先制点。うおおおお、やった。まさかまさかの展開である。だが浮足立ってはいられない。まだまだ試合は始まったばかり。大邱FCは追いつこうと際どいプレーをやってくるだろう。実際、渡などかなり強引なタックルを受けて倒された。でもそんなものに怯んでいる場合ではない。まだまだアピールしないといけない。
 DFの佐々木もオーバーラップでドリブルを仕掛ける。相手を抜いたとこで並走してきた渡がスイッチする。そしてドリブル、ドリブル。更にドリブルで入るとシュート。ファーサイド、わずかに空いてた隙間へと流し込んでいったのだった。
 入った、入った、入った!ゴール、ゴール、ゴール、ゴール!
 渡の元にチームメートが駆け寄る。ACL、2試合連続のゴール。2点差、このゴールは大きかった。そして何より渡のゴールというのが嬉しい。昨シーズンが消化不良で終わっただけに覚醒へのキッカケとなりそうな予感がした。そしてこの時気付いたのだった。柴崎、野上、佐々木といった今レギュラーを張ってる選手がJ2から移籍してきた選手が2年目以降に活躍したというのを。その実績を踏まえると渡も今がまさに日の昇る瞬間なのかもしれないのだった。
 かといって2点差ではまだ余裕がない。守備陣はゴール前にブロックを敷いて侵入を許さない。それでもコンビプレーにより最終ラインを抜かれそうになるも身体を当てシュートを前に飛ばさせない。シュートらしいシュートにいかせない。まさに鉄壁。そしてワントップのヴィエイラに代わって大型の皆川が入ったことにより、いよいよ守備固めに入るのだった。
 皆川は前線で競る。イーブンのボールだったら大抵は勝つことができる。その為に手を使って制空権を確保する。だがそんな競り合い中の肘が相手の顔に入り、カードを貰ってしまう。すでに1度カードを貰ってたので退場。1人少ない状態になってしまった。
 それでも不幸中の幸いなのが90分を迎えたということである。後はアディショナルタイムだけ。よりによってこういう時にゴール真正面にFKを与えてしまった。距離はあるけど狙ってきた。だがその弾丸のようなシュートはゴールバーの上を超えていった。それによりずい分と時間を稼ぐことができた。それによりそのまま2-0で勝つことができたのだった。
 ACL、2勝1敗。充分決勝トーナメント進出を狙える成績である。ここまで来たら狙うべきだ。でもそれでいてレギュラーでない選手を使わないといけない。勝ちつつも他の選手も使っていきたい。実に難しい課題に城福監督は取り組まなければいけないのだった。
 5年前はPKに泣いた。そして今回はPKで勝利のキッカケをつくってもらえた。審判には泣かされもし、笑わされもするって再認識させられた。果たしてアウェイの試合ではどうだろう。勿論そこは笑って終わりたいに決まっているのだが。

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     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
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