« 2019年9月 | トップページ | 2019年11月 »

2019年10月30日 (水)

浦和戦~ラッキーなドロー

2019年10月29日サンフレッチェ広島vs浦和レッドダイアモンズ エディオンスタジアム広島

 寒い。
 日中気温が上がらなかったことにより日が落ちると一層身に染みて身体が冷える。もう10月も後半になれば当たり前だがここの今年の猛暑はそんな季節感さえ麻痺させてしまったのだった。
 ACL決勝へ進出した浦和。ラウンド16で敗退してしまったサンフレッチェにしてみれば大いに尊敬すべき相手。その浦和がリーグ戦では苦しんでるだけに尻に火がついてるのだった。
 ところがボール支配率はサンフレッチェが圧倒する。受けに回る浦和。にも関わらず浦和に焦りが見られないことで様子見の様相も呈したのだった。
急がずじっくりと回していくサンフレッチェ。トップにヴィエイラがいることでボールを通しさえすれば必ずそこで収めてくれる。前を向くと柏や森島が全速力で上がっていく。そこで裏へ出すと森島がゴールラインぎりぎりでクロス。ふわっと上がったボールはファーサイドへ走った川辺がジャンプするも当てるのが精一杯だったようだ。バーの上を超えていった。
タイミングは完璧だった。崩しの形としてもよかった。だけど最後が決まらない。そんな場面が何度も訪れたまま無得点のままハーフタイムを迎えてしまった。すると後半になって浦和は前からのプレッシャーを掛けてきた。前半奪いに行かないというのは作戦だったことがこれで明白だった。そして無得点のまま45分を過ぎたということは半分浦和の術中に嵌っていることでもあるのだった。
そして後半、やはり浦和は高い位置からプレスを掛けてきた。簡単にボールを回せない。それでも網をかいくぐりヴィエイラに当てるとその落としを川辺がシュート。が、枠にはいらないのだった。
そのプレーが象徴するようにサンフレッチェの攻撃は相手の間隙を突き抜群のタイミングで攻撃を繰り広げる。その流れの中でハイネルのミドルシュート。が、枠に入らず。カウンターで森島が駆け上がりつつも横パス。これもパスが弱くカットされる。そしてバイタルゾーンでのパス回しに至っては手数を掛け過ぎることによって相手のブロックをより一層強固にさせている。ああ、シュートを打てよ、シュートを。ここまで一方的に攻め込んでいながらもゴールが決まる予感は一向にしてこないのだった。
そんな膠着を打破しようと川辺がミドルシュートを放つ。スーッと落ちていったその軌道はGK西川も反応できない。コースはいい。が、その後ガツンという音と共にクロスバーにはじき返されるのだった。
 更に川辺はマークの相手を駆け引きによって抜け出すとゴール前。そこでシュートを打つと見せかけ折り返し。が、これを戻ってきた相手選手によってクリアされてしまう。
ああ、どうしてここで打たないんだ。
打つべきとこで打たないで打ったら打ったで枠に入れない。どんないい攻めができても決める人がいなければ勝つことはできない。その為にヴィエイラを下げて怪我明けのペレイラ投入という勝負に打って出た。
