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2024年4月 4日 (木)

町田戦~勝利の充足感

2024年4月3日 町田ゼルビア vs サンフレッチェ広島 町田GIONスタジアム


 町田に辿り着くには多くの箇所で渋滞の忍耐に耐え事前予約をした駐車場から徒歩で向かう中では果たしてこんな場所に本当にスタジアムがあるのだろうかという疑心を抱えながらも何とか現地に着いた。雨が降ってる為スタンドに入ると傘を閉じカッパになるも椅子に腰掛けるとジットリとした感覚が滲み込んでくるのだった。こんな苦労をしたもののアウェイゴール裏には結構なサポーターで埋まっていてピッチに向かう声援はホームの町田を凌駕するものであった。

 この試合に辺り前節とメンバーの変更はなかった。ここに町田へのリスペクトを感じた。J1昇格初年度とはいえ首位に立つチームに対して最大限の警戒心を持っているのだった。

 キックオフが近づき照明が落とされる。LEDライトによる電飾、ゴール裏では火柱が立ち昇る。それが雨による霧状の光景と相まってコンサートのような演出となりそこでの選手入場。自然、応援にも熱が入る。天候も悪く平日ということもあり客の入りは芳しくないもののそこには熱量というものが確かに存在した。そして始まった試合、ボールが高く飛び交い競り合いの様相を呈したのだった。

 お互いハイボールの落下点に入るとそこからは肉弾戦。ただサンフレッチェのバックラインは3人共当たり負けしない。相手を上回り弾き返すと前線には大橋、加藤といったフィジカルに優れた選手が処理する。その時点で町田の狙いは大きく削減されただろう。ただそこからのプレスが速い。途端に窮屈になりボールの出しどころを失う。それだけにより速いアタックを試みる。ドリブルから川村がシュート。が、DFにブロックされ弾き飛ばされてしまう。まるでそれらも想定内といった様子。激しい運動量とハードな当たりは綿密に計算されたプランの上に成り立っているようだった。

 ただ、その激しい当たりはファールとして笛が鳴る場面が多くなった。その度に大きく放たれるアウェイゴール裏からのブーイング。乗るか剃るかの場面で突っ込んでくるそのスタイルはファールを恐れてない。だがされる方はたまったもんじゃない。それ故にパスによる展開を速くする。あえて密集地帯に入れて落として引き剥がす。向かってくる相手に真っ向から向かうことによってサイドから駆け上がる場面をつくり出していく。ただ、それでも有効なシュートシーンに繋がらない。しぶとい。もはやこういう揺さぶりを続けてほんのわずかにできた綻びを決めるしかないのだった。

 ところが相手のロングボールを競り合いで跳ね返した荒木がうずくまってしまう。あしの腿裏を押さえていることから筋肉系のトラブルがあったらしい。なんてこと。ただでさえDFは怪我人が多く層が薄いのにまた1人減ってしまった。だがそれ以上に不動のCBの代わりを誰が務めるのか。すると新井が入ってきたものの右サイドへ。そして右サイドの中野が3バックの真ん中に入るのだった。意外に思われたこの布陣、思いの外DFは安定した。その上キックの精度があるのでビルドアップの起点にもなれるのだった。

 そんな新境地なんて

中左サイドの東にボールが入る。ドリブルで駆け上がり満田が受け前を向くと3人の守備網を強引に切り裂く。そこからペナルティエリアへと縦へ出すと受けた大橋。コントロールでタッチすると振り抜いた。入った、入った、入った。先制点を入れたのだった。

 ところがこの瞬間アウェイゴール裏は静かだった。傾斜が低く視界の悪いコンディションで何が起こったのか把握できてなかったのだ。ただベンチの喜びようを見て決まったことを悟った。それ故にかなり遅れたタイミングでゴールを讃えあうことになってしまった。

 とりあえず先制。町田にしてみれば想定が崩れた。だがそれが余計に有利な展開に持っていきやすくなった。勿論リスクはある。リスクはあるものの佐々木は攻撃時にはオーバーラップを繰り返し遂にはボックス内でドリブルで抜け出そうとする。すると3人で囲まれ倒れることでボールを失ったもののここでVARが入る。モニターに映し出されたVARチェック。佐々木の足が引っ掛けられていた。その映像に色めき立つアウェイゴール裏。主審の笛。ペナルティスポットと指したのだった。

 PK!俄然と湧き立つサンフレッチェサポーター。キッカーに注目がいく。満田がボールをセット。GK谷との勝負。ホイッスルの後助走を入れシュート。GK谷の逆を突いた勢いのあるシュートが突き刺さったのだった。

 追加点。

 決まった、決まった、決まった。プレッシャーのある中決めた。満田今シーズン初ゴール。満田のチャントが鳴り響く。ボランチでの出場が多かった満田。だが一番観たいのはアタッカーとしての満田である。そして試合を決める満田であった。

 もはや町田はなりふり構わず攻めてくるようになった。ロングボールを使いサイドでスピードを使いスローインに持ち込んではロングスローを使ってくるのだった。J1リーグではあまり出てくることのないプレーだけにどのチームもこれに苦心する。それでも事前に準備した守備ブロックで弾き返す。それでも執拗にロングスローを繰り返すとニアに放たれたボールに大橋が接った。頭には当てたもののボールの軌道がゴールへ。GK大迫も反応が間に合わずゴールの隅に入ってしまったのだった。オウンゴール。1点差としてしまったのだった。

 さすがに1点差は危機感がある。町田も勢い付いてきた。残り時間を意識して無難なプレーに走るようになる。だがここで引いてしまうと相手の思うツボと言わんばかりに奪ってからは前を向く。その姿勢が功を奏し高い位置でのファールを貰う。これで大分時間が費やせる。結局このセットプレーでも点が取れなかったもののタイムアップを迎えることができ、無事勝ち点3を取ることができたのだった。

 首位相手への勝利。大橋の2節以降のゴール。満田の今シーズン初ゴール。そんな中で選手起用で新たな可能性を見出すことができたのも大きい。挨拶へ来た選手への激励が止まらない。充足感に満ちている。靴の中にまで染み込む雨水を感じながらもこの場を去るのが惜しくなってしまうのだった。

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