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2019年3月31日 (日)

大分戦~フォワードのゴール

2019/03/30 大分トリニータvs サンフレッチェ広島 昭和電工ドーム大分

 

 代表の試合があった為、2週間振りのリーグ戦。期間が空いた為にどことなく気持ちの断絶のような感覚がある。その反面、前節からの固定メンバーであるにも関わらず、マンネリの感覚を持たずに済んだ。
 そしてそれらは試合への渇望を生み、前線からのプレッシャーという行為により具現化された。野津田や柏が相手DFのパス回しに食らいつく。それに呼応するようにトップのドウグラス・ヴィエイラまでボールを追いかける。跳びこまず、タイミングを計って食らいつこうとする。それにより相手の自由を奪っていくような気がした。が、GKを交えたパス回しはなかなか奪えない。それどころかところどころでプレスを剥がされカウンターへとつなげられるのだった。
 大分、上手い。運動量や気迫で押し切るプレーをしてくるかと思いきやミスのないプレーを続ける。1対1での勝負でも負けないとこに脅威を感じた。それ程有名な選手がいないのに何が彼らをそこまで飛躍させたのか。これが6年振りにJ1に上がったチームなのか。開幕3勝1敗という成績は伊達ではなかった。
 それでも前からのプレスは高い位置でのボール奪取を生んだ。ボールを奪われない余裕からか、ストッパーのボール処理の一瞬の隙を突いて柏が奪った。ゴールに向かうヴィエイラへパス。ワンタッチで中央へ出そうとしたヴィエイラのパスはブロックされるも跳ね返る。そのこぼれ球を柏がシュート。右足で巻いてファーサイドに入れるイメージだったのだろうが球は曲がらなかった。全速力で走ってのプレーだけに決めるのは難しい。でも決めて欲しかった。今日初めて訪れたビッグチャンスに決めきれなかったことが後々後悔へと結びつかなければいいのだが。
 というのも大分には隙がないのである。ボールの出しどころを探り縦パスでスイッチを入れようとすると引っ掛けられ、スペースへの長いボールを確実に通してくる。そしてゴール前へ走りこんだ選手へのクロスも合わせてくる。ただ、その最後の場面でコントロールの精度が悪く事なきを得ている。
 この試合、このままいけばどうにもサンフレッチェの方に分が悪い。そんな気がしたもののスコアレスのまま前半を終えホッと胸を撫でおろした。恐らくこのまま後半に入りどこかでパトリックを入れるのだろう。その為にももっと相手を疲れさせてやりたい。
 そんな意図をもって後半に入るもやることは変わりなかった。プレッシャーはことごとくいなされ中盤からロングパス。サイドから走りこんだ選手が追いつきシュート。あまりにも速い展開に付いていけない。ところがGK大迫は飛び出すとキックにより掻き出した。その判断の成功によりこの危機的状況を脱することができた。
大分はこういう一瞬のプレーで脅威を与える。それに比べサンフレッチェの攻撃にはどうも手が掛かり過ぎている。柏が裏に抜ける動きをしてもスルーパスはカットされる。仮に裏に抜けてもマークを外さない。トップに入ってるヴィエイラに至ってはボールを収めることができず大きい割にターゲットとして機能してない。柏が突破からクロスを上げるも逆サイドに流れ、サロモンソンが再び入れるもヘディングはGK真正面。どこをどうやっても上手く蓋をされてる気がした。
再びサロモンソンのクロス。弾き飛ばされる。松本がそのクリアボールを拾う。縦パスを入れる。柏が落とす。柴崎のゴール前へフワッとしたクロスはカーブを描いて落ちた。そこにいたのがヴィエイラ。頭に当たった瞬間半身捩るとボールは軌道を変えゴールの中へ入ったのだった。
「うおおおおおおおおっ!」
 決めた、決めた、ドウグラス・ヴィエイラが決めた。リーグ戦で今季初めてのFWの得点である。そして自身にとっても初のJ1でのゴールなのだった。
 さっきまでの行き詰った雰囲気が吹き飛んだ。逆に大分はここでガクッとペースが落ちてきた。プレーにもミスが目立つようになり疲れを感じさせた。ここでパトリックを入れれば息の根を止めることができるだろう。
 ところが城福監督は渡、東といった選手を入れる。そして最後のカードとしても松本大哉を入れ結局パトリックは使わなかった。その意図はパトリックの気質のせいなんだろう。1点を守る展開になった時、どうにも一人でゴールに向かって無謀なシュートを打つ傾向がある。そのリスクを避けたのだろうが、パトリックに依存しきった昨シーズンからすると城福監督にも変化があったように感じた。
 1点を守るべく自陣で固めて跳ね返す。ほとんどピッチの半分しか使われない。守って守って守る抜く。大分もそんな密集したゴール前にほんのわずかな隙を見つけてシュートを打ってくる。それでも枠に入らない。入らせてない。
 そして堪えて堪えて堪え抜いて90分の笛を聞くことができた。そのあまりもの防戦一方だった展開によりガクッと崩れ落ちるように安堵の溜息をついた。
 勝った。勝つことができた。それができたのはゴールを決めたというごく当たり前のこと。あれにより張り詰めた気持ちを切ったのは明らかだろう。その為にもヴィエラが点を決めたというのが大きい。決められる、そういう選手が前にいるだけで相手にどれだけプレッシャーを与えることができるか。それだけに大きな意味を残す勝利となった。