これで攻撃に一層の厚みをもたらす。そんなつもりでいたものの逆に守備に回されてしまうのだった。ボールを回され回され回される。数人掛かりでプレッシャーを掛けるも余裕でドリブルされ何とかシュートコースを切った。が、これを折り返されると後ろから上がった選手に中央から打たれる。DFが脚を伸ばすも当たらない。GK大迫が飛ぶもかすりともしないで綺麗にゴールに入ったのだった。あれだけ攻めていたのにたった1回のチャンスを決められてしまったのだった。
またしても人数が揃ってるのに失点してしまった。あのシュートを打たれた瞬間、あの瞬間だけフッと気の抜けたような雰囲気があった。毎回毎回その隙を決められてしまう。人数を揃えてもこじ開けることができるとすでに計算されてしまっているかのようだった。
追う立場になったサンフレッチェ。それでなくても決められないのだからもう点を取る可能性は限りなくなくなった。その証拠に交代で入った清水のパスから川辺がシュートするも枠外に飛んでしまう。ペレイラはボールに絡めないのだった。
焦りからチームにファールが多くなる。決めるべき時に決めなかったツケが回ってきた。もはや浦和はサンフレッチェの攻撃を食い止める自信に満ちていた。枠に入らないシュートは相手に勇気を与えたようでチャンスとあらば更に畳みかけてくるのだった。
だがそれを奪った時には更なるチャンスが。川辺がドリブルで上がる。ドリブル、ドリブル、ドリブル。が、突っかかる。前にこぼれたボール。追走してたDFが先に触った。が、それがゴールの方向。そして勢いそのままゴールへと入ったのだった。
同点。オウンゴール。
思いもよらない同点に喜ぶよりも驚きの方が大きかった。予期しなかったゴール。振り出しに戻ることにより少しズレて沸き立ってしまうのだった。
あと1点。やはり勝ち点3欲しい。怒涛の攻撃が繰り広げられる。渡が入ることにより一層圧力を高める。そしてゴール前の混戦、渡がボールを頭で触るとGK西川と激突。ホイッスルに止められると渡のファールとされてしまう。てっきりPKを貰えると思ったが全く逆の判定を喰らってしまったのだった。
その後も佐々木が先に触ってクリアした場面でファール判定をされて相手FKにされてしまう。そこからCKの応酬を受け苦境に喘ぐ。時間がないのに奪えない。それよりもとにかく守らないといけない。守って守って守りぬくと最後にマイボールにできた。ゴール前に放り込む。GK西川に阻まれる。更に最後に清水からのアーリークロス。それは低い弾道に余裕を持ってクリアされて終了となってしまうのだった。
 同点、引き分け。
 釈然としないものが残る。シュート16本
打っていながら結局自分たちのシュートは1本も決まらなかった。対して浦和はその半分のシュートできっちり1点取ってるのである。改めて決定力のなさに泣かされるのだった。
とはいえ川辺が一人で7本もシュートを放っていたらしい。それだけ自分で決めるという意識を持っていたということだ。
チームの中心として勝利への舵を切る存在。川辺が目指してるのはそこだろう。そしてぼくらもそうなるんだろうと思ってたがやっと今になってそのつぼみを見せてきたようだ。勝てなかったことに落胆しつつもやっとぼくらの理想が実物が追いついてきたことに救いを感じるのだった。

2019年10月19日 (土)

清水戦~見えてきたACL圏内

2019年10月19日 清水エスパルスvs サンフレッチェ広島 IAIスタジアム日本平

 甚大な被害を出した台風19号の後、その尾を引くように雨雲に覆われてる。半袖では肌寒い気温。台風は一気に季節を冬にしてしまったかのようだ。
 立ち上がり、清水が優勢を占めて早々にFKを与える。開始早々のピンチ。それは防ぐことはできたものの防戦は続き右サイドからのクロス。ゴール前にこぼれる。ドウグラスがシュート。が、ゴールバーを越えて助かった。そこでホッと胸を撫で下ろすもすぐにまたボールを奪われてCKを与えてしまうのだった。
 一体どうしたんだ。あまりにも慎重に過ぎる試合の入り。エンジンが掛からない。CKは防ぐことはできたものの清水の勢いの前にサンフレッチェの守備は振り回されている。奪ってもボールはすぐに網に掛かってしまう。そんな攻撃の芽を摘んだ状態は清水に攻撃の圧力に一層拍車を掛ける。バイタルエリアで回す。守備に右往左往するサンフレッチェ。前を防げば横へ。カットインからシュート。身体を当ててブロックしたものの青山の手に当たってしまいFKとなってしまった。
ゴール前。嫌な位置。ここはドウグラスなら一振りで入ってしまう位置である。枠に入ったらお終い。せめてその精度を狂わす為に壁は精一杯のプレッシャーを与える。助走から放ったシュート。壁に入った選手のジャンプ。が、ボールはその足下をコロコロと転がり入ってしまった。ああ、決められてしまった。見事なまでに裏を掻かれてしまった。それ以前にあまりにも受けに回り過ぎてしまった結果なのだった。
これで尻に火がついたのか急に前掛かりになってきた。左サイド中心にボールを回す。柏がドリブル、裏へ出すと森島が出る。折り返しを稲垣が狙うも読まれている。前節決めた必殺パターンはもはや研究されてたのだった。
トップのヴィエイラはまるでボールに触れない。個で決めた清水に対してコンビネーションで崩そうとするサンフレッチェ。両者の攻撃を見比べたら必然的に迫力が違う。手数ばかり掛けてシュートすら打てない。得点の起点となる森島に至ってはファン・ソッコのマークに一杯一杯になってるのだった。
ゴール前のブロックを揺さぶるも一向に効果をなさない。引いてる相手への打開策として青山がミドルシュートを放つ。が、枠に入らないので脅威にすらならない。柏がサイドをえぐったといきり立つもゴール前の守備の人数に気圧されバックパス。そしてまたそれを奪われないようにバックパス結局最終ラインまで下げてしまいやり直し。ああ、こんなこと繰り返していて一体いつになったらゴールに向かうんだ。
そんな喘ぎをしていた時、トップのヴィエイラに入ると川辺に落とした。ワンタッチで裏へ出す。スルスルスルッと走りこんだ柏が受けるも打てずに中央へ流すと川辺シュート。次の瞬間ゴールの中に入っていたのだった。
 入った、入った、入った。同点である。ついにゴールをこじ開けた。川辺の2試合連続ゴールで試合を振り出しにもどしたのだった。
 いや、これは振り出しではない。依然としてサンフレッチェボールは続きセカンドボールもほぼサンフレッチェが収める。そしてボールが下がったらチェイシングする清水を尻目に前線へロングフィード。ヴィエイラが抜ける。ゴール前まで運んで落とすと川辺がシュート。抜群のタイミングだったもののこれをふかしてしまうのだった。
 この後にも似たような場面をつくりだすも川辺はふかしてしまう。ああ、川辺よ。どうしてそこまでシュートが枠にいかないんだ。すでに先制点を決めてるにも関わらず2本続けての枠外シュートに頭を抱えてしまうのだった。
 だがこの後、稲垣のシュートが相手のハンドとなりFKを得る。これは失点時と同じような場所。キッカーの森島はここでドウグラスとキッカーとしての勝負だった。上を狙うか、下を狙うか。だが放たれたキックは壁の真ん中に中途半端に引っ掛かってしまうのだった。ああ、一体何をしたかったのだろうか。サインプレーだったのだろうか。いずれにしろ森島は決めることができないのだった。
 更なる攻勢に出るべく稲垣から清水への交代がある。それまでもポツポツと落ちてた雨は一層強く滴り落ちる。それでもサンフレッチェの攻撃への火は落ちない。ブロックを敷いた清水のゴール前。森島のスルーパスに柏が反応。ドリブルからのクロスはファーサイドへ。頭一つ飛び出たヴィエイラのヘッド。GKの脇をかすめて叩き込んだのだった。
 逆転。ヴィエイラ、ヴィエイラ、ヴィエイラ!ろくにボールすら触ってないと批判してたのに決めてしまった。そういえばこれだけの攻勢に出れたのもヴィエイラが前線でしっかりと収めてくれるというのも大きかった。消えてるようでいつの間にか機能してる。改めてサンフレッチェに必要不可欠なFWという気がしたのだった。
 このまま勢いが続くかと思われたもののさすがに清水も前に出てきた。押し込まれる時間が多くなる。サンフレッチェももはや前へ出るリスクは犯さない。目の前にボールが来たらとにかく前に蹴る。1秒でも2秒でも稼ぎたい。もはやゴールキックすら遠くに飛ばすことしか考えてない。全員自陣に戻りブロックを固める。ドウグラスがドリブルで抜ける。打たれると思ったが中途半端にパスを選んでくれて助かった。GK大迫がキャッチするとまた大きく蹴って時間を使う。
 そして清水の攻撃が切れたとこで笛が鳴った。勝ち点3が取れた。引いた相手から点が取れた。人数を掛けた守備の網の間を抜けるようなワンタッチパスを決めた。精度が高かったのもあるが、得点パターンを増やしたとも言えた。そして絶対に負けそうな前半の戦況を覆したというのが大きかった。
 もはやリーグ戦だけしか残ってない今シーズン。せめてACLには出たい。その為にもまだ勝っても浮かれ続けることはできないのだった。

2019年10月 6日 (日)

神戸戦~両チーム8ゴールの中、勝利

2019年10月5日 サンフレッチェ広島vs ヴィッセル神戸 エディオンスタジアム広島

 後半の立ち上がりは慎重だった。リードしてるだけに無理に攻め急ぐことなくボールを大事につなげていく。その分物足りなさはあった。相手のブロックの中へ入って勝負すると見せかけてバックパス。そして安全に最終列まで下げてつくり直し。じれったい、じれったい。と思ってたら最前列のヴィエイラに入ると背後に着いてる守備をいなすべく落とすとサイドから走ったハイネルがシュート。グラウンダーのボールが地を這った。だがポストの脇へ逸れていく。いいシュートだった。慎重になってるようで決して攻撃の手を緩めてる訳ではない。特にハイネルの前へ出る意識は突出していた。
 ところが一旦ボールを持った神戸は厄介である。ふらふらと回してるようでいながらどこでボックス内に入れてくるか分からない。そしてパスばかり意識しているとドリブルでそのまま切り込んでくる。まるでそれはナイフを持ちながら守備ブロックの周りを徘徊しているかのようだった。やはり引いて守ってるのは危険だ。このまま時間切れという展開は望めそうもない。
 ミドルシュートやワンツーを使った突破を出してくる。押し寄せる攻撃の波。段々神戸の攻撃は力強さを見せ始めた。やはり押し返さねば。守備の踏ん張りから徐々にマイボールの時間ができてくる。それでも押し上げるには前線の数が足りず低い位置でのパス回しになる。が、森島が中央で受けるとそのまま前方へロングキック。最前列のヴィエイラが抜け出した。ペナルティエリアの前、GKと1対1。今度こそ決めろよと叫びそうになる。だがここで倒れた。背後へ追走してたDF大崎に倒されたのだった。
 うおおおおおおっ!
 スタジアムに怒号が走る。詰め寄った主審。その掌に掲げられたのはレッドカード。ここにきて相手に退場者が出たのだった。
 点が取れなかったのは痛いが数的有利はつくれた。あとはこのFKをどう生かすか。キッカーとして立った森島。前方に立ちはだかる壁。主審の笛。ゆっくりとした助走からのキック。それは壁を越えつつも変化のない速い弾道だった。GK飯倉も反応したものの触ることもできずゴールに叩き込まれたのだった。
 地鳴りのような歓声がスタジアムにこだまする。まさか決めるとは思わなかった。それだけに喜びが爆発する。そして森島が決めたというのも嬉しい。今までチャンスは演出してきたものの本人のゴールがないのが引っかかっていたのだった。
 2点差。これは有利になった。とはいえまだまだ油断はできない。事実、この後神戸は人数の不足はまるで感じさせないボール回しを始めるのだった。
 上手くこのまま時間が過ぎてくれればいいのに。守備に回るとどうしてもそう考えてしまう。だがここで後神戸はビジャに代えて田中順也を投入する。強烈なシュートとパワー持つ田中、どことなく不吉な予感がした。
 するとイニエスタの縦パスから田中順也がボックスに入る。人数を掛けたブロックの中をまるでザックリとナイフで切り裂かれたかのようにスパッと入ってしまい田中もワンタッチでシュート。守備の人数が揃ってるにも関わらず決めてしまったのだ。ああ、またしてもやられてしまった。そして1点差にされたことでまたしても不穏な空気が漂うのだった。
 もう失点は許せない。ボールを失ってはいけない。スローインからのボールもプレッシャーが厳しい。ヴィエイラがたまらず大きく中央へ蹴り上げる。大きく跳んだボールを処理しようと待ち構える神戸DF。だがそこへ猛烈に突っ込んでくる選手がいた。飛び込んだのはハイネル。頭に当てると森島につながった。前に運ぶ森島。食らいつくDFにパスを送ると縦へ走ってた川辺の下へ。ゴール前でシュート。決まった。川辺がここできっちりと決めたのだった。
 4点目。再び2点差。もはやこれは勝利に確信を持っていい時間だった。川辺も自身のゴールに安堵したことだろう。後はこのままシャットアウトすること。まだまだ油断をしてはいけない。
 神戸もまだ諦めていない。ドリブルで深くえぐってくる。そのマークにしっかりと食らいつくDF。それによりマイボールにすると神戸のプレスをパスで掻い潜る。やはり人数が少ないことでスペースがあるようだ。縦パスが通る。前に進める。でも攻め急ぐ必要はない。前が詰まったら簡単にGKまで下げてやり直す。もうこういう時間稼ぎのプレーでもいい時間だ。
 再び右サイドのハイネルに出る。そこからスルーパスにヴィエイラが出てゴール前、シュート。弾かれた。だがセカンドボールをペナルティエリアへ。森島シュート。弾かれまたシュート、弾かれヴィエイラの足元へ。ゴール真正面へ蹴るだけ。ゴールネットに叩き込まれた。
 5点目、決まった。もはや勝利は揺るぎない。そしてPKを外したヴィエイラはこれで取り返すことができたのだった。
 アディショナルタイムに入る。神戸はやはりボール回しにGKを使う。だがそこにヴィエイラがプレッシャーを掛けるとコントロールミス。こぼれたのを森島が拾う。迷うことなくシュート。緩い弾道のループシュートは無人のゴールに吸い込まれた。
 6点目。もはやスタジアムの声援は止まらない。点が入らず苦しんでたチームはFWと2シャドーが決めることによって試合を決めることができた。だが大勝した次の試合はいい結果が出ない傾向がある。しかも大量得点できたのは相手に退場者が出たというのが大きい。なので代表ウィークで中断があるのは逆によかったかもしれない。
 でも今日だけはこの勝利に酔いしれていたい。1か月振りの勝利は格別のものだった。

2019年10月 5日 (土)

神戸戦~稲垣、まさかの2ゴール

2019年10月5日 サンフレッチェ広島vs ヴィッセル神戸 エディオンスタジアム広島

 凄い、人多い。
 スタンドの光景を眺めた時、思わずそう呟いてしまった。神戸のイニエスタ、ヴィジャといったスター選手が観客を呼んだのだろうか。敵とはいえありがたい。この多くのサポーターが選手の後押しとなることを期待した。
 そしてそのサポーターの声援は確実に後押しとなり立ち上がりから相手陣地でボールが回る。怪我明けのヴィエイラが真ん中にいることでボールが収まる。左サイドに出ると森島が単独ドリブル突破。折り返し。川辺シュート。入った、と立ち上がりかけたもののゴールの脇逸れて転がっていった。
 外すかよ。ゴール真正面だったのに。ああいうシュートを決めないでどういうシュートを決めるのだ。得点力不足の原因を垣間見た気がした。
 そこに気落ちしたのも束の間、再び似た場面が訪れる。最後列から上がったDF佐々木がスルーパス。森島抜ける。そしてマイナスパス。これに飛び込んだのが稲垣。GK飯倉が掌に当てるもボールの威力が優ってた。ゴールの中に入り込んだのだった。
 稲垣、ゴール。GKの脇、ほんのわずかなスペースに放ったシュート。しかも味方のラストパスの出どころにいつの間にか走りこんでるのが稲垣らしい。加入当初は下手な選手だと思ってたが、確実に技術を上げてる選手なのだった。
 早い時間の先制点に気をよくしながら試合を進める。このままリードを保ったままいきたい。だが一旦ボールを奪われると主導権が神戸に行く。ブロックを敷いて受けに回るサンフレッチェ。人数を掛けて砦を築いている。神戸の攻撃はそのブロックの周りを周回させるだけ。それでもイニエスタにボールが入ると危険度が増す。予測もつかない方向へパスが出る。DFの裏へ落とされる。ビジャが走りこんできたがGK大迫の飛び出しにより無事難を逃れた。
そういう受けに回る時間はその後も続くもバイタルエリアには入れさせない。周辺を回させてるだけ。ビジャがボールを受けた場所はゴールからずいぶん離れたとこだ。野上もマークには行ったものの後ろ向きになりバックパスをする体勢だったので厳しくいかなかった。すると反転、前を向くと前線にループパスを放った。DFの裏にポトンと落ちると、古橋が走っていた。佐々木が追いかけるもすでに遅くワントラップでシュート。入った、決まってしまった。一瞬、ほんの一瞬の隙を突いたプレーなのだった。
やはりビジャはワールドクラスの選手だった。決めた古橋も見事だった。でもこの失点は痛かった。追いつかれたというスコア上のこともあるが人数を掛けた上での失点というのが痛い。このところ繰り返してる失点のパターンである。それだけにまたかという失念が大きかった。
 早くも同点。簡単に先制したが、そのまま勝たせてはくれなかった。ここ1か月勝ってないという呪縛はやはり重い。なんとか負の鎖を断ち切りたい。その為にもゴールがほしい。でもそれが最も難しいのである。改めて開始早々のシーンで川辺がゴール真正面であるにも関わらずシュートを外したのが悔やまれる。
 その後も川辺はバイタルエリアでシュートを放つもDFにブロックされる。やはり枠に飛ばない。そして攻守が入れ替わる。神戸はGK飯倉もフィールドに出てパスを回す。高い位置で奪えばチャンスだがプレスは軽くいなされてしまう。それでも森島のプレッシャーの掛け方が効いてラインを割ってマイボールになる。それを中盤でつなぐと
右から左へ。そして後ろへ下げてまた前へとボールを捌く。攻撃のスイッチを入れようとするも詰まれば下がりまた組立直し。それらの中心には青山がいた。そしてその青山からサイドに入れると野上から縦パス。裏へ向けたヴィエイラ。そしてゴール前へ折り返すと走りこんだ選手の足元へ。走った勢いのままシュート。入った、入った。入った。決めたのは稲垣。本人もキャリア初となる1試合2ゴール目を決めた。
叫んでしまった。得点力不足の中、決めたのが運動量を生かして守備に貢献する稲垣だった。本当に稲垣は神出鬼没である。どこに現れるか分からない。それがこの選手の魅力でありストロングポイントである。
だが1点では覚束ない。実際すぐに同点にされてしまった。ここは畳みかけて追加点が欲しい。とそんな気概から前線での守備、セカンドボールの反応につながり青山がミドルシュート。DFのブロックに阻まれる。が、ここで笛が鳴ってPKを宣告される。ハンド、手に当たったようだった。
雄たけびを上げる青山。ボールを置いたヴィエイラ。2点差になれば大きい。笛が鳴る。大きな助走からヴィエイラのキック。が、それをGK飯倉に反応され決めきることができなかった。
ああ、ヴィエイラ。ハイネルにでも蹴らせればよかったのに。せっかくのリードを広げるチャンスをみすみす逃してしまい不穏な空気が漂う。たった1点差のリード。果たしてこのままリードを保つことができるのか。そんな不安を抱きつつ前半を終えるのだった。

« 2019年9月 | トップページ | 2019年11月 »

最近のトラックバック

2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ

サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

JリーグPR

  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles