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2025年2月17日 (月)

町田戦~開幕戦勝利

2025年2月16日 町田ゼルビア vs サンフレッチェ広島 町田GIONスタジアム


 鶴川駅のバス乗り場は長蛇の列が連なっており、これなら徒歩で1時間の方がいいかと思っていたとこに現れたバスは2輌連結だった。待機列はガバッとバスに吸い込まれ自分も乗れてしまったことに驚きを感じた。そして20分の乗車後降り立ったスタジアムにはもう観戦客でごった返していた。さすがは開幕戦は客が集まるんだとスタンドに入る。すると自由席にはまだ余裕がありやはりこのロケーションで人を集めることへの困難さを感じるのだった。

 すでに2試合消化してるもののJリーグとしては開幕戦。町田も新加入選手が多くこの試合に賭ける想いは強い。昨シーズン2位、3位の対戦ということでお互いこの一戦の重要性を噛み締めてるのだった。

 サンフレッチェのメンバーは替えることなく連戦である。そんな中でのキックオフ。両チームのサポーターの声援が鳴り響く中、町田はロングボールを使ってきた。ただ、空中での競り合いは荒木が強さを見せ弾き飛ばす。ところがそのセカンドボールを活かせない。どうにもマイボールが前に行かない。どことなくモタモタしてる。これは町田が上手く蓋をしていた。右サイドで加藤が受ける場面が何度かあったものの外に追いやられて行き詰まる。サポートがないというのもあるが加藤自身も精彩を欠きキープ力が出ない。その結果陣地深くに侵入できないのだった。

 そんなモタツキの中、ショートパスで相手を外し左サイドにボールが出る。完全に相手を出し抜いたと思ったもののこれを東がトラップミス。絶好のカウンターのチャンスを潰すと流れは一気に町田に向いてしまうのだった。

 重心が重くなり守りが多くなる。球際で奪ったと思ったらファールでFKになりクロスを防いだかと思ったらCK。終わらない相手の流れ。なんとか流れを断ち切りたいとGK大迫もゴールキックになった際にはなるべく時間を掛ける。だがそこから蹴るロングボールはことごとく町田が収めてしまう。制空権を取られヘッドで繋がれる。そして真ん中で相馬がコントロールするとマッチアップした塩谷を引き剥がす。右サイドのスペースにドリブル。ドリブル、ドリブル、ドリブル。にボールを出されると相馬がドリブルで縦を抉ってきた。川辺がカバーに入る。スライディングはかわされた。それにより前が空き左足でシュート。地を這うボールがファーに走る。GK大迫が反応するも届かず決められてしまったのだった。

 ああ、なんてこった。一番警戒しなきゃいけない選手に一番嫌な形で決められてしまった。まだ試合は前半。いくらでも立て直すことができる。が、そんなポジティブな感情が湧かないのは昨シーズン一度も逆転勝ちをしたことがないからだった。失点により外に火がついたように前掛かりになっていく。でも効果的な攻めができない。東や川辺が蹴るCKもどこか脅威になってない。唯一の有効な攻撃が中野のロングスローという状態は苦しさがあった。

 このままハーフタイムを迎え後半は東に代わって菅が入った。今シーズンの鉄板の交代である。そしてその菅がセットプレーのキッカーを務めることでヘディングでシュートまで行けるようになった。そこから徐々にセカンドボールが拾えるようになるとプレスも嵌まるようになる。ボールが回るようになると相手はファールが多くなる。そこで菅のFKといういい循環ができるのだった。

 右サイド浅い位置からのFK。一旦は弾き返されたものの加藤がヘディングで前に飛ばす。そのボールに反応したトルガイ。裏に飛び出すとと足を伸ばしアウトサイドで当てるとそのままゴールに押し込まれた。


 決まったあ!

 崩せない、崩せない町田の壁を遂に突き破ったことでドワああっと盛り上がる紫のサポーター。トルガイはサポーター席への鼓舞をして一層盛り上がる。チームが不調だったが故に一段とそのテクニックが光っていたが同点ゴールという結果も出してしまった。改めてこの選手のレベルの高さに感服するのだった。

 ここで町田は点を取る為アタッカー中心に3枚替えを行う。ここでサンフレッチェもトルガイに代えて中村草太を入れる。出だしから高い位置でのプレスで存在を知らしめる。その中でワントップのジャーメインのプレスも効いてくるようになった。高い位置でのプレス。身体を捻じ込み奪い切ると前が空いた。遠目からのミドルシュート。強烈な弾道。GK谷の真正面。が、弾いた。そのこぼれ球へ猛烈なスピードで突っ込んできた選手が中村。ボールを押し込む。DFもいる中で相手に当たりながらもゴールに叩き込まれたのだった。

 中村、中村、中村!Jリーグデビュー戦に決めてしまった。しかも公式戦2戦連発。大卒ルーキーは鮮烈なデビューを果たした。途中出場で決勝点を決めたという選手は昨シーズンはいなかった。ジョーカーとなる選手が現れた。鳴物入りでの入団だったがその実力は抜けていたのだった。

 このゴールは町田が3枚交代をした後だっただけに精神的なダメージを与えた。それでも最後まで諦めないプレーを続けボックスの中まで侵入する場面をつくりだす。やはり脅威はなくならない。もはや低い位置からは大きく蹴り出す安全策を行う。そんな割り切った対応はアディショナルタイムをやり過ごし、やっと終了の笛が鳴り響いたのだった。

 勝った、勝った、勝った。苦しい試合だったけど勝つことができた。しかも逆転勝ち。いいスタートが切れた。だが結局この試合も交代でピッチに入ったのは菅と中村と越道の3人。他の選手が出場できないとこに課題も見えるのだった。それらを踏まえてどんなシーズンになるだろう。ポジティブな思考になり、これから長い帰路の道があるもののそれ程苦にならないのだった。

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  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles