鹿島戦~緊迫の中での勝利
2025年4月2日 サンフレッチェ広島 vs 鹿島アントラーズ エディオンピースウイング広島
オリジナル10の強豪、鹿島アントラーズ。今シーズンは正にそのレッテルを実践し首位を走っている。強固な守備、技術に富む中盤、強力なFW。そこには勝つ為の要素が凝縮され厳しい戦いになるのは容易に予想できた。
平日にも関わらず満員になったスタジアム。両者のサポーターの声援はいつも以上に大きい。その声と熱気が渦巻く中始まった試合は鹿島がボールを支配していく。前からのプレスはいなされ縦パスを通される。そして次々と前に運ばれサイドのドリブル。そこからエグられると中央にはレオセラナがいる。更に鈴木優磨は至るとこに顔を出してボールに関わる。相手の良さを消すというよりも自分達のスタイルを貫き通す。実際にそれで相手は良さを出せないといった自力の強さを感じるのだった。
そんな中躍動したのが新加入の前田だった。入団2試合目にしてスタメンに繰り出すとスプリントを繰り返し前線を活性化させる。ペナルティエリアに入りドリブルで仕掛け塩谷とのワンツーからシュート。これは力無く転がりGK早川に処理されるも早速その存在感を見せつけるとその後何度もゴールへ向かっていく動きを見せるのだった。
左右のどちらにも顔を出し持ったら自らドリブルで仕掛ける。パス主体のチームにあってそれは相当なアクセントとなり相手守備網を揺さる。鹿島優位に進んでた試合はサンフレッチェに傾きつつあった。だがその時である。一発のロングボールがゴール前へ入れられる。チャヴリッチが走る。速い。川辺がカバーに入りGK大迫が飛び出すとキャッチをするも接触。しばらくうずくまる結果となってしまった。
チャヴリッチの尋常ではないスピードに驚く。サンフレッチェに前田がいる反面鹿島にチャヴリッチがいる。改めてこの試合の難しさを感じたもののその後プレーに戻ったチャヴリッチはうずくまる。接触によるダメージは脳震盪と判断され負傷交代したのだった。
これにより前田のスピードが一層目立つようになっていく。恐らく90分通すことは考えてないのだろう。走って走って走りまくる。そしてペナルティエリア内ではドリブルで仕掛ける。ゴール前の守備人数が多くなる。すると前田の陰に存在が霞んでいたジャーメインが新井のスローインを受ける。マークを受けつつ反転。相手を出し抜きゴールライン際まで持ち運ぶとゴール前へ入れる。前田のシュート。GK早川跳ね返す。ジェルマンが当てる。そのボールが前田にこぼれると打った。至近距離のシュートはGK早川も反応できずゴールに叩き込まれたのだった。
マエダ、マエダ、マエダーッ!
加入2試合目にして早速結果を残した。前線のアクセントのなさ、最後を決め切る決定力、サンフレッチェになかったピースが嵌った。いい補強だった。これ程理に適った補強はないのだった。
この先制点により前田の勢いは尚のこと進む。左からワンツーでファーに蹴り込む。思わず2点目と立ち上がりかけたものの枠を逸れてしまう。この勢いのまま追加点を入れたかったものの前半を終えるのだった。
後半、右CBを塩谷から中野へ代える。ここ数試合カウンターで失点してることを考えると理に適ってる。守備だけでなく攻撃にも顔を出す塩谷にはスタミナへの負担が大きい。スキッベ監督もようやくそこに対処するようになったのだ。
ところが鹿島のビルドアップは容易に止めることができず前線まで運ばれてしまう。曲面曲面ではプレスをかけてはいるものの負けることなく剥がされてしまう。プレスを掛ければ掛ける程裏返されてしまう。そこは個々の選手の技術の高さを感じてしまうのだった。
追加点を挙げたいものの鹿島に傾いた戦況は変わることがなく、先制点を叩き出した前田を下げ加藤を入れる。更にその後中島、東を投入するも戦局は変わらない。それどころか出場僅か5分で中島は負傷交代。無理を押して出たのであれば何とも勿体無い話である。中村が交代して入ったのだった。
両者の激しいプレーが続く。こじ開けようとする鹿島に守るサンフレッチェ。球際の攻防が激しくファールになる場面も多くなる。最後はもうこの1点を守るべくゴール前を固める。クリアしてもクリアしても相手ボールになる苦しい展開の中、やっと終了の笛を聴くことができたのだった。
疲れた。ドッと疲労感を感じた。お互い負傷交代者も出した激しい試合だった。1-0という最低限の勝利である。が、この1点を守ったというのが大きい。そして勝利を目指す上においてこういうタフな試合をこなしていかなければいけないことを思い知らされるのだった。
3試合ぶりの勝利に酔いしれながらもすぐに次の試合はやってくることに気づき、我に返る。勝てば勝つ程苦しくなる。この苦しさも含めて楽しさでもあるのだった。
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