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2024年8月 8日 (木)

ヴェルディ戦~貴重な1点をもぎ取る

2024年8月7日 東京ヴェルディ vs サンフレッチェ広島 味の素スタジアム


 まとわりつくような熱気は夕方に差し掛かり幾分和らいできた。上空には鈍い色の雲が立ち込め一雨降りそうな様相を呈している。これだけ暑いと夕立は僅かながらでも涼気をもたらせてくれる。ただ濡れたくもないと感情が錯綜するのはもはや意識が朦朧としてるせいかもしれない。

 中断期間開けの初戦。この間にサンフレッチェは大橋がイングランド2部ブラックバーンへ移籍してしまい絶対的な得点源を失った。更に川村、野津田というボランチの選手がそれぞれ海外移籍。一気に戦力が脆弱になったもののトルガイ・アルスランの加入は電撃だった。そしてそれに追い討ちをかけるように川辺駿のベルギーリーグからの復帰。一気に厚くなった中盤、だが一方でFWに関しての補強はなく、スタメンはボランチにトルガイを入れてそれぞれがポジションを一つ上げる。松本泰志がシャドーに入り加藤がワントップであるがまあ大方の予想通りでもあった。

 選手の入場時間を迎える。その時には空は暗くなっていた。季節柄、日没には早いことで雨雲に覆われてることが窺い知れた。風が舞いスタンドまで空気が入り乱れる。そんな中でのキックオフ。どことなくボールの処理にミスが目立つような気がしたのは乱気流のせいかもしれなかった。

 突然閃光が走る。それに遅れて地響きのような雷鳴が聞こえる。その音はどんどん大きくなり稲光もよりはっきりと存在を示し出した。主審により試合の中断を告げられる。それによりピッチ上から選手が消えると滝のような雨が降り出した。昼間に熱せられた空気が落ち着いてくる。あまり長い時間中断が続くと帰りの時間が気にかかる。ぼくらはそんなことを話しながらジッと嵐が過ぎ去るのを待つのだった。

 雨は次第に勢力を弱め雷もなくなった。完全に天候が回復したとこで再び選手が現れアップを始める。そして身体が温まったとこで試合再開。間を置いたことで幾らか戦況が変わるかと思いきや完全にヴェルディのペースだった。前からのプレスが掛からない。ヴェルディはパスワークが上手い。走って走って追い詰めてもお互いを補完する動きでスルスルと抜け出して気づいた時にはサイドを駆け上がってる。そして縦を切るとカットイン。切り込み、切り込み、シュート。その一連の動きについて行けない。シュートの精度のなさに助けられたもののシュート数で上回れてるのは明白だった。

 どことなく攻め手がない。アルスランが相手の逆を突いたパスを出すものの受ける泰志が相手を引き剥がせない。かと言ってロングキックを蹴ったとこでDFに対応されてGKマテウスの掌に渡ってしまう。丁寧にショートパスを繋いで押し上げても右サイド新井のクロスは今ひとつ精度がない。やはり大橋の抜けた穴を感じる。前線で収める選手がいない。相手に競り勝てない。シュートまで持って行けない。そんな前半が終わった瞬間、正直ホッとした。パスを繋ぐサッカーが通用しない。それもそのはず、相手にはかつてサンフレッチェ指導した城福監督がいる。ここに来てそれを痛感させられてしまうのだった。

 後半に向けて選手が現れる。交代はない。それでどうやってペースを変えるのだ。だが後半のキックオフからガツっとプレッシングに行く。少し反応が速くなったかもしれない。それでもスルスルとすり抜けて押し上げをはかる。懸命なるディフェンス。相手のシュートを止めセカンドボールを拾うと縦へ繰り出す。それを受けると相手が準備する前にゴール前へボールを入れる。遅効一辺倒だった前半と替わって縦へ速い攻撃に切り替えるのだった。それにより加藤がシュートを放つことができ、間違いなくいい方向へ向かっているのだった。

 満田は前線で走りパスコースを限定させる。それにより相手のビルドアップも段々と質を落として行くことでパスカットが生まれる。そこから再び攻撃が始まる。シュートの本数が増える。はね返されてもセカンドボールを拾い再び攻撃。いける、いける、いける。あと少し。もう少しでも仕留めることができる。ここで選手交代はアルスランに代えてヴィエイラだった。明確なターゲットができたのだった。

 ところがこのヴィエイラ、ここで収めればというとこでオフサイド。相手と競ればハンド。挙げ句の果てはチェイシングが遅いものだからボールを奪えない。いいとこまでは行きながらもやはりこれではヴェルディの壁を打ち破ることはできない。そこでヴィエイラの運動量のなさの分まで走った満田を下げて中島を入れるとギアが一段上がって行くのだった。

 前線の守備が嵌ることで苦し紛れに出したパスを狩ることができる。そこからサイドを起点に押し上げができる。攻撃の人数が多くなる。クロスが入る。跳ね返されてもセカンドボールを拾える。ゴールに向かうプレーが多くなりCKを得ると中島がキッカーとしてコーナーに立つのだった。

 新井が務めていたキッカーの役割を代えたのはこの日のCKがパッとしなかったからだろう。だが中島の蹴ったボールはゴール前の混戦の中に入り溢れる。それを荒木がシュート。ブロック。その溢れを佐々木が振り抜く。ニアの隅。ダイレクトで叩き込んだのだった。

 入った、入った、入った。歓喜に沸くアウェイゴール裏。硬い硬いヴェルディの壁を遂にこじ開けた。サポーターの下へ駆け寄る佐々木。1点が入った。もぎ取った。本当にもぎ取ったという得点だった。

 残り時間はもう僅か。当然ヴェルディは攻めてくる。これを人数を掛けて跳ね返す。だがここにきてヴェルディのパスワークが冴え渡ってくる。ボールに対してマークにはつくもののそのことごとくを外されてしまう。それにより右サイドを抉られシュート。が、その都度GK大迫のセーブに助けられるのだった。

 堪えて堪えて堪えしのぐ。若い選手の多いヴェルディはここにきてその鋭さを増してきた。そしてボール奪取によりポッカリ空いた前線のスペースに出すと最前線にいたヴィエイラはオフサイド。何をやってるんだとタオルマフラーを噛みちぎってしまいそうになる。

 もはや繋ぐことは期待できない。割り切って安全なプレーとなっていく。ロングボールを蹴る度にこれで何秒稼げたかと計算する。そしてスローインを得た時歓声が上がる。更にここからCKを得た時には一層大きい歓声が上がりそこからキックインしたと同時に終了の笛が鳴り響くことで勝利が決定づけられたのだった。

 歓喜に包まれるアウェイゴール裏。その中で試合時間が長引いたせいで急いで帰る人の姿もあった。苦しい苦しい勝利だった。こういう試合を制したのは大きい。だが一方で大橋移籍後の新しい形が観れなかったのも事実。果たしてこれをどうアップデートしていくのか。そんなことを考えながらも駅へ向かって歩を進めて行くのだった。

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     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
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     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

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