2026年2月28日 (土)

京都戦~同じパターンでの敗戦

2026年2月27日 サンフレッチェ広島 vs 京都サンガF.C. エディオンピースウイング広島


 金曜日のナイトゲーム。当初はチケット完売までいかなのではという杞憂もあったものの見事に満席とすることができた。ACLエリートとの並行で試合がある為この試合は4人をローテーションとして入れ替え出場のなかった選手のモチベーションを高めている。そして相手は昨シーズン一度として勝てなかった京都。特にラファエル・エリアスによっていつもやられてるだけに今度こそはという気概があるのだった。

 気温は気になる程低くないもののグラウンドには雨が降り注いでいる。スリッピーなピッチの上でどう戦うか。不確定性を考慮してワントップの木下を狙うことも考えられたもののこんなコンディションでもパスを繋ぐサッカーに拘りを見せるのだった。

 左右どちらからでも前線へとボールを移動させる様は主導権を握らせ後はフィニッシュへと繋げるだけであった。縦を閉じられれば中に出しクロスへの警戒を見せれば縦のポケットを狙う。もはやあとは決めるだけの状態になりそのゴールへの到達点を心待ちにのしていたものの最後のフィニッシュまで至らないのだった。フリックを駆使するなどして裏に抜け出したかと思うと加藤はシュートを打てずに終わってしまう。ああ、どうしてここで打たないんだともどかしさが募る。入らなくてもいいので打ってほしい。チャンスがある度に相手が寄せられ潰えてしまうのだった。

 シュートが打てない。有利に進めていながらシュートが打てないというのは昨シーズンのデジャブのようであり段々と悪い予感が漂ってくる。が、こういう時こそセットプレーを活かしたい。新井がセットしたCK。右サイドからインスイングで向かうボール。ニアに飛び込んだ荒木。強烈な弾道がゴール脇に突き刺さったのだった。

 荒木、荒木、荒木!

 この強烈なヘディング。荒木がいるといないとでセットプレーの脅威が全く違うものになる。開ケガで幕出遅れただけになった。

 これにより押せ押せムードになり更に京都ゴールに襲いかかる。セットプレーの混戦から最後キムジュソンが詰めた。ドッと沸いたスタジアム。だがこれはオフサイド。木下がラインを出てたようである。苦笑いが出てしまうもこの流れなら追加点もいける。後半に入りワントップの木下を鈴木章斗に交代すると更にギアアップする。ところが一向にゴールを割ることができないのだった。

 鈴木章斗がチャンスをつくり出している。そしてジャーメインもイーブンのボールをものとして強引に切り込む。だがその悉くを決めることができない。シュートが決まらない。その中でどうしても目立ってしまうのが加藤だった。中盤ではいい動きを見せるもののゴール前に行くとどうも躊躇してしまうのがもどかしいのだった。

 攻めても攻めても突き破れない壁を打ち砕くべく中野、川辺を入れテコ入れするもまだ割れない。そこで中島を投入する。守備の山﨑から攻撃の中島への交代は追加点を取るメッセージでもあった。実際に一度この中島の縦パスから相手ゴールへ迫った場面があった。が、どうにもこの辺りから京都の攻撃に対してプレスが効かなくなってしまったのだった。

 前に蹴っても前線で収められない。かといって近くのパスコースは閉じられてる。たまらなく出した松本泰志のバックパスは荒木の位置から大きく外れてしまい前向きでエリアスにインターセプトされてしまう。全速力で戻るDFも間に合わない。GK大迫と1対1のエリアスは最も簡単に脇を抜けるシュートを流し込んでしまったのだった。

 同点。何てことだ。あれだけ優位に進めてたのにたった1本のパスミスで簡単に追いつかれてしまった。本当に今シーズンは無失点で抑えることができない。そしてあれだけ攻めてもも決められないのにこうも易々とやられた事実に徒労感を感じざるを得ないのだった。

 それでも残りで奇跡を起こしたい。左サイドから志知が低い弾道のクロスを上げる。ゴール前を横切るも触れることすらできず素通りしていく。逆に最後は防戦一方。右サイドを押し込まれクロスを上げられるとゴール前で何人も守備で構えてたにも関わらずエンリケ・トレヴィザンにあっさりと決められてしまった。その時間わずか終了の数分前京都は残り10分の間に2点入れひっくり返してしまったのだった。

 このまま試合終了。無力感に襲われる。あれだけ攻めてたのに負けてしまった。その理由ははっきりしてる。FWの決定力の差である。毎回毎回エリアスにはやられる。もはやこの選手に決められるのは仕方ないのかもしれない。だからこそ追加点が必要だった。

 ストライカーとしての能力の差はしょうがない。だけど打てばいいのに躊躇してチャンスを潰し続けたのにはどうにも納得がいかない。どうもゴール前に行くとビビってしまう傾向がある。それがわかってるので相手の守備にも余裕が出てくる。だからやり切った感を感じない。負けたのだから気分がよくなるわけはないのだがやり切った感だけは感じたいものである。

 全試合失点をしている現状、得点がないのは致命的。果たして次の試合でそれは解消されるのか、そして次に対戦する時こそ京都には勝たないといけないという宿命を感じるのだった。

2026年2月16日 (月)

岡山戦~PK戦での勝利

2026年2月14日 100年構想リーグ サンフレッチェ広島 vs ファジアーノ岡山 エディオンピースウイング広島

 

 開幕2戦目。2月の真っ只中であるものの上空は青く晴れ、確実に春に近づいているという予感があった。透明感のある空気の中、両チームのサポーターの声援が鳴り響く。負けられないという想い。中国地方にこのような関係が生まれたのはJリーグもそれなりに歴史を刻んできた証左でもあるのだった。

 キックオフ。サンフレッチェはオリジナル10としてのプライドもありパスで組み立て遅行から塩谷が縦パスを入れる。それに反応したジャーメインが抜け出しグラウンダークロス。中に飛び込んだ鈴木彰斗。電光石火の攻撃に仕留めたと思ったもののオフサイド。天を仰ぐ鈴木彰斗。ただ、幸先のいいスタートとして好試合を予感させるものがあった。

 ところがこのプレーは岡山の方に火をつけた。Jリーグとしては後追いになる岡山としては勝ってその存在を知らしめたい。前線への動きに躍動感がある。一瞬の隙を見逃さない。そしてCKを得るとそのボールをクリアしてもなぜか前に飛ばない。岡山の気力の壁ができてるようにペナルティエリアから出ていかずルーズボールが右に逸れる。そこにいた江坂のボレー。相対してる選手はいたものの脇をすり抜けるとゴール前の密集もすり抜けファーサイドのネットに突き刺さってしまったのだった。失点。こともあろうに先に点を取ったのは岡山なのだった。

 またしても点を仰いでしまう。あまりにもあっさりと決められてしまった。どういう訳かクリアボールが敵に行きありえない軌道のシュートが飛ぶ。まるで岡山には魔力が宿ってる。それはオカルト的でも何でもなく気力の成せる技だった。岡山の選手、サポーターの熱意は何か目に見えない力を生み出しているのだった。

 だがここで負ける訳にはいかない。まだ試合は始まったばかり。ここから巻き返すぞと意気込むも崩れない。ボールは持つことができるものの最後まで行かない。どことなくそれは聳え立つ山麓を登っているような感覚。事実、岡山がボールを奪うと斜面を傾れ込むように前線へと向かっていきシュートまで辿り着く。ゴールにはならなかったもののその効率良さはサンフレッチェを遥かに凌駕するものだった。

 右に振り左に振っても崩れない。こうやって相手がブロックをつくったら点が取れないのは何年もサンフレッチェの抱えてる課題だった。それ故にサイドからクロスを上げては跳ね返されるというのが常だったもののこの日はクロスが上がらない。ショートパスを繋いでサイドからの切り崩しにかかる。だがこれも蓋をされる。ボールが下げられやり直し。そんなことばかりを繰り返し一向にフィニッシュへ持ち込めそうな気配がない。そんな時右にいたジャーメンはトップの鈴木彰斗に当てると逆サイドへ向けて猛ダッシュ。3人に囲まれるもキープした暁斗。ジャーメインの動きに呼応してヒール。目の前に転がり落ちたボールに反応したジャーメイン。ファーサイドへ向けてシュート。GKの手が伸びブロックされたもののシュートの勢いに押された。バチンと弾かれるとそのままゴールへと転がり込んでいったのだった。

 決まった、決まった、決まった。ジャーメインのゴール。昨シーズン、あれだけあったシュートチャンスを悉く外したジャーメインがこの大事な場面で決めた。正直もう流れの中では決めれないと諦めてた部分もあったがやはり決められるんだ。一体この瞬間をどれだけ待ち望んでいただろう。そんな感情が爆発し、スタジアムのボルテージは一気に高まるのだった。

 後半、その勢いは続くもののあともうひと推しをする為にドリブラーの小原に代えてアタッカーの加藤を入れる。それにより前線に違ったエッセンスが加わり相手の守備に混乱を与える。するとここで川辺のボールタッチから横に叩くと小倉にレイトタックルを受ける。うずくまる川辺。このプレーに主審はカードを提示するとこれが2枚目となり退場となるのだった。その瞬間川辺も立ち上がったことからファールを誘ったことは明白だった。若い小倉は川辺の老獪さの餌食になったのだった。

 これにより数的有利になったサンフレッチェ。東、ジャーメインを菅、中村と入れ替えていく。すると今度は中村の落としから中野が抜け出し豪快なシュートが突き刺さる。これで決まったと思いきやまたしてもオフサイド。いい展開でシュートが決まると必ずオフサイド。今日はそんな日なんだという気がしてしまった。

 そうこうしている内に時間は刻一刻と進んでしまい数的有利でありながらもそれが結果に結びつけることができない。割れない、割れない、どうしても割れないゴール前のブロック。ついにワントップの鈴木彰人に代え長身の木下を入れるもどうにも活かしきれてない。木下を狙ったクロスボールが入ることがない。ミドルシュートもない。ポケットを狙う動きばかりで相手も慣れてしまったのだろうか。

 攻めてるようで攻めきれない。ゴール前を固められてしまうとフィニッシュに持ち込めないという悪癖はここでも解消することができずこのまま終了となりPK戦へと突入してしまうのだった。

 PKについてはあまりいい思い出がない。GK大迫はJリーグでPKを止めたことがない。そしてキッカーも上手くないというイメージがある。だが今はトルガイがいる。木下がいる。中村もいる。この3人は当たり前のように決めてしまい安定感はあったものの岡山も失敗しない。だが4人目のキッカーでGK大迫が止めた。ここで菅がポストに当てるも内側に跳ねゴールに入ると5人目で岡山も決める。その後攻キッカーとして出てきたのが塩谷。そういえばPKを蹴ったのを見たことがない。一抹の不安が湧き上がるもののここでGKの動きの逆を突く。力の抜けたシュートが入ったことでサンフレッチェの勝利が決まったのだった。

 勝った、勝った、勝った。本来だと90分で勝ちたかったもののこれはこれでPK戦で勝ったという実績をつくることができた。カップ戦においてこれが自信として有利に働くことになるだろう。本来のリーグ戦ではあくまでも引き分け。でもPK戦で勝った。あくまでも今回はこのルールである限り勝利の喜びは萎えることなどないのだった。

2026年2月 7日 (土)

華々しき開幕戦

明治安田J1百年構想リーグ 地域リーグラウンド WESTグループ 1節 Vファーレン長崎 vs サンフレッチェ広島 PEACE STADIUM Connected by SoftBank


 華々しき開幕。と言いたいとこだがどことなく海の外のように感じられるのは文字通り海を越えた長崎での開催というのも大きいだろう。だがやはり平日開催というのがあまりにも大き過ぎるのだった。

 それでも他を差し置いて最初に持ってこられたというのは名誉なことでもある。そして長崎とのピースマッチというのも大きなインパクトがあるのだった。

 2月にしては寒さの緩いナイトゲーム。打ち出されたスタメンは大方の予想通りだったもののやはりこの中に怪我を負った佐々木と荒木の名前がないのは寂しい。ただここでキムミンギと山﨑がDFに入ることによってどれだけのインパクトを残せるのか注目したい。だがもっと注意が向くのは攻撃陣である。新加入の鈴木彰斗がいきなりのワントップに入ってるに加え、シャドーにレンタルバックの小原が入ってることだった。そこが昨シーズンとの違いとなり新たなエッセンスとなるべくキックオフからチームは躍動した。

 右から小原が至るとこにボールに絡めば左から加藤も顔を出し中央へ収まれば鈴木彰斗が強引にも前を向く。明確なるターゲット。どんな体制からもシュートに持ち込もうとする姿勢。これはチームにとって大きな推進力となるのだった。

 ゴール前を固められるとここをどうするかという課題を突きつけられる。ボールが回ってもフィニッシュまで辿り着かない。そんな遅行の中、塩谷がスルーパスを通す。抜け出た中野。ワンタッチでクロスと見せかけ切り返し。左足を振り抜きシュート。近距離での弾道はゴールファーサイドに突き刺さったのだった。

 先制。うおおおおおっと雄叫びをあげる。あのゴール前での落ち着き。2026年シーズンは中野のゴールによって切り開かれた。

 これに対して長崎のスタジアムはまるで息が落ちてない。まだ始まったばかり。これからだという闘志に満ちた声援がホームの長崎の選手に注がれる。事実、長崎はJ2からの昇格チームという負い目を全く感じさせない。むしろ昇格チームならではの勢いを感じさせるのだった。

 果敢に攻撃へと軸足を強める長崎を食い止めGK大迫のパントキックが飛ぶ。相手最終ラインに跳ね返されるかと思いきやヘディングは芯を捉えきれず後方へ。それを見逃さなかった鈴木彰斗。ルーズボールを掻っ攫うとペナルティエリアに持ち込む。DF1人追いつくも加藤がファーへ走る。そこへ流し込むかと思いきや右足を振り抜きシュート。スワーブの掛かったボールはゴールの隅に吸い込まれていったのだった。

 追加点。彰斗、彰斗、彰斗!昨シーズンあれだけ取れなかった追加点を早くも取ってしまった。鈴木彰斗のゴールを狙う姿勢。サンフレッチェに長らく不在だったストライカーがやっと現れたのだった。

 こうなるともう押せ押せである。相手が出てくれば出てくる程中盤での刈りが強まり川辺が相手を潰す。そこからの展開で左サイドにボールが出ると東がフリーで駆け上がる。懸命に戻るDF。早いタイミングのクロスは弧を描きファーに落ちるとそこにあわせたのが川辺。ダイレクトシュートは枠を捉えたのだった。

 川辺、川辺、川辺!

 今までこういうシュートが入らなかっただけにこの3点目には熱が入った。3点がみんな違う選手というのに加え皆違うパターンでの得点。点の取れない時期の閉塞感が解放されたような気がした。

 ここでメンバーを次々に入れ替える。特に前線の選手には期待した。ところがここからちっとも前でボールが収まらなくなり長崎がペースを握る。プレスが効かなくなったのをいいことに左サイドのスペースに出されるとノーマンキャンベルの快速が唸る。速い、速い、速い。新井も追いつけず深く抉られてのクロスはマテウスジュズスに簡単に合わされてしまったのだった。

 ああ、無失点で切り抜けなかった。いや、それ以上にこの1点は危ない。相手に反撃の勇気を与えた。マズい、マズい、マズい。防戦一方の中なんとかクリアでやり過ごす。その都度残り時間を確認する。アディショナルタイム6分。長い、長い、長い。それでも前線へ繰り出したことで前線でキープできたとこで終了の笛が鳴った。勝った。勝てた。どういう形であれ開幕戦を勝利で終わることができた。

 最後の劣勢はどうしてもネガティヴな要素として感じてしまう。いい時間帯のワクワク感はとてつもなかった。それだけに上手くいかなかったと思った選手は奮起をするだろう。それが更なる刺激を生む。そんな好循環を感じさせる。そんな予感を感じさせる開幕戦に晴れやかな気分は収まらないのだった。

2026年1月26日 (月)

宮崎キャンプでのプレシーズンマッチ 

2026124日 サンフレッチェ広島 vs 柏レイソル 宮崎キャンプ

 

 情報の一切ない中でスコアとサンフレッチェの得点者だけは公表された。

 

 

試合結果

 

サンフレッチェ広島 4-1 柏レイソル

 

得点者

 

山﨑大地
キムジュソン
加藤陸次樹
中村草太

 

(サンフレッチェ広島公式HP

 

 

 45分×3本の中でこのスコア。大量得点と言っていいのかどうかは判断の迷うとこであるが満足のいく結果と見ていいだろう。昨シーズンあれだけ点の取れなかったチームがこれまで順調に得点を重ねているのは好意的に見ていいのではなかろうか。

 中でも好意的な材料は加藤がコンスタントに得点を重ねてるというとこである。これはトップに鈴木章人というターゲットができた効果とも考えられる。やはり前線の選手が得点できるというのは多いな希望となるのだった。

 そしてもう一つ、得点者に山﨑とキムジュソンの名前があることだった。昨シーズン期待されつつも満足な出場時間を与えられなかった。怪我という不運もあったのは確かだがやはり出場してなんぼである。2人とも得点をしてるということはいいアピールをしてるということではないだろうか。

 ひとまず開幕までのJ1チームとのプレシーズンマッチはここまでとなるだろう。あとは開幕を待つのみ。待ち遠しいものの始まってしまえば行きつく暇もなくなるくらいに慌ただしい。それまで妄想の中をさ迷うのもこの時期ならではの充足感なのだった。

2026年1月19日 (月)

石垣島キャンプでの練習試合

 

2026118日 トレーニングマッチ FC東京 vs サンフレッチェ広島 糸満西崎陸上競技場

 

 4345分×3本という設定の試合。その中でのスコアの推移というのは以下の通り。

 

 

サンフレッチェ広島 3-4 FC東京
1本目】1-0
2本目】0-0
3本目】2-4

(サンフレッチェ広島公式HP

 

 

 常識的に考えれば1本目にベストメンバー同士の対戦となる訳だからそこで1点差で勝ってるというのは勇気づけられる。ただし、3本目に4失点食らってるというのはどうしても見逃すことはできない。点が取れなくても上位の順位に着くことができたのは失点数の少なさ。そう考えると守備のバックアッパーとしては脆弱なのかという懸念を感じた。

 とはいえこの3本目で2点とっているというのも見逃せない。攻撃での道筋をつけた。負けてる状況でのオプションとしては示すことはできた。そんな期待感をちょっと抱いたりしたのだ。

 未知数のガウル監督。少なくとも今は結果しか追えない今現在は凝り固まった停滞感を打破してくれてるような気がする。勝っても負けても好意的な想像を膨らますことができる。ある意味1年で一番幸せな期間なのかもしれないのだった。

2026年1月15日 (木)

チーム始動

2026115日 トレーニングマッチ サンフレッチェ広島 vs 福岡大学 サッカーパークあかんま

 

 バルトシュ・ガウル。そのドイツから来た若い新指揮官は一体どんなサッカーを志向しているのかベールの一端が見れるかもしれない。恐らくは去年までのスキッベ監督のサッカーを継続する形で上積みしていくというのは想像できる。ある程度の完成は見せたものの得点力のなさは歴然としていた。果たしてそこにどのようなテコ入れをするのか。その為に獲得した鈴木章斗は爆発力を発揮するのかというとこに注目された。

 が、発表されたメンバーの中に鈴木章斗は入ってない。それどころか茶島、菅、小原、鮎川、志知というメンバーとして絡めなかった選手が入っている。これが選手層の底上げを狙ってのことかそれとも違ったコンセプトを持ってるのか興味深いところだが、少なくともメンバーの固定化は現状ではしてないようだった。

 相手は大学生。それを割り引く必要はあるかもしれないが指導権を握って試合を進めていく。ボランチの小原がDFからのボールを引き出し中盤で相手を剥がすことにより左サイドのスペースに送る。そこに走りこむ志知がクロスを上げるとゴール前。いいボールは入りつつもそこに鮎川が合わせられない。最後が決まらない。今シーズンもそんな悩みが抜けることはないのだろうかと頭を抱えるのだった。

 同様に志知が何度か左サイドを駆け上がる場面が現れるもクロスは悉く合わない。シャドーの鮎川がレンタル先の大分でもそれ程実績を残せなかったのはこういうとこに現れてるのではなかろうか。だがもう一人のレンタルバックの小原はボールに絡み続ける。ビルドアップに参加したかと思うとバイタルエリアまで駆け上がり密集内をドリブル、ドリブル、ドリブル。ペナルティエリアに入るとシュート。決まった。あれだけゴール前を固められたのに強引に切れ込んだのは素晴らしかった。

 このゴールを皮切りに攻勢を強めるとジャーメインの起点となるボールキープが冴えてくる。たまらず相手のファールからFKを得ると菅が蹴る。ファーサイドに切れのいいボールが飛ぶとゴールライン際で志知の折り返し。それをゴール前でジャーメイン。当てるだけだったとはいえそこにポジションを取っていたことで2点目を入れた。すでに1回放ったヘディングシュートは枠を外れただけに本人としてもホッとしたのではないだろうか。

 ここで前半を終え後半に入るとメンバーを総入れ替えして本来のスタメンに近い顔ぶれとなる。すると風格のある落ち着いたプレーに前半との違いを感じた。ただ、前半は菅と志知のポジションチェンジやスピードに乗ったカウンターなどで躍動感と比べると物足りなさを感じた。どこか予定調和な動き。ゴール前を固められることによって攻め手をなくすと膠着感を感じるのだった。

 回しているけど攻め手がない。だがここでも左サイドに入った越道がサイドを抉るとそこから中央へ。加藤が詰める。ゴール前固められてるにも関わらずシュート。決まった。こういうとこで決めることができた。むしろこの状況でも打とうとした積極性が喜ばしい。これによりまた攻勢を強めるのだった。

 2点、3点、4点と入っていく。CKやドリブルなどシュートに至る過程も多種多様だ。これにより後半メンバーは前半メンバーにスコアの上で圧倒してしまったのだった。トータルスコア6-0というのは結果として上々の出来だろう。

 あくまでもプレシーズンの1試合。あまり喜び過ぎるのもよくないだろうと思いつつもサイドアタック一辺倒だった昨シーズンから明らかに別の要素は加わった。これでチーム内の競争も更に激しくなるだろう。そんな予感を感じることでまたしても開幕までの楽しみが大きくなっていった。実際にはどんなシーズンを迎えるかはわからない。でも今は楽観的な想像をする自由を享受していたいのだった。

2025年6月 4日 (水)

川崎戦~悔しき敗戦

2025531日 サンフレッチェ広島 vs 川崎フロンターレ エディオンピースウイング広島

 

 いつもいつもやられてしまう川崎。マルスコ加入時に勝って以来まるで勝てない。そして今回はそのマルコスが復帰している。今度こそ勝ちたい。今度こそ立ちふさがりたいとスタジアムの機運も高まるのだった。

 前から出て行って相手のポゼッションを押し下げる。徐々に押し込んでいく中でマイボールにするもその後が続かない。前線に自分で切り込むことができる選手がいないだけに攻撃に迫力がまるで出ない。そんな覚束なさに漂う内に川崎はどんどんポゼッション率を高めていった。パスが繋がって繋がって繋がりまくる。食いついては剝がされる。取りどころがない。奪えないことで防戦一方となってしまうのだった。

 人数で固めてもわずかな隙を縫って入ってくる。それでゴール前に人数を更に集めると今度は遠めからのクロスがフリーになる。フリーになれば正確なボールが飛んでくる。かと思えばマルシーニョが左からドリブルで侵入してくる。つかみどころがない。そんなワンサイドゲームで失点も時間の問題だったもののこれを無失点で切り抜ける。おお、よくやった。かつて大量失点で負けた相手だけに前半スコアレスドローというのはまずまずの結果であると安堵するのだった。

 そして後半に入るとジェルマンに代わって中村を入れる。するとスピードのある中村は右サイドから抉ってくる。縦へ切り抜けクロス。そこからゴールに雪崩れ込む展開。やはり中村が入ると活性化される。それだけに前半の無失点というのが大きな意味を持つようになるのだった。

 ところがそう思った矢先川崎にボールが渡るとするするすると中央を突破されゴール前へ迫られる。シュートブロックからクリア。セカンドボールは再び川崎に渡ると左サイドからペナルティエリアに入ると菅がマーク。だがオーバーラップした選手に縦に出されるとゴール前へ入れられる。GK大迫が触るもファーに流れるとマルシーニョ。ヘディングであっさりとゴールに入れてしまったのだった。

 やられた。

 無力感に支配される。なんだか何の苦労もしないで決めきってしまう。前線で頑張って頑張ってつないで最後の最後に決めきれないサンフレッチェとは正反対である。まだ1点差とはいえ得点力のないサンフレッチェにとっては絶望的な数字であるのだった。

 再び追いつくべく加藤に代え前田を入れる。更に東に代えマルコスを入れるという攻撃的布陣。パスと連動を駆使する相手に個での勝負を挑んでくるのは理に叶った選択であった。実際に中村、前田はボールを持つと仕掛ける。仕掛けることでチャンスは広がっていくのだった。

だが点は入らない。どんなに中村が個の突破でチャンスメイクをしようとも最後はやらせてもらえない。そんな中でのセットプレー。DFが上がってターゲットになる。跳ね返されるも攻撃は続く。左サイドに出るとそこから速い弾道のクロス。GKの前を横切ると荒木が詰めた。決まった。同点ゴールを叩き込んだのだった。

 アラキ、アラキ、アラキーッ!

 やはり決めたのはFWではない。相手の攻撃を防いで自らも得点をする。荒木の存在の大きさに感嘆する。スタジアムの熱気は一層高まる。いける、今度こそはいける。そんな機運が高まるのだった。

 イケイケ、押せ押せムード。あと一押し。今度こそ、今度こそはいける。決めろ、決めきろと誰もが願ってたその時だった。攻撃を防いだ川崎は前線へ長いボールを入れる。それに塩谷が追うもGK大迫との連携がズレることでゴールラインに逃れる。ひとまずはクリアしたもののあんなに圧倒的に攻めてたのにCKを与えてしまうのはあまりにも勿体ない気がするのだった。

 するとこのCKのボールをファーに放つと打点の高いヘディング。数名で競るも折り返され佐々木旭にあっさりと決められてしまったのだった。再び勝ち越し。アディショナルタイム。正に終戦であった。

 このままタイムアップ。無駄に攻めてただけに虚しさが大きかった。本当に川崎には勝てない。負けて負けて負けまくる。毎回毎回この惨めさを味わう。攻めてる時こそ危ない、それを痛感させられた。この苦い経験を糧とすることができればこの敗戦も意味はある。その為にもこの悔しさをじっくりと嚙み締めようと思う。

2025年5月26日 (月)

FC東京戦~4連敗のあとの5連勝

2025525日 FC東京 VS サンフレッチェ広島 国立競技場

 

 4連敗の後の4連勝。単純にこの数字は好意的にとらえることができ、スタジアムへと向かう足取りも意気揚々と軽くなる。が、相手のFC東京にはどうも煮え湯を飲まされた記憶が多い。先制点を入れても追いつかれる、もしくは圧倒的に優位に進めながらも最後は負けてしまった試合があまりにも多い。更に依然FWの決定力不足が解決してないことを思い出すと楽観的な感情は急速に冷え込んできてしまうのだった。

 オリンピックを契機に造られた国立競技場の階段を上り2階席ゴール裏を目指す。まだ建物は新築の清潔感を保っていて案内表示は自分の席を見つけやすかった。が、いざ席に着こうとするも通路が狭く身体が入れにくい。そしてそこから見下ろしたピッチというのは遠く離れているのはどことなく物足りなさを感じる。だからこそ断言できる。これを造った隈研吾、絶対にスポーツ観戦したことがないと。申し訳ないがここには一切のセンスも情熱も感じないのだった。

 それにも関わらず両ゴール裏はサポーターで埋め尽くされチャントが繰り広げられている。アップが終わりアイドルによる前座ショーにより時間を埋められるといよいよ選手入場である。バックスタンド前からは青赤の炎が上がりBGMが鳴り響く。一層熱を帯びる援。珍しくサンフレッチェはホームの紫ユニフォームにより登場するのだった。

 サンフレッチェは連勝中のメンバーをいじくらず王道を貫いてきた。キックオフで前からのプレスを掛ける。それが功を奏したのだろうか、右サイドで中野がアフターチャージを受け早々にFKを得る。ゴール目にラインを揃える両選手。新井の放ったボールはその山を超えファーに流れるも前田が拾い東に落とす。これをゴール前へクロス。DFGKの間を横切るボールに荒木が詰める。一度はポストに当たりながらも身体で押し込んだのだった。

 先制、先制、先制。早い時間での得点は幸先がいい。FWの得点力がない分DFの荒木が仕事をしてくれた。いける、この試合はいけるぞと歓喜に沸いてるところで試合が止まった。VAR。何と、今の場面でオフサイドの可能性があるというのだ。まさかなと思っていたものの主審の笛が鳴り響き判定はオフサイド。ノーゴールとなってしまった。なんてこった。とんだぬか喜びだったと水を差されたもののこの判定には疑問が残る。後で映像で確認もしたもののやはり首をひねりたくなる判定ではあった。いずれにしてもこれで仕切り直しであった。

 その後というもの、両者前に出れず中盤でボールが行きかうだけの硬直状態となった。サンフレッチェもそれを打破しようと右サイドから前田が個での突破を試みるもことごとく閉じられてしまう。カウンターの機会もあったものの前田の放ったシュートは枠を大きく外れてしまう。凡庸で波のない試合。こういう試合は1点取った方が勝ち、そんな様相を呈しながらハーフタイムを迎えるのだった。

 どうにもパッとしない。それは残念ながら両方のチームに言えることだった。後半へのテコ入れに前田に代わって中村が入った。大方の予想通りであったがこの中村、右サイドからの仕掛けを積極にやっていく。そこでぬけていくと前線の選手がなだれ込む。それが引き金となってチャンスはひろがりチームも前を向けるようになるのだった。その流れの中、左サイドで受けた東がクロス。スワーブの掛かったボールが落ちると荒木が飛ぶ。打点の高いヘディング。GKの逆方向へと向かったボールはゴールに吸い込まれたのだった。

 決まった。どわああああっ、と立ち上がるアウェイゴール裏。狂喜乱舞。いつもヘディングで競り勝つ荒木が今度は決めた。均衡を破る先制ゴール。前半の幻のゴールを取り返した。今度は正真正銘文句のつけようのないゴールだった。

 これにより勢いづいたサンフレッチェはより攻勢を強める。そしてやはり切り崩すのは右サイドからの中村のドリブル。クロスはDFにカットされGKへバックパス。これをクリアするも当たり損ね中途半端になるとこぼれ球をジャーメイン。ダブルタッチで左足に持ち替えるとシュート。これがGK野澤をすり抜けゴールに突き刺さったのだった。

 決まった。再び立ち上がるアウェイゴール裏。散々得点力がないと言われたFWジャーメイン。PK以外で初めてのゴールということでやっと決まったという想いが弾ける。決めて欲しい人が決める。これこそチームにエナジーを与える要素なのだった。

 そこからはもうイケイケムードである。相手が前掛かりに来たのを逆手に取ってカウンター。ここで加藤がゴール前まで持ち運ぶとDFの裏へスルーパス。これをジャーメインが打つ。2ゴール目かと思ったそのシュートはゴールの枠逸れて転がって行ってしまうとサポーターはガクッと腰砕けになってしまう。そして今度は逆にジャーメインが出したスルーパスに加藤が入るもシュート入らず。ああ、やっぱりFWの決定力の低さは改善してないのだった。

 そんな時に得点を重ねる絶好の機会が訪れる。エリア内で入り乱れたボールが相手ハンドを誘いPK。キッカーとして加藤がセットするのだった。未だに1ゴールしかない加藤にとっては重要であった。それを後押しするかのような加藤コール。そして主審のホイッスルで静粛に包まれる中蹴った。軌道はGKの逆。その瞬間立ち上がろうとしたサポーター。が、逸れていった。ゴールの脇大きく外れてボールは飛んで行ったのだった。

 ああ、外した。外すにしてもあそこまで外すとは。チームの勝利を決定づけることができなかった以上に加藤自身の記録を伸ばすことができないのだった。

 次、次。それでもポジティブな声が聞こえる。確かにゴールの少ない選手であるが前線でのプレス、中盤でのボールキープというとこでは多大なる貢献をしている。ジャーメインにしても前線での踏ん張りは誰もが認めてるとこである。だからこそ結果を出してほしいという願望も大きくなるのだった。

 そんな想いの中終盤に向けてラストスパートを繰り広げる。またしても右からの突破により中村が抉るとマイナスにパス。これを3列目から飛び出した川辺のシュート。強烈な弾道が飛ぶとDFの足に当たりながらもゴールにぶち込まれてしまった。

 3点目。川辺2試合連続ゴール。これで試合は決まった。アウェイゴール裏のお祭り騒ぎが止まらない。川辺もやっとぼくらの期待値のパフォーマンスをするようになってきたことに深い安堵と僥倖を感じる。そしてこのまま試合は終わり0-3で勝利することができたのだった。

 低調な前半と活況を呈した後半。相手にとって不運だった負傷交代のアクシデント。4連敗した時には今シーズンは残留争いだと覚悟していた。ほんのちょっとのボタンの掛け違いで変わってしまう。その要素の中には国立競技場との相性の良さもあるかもしれない。それでもよくあの泥沼から這い上がったといつまでも称賛の拍手が収まらないのだった。

2025年4月 8日 (火)

セレッソ戦~逆転勝利

2025年4月6日 サンフレッチェ広島 vs セレッソ大阪 エディオンピースウイング広島


 前節の結果を踏まえて中3日にも関わらずほぼメンバーを替えずに元セレッソだった加藤はベンチスタートとなった。その加藤のポジションには前田が入る。圧倒的なスピードとドリブルで仕掛けていきたい。むしろ前田のスタミナが切れる前にいかに得点できるかが鍵となりそうだった。

 この日も満員のスタジアムで試合が始まるとワントップのジャーメインは果敢に前線でのプレスを行いジェルマンも献身的にボールを追う。前線からの連動したプレス。高い位置でのボール奪取が行われると前田のスピードが前線を切り裂く。それに対してセレッソは最後を閉じるも田中が中盤でボール奪取。トップのジャーメインへ当てると前を向きスルーパス。前田が走り込むもタイミングが合わなかった。惜しい。完全に崩した場面だけに勿体無さを感じるも勢いはサンフレッチェにあるような気がしたのだった。

 ところがその時である。GKからの繋ぎで中盤に入る。そしてチアゴ•アンドラーデが受けると中央を切り裂くドリブル。縦に縦に突き抜ける。懸命な走りで中野が戻るもペナルティエリアの前。何とかシュートコースに入ったもののスルーパス。オーバーラップした北野が抉りGKとDFの間へグラウンダー。そこへルーカス•フェルナンデスが入った。ワンタッチで押し込む。電光石火のカウンターにより先制点を与えてしまったのだった。

 やられた。またしてもカウンターだ。しかもこの起点はジャーメインのラストパスが前田に渡らなかったことに起因する。イケイケでゴールは時間の問題と思ってた矢先にやられたのは精神的なダメージが大きそうだった。

 だがこんな逆境にも関わらずホームの声援は止まらない。悲観する暇はない。出足早く相手の攻撃を潰す。田中のボール奪取から縦へのスルーパス。ジャーメインが追いつきコントロール。これを横パスによって逆サイドに振ると新井。止めてからのシュート。ニアに放ったボールは決して威力はなかったが巧みなコースを進むゴールに入っていったのだった。

 アライ、アライ、アライーッ!

 早い時間での同点。これは先制の勢いに乗る相手の出鼻をくじくには大きな効果があった。これで振り出し。いやむしろメンタル的には有利に立てたとさえ思ってしまうのだった。

 ところがここからセレッソはサンフレッチェのプレスを掻い潜るパスワークを見せ始まる。プレスに行けば行く程間を通される。サイドに渡るとクロス。中央で合わせられるも枠に入らない。助かった。だがその後もロングボールを蹴ればDFで処理されセレッソの攻撃は終わることがないのだった。

 守って守って守りきって前半は終わった。この悪い流れを切るべく新井に代えて塩谷を右ストッパーで入れる。そして中野がDFから右サイドへとポジションを上げると右サイドを起点に攻撃が活性化する。前田、ジャーメインがペナルティエリアに入る機会が増える。その流れで前田の股抜きから中野がシュート。完全に相手DFの裏を取ったもののGKキムジンヒョンのブロックに遭う。こういう決定的な場面が続いた。これにアクセルを踏むためにジェルマン、菅に代え中村、東を入れる。が、ショートカウンターからの流れで東がシュートするも枠外。決定力という難題がここでも露呈してしまうのだった。

 かくなる上は右サイドでラインアウトすると中野がロングスローを投げる。これにジャーメインが頭に当てるも枠外。その後、荒木がヘディングするもこれも枠外。ただDFの荒木が上がって来る辺り、完全にスローインをセットプレーとして使っているのだった。これが中野のポジションを上げることの利点でもあるのだった。

 ただし結果として現れてこない。最後の最後、枠に入れられない、シュートが阻まれる。いつの間にか90分に近づきもはや引き分けで終わりだろうかと思った。だがここで再び中野のロングスロー。右サイドからライナー性のボールが飛ぶと荒木が飛び込みファーへ流す。これを中村ダイレクトで蹴り込むとGKとDFの間。正面で加藤が潰れる。その後ろで突っ込んだのは荒木。身体ごとねじ込みつつゴールに押し込んだのだった。

 決まった、決まった、決まった。この時間のゴールは決勝点に近い。逆転、勝ち点3だ。

 そんな喜びも束の間、VARチェックが入る。固唾を飲んで見守る。スタジアムには不穏な空気が漂う。そんな中下された判定はゴール。荒木はオフサイドラインにはギリギリ入ってたようだった。

