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2019年1月29日 (火)

イラン戦~アジア大会最強チーム

2019/01/28 アジアカップ準決勝 日本 vs イラン ハッザ・ビン・ザーイド・スタジア

 

 アジアカップ、準決勝。

そこには白い衣服に包まれたイランサポーターによって埋め尽くされたスタンドがあった。かつてアジアカップにおいて中東のスタジアムがここまで観客動員されたことがあっただろうか。決勝以外の試合でも盛り上がる、この大会の権威が高くなってきたということではなかろうか。

鳴り響くイランの応援。それは他の中東諸国と違いヨーロッパ的に太鼓のリズムに合わせたコールが鳴り響く。そしてその声援に呼応したようにイランの選手は速いプレッシャーにより日本にスペースを与えない。攻撃の芽を摘んでくる。そして前への推進力がある。パスでつなぎドリブルで突き進む。日本も寄せを速くするもののなかなか奪えないのは個人技が巧いからだ。やはり今までの相手とは違う。今大会無失点のイラン。選手の多くはヨーロッパでプレーしてることからもアジアの枠に収まらないチームでもあるのだった。

イランはサイドへのクリアを容易にさせる。それもそのはず、ロングスローがあるからだ。ゴール前へ向けてスローインはセットプレーのように選手が入り乱れる。クリアはできてもその後の2次攻撃、3次攻撃がやってくる。パンチ力のあるミドルシュートなので全くもって気が抜けない。このイランから点を取るどころかまずは失点しないようにするだけで精一杯だった。それでも高い集中力でゴールを守っていると前を向くチャンスは訪れたのだった。

大迫がスペースに出す。南野が反応するも倒された。笛はない。ファールなし。これで終わりかと思いきや南野はすぐに立ち上りルーズボールに追いつく。一瞬集中の抜けたイランは守備が整ってない。その隙を突いてクロス。中で合わせた。大迫、ヘディング。決まった。

先制。雄たけびを上げながら大迫はベンチに走った。完全に押されてた中での得点は相手の出鼻をくじくには大きなインパクトがあった。だが当然のことながらここからイランの猛攻が始まるのだった。

人数を掛けて守るもプレスにおいてはファールを取られてしまう。距離はあるがイランはFKを直接狙ってくる。強烈なキック。GK権田はパンチングによって何とか難を逃れる。イランの攻撃には首の皮一枚つなげるように堪えていくのだった。

そんな我慢の時を過ごす内にカウンターが来た。ゴール前、大迫が走りこむ。ヒールで落とす。南野反応。折り返しのクロス。手に当たった。ホイッスルが鳴る。

VARによってプレーが止まる。場所はペナルティエリアの中。判定はどっち。

そして主審の下した判定。PKPKだ。ボールをセットした大迫はピーンとした緊張感の中、GKの逆を突いて決めた。決めた、追加点だ。これで日本は大いに優位に立てたのだった。

2点差を埋めるべくイランの攻撃はまた圧力を高める。パワープレーも多くなり必然的に接触プレーも増える。遠藤が倒れる。ファールを取ってもらえない。続行不可能で塩谷に交代した。

更にはサイドバックの酒井が室屋に交代し、残り時間を過ごすことになる。シュートはイランの方が打っている。まだまだ堪える時間は続き堂安を伊東に交代があった。あわよくばカウンターにつなげようという意図だろう。

アディショナルタイム4分。あと少し。そこで原口が前線でボールをカット。ポンポンポンとショートパスがつながり原口がシュート。決まった。決まった、決まった、決まった。これはもう間違いない。価値を決定づけるダメ押し点を決めたのだった。

程なくして試合終了。厳しい厳しい試合が終わった。今大会で最強チームであるはずのイランに結果的には3点差で勝った。そこにサッカーの恐ろしさであり面白さを感じた。

実質的に決勝戦という声もあった。だがこれは本当の決勝ではなかった。そして残るはあと1試合。勝利した瞬間喜びはもう次の試合へ向けての緊張感に代わるのだった。

2019年1月26日 (土)

チョンブリ戦~茨の予感

2019/01/26 Jリーグ・アジアチャレンジinタイ チョンブリFC vs サンフレッチェ広島 チョンブリスタジアム

 

 日が落ちてるというのに32度という猛暑。真冬の日本とのギャップにはさぞ戸惑いがあるだろう。タイでのプレシーズンマッチはそんな勝手の違う環境でありながらも新シーズンへ向けてのアピールの場でもある。だがその実、城福監督にとっても勝負の年である。今までの経歴により修正能力のなさ、引き出しのなさは指摘されてきた。昨シーズン6連敗してからというものその采配に疑問を感じてきた。恐らく今シーズン失敗するとサンフレッチェはおろかJリーグにおいても声が掛かることはないだろう。そんな城福監督がどんなメンバーを選んできただろうか。

 するとそこには新しい顔が多く含まれた新鮮な構成だった。右サイドバックの和田がボランチをしてるというのも面白いし、東や松本大哉といったユース上がりの選手が入ってるというのもいい。それぞれ新しいポジションと新規メンバーはどのようなプレイをするのか興味深かった。

 つないでつないで危なくなったらバックパス。それは今までと変わらない。そしてGK林まで戻すとワントラップからロングキックを打つも相手FWに詰められたことでブロックしたボールがそのままゴールに入ってしまう。ああ、いくら親善試合のようなものとはいえあまりにも恥ずかしい失点。林もそろそろ引退かなと思いつつもサブにはもっと危なっかしい中林。今更ながらどうしてGKの補強をしなかったのかと思ってしまう。

 そんな失点の憂いを抱えつつも同点に追いつくべく前係になる。ゴール前にクロスが入る。エミルが落とす。東がフェイント、シュート。3人ものDFに立ちふさがれながらもわずかな隙を縫って決めた。このシュートは素晴らしい。早い時間の同点ということもあってこの東に大いなる希望を感じたのだった。

 ところが後半になるとGK以外メンバー総入れ替えをする。新加入のFWドウグラス・ヴィエイラの大きさが目立つ。それだけで非常な脅威となってる気がする。しかも強烈な左足キックを持つ野津田がいる。これはこれで楽しみな編成であった。

 ところがドウグラスが前線でボールをガツンと収めることもなくまるで迫力がない。そこを悟ったか、チョンブリは気持ちのいいように攻めてしまうようになった。ボールの奪えないサンフレッチェは防戦一方。こういう相手ボールを取れないという悪癖は全く解消されてないのだった。

 相手の攻撃を切ることができない。クリアしたボールは必ず相手のとこに飛ぶ。そんな切迫した状況の中で左に振られるとシュートを打たれた。これにはDFもちゃんと詰めてて林もニアで構えていた。が、このシュートが当たり損ねでバウンドしたボールになるとゴールのファーサイドに入ってしまった。ああ、ヒットしなかったが為に逆にセーブできないしゅーとになってしまった。この運の悪さ、これも昨シーズンと変わりはしなかった。

 更にスローイン、ゴールキックといった本来マイボールにしなくてはいけない場面で相手に簡単にボールを取られてしまう。この辺の課題も全く解消されてないのだった。

 最後は皆川も出て高さで勝負しようとする。が、いいクロスが入らない。そして密集したペナルティエリア内で森島が抜け出す。が、ここでDFのプレッシャーによってラストパスが送れなかった。この辺もフィジカルコンタクトに弱い弱点を克服してない気がする。ああ、どうして個人でもチームでも課題とされてるものが改善されてないのだろうか。やっぱりこれが監督の力量、そんなことを考えてもしまうのだった。

 最後にCKを得た。これを野津田が蹴る。が、簡単にクリアされて終了。2-1で負けてしまったのだった。公式戦ではないとはいえ、とても楽観できる内容ではなかった。

 たえずはACLのプレーオフがある。これはちょっと厳しそうだな。まだキャンプ中だというのにもうそんな悲観的な感情を抱いてしまうのだった。

2019年1月25日 (金)

ベトナム戦~アジアのレベルアップを実感

2019124日 アジアカップ準々決勝 日本 vs ベトナム アルマクトゥーム・スタジアム

 

