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2019年12月 8日 (日)

仙台戦~シーズン最終試合

2019年12月7日 サンフレッチェ広島vsベガルタ仙台 エディオンスタジアム広島

 昼なのにこの寒さは何なんだろう。ヒヤッとした空気が漂う。もはや勝っても負けても順位は変わらず何もない消化試合に等しい最終節。とはいえ4試合勝ちなしの中、今シーズンを締めくくる上でもこれを勝つのと負けるのでは年間の印象が大きく違ってくるのだった。
 得点力不足の中、シャドーに入ったのは東だった。川辺はボランチに下がりヴィエイラがトップに入る。そんなメンバー編成の中、チャンスはいきなり訪れた。中盤から裏へ放り込むボールへヴィエイラが走りこんだ。縦へドリブル。そしてDFに詰められる前に中央へ横パス。詰めた東スルー。その後ろに走りこんだ川辺がシュート。電光石火のカウンター。そしてこれ以上ないタイミング。だが決めきれなかった。シュートはバーの上に逸れてしまったのだった。
 今季を象徴するシーンだった。いいとこまでいきながら最後の最後が決まらない。特に川辺の決定力のなさは絶望的でボランチへのコンバートにはそういう意味もあったのだろう。
 ハードワークにより前から積極的にプレスを掛けていく。その効果あってマイボールにするのは速いもののその先が進まない。仙台もバイタルエリアから先はそう易々とプレーさせてくれないのだった。
 守備を固める仙台。ボールを持つサンフレッチェ。左サイドから崩すタイミングを見計らうもののなかなかそのチャンスが伺えない。ゴール前に揃った守備の壁は単純にクロスを上げても簡単に跳ね返されてしまう雰囲気がある。それ故に2人、3人とボールに関りボールを動かしていくもののどっしりと構えた守備の壁には全く影響を与えないのだった。
 動かない壁。縦も横も入り込む隙が無い。攻めるサンフレッチェに守る仙台。そういう構図は少なくとも失点に対する心配は抑えられるものの、シュートの打てない状況にもどかしさが募っていくのだった。
 シュートが打てない。そこで左右に揺さぶりを掛ける。だがやはり足りない。点を取る為の迫力がたりない。このまま続くとまたしても点を入れることなく試合が終わってしまいそうだった。
 そこでピッチに送り出されたのがレアンドロ・ペレイラだった。東との交代で前線に高さのあるヴィエイラと同居させる。そしてペレイラがシュートを放つ。枠にすら入らなかった
が、フィニッシュを放つパワーがある。切り札としての存在を魅せたのだった。
 更に中盤で稲垣から青山へ。前線のターゲット揃ったことで今度はそこへボールを供給者を入れた。勝ちのないここ4試合で試して欲しいと思ってたパターンである。ヴィエイラを狙った速いボールが入る。胸トラップで落としたヴィエイラ。するとその落下点にペレイラが跳びつく。ダイレクトでシュート。そのあまりにも唐突なプレーに急ぎ過ぎという感覚を覚えるも強烈な勢いでゴールに向かっていく。DFに当たりコースが変わると横跳びをしたGKは触ることもできずゴールに叩き込まれたのだった。
「うおおおおおおおおおっ!」
 雄たけびをあげてしまう。やっと、やっとのことでのゴールである。パスを駆使し、裏への抜け出しを狙い色々とやってきたもののどれも効果を得ず、結局頼ったのはペレイラのパワーだった。そしてゴールへ向かい姿勢。こういうものがゴールを導いたのだった。
 先制。だけど1点のみ。このところ守備の脆弱さを考えるととても頼りないスコアである。守り切ることは難しい。ならば追加点を取らなければと受け身に回ることなく攻撃の姿勢を続けていくのだった。
 ところがまたしても最後を決めきれない。柏のドリブル、もしくは左右の揺さぶりからチャンスは生み出すもののゴールを決めきれないことで仙台が前への推進力を高める。自然、
ラインは下がりゴール前で構えるようになった。攻撃と守備が明白化された試合。まるでそれは攻守入り乱れるサッカーという競技からすると特殊性を持った試合なのだった。
 こういう守備に人数が揃ってる状態の時にどれだけやられてしまったことか。そんな焦りと共にプレスも効かなくなってしまった。ヴィエイラがファールで倒してしまう。FKを与えてしまう。嫌な展開だ。とりあえずはこのセットプレーを凌ぎたい。
 少々距離のあるFKによってゴール前へボールは飛んでくる。一度はブロックしたもののセカンドボールがマテのところに。GKのいないスペースへシュート。やられたと思った瞬間ボールは枠外へと弾き飛ばされた。荒木のクリアだ。危険を察知してカバーリングに戻っていたのだった。
 やった、やった、やった。これは1点ものの重みのある守備である。完全にきまったと思っただけにこのファインプレーに気持ちは沸き立つのだった。やはり失点が続いてるということは当のDFの選手の方が分かってたようだった。
 そしてこのまま1-0で試合を締めくくる。最後の最後に勝つことができた。順位にも関係ないものの最後に勝って終われたというのは良かった。連勝をして連敗をして良かったのか悪かったのか分からないようなシーズンだった。采配に不満をもちつつも何気に城福監督も学習の跡が伺えるようになった。そしてしばらく固定化された出場メンバーの中に若い選手が名を連ねるようになっていった。それだけに希望を見出すことができたシーズンであり、もうちょっとできたのではと思うこともあるシーズンであった。でも今はとりあえず喜んでおきたい。今シーズン最後の試合、とりあえず勝って終わることはできた。

2019年12月 1日 (日)

湘南戦~失速する終盤

2019年11月30日 湘南ベルマーレvs サンフレッチェ広島 Shonan BMWスタジアム

 残すところ2節となり優勝もACL出場もない代わりに降格もないという無風地帯に落ち着いたサンフレッチェにとってモチベーションに難しさのある試合だった。だが来期を見据えてより高見に向かう足掛かりとなるものを観たい。残留争いをしてる湘南は切羽詰まってるだけに全力でぶつかってくるのは目に見えていた。
 そんな湘南に対してサンフレッチェはあくまでも後ろからパスでゲームをつくっていこうとする。それに対して猛烈な勢いでプレスを仕掛けてくる湘南。一人かわしても2人、3人と押し寄せてくる。それに耐え切れなくなったボールホルダーはボールを蹴らされてしまう。するとそのボールの先には必ず湘南の選手が待ち構えているのだった。
 嵩にかかって攻めてくる湘南。次々に後ろから上がって来る。マンツーマンのディフェンスはあっさり抜かれる。クロスを蹴られた。中央に入ったDF。が、次の瞬間ゴールの中にぶち込まれてしまったのだった。よりによってそれは荒木のオウンゴール。クリアで当てたボールは無残にゴールの中に向かったのであった。
 やってしまった。そもそも崩された時点で勝負はあったのかもしれない。だがオウンゴールはオウンゴール。0点で抑えることのできなくなった守備陣はよりによって自ら戦を与えてしまったのだった。
 早くも追わなくてはならなくなった。ここでやっと火が付いたもののハーフラインより前にボールを持って行くと湘南の守備の壁にいともたやすく跳ね返されてしまう。トップのペレイラに有効なボールが入らない。そこはがっちりマークされている。だがそれもそのはず、前節と全く同じスタメン。更にワントップを除いたメンバーはまるで替わってない。これも城福監督の悪い癖が出た。勝てなくなるとメンバーを替えないのだ。同じメンバー、同じやり方で貫こうとして相手に対策を取られるのだった。
 攻撃のキーマンである森島が裏でボールを受けるとクロス。中央のペレイラに入れるもボールの質が悪くヘディングしたボールは力なくGKへのパスにしかならないのだった。こういう場面で森島はちょっと前のように恐さを感じさせるプレーができなくなった。それはどことなく試合に出るのに悪い意味で慣れてしまったかのようだった。プレーに対して実に淡泊である。これだったら出場機会に飢えてる他の選手を出せないものだろうか。
 更にもう一人のシャドーポジションの川辺。相変わらずシュートが下手だ。打てそうな位置で貰っても打てない。やはりこの選手にシャドーは不適格なのではという気がする。実際に得点力不足の中には川辺が決定機で決めなかったという場面が結構あるのだった。
 それでもセットプレーならまだチャンスがありそうだった。森島の蹴ったボールを野上がバックヘッド。ファーに流れたボールを荒木がヘッド。やった。ドンピシャリのタイミング。が、それはゴールバーの上を飛んでいってしまった。荒木、自分のゴールに入れるのは豪快だったが敵のゴールに入れるのは決めきることができないのだった。
 さすがにこれには作戦の失敗を認めたか、城福監督は後半から中盤の稲垣に代えてドウグラス・ヴィエイラを投入して前線での人数を増やした。ボールの収まりのいいヴィエイラの影響か、途端にペースを握るようになり前線へと重心が上向く。柏が高い位置を取れることで左サイドからのクロスが入る。が、どれだけボールを入れようと中で待ち構えてる湘南DFにあっさりと跳ね返されてしまう。さらばと連携によりゴール前の壁を青山が突破。シュートのチャンス。が、これをドリブルでワンタッチ余計にしたことによりDFの脚が伸びて打てずに終わってしまった。
 ああ、どうしてあの場面でシュートを打たない。青山若い頃はもっとシュート打ってたよな。今ではミドルシュートすら打たなくなってしまった。ゴール前を固めた守備に対して他のチームは結構ミドルシュートを打ってくる。そして実際決められてしまってる。だけどサンフレッチェでは誰もそういうシュートを打たないのだった。
 それでも前線のヴィエイラはターゲットになりうる。サイドからクロスが入る。頭で合わせたヴィエイラ。だがその威力は力なく簡単に湘南に処理されてしまった。そうだった。ヴィエイラはゴール前で受けてもシュートにパンチ力がないのだった。
 時間だけが無情にも過ぎていく。もはや後ろから前線へ蹴りだすだけのパワープレーになった。だがそのいずれも跳ね返される。脚をつった湘南の選手。まだ余力のありそうなサンフレッチェはそういう選手に対して抜くことすらできないのだった。
 押して押して押しまくってそしてついに点を取ることができなかった。本当にこのチームの得点力不足は深刻である。唯一シュートを打ってたペレイラはいい形で受ける場面がなかった。もはやペレイラだけ自由にさせなかったら大丈夫というのが分かってたようだった。
 シーズン終盤になって失速。それは昨シーズンと同じパターンであった。残り1節、果たしてこのままフェードアウトして終わっていくのか。それともどこかしら希望を見出した形でシーズンを終えるのか、少なくとも最後に意地くらいは見せて欲しいと願うのだった。

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    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
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    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

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