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2024年4月25日 (木)

ルヴァンカップ奈良クラブ~弾みのつく大勝

2024年4月24日 YBCルヴァンカップ 1stラウンド 2回戦 奈良クラブ vs サンフレッチェ広島 ロートフィールド奈良


 大会ルールの変わったルヴァンカップ初戦の相手はJ3の奈良クラブだった。今期昇格したばかりであまり情報はない。だけど相手はサンフレッチェのことを研究しつくしている。下位カテゴリーのチームとの対戦は必ずそういう理不尽さが出てくるのだった。

 ミッドウィークということもあり先発メンバーが気になったが、大きな変更はなかった。それもこれも昨シーズンカップ戦で上手くいかなかった実績によるのだろう。ただしそんな中にでも細谷がプロ初出場として名を連ねてる上に野津田、柏が今シーズン初スタメンとなるのだった。更には長いリハビリを終えピエロス、マルコスがベンチに入っている。本気だった。スキッベ監督は決して簡単に勝てるとは思ってないようなのだった。

 ただしその慎重さには理解もできる。大橋以外の攻撃陣が軒並み点が取れないのである。良い方に転がればこの試合を起爆剤とすることができる。悪い方に転がれば負のサイクルに陥る。そんな想いがある種の緊張感を生むのだった。

 完全なる雨雲の上空から雨が滴り落ちてくる。そんなコンディションでありながら選手入場では奈良クラブサポーターは盛り上がってるようだった。初めてのナイター、そしてJ1クラブとの対戦。モチベーションは大きくなるだろう。

 そのせいかゲームに入ってからのボールのコントロールがままならない。それはメンバーを入れ替えた故の連携面の問題なのか、それともボールが濡れてるせいなのか。ややもするとどっちに転ぶかわからない展開にヤキモキしてくる。

 ところが時間が経つにつれ主導権を握るようになりFK、CKが取れるようになる。ところが仕留めきれない。ゴールへ迫る場面はつくりだすものの最後が決まらないのはこのところずっと続く流れのままだった。が、ゴール前を固めた奈良クラブの守備が高い集中力を持ってるのも事実だった。

 よもやこのままスコアレスで前半を終える。そんな雰囲気もあった中、左右の揺さぶりから右サイドへ入る。越道のクロスが入るとゴール前の密集でクリア。そのセカンドボールを頭で再びゴール前へ入れた松本泰志。するとそこへ走り込んだのが柏。滑り込みでピンポイントにボールにアタック。ゴールをこじ開けたのだった。

 先制。粘り強い守りを突き破ったのはベテラン柏だった。縦への突破はできなくなったがゴールへの嗅覚は衰えてない。リーグ戦でもジョーカーとしてベンチに置いとくべきかもしれない。

 このまま1点リードで前半終了。良い時間でのゴールだった。あのまま守られたら奈良クラブも余計に自信を深めただろう。それが勢いとなって一発を仕留めるということもありえた。そして後半に向け加藤に代え満田が入るとチームは一層ギアを上げるのだった。

 前線からのチェイシング。はたかれてもしつこい追い回しは相手のボールの出しどころを奪い遂にはマイボール。右サイドでの受け渡しから相手を剥がしてクロスを入れるもクリア。だがセカンドボールを拾うと左サイドのポケットへ出すと出てきた柏。ふわっと上げたループ気味のクロスはゴール前の守備の頭を超えその落下点へ詰めたのは大橋。マークを背負いながらもグラウンダーシュートを流し込んだのだった。

 追加点。

 後半早い時間に引き離した。柏のクロスが秀逸だった。久々の出場で決定的な仕事をすでに2つこなしたのだった。

 そんな柏の活躍は更にチームに火をつけプレスへの強度を高める。相手ビルドアップに越道のインターセプト。そのまま縦に駆け上がりペナルティエリアの中に。それを追う奈良の選手は手を掛け身体を預けると倒れた。越道が倒れることによりPKを宣告されたのだった。

 そこにキッカーとして出てきたのは満田だった。駆け引きをしようとする奈良のGK。だがスタートの笛が鳴ると速いモーションから威力のあるキックが。GKの読みもものともせずゴールに突き刺さったのだった。

 決まった、決まった、決まった。満田が決めた。これにより3点差となりもはや勝負は見えてきた。それに伴って3人のメンバー交代が入る。青山、マルコス、ピエロス。怪我で離脱してた選手をいれるにはちょうどいいタイミングとなったのだった。

 ところがこれにより奈良クラブも割り切りができたのか、中盤の薄くなったとこにボールを入れることができるようになるとワントップ目掛けて縦のボールを入れてくるようになる。そして裏へ出されるとワントップの関口が抜け出そうとするもの細谷がガード。それを出し抜いてスライディングをかましたもののその時にはすでにGK大迫がキャッチ。だがその勢いで大迫に突っ込んでしまった。

 主審の笛が鳴りプレーが止まる。そこで提示されたのはレッドカード。関口は退場となり数的優位。もはやこれは勝負あったようなものだった。

 それでも攻撃への手を緩めなかったのは飽くなき自分達のサッカーへの追及だった。結果を残したいという欲求であった。

 右サイドでのショートパスが続く。ゆっくりとした流れから縦に出るとポケットに出たのはマルコス。クロスを入れると飛び込んだ。それがそのままゴールに叩き込まれ4点目を決めることができたのだった。

 そのヘディングをきめたのが途中から最終ラインに入ってたはずの東だった。ゴールに歓喜しながらもなんでこんなとこにいるんだと叫びそうになってしまった。

 更にこの後も相手のビルドアップに2人掛かりで止めボールを奪う。それを受け満田が中央を切り裂くドリブル。大外に流れたピエロスに出る。それをダイレクト。斜め45度からの一閃はゴールの隅に見事に突き刺さり5点目を決めてしまったのだった。

 そして残り時間も少ない中、またもや最終ラインへとポジションを下げた越道がボールを持ち上がる。右サイドから中へ切れ込むとまたしても倒された。PK。越道は2度もPKを誘発したのだった。

 このPKをマルコスが蹴る。最も簡単に逆を突き決めてしまい6点目が入る。大勝、大勝だった。

 ベテラン柏が決めることで始まりエースの大橋が決め若手の越道がPKを誘発。そして満田がチームを動かす力を見せ負傷離脱から復帰したピエロスとマルコスが結果を残した。とても有意義な試合だった。だがそう感じさせてくれたのは番狂せの可能性を見せた奈良クラブのパフォーマンスも大きかった。少なくとも前半はどっちに転んでもおかしくない展開だった。

 新しい方式になったルヴァンカップ。明らかに相手のモチベーションも高く手を抜けなくなった。その分スリリングであり勝利の達成感が強まった。そして週末にはリーグ戦。連戦となった選手もいる中で、今回結果を出した選手がどれくらい関わってこれるかと胸をときめかすのだった。

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