『一流』
「一流」と書き「はじめりゅう」と読む。上手いネーミングだと思う。その森保一著の『一流』、年末に発売されたにも関わらずこの時期になってやっと読んだのは理由があった。手に入らなかったのだ。なぜかぼくの行くとこ行くとここの本が売ってなかったのである。
さすがにサンフレッチェの優勝記念で急遽出版されたような本だから普通の人は買わないだろう。ましてやぼくの住む千葉で売ってないのは仕方のないことだろう。だけど実家の山口に帰った時山口でさえ売ってなかったのには驚いた。広島の隣というのに。そこで業を煮やしたぼくは近所の書店で注文することにした。最初からこうすれば良かったんだ。と思ったらしばらくして入った連絡は入荷不可能との返答だった。
もうこの本には縁がない。そう思いもう購入することを諦めていた。そうすると先ほどの入荷不可能と連絡をしてきた書店の本棚を観てるとなぜか置いてあったのだ。一体どういうことだ?探してる時は手に入らないで探してない時に見つかる、世の中どうしてこうミスマッチな現象が起こるのだろう。
それはいいとしてやっと手にしたその書籍、森保一のサンフレッチェへの愛情へ満ちていた。いつかは監督をやりたい、いつかはサンフレッチェで指揮を執りたいとは思ってたがそれが思いがけないタイミングでやってきた。サンフレッチェや新潟でのコーチの経験、アンダー世代の代表でのコーチの経験を考えれば機は熟していたのかもしれない。だけど当初監督森保について誰もが疑問を持ってたのは事実だった。
だけど森保はサンフレッチェを優勝させた。それは森保の能力というより前監督のペトロビッチのサッカーを上手く受け継いだからである。だけどそのサッカーを継承させたというのが素晴らしい。一人の監督として前任者の創ったスタイルを踏襲するというのはプライドも邪魔するだろうし虚栄心も妨げになるかもしれない。だがそれを上回るサンフレッチェに対する愛があった。そう、森保の監督成功の秘訣はクラブへの愛なのだ。
それにしてもと思う。あの人気のなかったサンフレッチェにどうしてそこまで愛着を持てたのだろう。それはぼくを含めずっと応援してたサポーターも同じだが人気がなかったからこそ何とかしなければという想いは強かった。自分が離れればこのクラブはつぶれてしまうという危機感さえあった。その感覚を肌で知ってるからこそ成し遂げたのだろう。
そんな森保監督、見事就任1年目で優勝を果たしたが2年目はどうだろう。この本を読んでますます興味が沸いてくるのだった。
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