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2024年2月23日 (金)

浦和戦~新スタジアムでの開幕戦

2024年2月23日 サンフレッチェ広島 vs 浦和レッドダイヤモンズ エディオンピースウィング広島

 

 開幕戦。すでにプレシーズンマッチを行ったとはいえ公式戦ではこれが柿落とし。チケット完売。浦和のサポーターも押しかけ声援で圧倒する。それに負けじとサンフレッチェのサポーターも声を振り絞る。声が揺れ動く。このうねり。これぞサッカー専用スタジアムであり新たなホームスタジアムなのだった。

 そんな揺れる声援の中での選手入場。そしてセレモニーとして国家独唱。出てきたのは吉川晃司。そこに観客はサプライズの感嘆をあげ、マイクを取った。低い声で絞り出す声は渋かった。更に後半になるとハイトーンで声を張り上げスタジアムの観客を巻き込む合唱へと化し、最後は両サポーターの声援で包まれるのだった。

 そんな大事な新スタジアムでの初戦、スタートとなったのは昨シーズンとほぼ変わらないメンバーではあるがシャドーに新加入の大橋が入っていた。そして浦和にも新加入の選手が入っていたものの中でも存在感を放つのがトップのチアゴ・サンタナだった。そこをどう抑えることができるか。そしてサンフレッチェは大橋が上手く試合に入れることができるかが注目点だった。

 曇り模様で気温の低い広島市。その中でのキックオフ。両者前から運動量を厭わずボールにプレッシャーを掛ける。そんな激しい動きの中で徐々に浦和がボールを持つ時間が長くなる。左サイドから松尾が侵入し折り返し。それを押し込まれる。が、これをGK大迫がキャッチ。右手手術の為直前までリハビリしてた大迫は早速安定したセービングを見せつけた。その後も浦和の攻勢が続くもターゲットとなるサンタナには荒木がマンマーク。肉弾戦になりながらも決して自由にさせることはなくそれが守備での粘りを与えるのだった。

 後ろが踏ん張ってるだけにそれを攻撃に繋げたい。浦和の攻撃を跳ね除けるとそのボールを満田が回収。右へと大きくサイドチェンジ。広大なスペースへ出る。が、これに中野が追いつかない。その後にも左サイドで抜け出した東がクロスを上げ大橋が頭に当てるも枠の外。大橋が突っ込みすぎていた。いい場面はつくり出すけどゴールが奪えない。これでは昨シーズンと一緒ではないか。その為に奪った大橋だったが何となくサンフレッチェに入った途端に得点力が下がるような気がしてきたのだった。

 それでもサンフレッチェのシュート意識は高くボランチに入った満田はフリーになると遠目からもシュートを放つ。そしてシャドーの加藤もダブルタッチで相手をかわしミドルシュート。なかなかボックスには入れないものの遠目からでも狙うという姿勢はサンフレッチェに攻撃への波をもたらせた。ショートパスでのビルドアップ。トップのピエロスに入れると収まりがよく全体が前を向ける。バイタルエリアを固める浦和にパスで散らしスイッチを入れるタイミングを図る。真ん中で川村が受けるもプレッシャーからサイドに流しリターンを受けるも受け損ねたかに見えた。が、ルーズボールのようなそのボールをダイレクトに打ち込む。血を這うシュート。GK西川止めるもボールの威力によりこぼれる。大橋が詰めた。シュートが大きい。枠を外れたかと思ったものの次の瞬間ボールはゴールの中でしっかりと跳ねていたのだった。

 入った、入った、入った。大橋、決めた、ゴール。新スタジアムの最初のゴールは大橋。数チームの争奪戦の中サンフレッチェに来たものの早くも結果を出した。得点力不足のチームにおいて足りないものが満たされたのだった。

 幸先のいい先制。しかも前半終了間近だった為、リードのままハーフタイムを迎えることができた。

 後半に入り浦和は攻め手を変えてくるか。失点することにより尻に火がついたチームが巻き返すことはよくあることだ。ところがその出鼻を挫くようにサンフレッチェは高い位置からのプレスで相手のビルドアップに蓋をする。GK西川を含めてパスによってプレスを回避する浦和。だが遂にはペナルティエリア内へ追い詰めルコとでパスカット。それを大橋が切り込もうとしたとこを倒された。笛が鳴る。PK。スタジアムが揺れるのだった。

 早くも追加点のチャンス。自分の奪ったPKだけに自分で蹴りたいと主張する大橋。それを頑として跳ね除けるピエロス。結果的にペナルティスポットへボールをセットしたのはピエロスだった。

 主審のホイッスルが鳴るも動かないピエロス。左に角度を取りゆっくりとした助走からシュートモーション。蹴った弾道は左へ。しかしGK西川はそちらに跳んだ。コースを読まれたことに動揺したかピエロスのシュートは枠を外してしまったのだった。

 ああ、ピエロス。何となくまずい気はしてた。大橋が決めたことでCFとして自分も結果を残したいという焦りがあったのだろう。どことなく決められそうな雰囲気がなかった。これならやはり大橋が蹴った方がよかった。そんな悲嘆に暮れる中、浦和が勢いを持って攻め込んできた。一気に流れを持っていかれそうな展開だった。だがこれをカットして前線へ繰り出すと左サイドのポケットに出る。加藤が受けてゴール前を見定めるとクロス。浦和DFの壁がある中を飛び込んだ大橋。これがボールを捉え再びゴールに叩き込むことができたのだった。

 決まった、決まった、決まった。大橋2点目。ピエロスがPKを外したことにより流れが変わりかけたもののそれを一気に突き放してしまった。自信がPKを蹴らないことによって決められなかった得点をすぐに補った。この1点は大きい。まだまだ点を取りに行く、そんな闘志を燃やしていくのだった。

 どうにか反転したい浦和。ウィングに前田を入れると左サイドをドリブルで切り裂かれ後手に回る場面が増えた。そしてトップのサンタナに代わって興梠が入るとサイドからのクロスに対して絶妙なタイミングで入られる。前田、興梠。この2人はどこのチームに行っても厄介だ。浦和はどんどん攻撃の厚みを増していく。次第に防戦一方になっていく。

 ピエロスに代えてヴィエイラ。加藤に代えて松本泰志。サンフレッチェもフレッシュな選手を入れることで押し上げをしようとするも上手くつながらない。何度かカウンターのチャンスを迎えるもののフィニッシュが決まらない。それどころかシュートにいく前に浦和に奪われてしまうと一気にピンチに陥る。目の錯覚だろうか、このスタジアムはピッチが狭いように見える。ゴール前の攻防によりシュートを打たれる。GK大迫が最後の砦として防ぐ。するとここまで攻守に渡ってピッチを駆け巡ってた川村が座り込み山﨑との交代を余儀なくされる。残り時間、何とか無失点で乗り切りたい。浦和のCKが入る。前田の蹴ったボールは合わせられゴールに向かう。が、ポスト。跳ね返りをクリア。満田が拾い中野が受けようとしたとこで倒された。ピッチでうずくまるも正直ファールによってプレーが切れたことに安堵した。

 そしてそのままタイムアップ。新スタジアムでの試合を2-0の勝利で終えることができたのだった。旗が揺らめき歓声がこだまする。よかった。初戦で勝つことができた。そうそう思い描いたようなストーリーとは実現化しないものの理想的な結果となった。素晴らしい、素晴らしきチームでありスタジアム出会った。

 ただ、この雰囲気を作り出したのは間違いなく浦和サポーターの声援もあっただろう。地響きのようなチャントはこの空間を一種独特なものへと変えていった。声量で言えば間違いなく浦和の方が圧倒してたのである。

 まずは開幕戦を制した。そしてこれをどこまで続けていくことができるだろう。熱くなりながらもまだ1戦終わっただけという冷静な理性が働いてしまう。それはやはりまるで人気もなく低迷してた時期を知ってるからだろう。改めてこの新しい歴史の第一歩が光り輝くものであれば良いと願うのだった。

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     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

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