FC東京戦~4連敗のあとの5連勝
2025年5月25日 FC東京 VS サンフレッチェ広島 国立競技場
4連敗の後の4連勝。単純にこの数字は好意的にとらえることができ、スタジアムへと向かう足取りも意気揚々と軽くなる。が、相手のFC東京にはどうも煮え湯を飲まされた記憶が多い。先制点を入れても追いつかれる、もしくは圧倒的に優位に進めながらも最後は負けてしまった試合があまりにも多い。更に依然FWの決定力不足が解決してないことを思い出すと楽観的な感情は急速に冷え込んできてしまうのだった。
オリンピックを契機に造られた国立競技場の階段を上り2階席ゴール裏を目指す。まだ建物は新築の清潔感を保っていて案内表示は自分の席を見つけやすかった。が、いざ席に着こうとするも通路が狭く身体が入れにくい。そしてそこから見下ろしたピッチというのは遠く離れているのはどことなく物足りなさを感じる。だからこそ断言できる。これを造った隈研吾、絶対にスポーツ観戦したことがないと。申し訳ないがここには一切のセンスも情熱も感じないのだった。
それにも関わらず両ゴール裏はサポーターで埋め尽くされチャントが繰り広げられている。アップが終わりアイドルによる前座ショーにより時間を埋められるといよいよ選手入場である。バックスタンド前からは青赤の炎が上がりBGMが鳴り響く。一層熱を帯びる援。珍しくサンフレッチェはホームの紫ユニフォームにより登場するのだった。
サンフレッチェは連勝中のメンバーをいじくらず王道を貫いてきた。キックオフで前からのプレスを掛ける。それが功を奏したのだろうか、右サイドで中野がアフターチャージを受け早々にFKを得る。ゴール目にラインを揃える両選手。新井の放ったボールはその山を超えファーに流れるも前田が拾い東に落とす。これをゴール前へクロス。DFとGKの間を横切るボールに荒木が詰める。一度はポストに当たりながらも身体で押し込んだのだった。
先制、先制、先制。早い時間での得点は幸先がいい。FWの得点力がない分DFの荒木が仕事をしてくれた。いける、この試合はいけるぞと歓喜に沸いてるところで試合が止まった。VAR。何と、今の場面でオフサイドの可能性があるというのだ。まさかなと思っていたものの主審の笛が鳴り響き判定はオフサイド。ノーゴールとなってしまった。なんてこった。とんだぬか喜びだったと水を差されたもののこの判定には疑問が残る。後で映像で確認もしたもののやはり首をひねりたくなる判定ではあった。いずれにしてもこれで仕切り直しであった。
その後というもの、両者前に出れず中盤でボールが行きかうだけの硬直状態となった。サンフレッチェもそれを打破しようと右サイドから前田が個での突破を試みるもことごとく閉じられてしまう。カウンターの機会もあったものの前田の放ったシュートは枠を大きく外れてしまう。凡庸で波のない試合。こういう試合は1点取った方が勝ち、そんな様相を呈しながらハーフタイムを迎えるのだった。
どうにもパッとしない。それは残念ながら両方のチームに言えることだった。後半へのテコ入れに前田に代わって中村が入った。大方の予想通りであったがこの中村、右サイドからの仕掛けを積極にやっていく。そこでぬけていくと前線の選手がなだれ込む。それが引き金となってチャンスはひろがりチームも前を向けるようになるのだった。その流れの中、左サイドで受けた東がクロス。スワーブの掛かったボールが落ちると荒木が飛ぶ。打点の高いヘディング。GKの逆方向へと向かったボールはゴールに吸い込まれたのだった。
決まった。どわああああっ、と立ち上がるアウェイゴール裏。狂喜乱舞。いつもヘディングで競り勝つ荒木が今度は決めた。均衡を破る先制ゴール。前半の幻のゴールを取り返した。今度は正真正銘文句のつけようのないゴールだった。
これにより勢いづいたサンフレッチェはより攻勢を強める。そしてやはり切り崩すのは右サイドからの中村のドリブル。クロスはDFにカットされGKへバックパス。これをクリアするも当たり損ね中途半端になるとこぼれ球をジャーメイン。ダブルタッチで左足に持ち替えるとシュート。これがGK野澤をすり抜けゴールに突き刺さったのだった。
決まった。再び立ち上がるアウェイゴール裏。散々得点力がないと言われたFWジャーメイン。PK以外で初めてのゴールということでやっと決まったという想いが弾ける。決めて欲しい人が決める。これこそチームにエナジーを与える要素なのだった。
そこからはもうイケイケムードである。相手が前掛かりに来たのを逆手に取ってカウンター。ここで加藤がゴール前まで持ち運ぶとDFの裏へスルーパス。これをジャーメインが打つ。2ゴール目かと思ったそのシュートはゴールの枠逸れて転がって行ってしまうとサポーターはガクッと腰砕けになってしまう。そして今度は逆にジャーメインが出したスルーパスに加藤が入るもシュート入らず。ああ、やっぱりFWの決定力の低さは改善してないのだった。
そんな時に得点を重ねる絶好の機会が訪れる。エリア内で入り乱れたボールが相手ハンドを誘いPK。キッカーとして加藤がセットするのだった。未だに1ゴールしかない加藤にとっては重要であった。それを後押しするかのような加藤コール。そして主審のホイッスルで静粛に包まれる中蹴った。軌道はGKの逆。その瞬間立ち上がろうとしたサポーター。が、逸れていった。ゴールの脇大きく外れてボールは飛んで行ったのだった。
ああ、外した。外すにしてもあそこまで外すとは。チームの勝利を決定づけることができなかった以上に加藤自身の記録を伸ばすことができないのだった。
次、次。それでもポジティブな声が聞こえる。確かにゴールの少ない選手であるが前線でのプレス、中盤でのボールキープというとこでは多大なる貢献をしている。ジャーメインにしても前線での踏ん張りは誰もが認めてるとこである。だからこそ結果を出してほしいという願望も大きくなるのだった。
そんな想いの中終盤に向けてラストスパートを繰り広げる。またしても右からの突破により中村が抉るとマイナスにパス。これを3列目から飛び出した川辺のシュート。強烈な弾道が飛ぶとDFの足に当たりながらもゴールにぶち込まれてしまった。
3点目。川辺2試合連続ゴール。これで試合は決まった。アウェイゴール裏のお祭り騒ぎが止まらない。川辺もやっとぼくらの期待値のパフォーマンスをするようになってきたことに深い安堵と僥倖を感じる。そしてこのまま試合は終わり0-3で勝利することができたのだった。
低調な前半と活況を呈した後半。相手にとって不運だった負傷交代のアクシデント。4連敗した時には今シーズンは残留争いだと覚悟していた。ほんのちょっとのボタンの掛け違いで変わってしまう。その要素の中には国立競技場との相性の良さもあるかもしれない。それでもよくあの泥沼から這い上がったといつまでも称賛の拍手が収まらないのだった。
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