 それでもアディショナルタイムとして掲示された時間は7分。決して引き過ぎることなくかと言って無茶な攻撃にも出ない手堅いプレーを続けることによって試合を終えた。2-1、2試合続けての1点差の勝利であった。

 連勝。この試合での勝利は大きい。これによって2位に躍り出ることができた。いいポジションにつけている。とはいえ勝ち点にそれ程差の出ない昨今のJリーグ。現状の順位など砂上の楼閣でしかない。それ故にこうして階段を一歩一歩登っていくことに充足感を憶えるのだった。

2025年4月 3日 (木)

鹿島戦~緊迫の中での勝利

2025年4月2日 サンフレッチェ広島 vs 鹿島アントラーズ エディオンピースウイング広島


 オリジナル10の強豪、鹿島アントラーズ。今シーズンは正にそのレッテルを実践し首位を走っている。強固な守備、技術に富む中盤、強力なFW。そこには勝つ為の要素が凝縮され厳しい戦いになるのは容易に予想できた。

 平日にも関わらず満員になったスタジアム。両者のサポーターの声援はいつも以上に大きい。その声と熱気が渦巻く中始まった試合は鹿島がボールを支配していく。前からのプレスはいなされ縦パスを通される。そして次々と前に運ばれサイドのドリブル。そこからエグられると中央にはレオセラナがいる。更に鈴木優磨は至るとこに顔を出してボールに関わる。相手の良さを消すというよりも自分達のスタイルを貫き通す。実際にそれで相手は良さを出せないといった自力の強さを感じるのだった。

 そんな中躍動したのが新加入の前田だった。入団2試合目にしてスタメンに繰り出すとスプリントを繰り返し前線を活性化させる。ペナルティエリアに入りドリブルで仕掛け塩谷とのワンツーからシュート。これは力無く転がりGK早川に処理されるも早速その存在感を見せつけるとその後何度もゴールへ向かっていく動きを見せるのだった。

 左右のどちらにも顔を出し持ったら自らドリブルで仕掛ける。パス主体のチームにあってそれは相当なアクセントとなり相手守備網を揺さる。鹿島優位に進んでた試合はサンフレッチェに傾きつつあった。だがその時である。一発のロングボールがゴール前へ入れられる。チャヴリッチが走る。速い。川辺がカバーに入りGK大迫が飛び出すとキャッチをするも接触。しばらくうずくまる結果となってしまった。

 チャヴリッチの尋常ではないスピードに驚く。サンフレッチェに前田がいる反面鹿島にチャヴリッチがいる。改めてこの試合の難しさを感じたもののその後プレーに戻ったチャヴリッチはうずくまる。接触によるダメージは脳震盪と判断され負傷交代したのだった。

 これにより前田のスピードが一層目立つようになっていく。恐らく90分通すことは考えてないのだろう。走って走って走りまくる。そしてペナルティエリア内ではドリブルで仕掛ける。ゴール前の守備人数が多くなる。すると前田の陰に存在が霞んでいたジャーメインが新井のスローインを受ける。マークを受けつつ反転。相手を出し抜きゴールライン際まで持ち運ぶとゴール前へ入れる。前田のシュート。GK早川跳ね返す。ジェルマンが当てる。そのボールが前田にこぼれると打った。至近距離のシュートはGK早川も反応できずゴールに叩き込まれたのだった。

 マエダ、マエダ、マエダーッ!

 加入2試合目にして早速結果を残した。前線のアクセントのなさ、最後を決め切る決定力、サンフレッチェになかったピースが嵌った。いい補強だった。これ程理に適った補強はないのだった。

 この先制点により前田の勢いは尚のこと進む。左からワンツーでファーに蹴り込む。思わず2点目と立ち上がりかけたものの枠を逸れてしまう。この勢いのまま追加点を入れたかったものの前半を終えるのだった。

 後半、右CBを塩谷から中野へ代える。ここ数試合カウンターで失点してることを考えると理に適ってる。守備だけでなく攻撃にも顔を出す塩谷にはスタミナへの負担が大きい。スキッベ監督もようやくそこに対処するようになったのだ。

 ところが鹿島のビルドアップは容易に止めることができず前線まで運ばれてしまう。曲面曲面ではプレスをかけてはいるものの負けることなく剥がされてしまう。プレスを掛ければ掛ける程裏返されてしまう。そこは個々の選手の技術の高さを感じてしまうのだった。

 追加点を挙げたいものの鹿島に傾いた戦況は変わることがなく、先制点を叩き出した前田を下げ加藤を入れる。更にその後中島、東を投入するも戦局は変わらない。それどころか出場僅か5分で中島は負傷交代。無理を押して出たのであれば何とも勿体無い話である。中村が交代して入ったのだった。

 両者の激しいプレーが続く。こじ開けようとする鹿島に守るサンフレッチェ。球際の攻防が激しくファールになる場面も多くなる。最後はもうこの1点を守るべくゴール前を固める。クリアしてもクリアしても相手ボールになる苦しい展開の中、やっと終了の笛を聴くことができたのだった。

 疲れた。ドッと疲労感を感じた。お互い負傷交代者も出した激しい試合だった。1-0という最低限の勝利である。が、この1点を守ったというのが大きい。そして勝利を目指す上においてこういうタフな試合をこなしていかなければいけないことを思い知らされるのだった。

 3試合ぶりの勝利に酔いしれながらもすぐに次の試合はやってくることに気づき、我に返る。勝てば勝つ程苦しくなる。この苦しさも含めて楽しさでもあるのだった。

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     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
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  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

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