 

2019年3月17日 (日)

松本戦~得点者、サイドプレイヤー

2019317日 サンフレッチェ広島vs松本山雅FC エディオンスタジアム広島

 

 昇格組の一つ、松本。メンバーを観るとかつてサンフレッチェでデビューした橋内がいた。まだスタメンで出てることに嬉しさを覚えると共にもはやそれを知ってる人もどれだけいるだろうという気がするのだった。

 日中とはいえまだ肌寒さのある季節。ただ、サッカーをするにはちょうどいい気候である。その利点を生かし松本はハイプレスを掛けていく。パスで切り抜け攻撃の糸口を見つけるのだが、時折プレスの網に引っ掛かりカウンター。前田がドリブルで抜け出すとスピードがあった。全速力で戻ることで何とか食い止めることができた。守ってカウンター。前半は0-0でいい。松本の狙いは明白だった。それだけに前半の内に点を入れたかった。

 サイドから攻撃を組み立てる。左から柏がドリブルで仕掛ける。右からもエミルが裏への抜け出しを試みる。そんなサイド攻撃はクロスまでいく。そしてファーサイドで待ってた野津田がヘディング。だがGK真正面。うう、決めたかった。あまりにもドフリー。枠に入れただけでもいいのかもしれないが、やはりここは決めて欲しかったとという心情は抑えることができない。

 更には自陣の守備から川辺が相手ボールをカット。前線へのフィードにヴィエイラが抜け出す。ゴールラインにたどり着き折り返し。だが誰も触れずペナルティエリアを超えると走りこんだ柏がシュート。これも枠には入ってたがミドルシュートにしては威力に欠け、GKに阻止されてしまうのだった。

 攻めているのに点が取れない。そのまま前半をスコアレスで終えると、松本・反町監督の作戦にまんまと乗せられてるような気がした。不吉だ。気持ちよく攻めさせておいてサンフレッチェの攻撃に慣れていくのではないだろうか。得点の入る気配がないとみるや一気に攻撃へと軸足を移していく。そして気が付いたら守勢に回される時間が増えてく。そんな蟻地獄のようなパターンにまた陥ってしまうのではないだろうか。

 だが後半もサンフレッチェの攻撃が続き安堵する。左サイドからの組み立てる。野津田と柏が敵を食いつかせつつ互いにパス交換する。そして2人の関係が手詰まりになったかと思うと佐々木がオーバーラップ。ただいかんせんその後のクロスの精度がなさすぎる。佐々木ってそんなにキック下手だったのかと首をひねるのだった。

 どうにも点が入りそうにない。ヴィエイラが素晴らしいボールキープを見せたり松本が左右に散らしたり柴崎がシュートを放ったりする。随所で可能性は感じつつもゴールが割れない。松本のゴール前は人数を掛けた守備ブロックができている。これを突き破るにははやりより強力なターゲットとしてパトリックを入れるしかないのだろうか。やっぱり最後はパトリック頼みしかないのだろうか。

 この時、柏がドリブルに入ると中央へ向かっていく。より近い位置からアーリークロスを入れるのかと思いきや、そのままゴールに向かって蹴った。

内側に弧を描いたシュート。その軌道はGKの掌に触れることもなくゴールに入ったのだった。

先制、先制、先制!

決して崩れることはないと言われた岩がハンマーで叩いてる内に崩れ落ちたとでもいった感覚だった。それはそれは柏にとっても久々のゴールでもあるのだった。

戦術パトリックとまで言われる程にパトリックへの依存度が高かった。それもそのはず、パトリック以外誰もゴールを決めないからだ。それもあってこのゴールは貴重なのだった。

更に畳みかけてもう1点。そんな機運は確かにあった。だが決めることができない。するとついにヴィエラに代わってパトリックが登場した。

 時間の経過と共にパワープレーに移る松本。最終ラインでの競り合いは神経を擦切らされた。もはやクリアだけして時間が稼げればいい。あわよくばパトリックがクリアボールを処理してくれる。ただ、自身のゴールが欲しいらしく、時間稼ぎよりもゴールを目指してしまう。それで決めることができればだしも可能性の低い突破をはかろうとするからたちが悪い。その結果すぐに相手ボールになりまたしてもロングボールを蹴りこまれるのだった。

残り時間わずかになりながらもCKが訪れる。ゴール前はもはや敵味方の乱立状態。その密集地帯目掛けてボールが蹴られた。ニアサイドでクリア。だが2次攻撃に備えないといけないと思ったとこで笛が鳴った。終了、1点を守り切って勝つことができたのだった。

開幕からリーグ戦でゴールを決めたのはサロモンソンと柏というサイドの選手だけ。それはパトリックに依存しきってた昨シーズンの得点パターンのなさから脱却の兆しがうかがえた。

そんな光明が見えたと感じつつも昨シーズンの失速ぶりは鮮明に記憶に残ってるだけにこれで浮かれる訳にはいかない。でもそう言いつつ勝ったその週はとても軽快な気分でいられるのは間違いないのだった。

2019年3月13日 (水)

メルボルン戦~結果を出して欲しかった選手の結果

2019年3月12日 アジアチャンピオンズリーグ・グループステージ サンフレッチェ広島vsメルボルン・ヴィクトリー 広島広域公園陸上競技場

 本田圭介。
 日本代表として3大会連続ワールドカップに出場。その後自ら代表引退を宣言しらものの、今でも日本を代表するフットボーラーであることに変わりない。そんな本田の凱旋試合。まさかこういう形で対戦することになろうとは。いつの間にかJリーグも国際化されてるのだった。
 そんな国際化の波は大会運営にももたらされ、背もたれのない席は客席として利用できないというAFCのルールを順守せざるを得なかった。その為、観客の入ることのできるのは指定席のみになり、チケットが売り切れたというのに実に閑散としたスタンドとなってしまったのである。常々サッカー専用スタジアムが欲しいと言ってきたが、結局のところこのスタジアムはすでに国際標準に対応できてないのだった。
 今回もまたリーグ戦とはメンバーを替えたサンフレッチェだった。が、絶対的なストライカーであるパトリックがいることで前回とは違った様相を呈していた。
そんなパトリックの下へ中盤でのブロックからボールが入る。
ドリブル、ドリブル、ドリブル。右サイドを駆け上がる。ディフェンダーと競りながらも縦へ抜けた。グラウンダーの折り返し。ゴール正面に出たそのボールを合わせた。バシンとゴールに突き刺すシュートを放ったのはルーキーの東だった。
 パトリックの重戦車のようなドリブル。そして東もよくあの位置まで走りこみ決めた。本人もまた自信を深めていくだろう。それを含め早い時間の得点は大いに希望を持った目で試合と向き合うことができた。
 ところがこの後メルボルンにどんどん押し寄せられていってしまう。守備一辺倒。確かにバイタルエリアには入れてない。パスを回させているだけとも言えなくもない。ただ、それもあまり長い時間続けているとどこかで決壊が起きる。特に体格のいいオーストラリアの選手にはパワープレーで来られたらたまらない。しかも本田のミドルシュートも脅威なのだった。
 はじき返してもクリアボールを拾われる。前線にはパトリック一人しかいないのでつながらない。守備固めをするにも時間が早すぎる。何とかならないものだろうか。
 そこで後半から東に代えてサロモンソンを投入。右サイドから活路を見いだそうとしたのだろう。が、状況は一向によくならない。ボール支配率を高めたい。そんな想いからラインを上げたのだろうが、その裏へ出されてしまった。
 決壊したディフェンスライン。水本が慌てて追いかける。間に合わず左サイドから入れられる。ゴール前へスライディング。決められた。決めたのは本田、本田圭介だった。
 よりによって一番注意しなきゃいけない選手にやられた。これで試合は振り出しに戻った。勝ち点3入れる為に攻めなきゃい。それは攻められ続けていたことにより途方もないことのように思えた。
 しかし、ここで気炎を上げたのが渡だった。相手を背負ってでもボールを受け、裏へ出してパトリックのGKとの1対1を生み出し、FKも獲得した。惜しむらくはそのどれも得点には結びつかなかったことである。それもこれも火がつくのが遅すぎたせいだろう。
 そして柏、野津田と投入して攻撃へ拍車をかけるも遅すぎる気がした。森島、渡がシュートを打つ。入らない。決めきることができない。柏が左サイドで仕掛ける。そしてクロス。ゴール前のパトリックにがガッチリマークがついてるのでこれも弾き飛ばされるだろうとため息をつきかけた。
 その時であった。突如、ニアサイドに現れた影。ピンポイントで合わせたヘディングはGKの届かない箇所に入ったのだった。。同点、同点ゴールだった。
 決めたのは渡だった。決めてほしい選手が決めた。勝ち越した。喜びを爆発させると共に残り時間を気にした。もうそれほどない。守れ。踏ん張れ。このリードを死守しろ。
 追いつこうともがくメルボルン。もう低い位置で奪ったものはクリアでいい。そういう時間を使いたい時に前線でファールを貰えた。時間が過ぎていく。堪えろ、堪えてくれ。そんな願いに報いるかのよいにタイムアップを迎えた。勝った、勝ったのだった。
 これで1勝1敗。少なくとも3試合だけで消化試合になることはなくなった。抜け出したい。何としてでも決勝トーナメントに勝ち上がりたい。サンフレッチェのように戦手層の薄いチームであっても戦う術はある。それをみせることができたのが嬉しかった。
 でもまだやっと1勝しただけ。それだけに勝ち進むことによって東や渡のように新たなヒーローとなる選手が生まれて欲しかった。

2019年3月10日 (日)

セレッソ戦~城福監督への再認識

201939日 セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島 ヤンマースタジアム長居

 

 昨年の9月以来公式戦で勝ってないサンフレッチェ。それもこれも城福監督の無為無策に帰するとこが大きい。パトリックに依存した攻撃と固定メンバーによる戦術。最初の内こそうまくいってたものの、研究されたらその上をいく戦略がなかった。引き出しがない。城福監督を評する時、必ずついて回る言葉だった。

 そして予想通りのスターティングメンバーにまたもどかしさを感じながら勝てない試合を観なければならないのかと落胆するもワントップにはパトリックではなくドウグラス・ヴィエイラ入っていた。パトリック先発した場合、切り札がなくなってしまうことで試合が膠着した場合手詰まりになってしまう。その為に渡や皆川で試したことはあるがいずれもパッとしなかった。果たしてドウグラスがどれほど機能してくれるのだろうか。

 そんな疑問もチームが前からプレッシャーを掛ける積極的な守備お陰でドウグラスの絡む場面は度々訪れた。足が長いこともありキープ力がある。味方を使うのも上手く連動した攻撃が展開できる。そして誰かがミスをしてもそれをカバーする選手がいる。それによって益々攻撃チャレンジができるようになるのだった。

 DFの守備も冴えていて攻め込まれても摘み取ることができ前線へのフィードはつなげることができる。ポンポンポンとパスがつながりサロモンソンへ。右サイドからドリブルで上がるとミドルショート。枠には入らなかったもののそれは脅威を与えるには十分な精度とキレのあるシュートだった。

 右サイドといえばかつてミキッチが思い出される。スピードと緩急のあるドリブルから数々のゴールにつながるクロスを上げたもののシュートだけは下手だった。派手さではかなわないものの、実質的なプレーとしてはサロモンソンの方に軍配が上がった。

 そんなサロモンソンの落としからパスを回しゴールへの機会を伺おうとしたが相手のプレスにより相手GKへ向けてボールが転がってしまった。DFGKに任そうとスルーする。するとその隙を逃すまいとサロモンソンがスプリント。慌てて戻るDFGKDFとサロモンソンが交錯するように倒れた。が、ボールはまだ生きている。サロモンソンはルーズボールを拾いシュート。入った。一瞬GKの反応より早く動けたことで押し込むことができたのだった。

 先制点。ああ、こんな響きいつ以来だろう。そもそも得点自体3試合ぶりである。そして前回決めたのもサロモンソンだった。綺麗に崩すことばかり考えてたがこういう形でもゴールはゴールである。サンフレッチェに足りないものをことごとく具現化してくれてる、恐ろしく優秀なサイドアタッカーだというのに今更ながら気づかされるのだった。

 でもここで気を抜けばまた追いつかれる。そうならない為にも追加点が欲しい。そして実際そんな可能性を感じた。左サイドで柏が再三突破を試みクロスを入れる。ドウグラスがヘディングで合わせる。効果的ではあったがゴールに至るには何かが足りない。ここで切り札のパトリックがアップを始めた。相手にしてみればいよいよ畳みかけるつもりでいるように見えただろう。

 ところが交代は攻撃の野津田に代えてDFの荒木である。先の試合で2失点もしたというのによく起用に思い至ったものだ。そしてその後は川辺から実績の乏しい森島。これも勇気のいる交代であった。そして最後にサロモンソンを下げて清水である。パトリックを入れるふりをしつつ入れなかったのである。しかも試合のキーマンであるサロモンソンを下げるというのも相手の意表を突いただろう。

 実際にはセレッソの方がボール保持の時間が多く守備に回ってばかりだった。だけどそれほど攻められてるという感覚がしないのはブロックの中にボールを入れさせなかったからである。だがそれも時間と共に徐々にペナルティエリア内にまで侵入するようになりシュートを打たれる場面も出てきた。が、最後にGK大迫がいるのである。FKからゴール前へ上げられた場面で相手と競り合いながらもキャッチした。実際には相手の接触によるファールであるが最後の最後までボールを離すことがなく、この選手のスケールの大きさを感じたのだった。

 ボールを奪えばカウンター。上手くいかなければ戻ってディフェンス。そんな手堅い戦術はサンフレッチェキラーであった高木のドリブルを無効化し、前線でのターゲットとなる都倉も自由にさせなかった。2人共サンフレッチェの時には必ず点が取れるというイメージを持ってただろうが、今回は上手くいかないと違和感を感じたに違いなかった。

 そして終了の笛が鳴り昨年9月以来、約半年ぶりの勝利を得ることができた。勝った。勝ったということが喜ばしかった。それほどぼくらは勝利に飢えていた。固定化メンバー、変わらない戦術、停滞した試合進行。そういったものに辟易していたが、今日は違った。これは一体どういうことだろう。

もしかして監督の采配が当たったということか。あれほど疑心暗鬼に陥っていた城福監督の作戦は見事に的中したのである。

もうちょっとこの監督を信用してみよう。

たった一勝しただけなのにそんな気分が沸き上がった。勝つというのは心理にここまでポジティブに影響するというのに改めて気づかされたのだった。

2019年3月 5日 (火)

広州恒大戦~完敗

201935日 アジアチャンピオンズリーグ予選リーグ 広州恒大 vs サンフレッチェ広島 広州天河体育中心

 

 5回目となるACL。だが過去この大会での戦績といったら燦燦たるものである。一度だけ決勝トーナメントに勝ち進んだもののそれも1回で負けてしまった。情けない。日本を代表して出場にてるのに恥の上塗りをしている。ああ、恥ずかしい。ああ、みっともない。と嘆きながらも選手層の薄いサンフレッチェにとっては仕方のないことなのだった。実際この試合でもリーグ戦からメンバーを総入れ替えをしたのだった。

 それでも最初はよく堪えていた。ブラジル代表に名を連ねる選手相手にもよく対応していた。このまま無失点でいければ試合は落ち着いていく、そんな気がしていた。が、そんな時に右サイドで荒木裏を取られてしまった。カバーに入ってる選手はいない。縦へドリブル。ラインが下がっていく。だがボールを持った選手は誰も対応できずクロスを入れられると中で合わされてしまった。呆気なく、呆気なく失点してしまったのだった。

 もうサンフレッチェに勝てる見込みはなくなった。そもそも引き分けで終われば御の字だった。あまりにも早い失点。それは士気を下げるのに十分な効果があった。

 その後のCK。それまでに何度もセットプレーを受けてきたもののマークを外すことなくよく凌いでいた。やはりリーグ戦のメンバーに選ばれたいというのがいいモチベーションになっていた。ところがこのCKは高いとこから落ちるボールには荒木がまたしても裏に入られてしまった。ボールがこぼれる。それをパウリーニョ。押し込んでしまった。決まってしまった。決められてしまった。これもまた呆気ないゴールだった。

 もう負けることは決まってしまった。前半の内に2点差。まだ諦めるのは早いとはいえあまりにも希望がなかった。なぜならマイボールになってもボールの出しどころがない。パススピードが遅い。奪われたくないものだから後ろで安全に安全に回してしまう。攻めなきゃいけないものの相手の守備網へ突入すると言葉通り網に引っかかってしまう。行くも地獄、行かないも地獄なのだった。

 こんな手詰まりになったのも皆川や渡といった前線の選手がちっともボールを収めることができないからだった。ボールを受けることも散らすこともできないプレーには失望しか感じなかった。明らかに広州の攻撃陣に比べると2人は迫力に欠けるのだった。

 そんな2人には引導が渡された。まずは後半始めから渡が野津田と交代する。すると途端にボールが深いエリアまで侵入できるようになる。それまでの及び腰が一転して攻撃へとシフトしていくのだった。

 更に皆川が松本泰史が入ると両サイドから2人、3人と絡んだパス回しが展開される。クロスを入れてもクリアされるものの、そのセカンドボールをことごとく拾う。点が入らないのには変わらないが少なくとも失点だけはしないという安心感があった。

 ここまで攻撃に軸足を向けてたら店を入れたい。でもそれには何かが足りない。それがゴールへ向かう迫力なのだった。ゴールにぶち込む、ゴールに押し込む、相手をねじ伏せるという気概だった。相手を揺さぶってはいるもののフィニッシュで完結してないことが多いのだった。

 こねてばかりいないで切り込め。もっと強引に仕掛けろ。気力で負けるな。

 そんな声をあげようとしてるとCKとなる。流れで取れないだけにこれを生かしたい。そしてCKのボールをドウグラス・ヴィエイラが当ててこぼれる。吉野が打つ。スカした。もう一度打つ。またしてもスカしてしまってGKにキャッチされたのだった。

 ああ、2度もあった決定機でボールの芯を蹴ることができなかった。あんな絶好のチャンスを。あんな決定機を逃してしまった。

 すると今度は左サイドから東のクロスが入る。ドウグラスがヘディング。タイミングは合ってた。が、枠に入ることがないのだった。

 この2つの決定機、まさに広州の得点を決めたシーンそのものだった。広州はそれを決めることができた。サンフレッチェはそれを決めることができない。勝敗はそこで決まった。やはり点の摂れないチームが勝つことなんてできないようだ。

 完敗だった。後半は攻める時間が多かったのでまだ良かったのかもしれない。若い選手が多いだけにいい経験になったのかもしれない。でもこの試合は完敗だった。点が入らなかったことで何もできなかったと言っていい。

 もっと強く、もっと激しく、そしてもっと大胆に。

 そんな願いを叫びたくなるのだった。

2019年3月 2日 (土)

磐田戦~バリエーションなき戦術

2019年3月1日 サンフレッチェ広島vsジュビロ磐田 エディオンスタジアム広島

 名波監督の方が上。
 2点の先制をひっくり返された昨シーズンの記憶から城福監督への信頼はすっかり落ちてしまった。パトリックが初スタメンに入ってるが、それによって切り札を失ってしまったようにも感じる。かといって渡や皆川にそこまでの存在感がなかったことから仕方のない采配ではあるのだが。
 照明の落ちたピッチには脇のトラックが水分により光ってた。雨が降ってたのだろうか。その割にボールが滑るという感じではない。サンフレッチェのボールは確かに回る。だけど攻め切る前に攻撃を摘まれてしまう。それを解消する為のパトリックの起用だったもののその効用はちっとも感じられないのだった。
 そんなサンフレッチェのもたつきに対してジュビロの攻撃にはロドリゲスのドリブルが冴える。2人、3人とかわす。それでも最後は佐々木がせき止める。アダイウトンがミドルシュートを放つもGK大迫がパンチング。その辺の状況判断も含め大迫には安心感があるのだった。
 一進一退と言えば聞こえがいいものの、その実まるで攻め手がない。切り札であるパトリックを先発させてしまったが為にもはや打つ手がない。そんなことを思っていたらゴール前へボールが入る。パトリックがヘディングで落とす。こぼれをサロモンソン。だがそのシュートは枠を捉えることができなかった。とはいえ前節と同じ形でのフィニッシュの場面にやはりこの2人の同居は不可欠である気がした。
 そして最初の交代カードとしてドウグラス・ヴィエイラが入る。加入後初のプレーとしてボールを受けるも早々に奪われてしまった。
 あれ?、どうしたんだ。
 そんな戸惑いは次のプレーでまたボールを奪われることで疑心暗鬼へと変わってしまう。
 あの選手、大丈夫なのか?
 だが次第にいい形での関わり方をしていく。左サイドに抜け出し巧みな身体の入れ方によりFKを得た。長身の割には足下の技術も巧みである。だがそのFKのチャンスは簡単にクリアされてしまうのだった。
 磐田も切り札として荒木を入れてきた。さんざん振り回されたロドリゲスのとの交代だがこちらはこちらでスピードとキレがあり、ドリブルでペナルティーエリアまで侵入されてしまう。最後もかわしシュート。よもやこれまでと悲鳴を上げそうになるも大迫はパンチングで弾いたのだった。
 助かった。間違いなく1点取られたら終わりの試合である。ここにおいて最後の最後にGKが砦となってくれるというのは大きな安心感をもたらすのだった。
 そしてサンフレッチェは東、松本大哉と投入。理にかなった交代であるもののそこでポジションの調整もないしパターン化された交代のように見えた。ペナルティーエリア周辺まではいくものの最後が崩せない状況に変わりはない。たまにサロモンソンがディフェンスラインを越えてクロスを送るも川辺もパトリックも触れることすらできなかった。個でもダメ、連携でもダメといった様相だ。
 押し込め、押し込めというこちらの焦燥は決してピッチに反映されない。ただ、焦りだけは感じてるらしくパトリックがボール奪取での行き過ぎた行為によりイエローカードを貰ってしまった。
 全ては予定調和。攻め方も試合の組み立ても全て同じ。これでシーズン始めにしてすでにメンバーも固定されようとしている。引き出しがない。城福監督はもう行き詰まってしまったようん8見えた。
 スコアレスドロー。負けなかったのは良しとすべきかもしれない。だが昨年の9月以降まだ90分での勝利がないのである。一体どうやったら勝てるのか。まるで迷宮に迷い込んでしまったような気がするのだった。

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サンフレッチェの魂~リンク集

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    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
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    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

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