« 札幌戦~ルヴァンカップ敗退 | トップページ | 天皇杯大分戦~中途半端な敗戦 »

2019年9月15日 (日)

マリノス戦~渡の惨敗、試合の惨敗

2019/09/14 横浜Fマリノス vs サンフレッチェ広島 ニッパツ三ツ沢球技場

 横浜駅の喧噪を抜け川沿いを歩くと坂道に差し掛かる。かつて山だったのを切り開いて道路にしたらしく、曲がりくねった登り道には車がビッシリと並んでいる。横浜はどこに行っても混んでいる。そんな固定観念を目の当たりにさせられる光景だった。
 バス代をケチって徒歩で三ツ沢公園内に入るとそこだけ人がごった返していた。それまでの道すがら、どことなく閑散とした殺風景な雰囲気があっただけにまるで砂漠の真ん中に街が現れたような感覚になるのだった。
 とはいえ気温は砂漠ではありえないような涼しさに恵まれた。つい1週間前まで熱中症で運び込まれる人のニュースが絶えなかったことが信じられないのだった。
 メインスタンドに上がり席に着く。初めてのSSS席。ピッチ中央から雲に覆われつつも彼方まで広がる空が見渡せる。両チームのゴール裏もよく見えるのでサポーターの様子も伺いやすい。が、それでいて椅子が狭い。一体いつの時代の人間を基準にしてるんだというくらいに狭い。さすがにこんなお粗末な椅子でこの値段はないだろ。それだけこのスタジアムが古いということであろうがさすがに今後この値段でチケットを買う気にはならないのだった。
 日が落ちると共に照明に灯がともる。2週間ぶりのリーグ戦。その間レアンドロ・ペレイラは怪我をしてしまった。トップに渡が入ったもののルヴァンカップの2試合はどちらも勝てなかった。決定力のなさが露呈した。だからこそ渡自身にとっても結果が求められる。せっかく巡ってきた出場機会、ここでチームを勝たすことができるかどうかで今後のサッカー人生も変わってくるだろう。
 空も暗くなり選手が入場する。照明により影が何方向へも伸びる。座ってる席からは選手の表情までよくわかる。そしてその動きの一つ一つに迫力がある。そのせいか、立ち上がりから両者アグレッシヴに見えるのだった。
 ボールの寄せが速い。そんなに飛ばしてたら後でバテるのではと心配するも気温が下がったといいうのも影響してるのだろう。動ける分、両者激しい。接触プレーも多い。ファールにより熱くなる場面もある。だが個々の選手が局面で負けないという気迫が伺える。それにより両者シュートシーンをつくりつつも最後の最後で食い止めるのだった。
 いつものごとく防戦一方の展開に持ち込まれる。ボールを奪ってもワントップの渡に収まらない。前半から劣勢に立たされこの苦境にボールを奪っても出し所がない。後ろで回してもすでに敵が人数を割いて上がってるので厳しい。また奪われ返されると思ったその時、ロングボールが飛んでハイネルが抜け出す。ハイネルは速い。無謀に思えたそのボールに追いついてシュートまでいったのだった。
 追い込まれてるようでその裏を突く。なかなかにサンフレッチェは抜け目ない。そんな雰囲気を出した時、ハイネルからクロスが入った。渡がジャンピングボレー。これ以上ないタイミングだったものの、足先に当たったシュートはゴールバーの遙か上を超えてしまったのだった。
 渡らしいアクロバティックなプレー。でも枠に入れることができなければノーチャンスだ。わずか0.5秒でも速く反応していれば。当てるのが精一杯だったが為にコントロールまではできなかったようだ。
 前半をスコアレスドロー。悪くはないがもはやこの時点で切り札がなくなってしまっていた。青山とハイネルを先発させている。そしてこの2人、時間の経過と共にプレーが雑になる傾向がある。守備でファールが多くなり、パスが相手にカットされる。それにより逆襲を食らう。更にハイネルは無謀とも言えるスライディングで相手のパスカットをしようとすると届かず相手にいい形でドリブルで入られる。そしてサイドから切り込まれ角度のないシュート。これが決まってしまった。よりによって決めたのは仲川。前回対戦と同じ選手に同じパターンでやられた。もはや仲川はサンフレッチェにはこうやってシュートに持ち込めば点が取れるという自信を持ってしまっただろう。
 追う立場になったサンフレッチェ。ところがトップの渡にはまるでボールが収まらない。ゴールキックを蹴っても競り合うことすらできず相手ボールになってしまう。そして前線でもターゲットになることができずにハイネルも柏もクロスが上げられない。そしてたまに上がったと思ったら100パーセントの確率でその落下地点にいない。渡じゃ点が取れない。残念だがそう考えざるを得なかった。
 そんな攻撃のもたつきをしている内にクリアミスを拾われてシュート。またしてもゴールに叩き込まれてしまった。その後も野上がペナルティエリアでハンド、PKを献上して決められる。あれよあれよという間に3点も失ってしまう。マリノスの選手はみんなゴールを目指すので守備をし難い。一方でサンフレッチェの攻撃陣はゴール前に来るとパスをしてしまう。打てばいいとこで裏へパスを出し、ことごとくカットされてしまう。完全に読まれてる。読まれてるのに同じパターンを繰り返す。繰り返すからマリノスは守備が簡単だ。サンフレッチェの攻撃には恐さというものがまるでないのだった。
 トップに絶対的なFWがいないというのをやはり厳しい。森島も途中から入ったものの何もできない。攻め手がない。一方のマリノスはパスでもつなぎロングパスはつながりドリブルはどんどん仕掛けてきて10点くらい取ろうとしてるくらいの勢いだった。それに押されてどんどんどんどんショボくなっている。もはやサンフレッチェは盾も矛もうしなってしまったかのような脆さだった。
 3-0、ぼろ負けである。こんな試合を観にわざわざ横浜まで来たのかと思うと屈辱的だった。やっぱりトップがいないからな。渡は見事に何もできなかった。それなのに90分使われたのはそれだけ駒が足りないということだ。苦しい。今後、これでは勝つことはできないだろう。そういえば渡のワントップで今まで勝ったことがないんだった。
 もはやこれから点を取ることすらできないだろうと暗澹たる想いでアウェイゴール裏へ挨拶に行く選手を眺める。負けはしても激励するサポーター。そして最後に出たのが渡コールなのだった。みんなまだ渡のこと諦めてないようだった。
 それを聴いてぼくは席を立つ。惨敗にうちひしがれるもまだ少し期待してみたくなった。そしてぼくの着てる渡のレプリカが誇らしく輝くことを夢見るのだった。

« 札幌戦~ルヴァンカップ敗退 | トップページ | 天皇杯大分戦~中途半端な敗戦 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 札幌戦~ルヴァンカップ敗退 | トップページ | 天皇杯大分戦~中途半端な敗戦 »

最近のトラックバック

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

JリーグPR

  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles