ユース優勝ならず
2009/12/27 Jユースサンスタートニックカップ決勝 サンフレッチェ広島ユースvs FC東京U-18 長居陸上競技場
「ユース惜しかったなあ。2-0で負けたよ。でも退場者出したししょうがないかな」
その仲間の言葉にサンフユースが負けたのを知った。不覚にもこの時間眠っていたのだった。午前中サッカーの練習があって体力を使いきりぼくには昼寝をせずにはいられなかった。
「でもあれで退場はないよね。FC東京の攻撃もすざましかったけど退場が出てからの方が展開として良くなってたのは評価できるね」
「そうだねえ。それを含めて審判ってヘタだったよね。まあ結果的に2失点で終わったのは良かったんじゃないかな。最初の失点なんてGKがパンチングしてれば防げたんだから。それを取ろうとして後ろに逸らしてしまったでしょ。1点差だったらGKの立場としてきつかったんじゃないかな」
「それにしてもユースもトップと同じようなミスをするんだね。横パスを掻っ攫われたり、確かにトップと同じ戦術をやってたんだけどミスまでトップと同じことをしてたなあ」
敗戦を惜しみながらもドクトルは笑っていた。そしてその試合の経過を振り返りながらも次第に頭数が揃い居酒屋チェーン店に入り込むのだった。忘年会と言えばそうなんだがそれは単なるかこつけで気が向いたらその都度こうやって集まってるだけだった。ただ、こうやって集まる仲間の中には長居まで行くということで不参加の連絡を受けてた。
「そういえばあの人とこの人TVにバッチリ映ってたね。何だか広島の応援ばかり映してたからなあ」
「そりゃFC東京の応援がいなかったからでしょ。そりゃ大阪じゃ行かないでしょ。東京だったら行くんでしょうけどね。まあ東京だったらぼくらも観に行ったでしょうけど」
これを聞いた時ぼくは一瞬考え込んでしまった。そもそもこの日がユースの決勝なんてことを知らなかった。そりゃ決勝進出が決まった頃には知ってたがユースの大会までチェックはしてない。長居に行った仲間などは日程をちゃんと押さえてるということ以上に決勝に進むということまですでに構想に入ってたということだ。いやはや、恐れ入ったものである。
「結局今年はユースからの昇格って大崎だけだったよね。広島ってユース出身のFWって大成しないよね。この年代では抜けてるんだろうけど今日は目立たなかったなあ。トップに上がってどうなるんだろうなあ」
「やっぱりピークの早い遅いっていうのはあるみたいですよ。ユースの時王様のような存在だったけどプロになって伸びないっていうのはそういうのもあるみたい。それと広島の場合親の存在も大きいらしいですね。ユースでの活躍ですっかりのぼせてしまってる親もいるらしいですよ。それが甘えとなってしまうんでしょうね」
この辺はどこまで本当なのか分からない。でもぼくらはそれはそれで構わないのだ。ユースで型破りな存在感を魅せてた選手がプロに入って最初はチョコッと活躍して2年目以降段々日の目を見なくなって気付いたらいなくなってる。そんな事例にあの才能ある選手がどうして開花しなかったのかぼくらは理由を探したくなる。そしてその行き着いた結論は噂話や推論から導き出されるのだ。時としてそれはひどく的外れでもあろうしオカルトめいたこともあるだろう。だけどそんなこと構いやしないのだった。これが飲み屋での会話の終着点なのだから。
「だけど再来年宗近が上がってきてくれないかな。広島ってどうも身長のない選手が多いからな。ああいう背の高いDFは欲しいよ。まあユースが身長が伸びるかどうかというのは本当に未知数だからしょうがないんだけどやっぱり背の高い選手も入れときたいよ」
ユースというのは限りなく未知数な領域である。それに取り組んで毎年プロの選手を送り込んでるサンフレッチェユースはやっぱり素晴らしい。それなのにJリーグアウォーズで最優秀育成チームにサンフレッチェが選ばれなかったのはおかしいという声が上がった。それは浦和が何も賞を貰えないのはマズイからだとかまた陰謀論が巻き起こる。そしてそんな疑惑と推論の追及に時間を費やし気付いたら5時間が経っていたのだった。


最近のコメント