 スタンドには赤いシャツのベトナムサポーターが多く陣取っていた。UAEまで来るとはベトナムのサッカー熱と共に経済成長による所得の向上を垣間見える。ベトナムに向けられる声援。それはさながらアウェイの雰囲気を醸し出しているのだった。

 そんな声援を受けたベトナムは全てにおいて寄せが速かった。守備においても攻撃においても。日本はプレーに余裕を与えられない。パスで展開しようとするもそのどれもが引っかかってしまう。さすがにここまで人数を掛けて守られるとスペースがない。ドリブルで打開をはかっていきたいものの、その隙さえ与えてもらえないのだった。

 人数を掛けてブロックするベトナムの守備を崩そうとすればするほど網に引っかかってしまいカウンターを受けてしまう。1本のロングキックによりトップが抜け出すとゴールまで迫ってくる。そこを潰そうとも後ろからどんどん上がってくる。その結果、GK権田から変につなごうとするパスを出すとそれを狙われ逆にピンチを招いてしまう。ああ、権田よ。頼むから単純にクリアしてくれ。ベトナムがこんなにもアグレッシブにプレスを掛けてくるチームだと思わなかった。

 ボール保持の時間が多いようでいながら攻めてる感覚がない。それはバイタルエリアにボールがいかないせいだろう。特にトップに入った北川が前線で受けることができないのが痛い。やはり役不足。それでも他にFWがいないので仕方がない。

 そしてボールを狩られるとまたしてもカウンター。が、これをカット。縦へのロングパス。通った。受けたのは北川。スルーパスに原口が抜けてシュート。DFに阻まれたもののCKを得ることができた。やっとのことで訪れたチャンスはさっきまでボロクソ言ってた北川によってもたらされたのだった。

 そのCKに吉田がヘッド。決まった。幸先良い先制点と喜んでたらVAR判定によりハンドの判定をされてしまった。とんだぬか喜びだったものの吉田本人が切り替えを訴えチームを鼓舞するのだった。

 後半に入りボール保持の時間がより長くなる。それにより堂安がドリブルで切り込むことができた。ゴール前に侵入。が、DFに阻まれ倒れる。ファールなし。激高する堂安。だがこの後でプレーが止められた。VAR判定である。モニターを確認した主審が宣言したのはPK。ペナルティエリアで足を掛けられたというジャッジが下ったのだった。

 堂安自らボールをセット。ホイッスルと共に動き出した堂安は左足を振りぬいた。グラウンダーのシュート。GKの読みは外れてなかったものの追いつくことができずゴールに入ったのだった。

 先制。なかなかシュートさえ打てない状況において貴重なゴールとなりチームをより活性化させたのだった。

 ベトナムのカウンターに対しては最初のロングパスをカットすることにより芽を摘んでいく。それにより2次攻撃、3次攻撃へとつながる。もう1点あればかなり勝利への確信が持てる。そこで満を持して大迫が北川と交代で出場するのだった。

更にドリブラーの乾が入る。戦術として間違ってはいないものの第3戦が悪かっただけにどことなく不安が過る。するとそのせいだったのかどうか分からないものの、段々とベトナムの時間となっていく。何としても一矢報いたいベトナムが観客の声援と共に渦となって攻め込んでくる。もはや権田も中途半端なプレーを止め、明確にクリアをしていく。最後の交代で塩谷が入りいよいよ守備固めとなるのだった。

ベトナムは諦めない。少しでもフリーにするとパンチ力のあるミドルシュートが飛んでくる。もはや日本はクリアするのが精一杯。それにより2秒でも3秒でも時計を進めていく。そしてアディショナルタイム4分の経過を宣言する主審のホイッスルが鳴ったのだった。つい数年前まで全くノーマークだったベトナムは恐ろしく躍動感とスタミナのあるチームと生まれ変わっていた。

アジアのレベルは上がった。それを身に染みて思い知らされた。果たして次に対戦する時日本はベトナムに勝つことができるのだろうかという驚異を感じたのだった。

2019年1月21日 (月)

アジアカップ、サウジアラビア戦~堪えることによる勝利

2019121日 アジアカップ1回戦 サウジアラビア vs 日本 ジャルジャ・スタジアム

 

 UAE。中東。午後。

 それだけで太陽が燦燦と照り付ける灼熱の天候を感じてしまう。そして実際ピッチの選手の顔からは汗がにじみ出ていた。きつそうであるが気候的にはサウジアラビアの方が慣れてそうだ。そしてキックオフ直後からサウジアラビアは飛ばしてきた。その寄せの

速さから日本はボールを持つこともままならなくなった。

 全員が下がって相手の攻撃を跳ね返すのに必死だった。クリアしてクリアしてクリアする。そしてそのセカンドボールがほぼ100%サウジボールとなる。クロスを入れられドリブルで突破を掛けられシュートを打たれる。苦しい。苦しい、苦しい、苦しい。息つく暇もなく防戦をしなければいけない。真正面からのシュートもあるも吉田が顔面でブロック。まさに身体を張ったディフェンスなのだった。

だがいつまでもこの状態は続かないだろう。なぜならサウジは飛ばし過ぎている。いつかはバテるだろう。そこに希望を見据え堪えるのだった。

 そしてそんな圧倒的ボール被支配率の中にあってやっと前線で原口がボールを受ける場面ができた。左サイドから切込みクロス。が、ブロックによってCKとなってしまった。いや、CKはチャンスなのだった。

 ボールのセットは柴崎。放ったCK。中央に落ちたボールは富安の頭へ。ヘディング、GKと逆サイド。入った。入った、入った、入った。ディフェンダーである富安が決めてしまったのだった。

 先制。一方的に攻められてる中において相手の出鼻をくじく値千金のゴールだった。これで楽になった。更にもう1点決めることができればこの試合は貰ったも同然だろう。追加点、追加点。そんな欲が沸き立った。

 ところがサウジアラビアは意気消沈するどころか益々その闘志に火をつけた。日本にボールを持たせる隙さえ与えない。次々に前線に選手がなだれ込み攻撃を仕掛ける。2次攻撃、3次攻撃とその勢いは増すばかり。日本は跳ね返すのが精一杯。そしてセカンドボールはことごとくサウジアラビアに渡るものだから苦しさは増すばかりだった。

 どこかでこの苦境から抜け出せないか。わずかな隙な見つけてつないでいく。だが裏を狙ったロングパスは精度がない、もしくは受け手とのタイミングが合わずカウンターへとつながらない。トップである武藤にしてみればフラストレーションが溜まるだろう。そんな焦りから相手へのプレッシャーがイエローカードとなってしまった。いよいよ苦しくなってきた。

 スピードのある伊東、ディフェンスに厚みを持たす為に塩谷を投入するも劇的な変化は起きない。それもそのはず、フィジカルコンタクトがあるとサウジアラビアの選手が倒れて全て日本のファールとなってしまうからだ。さすがにそれは違うだろと疑問を持つ中、完全にマイボールのはずのCKGKにされてしまった。もうプレーが止まると全てサウジアラビアのボールとなってしまうのだった。

 納得のいかないジャッジに文句を言いながらもはや時間の経過を願うしかないのだった。堪えろ、堪えろ、堪えろ。そして時間よ、早く経ってくれ。アディショナルタイム4分。意外とまともな時間だった。そして前線でファールを貰った。時間が稼げる。だけどここでFKをまともにゴール前へ入れてきたが為にカウンターへとつながってしまった。最後の最後までチャンスであればそれに挑むというスタンスなのかもしれない。そしてリスク管理もちゃんとできている。果たして攻めて攻めて攻めまくってるサウジアラビアにゴールを与えることをさせずに試合を終えてしまった。0-1で勝ったのだった。

 深い安堵の溜息と共にぐったりと倒れこむ。最後の最後まで電池切れを起こすことなく攻め続けたサウジアラビアは脅威だった。全身全霊で掴んだ勝利。トーナメント1回戦でここまで厳しいとなるとこの先はどうなるんだろう。気が遠くなりそうだった。

 それでもこういう勝ったことが信じられない試合を制するというのを森保監督はサンフレッチェでもやってきた。確実に日本代表は森保監督のカラーになってきたようなのだった。

2019年1月18日 (金)

ウズベキスタン戦~新たな力

2019117日 アジアカップ予選リーグ 日本vs ウズベキスタン ハリーファ・ビン・ザイード・スタジアム

 

 2連勝により決勝トーナメント進出の決まった日本はほぼ総入れ替えと言っていい陣容で臨んできた。中には青山、佐々木、塩谷がいる。3人共サンフレッチェで森保監督の下での優勝メンバーである。連携というには問題ないだろう。むしろこのメンバーこそ森保監督のサッカーを演出できるのではないだろうか。

 ところが試合が始まるとどこかが違う。攻め込まれる時間が多くどこかパッとしない。人数を掛けてパスを回して手数を掛ける割に最後は尻切れトンボに終わる日本に対しウズベキスタンは実に効率よく前線へ運ぶことによってシュートまでつなげる。なぜだ、なぜなんだ。なぜにこんなにも攻撃に停滞感があるのだろうか。

 そこで気付いたのがトップの武藤である。前線で競り合いはするもののやたらとファールが多い。そして相手のクリアボールに対してアフターチャージをしたことにより遂にイエローカードを貰ってしまった。余裕がない選手が気持ちが空回りしてるとファールが多くなる。武藤も焦りから周りが見えなくなってるのだろうか。

 そしてもう一人のFWの北川に関してはやはりシュートすら打てない。やっぱりこの舞台に立つには役不足。他にFWの選手はいなかったのだろうか。そんなことを考えていた時、前線でポン、ポン、ポンとパスがつながり北川が反転シュート。枠には入った。GKに阻まれてしまったもののいいシュートだった。

 これは少し期待していいかもしれない。途端に見直しつつあった北川を含めたFW陣だがサイドからクロスが入ってもやっぱり決められない。そして決められない内に1本のロングボールからカウンターへなってしまった。ゴールへ向けて一直線のドリブル。止めに入ろうと食らいつく槙野も三浦もあっさりかわされシュート。当たり損ねかと思ったシュートはGKの反応できないコースに入ってしまったのだった。ああ、何ということ。2人もいて止められないとは。もはや日本はFWだけじゃなくDFも力量不足のようだった。

 そんな悲嘆に暮れるともうこの試合での勝利はとうに諦めていた。右サイドで室屋がボールを持つとすぐにプレスが掛かりバックパスで逃げようとする。こうやって攻撃に時間ばかり掛かってシュートまでいけない。何とももどかしい。

 ところがそこで室屋は反転すると前方には広大なスペースが広がっていた。ゴールラインまで縦へ抜けるとクロス。中央で武藤がヘディング。決まった。先に失点してしまっていたものの、ものの数分もしない間に同点になったのだった。

 それで雰囲気が変わった。イケイケムードになり左右のサイドから仕掛けていく。攻撃がダイナミックになる。サイドからゴール前へボールが供給される。DFのブロックの前にそれを落とすとミドルシュート。目も止まらぬ速さの弾道はゴールに突き刺さったのだった。

 決めたのは中盤の底に入ってた塩谷だった。これこそ塩谷の真骨頂だった。守備の選手でありながらここぞという時に上がって得点を決める。サンフレッチェにいる時、それで何度勝利に導いたことか。そして今回も逆転となるゴールを決めたのだった。

 更にもう1点。そんな雰囲気が醸し出された。確かにあと1点入れると決定的だった。が、さすがにそれをさせてくれる程ウズベキスタンは甘くなかった。

 次第にウズベキスタンの攻撃が比重を増してくる。日本は選手が下がり目になってくる。それにより更に攻められるようになりもはや防戦一方。跳ね返すのが精一杯である。時折スピードのある伊東が単独でカウンターを仕掛けるも決めきれない。それによりウズベキスタンの攻撃は益々厚みを上げていくのだった。

 苦しい。苦しい、苦しい、苦しい。選手交代も攻撃的な選手から守備的な選手へとなってくる。堪えて堪えて堪える。そして迎えたタイムアップの笛に深い安堵と歓喜を得るのだった。ループリーグ1位として決勝トーナメント進出をはたしたのだった。

 それ以上にサブのメンバーで結果を出したのが大きい。むしろ新たなチームとしての顔を見せた。それによりどこまで勝ち進んでいくことができるだろう。大会はここからが本当の勝負なのだった。

2019年1月14日 (月)

オマーン戦~不安を感じた勝利

2019/01/13 アジアカップ予選リーグ 日本 vs オマーン ザイード・スポーツシティ・スタジアム

 

 不動のFWとして君臨してた大迫は怪我で出場はなかった。そこで北川が抜擢されたがそこには一抹の不安が過った。何せトルクメニスタン戦では不用意なボールロストから失点を招くという事態に陥った。そして肝心のストライカーとしての役目だがこれがやはり小粒感が否めない。それでも一人の選手に頼るというのは大会を制するには心もとない。そしてここで結果を残すことができたならこれは大きな自信につながるだろう。

 しかし、その北川だが存在感が全くない。どこにいるのかさっぱり分からない。そこに悲観するも堂安と南野が躍動する。堂安がドリブルで切れ込めば南野が裏へ抜ける動きから何度もチャンスを生み出す。ただ、ゴール前でシュートまではいくもののそのどれも決めきれない。いや、オマーンのGKが何気にしぶといとも言える。

 時折見せるオマーンのカウンターに肝を冷やしながらも基本的に日本のポゼッションの時間が多い。両サイドでワンツーを駆使しつつドリブルで抜けるとクロス。だが決まらない。バイタルエリアでボールを掻っ攫うとシュート。これもGKのブロック。だがセカンドボールに原口が反応した。ペナルティエリアまで駆け込みドリブルに行こうとするも相手のマークに遭ってしまい倒れ込む。するとここで笛が鳴った。PK、PKだ。原口のプレーに対してファールを取られたのだった。

 懸命に抗議するオマーンの選手。確かにあれがファールかというと微妙なとこはある。ただそこまでの過程で日本の方が有利に進めてただけに審判の主観にバイアスが掛かったに違いない。ともかくどういう形であれ得点のチャンスを得た。

 原口本人がペナルティスポットに立った。ホイッスルと共に動き出すと速い弾道のキックが放たれた。ゴールに突き刺さった。ゴール、決まった。疑惑のPKかもしれないがともかく先制した。

 納得のいかないオマーンの選手は追い上げようとゴールに圧力を掛けてくる。そしてシュートを放つと長友が身体を投げ出しブロック。が、これがハンドだとオマーンの選手は主張をした。

 確かにそうかもしれない。だがここでは主審はハンドの判定を取らず日本に有利に働いた。それによりどことなく決まりの悪さを感じた為に是が非でも追加点が取りたかった。が、そこは北川の力量不足なのか、まるでチャンスにはならない。業を煮やした森保監督はついに武藤との交代を言い渡したのだった。

 プレミアリーグに所属する武藤。ここは格の違いを見せるだろうと思いきや、これがまた関わるプレーが全部ファールを取られてしまう。そのせいなのか戦況はどんどん芳しくない方向へ傾き続け、終いにはゴール前で防戦一方の展開となってしまった。

 相手の攻撃を跳ね返してカウンターへつながっていく。が、そういうプレーをするのも中盤の選手である。これだったらまだ北川の方がよかったかもしれない。なので時間の経過と共に1点で終われば御の字という感覚に変容するのだった。

 終了のホイッスルが鳴った時、厳しさからの解放に椅子に深々と身を沈めてしまった。

ギリギリ勝った。というかこんなので勝ったと言っていいんだろうか。特にワントップの力量不足は顕著で結局のところ日本で少ないのはトップの選手だというのに今更ながら認識された。

 果たしてこれで予選トーナメント上がってもチームは戦うことができるのか。不安だらけのアジアカップ。果たして今回はどこまで進めることができるのだろうか。

2019年1月 9日 (水)

アジアカップ開幕戦

2019/01/09 アジアカップ予選リーグ 日本 vsトルクメニスタン アール・ナヒーン・スタジアム

 

 青々と晴れ渡った空の下での試合はフィールドの緑の色彩が栄えていた。冬の日本と違いアブダビは心地いい気候のようだった。

 そんな天候の心地よさのせいもあったろうか、日本代表はヌルっとした入りをしてしまったように見えた。というのもトルクメニスタンは高い位置からのディフェンスというものを全くやらない。なので簡単に前線まで運べる。そこでいい気になってるとゴール前に固めてるDFの網に掛かってしまう。ドリブルも楔のパスも通用しない。ゴール前においてトルクメニスタンは日本の攻撃を全て刈り取ってしまうのだった。

 そこに嫌な予感がした。攻めあぐねれば攻めあぐねる程に前線に人数が掛けられ窮屈になっていく。そしてゴール前は敵味方入り乱れて人口密度が高くなる。結果ドリブルで打開しようとすると反って引っかけてしまう。そして相手ボールになると速いカウンターが発動するのだった。

 それでも単独の攻撃。ゴール前に帰陣して体制を整えようとしたその時、フリーでいることをいいことにトルクメニスタンの選手はロングシュートを打った。無回転のボールが跳ぶ。跳びついたGK権田の掌をわずかにかすめておのままゴールに入ったのだった。

 失点。よりによって先制されてしまった。甘く見ていた。ゴールから遠いからと誰もプレッシャーに行かなかった。これによってトルクメニスタンは余計にゴール前の人数を固めてくるはずである。あれだけ攻めててもこじ開けることのできないゴールに相手がいとも簡単にやってしまったことに徒労感を覚えるのだった。

 それでも後半になるとサイドからの攻撃を入れる。あれだけドリブルを引っかけていた原口も左サイドから入ってくるドリブルは相手に対応されない。そして中央へパスを出すと大迫が切り返しからシュート。見事ゴールに食い込ませ同店にたどり着いた。これで振り出しに戻したことで肩の荷がスッと落ちてくるような気がした。

 すると今度はまた左サイドから長友がペナルティエリアに入ると中央へ折り返し。大迫の前に上げると点で合わせて決めた。大迫2点目。勝ち越しゴールだ。これによってトルクメニスタンに守ってばかりいられない条件を与えたのだった。

 それでも日本は攻め続けると今度は中央への縦パス。受けた堂安は反転してシュート。数人のDFに囲まれながらもねじ込んだ。前半、あれだけ中央突破には止められてたものを決めてしまったのだった。まるでそれは岩盤を大ハンマーで割ったかのような豪快さだった。

 2点差。この点差が余裕をもたらせた。そしてあと何点取れるだろうという期待を高めた。が、そんな浮足立った気持ちは中盤でミスからのボールカットを生み逆襲されてしまう。オール前まで入られた。たまらなく飛び出したGK権田。身体を倒してボールにチャレンジするも倒してしまった。相手選手の足を引っかけてしまいPKを宣告された。そして決められてしまうと一気に暗雲が立ち込めるのだった。

 まずい、まずい、まずい。とにかくセーフティーファーストである。もはやボールを持ったらクリアである。変につなごうとせずに蹴って蹴って蹴りまくった。そして相手のパワープレーに対しても一人一人が競り合いにより事なきを得たのである。これはもう終了を迎える為の時間稼ぎのプレーでしかなかった。最後の最後まで身体を張り迎えたタイムアップ。日本は無事初戦を勝利で締めくくることができたのだった。

 余裕がありそうでなかった試合だった。アジアもレベルが上がってきたので以降もっと厳しい試合が待っているかもしれない。その為にも2点差のままで行ければ選手交代もできただろうにという後悔が残った。

 それでもこの大会にそんな余裕がないというのを知らされた。もしかしたら今までで一番厳しい大会になるかもしれない。そういう意味では苦しんで掴んだ初戦の勝利は大きかったかもしれないのだった。

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     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
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     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

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  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles