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2019年3月31日 (日)

大分戦~フォワードのゴール

2019/03/30 大分トリニータvs サンフレッチェ広島 昭和電工ドーム大分

 

 代表の試合があった為、2週間振りのリーグ戦。期間が空いた為にどことなく気持ちの断絶のような感覚がある。その反面、前節からの固定メンバーであるにも関わらず、マンネリの感覚を持たずに済んだ。
 そしてそれらは試合への渇望を生み、前線からのプレッシャーという行為により具現化された。野津田や柏が相手DFのパス回しに食らいつく。それに呼応するようにトップのドウグラス・ヴィエイラまでボールを追いかける。跳びこまず、タイミングを計って食らいつこうとする。それにより相手の自由を奪っていくような気がした。が、GKを交えたパス回しはなかなか奪えない。それどころかところどころでプレスを剥がされカウンターへとつなげられるのだった。
 大分、上手い。運動量や気迫で押し切るプレーをしてくるかと思いきやミスのないプレーを続ける。1対1での勝負でも負けないとこに脅威を感じた。それ程有名な選手がいないのに何が彼らをそこまで飛躍させたのか。これが6年振りにJ1に上がったチームなのか。開幕3勝1敗という成績は伊達ではなかった。
 それでも前からのプレスは高い位置でのボール奪取を生んだ。ボールを奪われない余裕からか、ストッパーのボール処理の一瞬の隙を突いて柏が奪った。ゴールに向かうヴィエイラへパス。ワンタッチで中央へ出そうとしたヴィエイラのパスはブロックされるも跳ね返る。そのこぼれ球を柏がシュート。右足で巻いてファーサイドに入れるイメージだったのだろうが球は曲がらなかった。全速力で走ってのプレーだけに決めるのは難しい。でも決めて欲しかった。今日初めて訪れたビッグチャンスに決めきれなかったことが後々後悔へと結びつかなければいいのだが。
 というのも大分には隙がないのである。ボールの出しどころを探り縦パスでスイッチを入れようとすると引っ掛けられ、スペースへの長いボールを確実に通してくる。そしてゴール前へ走りこんだ選手へのクロスも合わせてくる。ただ、その最後の場面でコントロールの精度が悪く事なきを得ている。
 この試合、このままいけばどうにもサンフレッチェの方に分が悪い。そんな気がしたもののスコアレスのまま前半を終えホッと胸を撫でおろした。恐らくこのまま後半に入りどこかでパトリックを入れるのだろう。その為にももっと相手を疲れさせてやりたい。
 そんな意図をもって後半に入るもやることは変わりなかった。プレッシャーはことごとくいなされ中盤からロングパス。サイドから走りこんだ選手が追いつきシュート。あまりにも速い展開に付いていけない。ところがGK大迫は飛び出すとキックにより掻き出した。その判断の成功によりこの危機的状況を脱することができた。
大分はこういう一瞬のプレーで脅威を与える。それに比べサンフレッチェの攻撃にはどうも手が掛かり過ぎている。柏が裏に抜ける動きをしてもスルーパスはカットされる。仮に裏に抜けてもマークを外さない。トップに入ってるヴィエイラに至ってはボールを収めることができず大きい割にターゲットとして機能してない。柏が突破からクロスを上げるも逆サイドに流れ、サロモンソンが再び入れるもヘディングはGK真正面。どこをどうやっても上手く蓋をされてる気がした。
再びサロモンソンのクロス。弾き飛ばされる。松本がそのクリアボールを拾う。縦パスを入れる。柏が落とす。柴崎のゴール前へフワッとしたクロスはカーブを描いて落ちた。そこにいたのがヴィエイラ。頭に当たった瞬間半身捩るとボールは軌道を変えゴールの中へ入ったのだった。
「うおおおおおおおおっ!」
 決めた、決めた、ドウグラス・ヴィエイラが決めた。リーグ戦で今季初めてのFWの得点である。そして自身にとっても初のJ1でのゴールなのだった。
 さっきまでの行き詰った雰囲気が吹き飛んだ。逆に大分はここでガクッとペースが落ちてきた。プレーにもミスが目立つようになり疲れを感じさせた。ここでパトリックを入れれば息の根を止めることができるだろう。
 ところが城福監督は渡、東といった選手を入れる。そして最後のカードとしても松本大哉を入れ結局パトリックは使わなかった。その意図はパトリックの気質のせいなんだろう。1点を守る展開になった時、どうにも一人でゴールに向かって無謀なシュートを打つ傾向がある。そのリスクを避けたのだろうが、パトリックに依存しきった昨シーズンからすると城福監督にも変化があったように感じた。
 1点を守るべく自陣で固めて跳ね返す。ほとんどピッチの半分しか使われない。守って守って守る抜く。大分もそんな密集したゴール前にほんのわずかな隙を見つけてシュートを打ってくる。それでも枠に入らない。入らせてない。
 そして堪えて堪えて堪え抜いて90分の笛を聞くことができた。そのあまりもの防戦一方だった展開によりガクッと崩れ落ちるように安堵の溜息をついた。
 勝った。勝つことができた。それができたのはゴールを決めたというごく当たり前のこと。あれにより張り詰めた気持ちを切ったのは明らかだろう。その為にもヴィエラが点を決めたというのが大きい。決められる、そういう選手が前にいるだけで相手にどれだけプレッシャーを与えることができるか。それだけに大きな意味を残す勝利となった。

 

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