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2019年8月24日 (土)

大分戦~決めれる人がいない

2019年8月24日 サンフレッチェ広島vs 大分トリニータ エディオンスタジアム広島

 台風一過により一旦は猛威を潜めた暑さも再びぶり返してきた感がある。またしても消耗戦、動きの少ない試合になるだろうと思いきや雨がパラついたことにより気温が落ち着いてきた。そのせいだろうか、サンフレッチェは前線から追い込むように圧力を掛けていく。その圧力に屈して大分は後ろでのビルドアップに手間取り何度かミスをした。それにより高い位置でのボールカット、もしくはCKのチャンスを得るのだった。ただ最後が決まらない。最後の最後をしとめることができないのだった。
 最後の最後まで食らいつく大分の守備。崩したと思っても最後の一歩が出てくる。それを引きはがす為により高い精度、より速いタイミング、より的確なポジショニングがいるのだった。
 ボールは持っても攻め急がない。ブロックをつくって固められるのでなかなか打開ができない。が、それでもトップにヴィエイラがいることでその長い脚で収めてくれる。味方が上がるまでキープしてくれる。それにより攻撃に重心を移すことができ大分の守備をゴール前まで張り付かせるのだった。
 サイドからは2人、3人と絡むことで裏を取ろうとする。そこからクロスを送るも上手くヒットすることができない。更にゴール前で引きこもるDFを逆手に取ってヴィエイラがミドルシュートを放つもGKにキャッチ。ああ、ここにきてヴィエイラにとって唯一にして最大の欠点が出た。ストライカーとしてシュートにパンチ力がないのだった。
 シュートは打つ。打点の高いヘディングもできる。相手を剥がすこともできる。だけど最後の最後のシュートが頼りない。打った瞬間GKにキャッチされるのが予想できるのだった。
 更にヴィエイラには点取り屋としての嗅覚がない。川辺が放ったミドルシュートではGKが弾いたものの、弾いたのを見届けてからアクションを起こしてる。ゴール前でボールがこぼれる場所を予測できないのだった。
 その為にシャドーの森島がゴール前へ入る。DFを剥がしシュート。そこまではいけるもののGKがブロック。何かが足りない。何かが足りないのだった。
 更に左サイドから柏がクロス。中で東が合わせたものの威力がない。GKにセーブされる。が、コースが際どかった為にボールが外へこぼれた。千載一遇のチャンス。だがこれをヴィエイラが中へ詰めた為に追いつくことができなかった。セービングの基本としてシュートを弾く場合は外へ弾くのがセオリーである。点を取る選手というのはそこへ本能のように突っ込む。結局のところ最後の一突きをするのにストライカーの不在というのを痛感させられた。
 その他にも逆サイドに入ったクロスに森島がトラップをした場面があった。シュートを打ったもののブロックされてしまった。密集状態のゴール前、トラップをしただけでコースは塞がれてしまう。あそこでダイレクトシュートという発想がなかった。それを本能として持ってなかった。
 決めきれない。そこに業を煮やし青山を投入。そしてトップにペレイラ。前節の勝ちパターンをそのまま持ち込んだ。そして確かに青山が入ることで前線へいいロングフィードが入る。ペレイラも大きな体躯を駆使してボールを失わない。それによってまた押上が起こり前線へ駆け上がる。もはや適当に放り込んでペレイラに肉弾戦をやってもらった方がいいような気がするも、最後の最後まで確実につないで決めようとして引っ掛かる。シュートを打っても打っても入らない。まるでそれは大分の選手がサンフレッチェの選手のプレーを完全に読み切ってるかのようだった。
 守って守って守りぬいた大分。だがそれは時としてカウンターも繰り出した油断のならない守備だった。そしてサンフレッチェは終始ボールを支配しながらも最後の最後までゴールを決めることができないのだった。
 岩のように硬直した試合。それを打破するストライカー。それが欠如してるというのを思い知らされた試合だった。逆に考えるとこれでよく10戦も負ずにやってこれたものである。
 果たしてこの先その役目を担う選手は誰なのだろう。まるで想像ができないとこにこの先のリーグ戦に困難しか思い浮かばないのだった。

2019年8月18日 (日)

FC東京戦~熱帯夜の勝利

2019/08/17 FC東京 vs サンフレッチェ広島 味の素スタジアム

 一体何度あるんだ。
 アウェイゴール裏で座ってると滞留した熱によってじっとりとした汗がしたたり落ちる。日は落ちていくものの気温が下がることはなく、時間と共にスタンドの密度は増していくことで尚更熱が籠もる。そこに疲弊しながらも選手が入場するとコールが始まり気持ちの温度も上がる。内も外も熱くなるのだった。
 とはいえこのモワッとした暑さ、選手の消耗は相当なものであろう。90分を睨んで、動きの少ない立ち上がりだった。
 後ろからビルドアップでゲームをつくろうとするサンフレッチェに対して東京は前からのプレッシャーは掛けてこない。その分ボールは持てるものの東京のブロックを崩すスイッチを入れるボールをなかなか入れられない。それは明らかに悪い奪われ方をするのを恐れてるようだった。縦に速い攻撃、それは東京の最も得意とするものだった。
 サイドを使って持ち上げる。右のハイネルの突破が効いている。逆に左の柏のとこでは停滞する。回して回して突破を仕掛けようとするとコースを塞がれるのでやり直し。隙を伺ってるつもりでいるものの、そのもどかしいパス回しはフィニッシュに至らず終わってしまうのだった。
 もどかしい。どことなくまったりとしてる。とはいえその試合運びは理解もできた。なにせ暑い。座って観てるだけで汗が噴き出る。ピッチの選手にしてみればあまり前半から飛ばしてると最後動けなくなるのは目に見えていた。
 そんなコンディションのせいかピッチでうずくまる選手も現れた。全くボールと関係ないとこで東京の選手が倒れた時、審判は一旦試合を止める。サンフレッチェが攻めてただけにその判定には不満の声が上がる。だが選手の安全を考えれば致し方ないとドロップボールの判定を受け入れた。そしてそのボールは当然サンフレッチェに返してくれるのだと思っていた。が、東京は構わずマイボールとしてそのまま攻めてきたのだった。
 アウェイゴール裏から猛烈な抗議の声が上がった。あれではピンチになれば倒れればいいではないか。そんな不満からサンフレッチェの応援はヒートアップする。理不尽な判定はサンフレッチェに火をつけたのだった。
 前半スコアレス。でも相手にチャンスらしいチャンスは与えなかった。サンフレッチェの方がボールを支配してるように見える。かといってシュートシーンをつくれないのであと一押しだろう。その一押しの為に期待が掛かるのが青山だった。
 後半15分。その青山が東との交代でピッチに入ると声援は一層大きくなる。正確で意表を突くキックは相手の牙城を崩す。あれほど入り込めなかった東京のブロックに綻びが生じる。そして柏がボールを持った時、スルーパスへ反応した川辺。ゴール前で受けると落とすと柏が猛然と突っ込んできた。DFの間を抜きシュート。走った勢いも相まってその弾道はGKの掌をはじき飛ばしゴールに入り込んだのだった。
 ドワアアアアアアアアァッ!
 一斉に立ち上がったアウェイゴール裏。怒濤のような歓声が沸き、ゴールを決め勢い余った柏が駆け寄った時には柏コールが響き渡った。大きい、あまりにも大きい先制点だった。
 ここで受け身に回ってはいけない。追加点も狙っていきたい。攻めるにはリスクを伴う。そこがミスにつながり東京にボールが渡ってしまう。そして一旦東京の攻撃が始まるとなかなかそれを断ち切ることができないのだった。
 サイドを起点にクロスを入れられる。ハイネルは守備でもがんばって走り回る。それでもゴール前の密集地帯に入れられるとGK大迫はパンチングで弾く。セカンドボールを拾われる。なかなか攻撃を断ち切れない。そんな前掛かりに来られた攻撃を食い止めロングボール一本蹴ると広大なスペースが広がってる。ハイネルがドリブルで駆け上がる。ただし東京の帰陣も速くゴールまでは至らない。その内にそんなカウンターの場面が訪れてもハイネルが上がってこれなくなった。限界だった。ピッチにうずくまったハイネルはサロモンソンに交代した。
 それからも引きこもって防戦一方。そして奪ってカウンター。柏がドリブルで抜け出した時にはゴールの目の前まで来たのに全速力で戻ったDFに食い止められてしまった。あと少しだった。だけど相手も必死だ。アディショナルタイムの表示が5分と出た時、あまりにも長く感じてサンフレッチェ・サポーターからどよめきが起こった。
 シュートには身体を張ってブロックする。もはやつなぐよりも前方に大きく蹴り出すのが精一杯。一体今何分経った?プレーが進む毎に時間が気になる。そこで東京のファールによってプレーが止まる。大きく安堵する。リスタートはGK大迫がゆっくりと始める。そして蹴ったとこでタイムアップの笛が鳴ったのだった。
 ドオオオオッ!という歓声が上がる。誰も彼も喜び讃え合う。勝った。勝った、勝った、勝った。首位のFC東京に勝った。この暑い一戦を制した。思えばホームでFC東京に負けてから連敗が始まった。そしてその借りを返した。そんな想いが折り重なってサンフレッチェ・コールが響き渡るのだった。
 額から汗がしたたり落ちる。それをタオルマフラーで拭き取る。気づいたらそれはすでにぐっしょりと濡れていた。ぐしょぐしょのレプリカユニフォームに、まるで自分もプレーをしてたかのような錯角を覚える。いや、ぼくも闘っていた。そしてゴール裏皆が闘っていた。そんな疲労感と達成感が湧き上がる勝利にいつまでも高揚は収まらないのだった。

2019年8月14日 (水)

天皇杯金沢戦~3回戦突破

2019年8月14日 天皇杯3回戦 サンフレッチェ広島vsツエーゲン金沢 エディオンスタジアム広島

 出場機会の少ない選手で組まれたメンバー。とはいえ松本泰志、サロモンソン、吉野、渡のように一旦スタメンとして定着したのに失った選手にしてみれば格好のアピールチャンスである。ここでいいパフォーマンスを見せたい。
 そのモチベーションはキャプテンマークを巻いた清水であっても一緒だろう。更に若い東や松本大哉も一緒だ。そして開始早々に松本大哉がミドルシュート。パンチの効いたシュートだったものの、枠に入らなかった。それでも幸先のいい展開であった。この調子でどんどん攻め続けていきたい。
 パスでつないで相手をはがす。パスはつながる。だが前にいったかと思うと戻してしまう。結果最終列の安全なエリアでパスを回さざるを得ない。金沢の守備の圧力に押し返されてしまうのだった。
 相手は一つ下のディビジョンのチーム。もっと前線をかき回してガンガンとクロスを送り込むシーンを観れるだろうという期待は見事に外されてしまった。それどころか攻めあぐねてる内にボールを奪われカウンター。ゴール前まで守備に戻ったサンフレッチェ。ところがサイドからクロスを入れられる。低い弾道のボールが密集地に飛ぶ。松本大哉が見逃した。井林も見逃した。それにより金沢の選手に渡りシュート。それが入ってしまった。文句の言いようのないゴールだった。
 まずい、まずい、まずい。これだけ攻め手のない中で決められてしまった。追いつくことは可能なのだろうか。それはとても望みのないことに思え、すでに敗退を覚悟してしまった。やっぱりこのメンバーでは駄目だったのかと悲嘆に暮れるのだった。
 変化を求める為、ハーフタイムで野津田が青山と交代した。中盤の底から青山からパスが散らされる。それにより相手の守備にスペースができる。そこへまた味方が入ることでトップまでボールが供給される。それによりトップにもボールが入る。渡が受けた時、トラップで切り返すことでマークを外してシュート。FWらしい動きでよかったものの、枠を外した。前半でもグラウンダーのクロスを決めきれなかった。せっかくシュートシーンをつくっても決めきることができないのだった。
 パスを回す。縦へ入れるとすぐにプレスが来るのですぐに下げる。上げたり下げたりの繰り返し。金沢の守備が嵌ってる。前線へ入れる、下げる。入れる、下げる。それを繰り返すと青山がトラップで浮かす。それを東がダイレクトシュート。GKの頭上に向かったものの強烈な縦回転により落ちた。ゴールの中に落とし込んだのだった。
 追いついた、追いついた、追いついた。ルーキーの東が決めた。欲しい時に取ったというのが勝ち越しゴールへの機運も高まる。それにより追加点を狙うべく切り札のドウグラス・ヴィエイラが入るのだった。
 キープ力のあるヴィエイラは金沢の守備に混乱を与えた。それにより中央に出したボールを東がスルーすると右サイドの広大なスペースに出た。駆け上がった松本大哉がクロス。回転の掛かったボールがゴール前へ入る。そこに飛びつくが如く渡がダイレクトシュート。グラウンドを叩きつけたボール。GKも処理しきれなく入ったのだった。
 決めた、決めた、決めた。決定的チャンスを外し続けた渡が3回目にしてようやく決めたのだった。これで勝ち越すことはできた。あとは逃げ切るだけ。いや、ここは追加点を取ってとどめを刺してやりたい。
 ところがシュートまでたどり着かない。いいように回せてるようでフィニッシュまでたどり着かない。それなら無理をしないで後ろから建て直せばいい。そんな勝ってるチームの常套手段を行うも残り時間に持てる力全て振り絞って金沢が攻めてきた。ゴール前へクロスが飛ぶ。ブロックするもCK。跳ね返してもセカンドボールを拾われる。明らかに風向きが変わった。もはやクリアボールを遠くへ飛ばすだけが精一杯。一発勝負の天皇杯では確実なプレーが求められるのだった。
 もはやつなぐことよりも時間を使いたい。安全にロングボールを蹴る。そして大きく蹴りだしたとこでタイムアップの笛が鳴った。ホッと胸を撫でおろす。ノルマである3回戦を勝ち抜くことができたのだった。
 後半になって明らかにいい形で攻めれるようになった。青山一人出るだけでここまで変えてしまうとは。だが交代した野津田にしてみれば悔いが残るだろう。そんな各選手にとってそれぞれの意味合いを持つ勝利なのだった。

2019年8月11日 (日)

ガンバ戦~ペレイラの同点弾

2019年8月10日 ガンバ大阪vs サンフレッチェ広島 パナソニックスタジアム吹田

 連日の猛暑は熱中症による死者まで出している。その殺人的な暑さは日が落ちても地上に滞留している。体力の消耗が激しそうだ。できる限る走りたくはない。省エネのサッカーをやりたい。が、そんな気温にも関わらず最初から前線から積極的なプレスを掛けていく。高い位置でのボール奪取を目論んでるのだった。
 ところがボールが奪えない。プレスをかいくぐられ前線へはこばれる。その結果、自陣に引きこもるしかない。そしてそれが防戦一方の展開へと導かれるのだった。
 一方でそれは相手をわざと前掛かりにするという効能もあろう。実際トップで張るヴィエイラが収めると味方の上がりを促した。中盤で森島がマークを引き剥がすと広大なスペースが広がってた。川辺がドリブルで駆け上がるとそのままゴールまで行けそうな気がした。が、そのどれもフィニッシュまでたどり着かない。ガンバの守備の網に引っ掛かってしまい中途半端な攻撃で終わってしまうのだった
 そこに気をよくしたガンバはサイドからの崩しを積極的に仕掛けてくる。守備に追われる柏とハイネル。2人共攻撃において本領を発揮してもらいたいのに守備でどんどん体力を奪われる。そうこうしてる内にマークを外されクロスが入る。ゴール前の密集地帯。危ないと思いつつもそこは荒木がガツンと弾き返すのだった。
 前半の内、ほぼそのペースは変わることなく続いた。ただ、それでもゼロで抑えたことに光明があった。きっと後半は戦況が変わるだろう。城福監督もここで策を講じるに違いない。そんな期待を胸に挑んだ後半戦、またしても前線からのプレスで始まるのだった。そしてまたしてもそれをかいくぐられる。ああ、これではまた自陣に籠るしかなくなるではないか。それを繰り返していてはさすがに厚く張った守備網も崩されるような気がした。
 何か変化を起こしたい。そこで呼ばれたのが青山だった。チームの顔、エンジンと呼ばれた背番号6がピッチに入る。それだけでチームに華を与える。が、開幕から膝の怪我で長く実践から離れてただけに果たしてどれだけできるか。この交代が仇になるのではないか、そんな不安を抱えた。すると青山の縦パスから一気にチームが前を向けたのだった。
 あれだけ重心の重かったチームが攻撃へと舵を切ることができた。やはり青山は別格である。ハイネルと柏が高い位置を取ることができるようになった。当然ガンバのDFはゴール前に人数を掛けてくる。跳ね返されてもセカンドボールが拾える。これはゴールが奪えるかもしれない。更に攻勢を高めるべく、疲労の見えるハイネルと川辺を下げサロモンソンと新加入のレアンドロ・ペレイラが入る。前所属の松本では活躍できなかったペレイラ。ここで結果を期待するのはあまりにも唐突過ぎる気がするのだった。
 そんな気分に陥ってた時、ガンバにボールが入ってしまった。懸命に戻るサンフレッチェ。それまでに時間を掛けさせることはでき人数は揃った。だが守備が落ち着く前に逆サイドに振られる。ドリブルでペナルティエリアに入られてシュート。GK大迫、セーブ。だが処理しきれずに手前に弾くとどこからともなく表れた倉田がシュート。それまで苦心して築いてきた壁をぶち壊すかのようにゴールに叩き込まれるのだった。
 やられた。残り時間を考えると絶望的だった。強烈なシュート、そのこぼれを狙うポジション取り。それらは人数の揃ったゴール前の守備に対してねじ込んだといった感じだった。さすがにこれはもう諦めた。あともう少し堪えればせめて勝ち点1だけでも取れたことに深い落胆を感じるのだった。
 アディショナルタイム。追いつきたい気持ちはあるものの最終ラインからビルドアップしていく。そしてある程度の位置まで来ると中へ放り込む。さすがにこれははじき返されるもセカンドボールを拾えたのが幸いした。ガンバの守備陣形が少しバタついた。すかさずバイタルエリアの森島へボールが渡る。ファーサイドへクロス。なだれ込んだ両チームの選手。が、頭一つ抜けていた。長身のペレイラ。頭に当てるとGKの逆サイドにコロコロコロとボールは転がっていき、ゴールの中に吸い込まれたのだった。
「入った、入った、入った。ペレイラ、ペレイラ、ペレイラーッ!」
 レアンドロ・ペレイラ。新加入の選手がいきなり決めてくれた。しかもそれは貴重な貴重な同点ゴールである。高さがある。しかもヴィエイラと並ぶと2つもターゲットができる。更にそこに合わせたのが森島のキックだ。ここ数試合の得点はいずれも森島のキックから生み出されてる。もはや替えの利かない選手となりつつあるのだった。
 一瞬にして負けを回避した。そのしぶとさは相手に愕然とするものを与えたはずだ。引き分けはあくまでも引き分けである。だが、負けなかったというのが大きい。土壇場で追いついたというのが素晴らしい。
 暑い夏はまだ続く。すぐに天皇杯もあって週末には首位FC東京戦。身も心も熱くなる日は続くのだった。

2019年8月 4日 (日)

札幌戦~良きサイクルの充足感

2019年8月3日 サンフレッチェ広島vsコンサドーレ札幌 エディオンスタジアム広島

 身体の内側に溜まった熱が外気に晒されることによって一層燃えさかる。ジトーッとした汗が滲み出て不快度が上がる。夜へと橋渡しする時間になってもこの気温。熱い、熱い、熱い。暑いではなく完全なる熱を感じるのだった。
 この高温多湿の中、同じフォーメーションの札幌との対戦。どちらの精度が上か、どちらの走力が上か、どちらが体力があるか。そんな戦いであるのは明白だったものの、試合の入りは両者共スタミナを意識したゆっくりとしたものだった。
 サンフレッチェは後ろからのビルドアップにより隙を探し前線へ入れる。すると密集地奪われロングボールを出されるとサイドの広大なスペースを縦へ抜かれクロス。それをゴール前のジェイがヘディング。GK大迫の真正面だったことが得点には結びつかなかったものの、この後何度となくこういう場面を迎えるのだった。ボール支配を高めても攻撃へのチャレンジのパスは止められる。対して札幌はカウンターによって左右からのクロスという形は中に長身のジェイがいることによって十分に脅威になっている。井林も荒木も競り合うことすらできない。シュートの精度のなさに助けられたものの、効率面から考えると札幌の方に分があるのは明白だった。
 高い位置からのプレスは思った程嵌らない。プレスを掛けてくる相手に対して外すというスキルはミシャの下、札幌でも植え付けられてる。どんなチームに行っても自分の色に染めるミシャはやっぱり指導者として秀でている。それでもあと一歩のとこで頭打ちになる。勢いに任せて一本調子になる。失点をせずにハーフタイムを迎えると後半はチャンスがあるのではないかという気がした。
 すると左サイド柏に入ると相手を引き付ける。ここからドリブルで縦へ行くのかバックパスで立て直すのか迷いを生じさせる。すると次のプレーはそのどちらでもなく縦のスペースへ放り込んだ。スプリントを掛ける森島。だがDFも引き連れてるだけに少々無謀な挑戦に見えた。が、追いついた森島。ただゴールまでのコースには入られて壁となっている。カットインから切れ込もうとするもドリブルには無理があると思われたその時、折り返しのパスを送った。するとこのマイナスで転がるボールに猛然と走りこんできたのがボランチの稲垣。ファーサイドへのシュート。GKも身体を倒して反応するも、及ばずゴールに入ったのだった。
「おおっしゃああああぁぁぁっ!」
 ボールを持ってるようでいてシュートまでたどり着けないもどかしさの中、先制をした。しかもそれが稲垣という後ろのポジションの選手である。決してシュートの上手い選手ではないがなぜかこういうところに顔を出しミラクルなシュートを決める。誰よりも走ることによってこういうスポットライトの当たるプレーを起こす。改めてサッカーとは色んな能力を持った者による総合力なのだと思い知らされた。そしてサンフレッチェのこのスタイルを築いたのこそ札幌のベンチにいるミシャなのだった。
 当然のことながら失点した札幌は前に出てくる。自然、サンフレッチェのディフェンスラインも下がる。札幌の攻撃が続く。ただ、前半あれだけやられた左の白井には突破を許さなくなった。後ろに人数を置いたことによって守備のカバーが来れる。ただその分チャナティップが色んなところでドリブルで仕掛けてくるので捕まえきれない。それによりペナルティエリアに入られてシュートを打った時には決められたかと思った。が、ここは井林がしっかりコースを切っていたのである。
 更に札幌の猛攻は続くも最後の最後では荒木が絡め捕る。そして前線へ送るもヴィエイラ一人なのでままならない。それでも収めた時にはビッグチャンスが生まれる。ドリブルで駆け上がる。それに反応し森島も駆け上がりスルーパスを受ける。追走するDF。他に選択肢はなくシュート。ギリギリの条件で放ったシュートは枠に飛んだ。GKに防がれはしたもののCKである。時間が稼げた。そして何よりも引いて守ってるだけでなく常にカウンターの機会を狙ってるという驚異を与えることができた。
 その森島も終盤に近付くとプレーの精度が落ちてきた。さすがに中2日のスケジュールはキツイ。ユニフォームは汗でびっしょりと濡れている。あと1点入れば試合を決めることができるものの渡と交代した。
 アディショナルタイム5分。長い。それでも跳ね返すだけでなくとどめを刺す意識は持ち続けている。それがハイネルのパスカットを生みカウンターへとつながる。スピードのなるハイネルのドリブル。スペースへのパスをヴィエイラが受けるとペナルティエリアへ。ただ札幌の戻りも速くシュートコースが阻まれるもマイナスのパス。これに途中交代の青山。決定的だったがシュートは枠の上に飛んでしまったのだった。
 今シーズン初出場の青山。ここで決めればその盛り上がりは計り知れなかっただろう。そして9試合ぶりに先発をした野津田も目に見える結果を残したかっただろう。だがそれらは叶うことなく終了の笛を聴いた。勝った、勝てた。それでいながら選手個々の事情を考えると色んなものが交錯してそうだった。逆に言うとそれだけ今チームは競争がしっかりと確立されてるということかもしれない。
 最後まで足の止まらなかったサンフレッチェ。疲労感より出場への渇望があるのだろう。本当は渡だってもっと観たい、青山や野津田だって先発で観たい、佐々木の負傷で出場してる井林だっていいパフォーマンスを出していた。サロモンソンだって負傷離脱から戻ってきた。一つの勝利と共にそんないいサイクルを感じさせてくれるのだった。

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サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

JリーグPR

  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles