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2020年10月 3日 (土)

鳥栖戦~守備に走った永井

2020103日 サンフレッチェ広島vsサガン鳥栖 エディオンスタジアム広島

 

 1週間のインターバルを置き、選んだメンバー中には永井がトップ、そして東が左サイドに入っていた。2人の共通点は攻撃の選手でありながら未だにゴールのないこと。それだけに外国人FWや左サイドのスペシャリストである柏を差し置いてこのメンバーで来るのは思い切った選考であった。

 対する鳥栖も連戦の疲労を考慮してか、メンバーを大幅に入れ替えてきた。その辺が連携に支障をきたしたか、前から嵌めに行くサンフレッチェの守備に汲々としてた様子だった。もしくはそれは前線のプレスが効いてたからかもしれない。その急先鋒として走り回ったのが永井だった。

 相手のセンターバックが持つと全速力でプレスを掛けに行く。それがバックパスを生み、または運に任せたロングボールを蹴るようになる。するとそのセカンドボールを回収し、再びサンフレッチェの攻撃。右から左からと攻めていく。それはもう一方的と言っていいくらいの展開でいつ決まってもおかしくない。だけどその最後がまた決まらないのだった。

 ゴール前にボールが出る。左に入ると東のクロス。これが誰も触ることができないボールになってしまう。そして右から入ったボールをファーでシュートにするもGKに阻まれる。肝心なとこで精度がない。ゴールが奪えない最も大きな原因なのだった。

 攻めてはいる。だが入らない。実はこういう展開が一番不吉だ。その内に守備へのリズムを整えカウンターの餌食になりかねない。もしくは守備への自信が攻撃への自信へつながりかねない。そうならない為にもそろそろゴールが欲しいとこだ。

 ブロックを敷いた鳥栖の守備はサンフレッチェのボールを絡め捕る。そしてビルドアップでつないでいくとこをDF野上がオーバーラップによりカット。そのまま縦へスルーパス。受けた浅野。そこからまたパスをしてこね回すのかと思いきやドリブル。1人かわし2人かわした。そしてカットインからシュート。入った。ファーサイドに突き刺さったのだった。

 先制、先制、先制。シュートを打つ浅野。ドリブルでブロックを切り裂いた浅野。強引さを備えた浅野。これまでサンフレッチェが足りなかった要素をまざまざと見せつけられたような気分だった。

 幸先はよかった。だがここで止まってはいられない。永井は献身的なプレッシャーを掛け続けると低い位置で横パス。これに若干のズレが生じトラップミスするとその瞬間を見逃さなかった。ルーズボールに食らいついた東。ペナルティエリア内までドリブルで運ぶとGK11、シュート。これがGKを避けつつもファーサイドに流し込んでしまうのだった。

 追加点。東、リーグ戦初ゴール。ああ、ついに決めてくれたよ。今まで惜しいと言われたシュートは何本も放った。だがその都度決めることができなかった。1本決めれば変わってくると誰もが思い、ここでようやく決めたのだった。

 前半の内に2点。これはかなり有利に進めることができた。だが鳥栖は後半から4枚をしてきた。その中にいた原川。中盤でタメをつくり味方の押し上げをしてくるとその流れがスムーズになる。マズい、このままでは鳥栖にペースを握られる。そんな焦りが出たのだろうか、前線へのロングボールを永井1人では収めることもできず鳥栖の時間帯は続く。それでもスルーパスに反応した永井、深くえぐった折り返しでは森島のシュートを導き出すのだった。

 一連の流れはよかった。だがGKに反応されCKへ。左からショートコーナー。茶島から青山へ。フリーで持つと低い弾道のミドルシュートを放った。電光石火のような速さで次の瞬間にはゴールネットに突き刺さっていたのだった。

 アオヤマ、アオヤマ、アオヤマーッ!実に2年ぶりのゴールである。それによりまたしても追加点の3点目を決めることができたのだった。

 これは確実に勝利を近づけたゴールだった。この勢いを殺すまじと次々とメンバーを替えていく。そして遂に永井の名前も呼ばれエゼヒエウと交代してしまうのだった。またゴールはなかった。FWとして決めておきたいとこだった。それでも前線のプレスは間違いなくチームに活力を与えゴールのお膳立てはしたはずだ。ただ、だからこそ決めさせてやりたかったという無念さが残るのだった。

 のらりくらり、のらりくらりとパス回しにより時間を費やす。4点目、5点目と更に追加点を重ねたいと思う。だが手堅く勝ち点3を狙っている。そして右サイドに柏が入ったことで攻める素振りをしつつもボールキープに余念がない。そして結局クロスを入れることもなくゲームを終わらせてしまったのだった。

 浅野、東、青山。いずれも決めて欲しかった選手であった。ペレイラなどはゴールは決めるもののそこばかり頼っていて攻め手をなくしてしまった。その打開の為にも他の選手のゴールが必要だった。

 ほぼ理想的な勝利であった。ただ、それだけに永井は決めたかった。1点取ると自信にもつながるだろう。だがその1点が遠い。間違いなく前からの守備はチームに活力を与えた。だがそれだけに取らせてやりたかったなという気にさせた。そういえば久々にこんな感覚になった。すでにシーズン半分消化してるというのにそれでも期待を寄せたくなるのだった。

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