« 2018年7月 | トップページ | 2018年9月 »

2018年8月26日 (日)

セレッソ戦~基本に戻った勝利

2018825日 セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島 ヤンマースタジアム長居

 

 暑い、暑い、暑い。台風が去った後、また暑さがぶり返してきた。生半可涼しい日があっただけにより一層暑さがこたえる。日が沈んでも一向に気温は下がらず籠った空気に息を吸うのも負担なのだった。

 そんなモアッとした空気の中での対戦相手はセレッソだった。リーグ中断前、完膚なきまでに叩きのめされた相手である。そしてその時2ゴール奪った高木は先発でこの選手がサンフレッチェにとっての天敵だというのを考慮に入れてのことだろう。対峙するのは和田。あの時は見事にやられてしまったが今回はどうだろう。

 すると前回の反省があるのか和田は高木を上手く抑え込んでる。身体を入れ奪った後はクリア、と見せかけてドリブルで持ち上がる。そして高い位置まで攻撃へ参加して右サイドの展開に加わる。安定している。さすが和田だ。だけど守備が安定してるのはCBの野上が復帰したのが大きいのだった。

 そんなDFへの安心を感じていると縦パスで最終ラインを切り裂かれてしまった。必死にシュートコースを塞ごうとしたDF陣。左に振られてシュート。やられた。が、これがGK林の真正面だったが為にキャッチすることができた。危ない。危機一髪だった。

 そのセレッソの攻撃を防いだ後は右サイドからの展開に入る。柴崎がクロス。ゴール前でパトリックが飛ぶ。が、DFがクリア。真正面に飛んだもののセカンドボールが拾えるか。幸運にもそれに稲垣が反応した。中盤の底から駆け上がったのだがそのままミドルシュート。セカンドボールの処理としてはカウンターを受けないだけでもいい。そう思ってたら低い弾道のそのボールは敵の股を潜り込んでそのままゴールの中までたどり着いたのだった。

 入った、入った、入ったーっ!信じられなかった。絶対に入らないと思った。打ったらたまたま入ったのかもしれない。稲垣のシュートはこういう謎の入り方をする。謎なだけにGKも予測できないのだ。

 先制。それに喜びながらもすぐに冷静さを戻す。ここ数試合6分以内に追いつかれている。なのでまずは7分耐えてほしい。そして10分を超えると試合は落ちついてくるだろう。なのでまずは守って守って守り抜きたい。回して回してフィニッシュへいく。が、遠目からなのでGK林も難なく抑えることができるのだった。

 そこからマイボールの時間もできていつの間にかノルマの6分を過ぎてしまい更に10分を過ぎたことに安心する。むしろサンフレッチェの攻撃の時間が目立ってくる。右サイドでショートパスを使って相手をはがそうし、縦へ抜けてクロス。ターゲットはパトリック。が、合わせられない。その都度顔を覆ってしまう。クロスの質が悪いのか、もう一人のFWである渡のポジション取りが悪いのか好機を生かせないのだった。

 もう1点入れば楽になる。それなのに後半に入ると体力的の消耗からだろうか、パスミスが多くなる。中途半端なパスをカットされカウンターを受ける。前に向いてたベクトルを逆に戻さないといけない。守備への負担が大きくなる。中へ放り込まれる。密集を抜け出し点で合わせたヘディング。マークを外さなかったお陰か枠に入らない。そしてソウザが上がって攻撃参加。キャノン砲のようなミドルシュートを狙われる。シュートコースに入り枠を捕らえさせない。その都度安堵のため息をつく。苦しい。時間は途方もないくらいに残っている。

 そんな守備一辺倒の中、和田がボールを絡めとる。素早い寄せでパスコースを消されるも身体の反転を繰り返し密集地帯を切り抜けると前線へロングキック。パトリックを走らせるのだった。

 ディフェンダーを背負いながらもパトリックが単独でゴールに向かう。GK11。この状況、この場面、何度も観たことがあるがパトリックは決めきれない。その例に違わずやはりシュートは防がれてしまうのだった。

 ああ、これさえ決まれば楽になれたのに。

 更にこの後もカウンターからゴール前に。密集地帯で前を向けず落とすと吉野がシュート。入った。そんな喜びを爆発させようとするもこれをGKが触ったことで枠を捕らえることができなかった。ああ、おう少し威力のあるシュートだったら。わずか数センチのところでどうしても自由にさせてもらえないのだった。

 もはや得点を取ることは困難さ以上にリスクの方が大きくなってきた。点差は1点。わずかなズレが結果を左右する。無理に点を取りに行けない。前線では時間を使うプレーが優先される。渡に代わったティーラシンはテクニックはあるのだがこういう時のプレーが上手くない。こういうとこがまだタイでは行われてないのかもしれない。

 無失点で終えたい。その時間はもう少し。時計の刻みと共にセレッソの猛攻はいよいよ強度を増していく。まるで拷問に遭ってるかのような苦しさ。クリアしたと思ったらCK。跳ね返したかと思うとセカンドボールを真正面からミドルシュート。最後の最後まで足を止めずプレスに入ると枠を逸れた。そしてここで終了のホイッスルが鳴ったのだった。

 終わった、勝った。安堵感からぐったりとへたり込むも喜びを噛みしめる。そういえば連勝を重ねてた時、こういう接戦をものにしてきた。変に点が取れるようになって守備の堅さが減ってきたような気がしてきた。やはり野上の復帰は大きい。そして和田が前回やられた高木に仕事をさせなかったのも大きかったのだった。

 パトリック以外での得点。やはりこのチームは誰が点を取るかわからない状態にした時こそ強みがある。そんなことを思い出させてくれた。

2018年8月23日 (木)

天皇杯名古屋戦~パトリック、ハットトリック

2018/08/22 天皇杯3回戦 サンフレッチェ広島vs名古屋グランパス エディオンスタジアム広島

 

 西日本豪雨の影響で順延された試合、2000人台という寂しい客入りの中での開催となった。1部のクラブ同士の対戦でこの数字はどうにかならないものか。Jリーグもタイと提携したり世界的な有名選手が加入することによって世界的にも存在感を強めようとしている中で、もう少し考えてほしい要素である。

 リーグ戦を挟んだ平日のナイトゲーム、そのメンバーが気になったがここは思い切って普段試合に出れない選手を大胆に起用してきた。そして応えてくれた。見事先制点を決めたのである。川辺のクロスから工藤ヘッド。綺麗な形だった。そしてパトリック以外の得点を模索するサンフレッチェにとって大いに勇気づけられる得点だった。

 ところがこの後、約6分後である。左サイドをえぐられクロス。中で合わされるとコロコロとゴールに入ってしまった。その時ゴール前にいたDF4人。これだけの人数が揃ってても防ぎきれない。そして点を入れると早い時間に追いつかれるというここ最近繰り返してるパターンを見事に踏襲してしまった。もうこれは病気である。そしてこういう失点をしてる時には必ずといっていいほど千葉が絡んでるような気がするのは気のせいだろうか。

 追いつかれた後はもう点が取れない。工藤も1点で止まり期待のベリーシャはベールを脱がないままだ。ついにしびれを切らせ温存してた青山、そしてパトリックを投入してしまう。そこから攻勢を強めるも90分では勝負つかず、延長戦へと突入してしまうのだった。

 するとカウンターを迎えベリーシャから裏への浮き球が入る。後ろ向きに走るDFの頭を超すこのパスはパトリックがちょうど追いつくピンポイントのボールで収めると同時に縦へドリブル。このままシュートへ持っていけるぞと思ったとこで倒された。脚を絡められチャンスの芽を潰されてしまったもののこのプレーにレッドカードが出た。体力の落ちた延長での退場。しかも交代で入ったパトリックはまだスタミナ十分。これは十分過ぎるアドバンテージだった。

 攻勢を強めるサンフレッチェ。馬渡がシュートをバーに当てるなどもう少しのところにきている。するとまたしても中盤から速攻の場面。押し上げながらベリーシャに入る。右のスペースに出すとパトリックが受ける。縦へ行くかと思いきや中に入りDFに囲まれる。が、ここでシュート。ズドンとゴールに突き刺さったのだった。

 勝ち越し。大きな得点。これはいける。これはいける。勝利をぐっと引き寄せるゴールにチームは活気づけられた。

そしてその勢いのまままたしても川辺のクロス。合わせたのはパトリック。決まった。そしてこの後にも決めて結局4-1というスコアで大勝したのだった。3回戦突破。これで天皇杯がまだ続くのだった。

 だがやはり試合を決めるのはパトリックだった。工藤も決めたが1点だけ。しかも先制した後すぐに失点してしまう悪癖。これがまた普段と違うメンバーなのに同じことをしてしまうというのが一層頭を抱えるのだった。それでも川辺や吉野が先発した試合で勝ったことは自信になっていくかもしれない。そして工藤もゴールへの執念を再燃させてくれるかもしれない。更にベリーシャにはその才能の片鱗を見せられた。果たしてこれらポジティブな要素はこの後生かされていくだろうか。不確定要素はあるものの、また少しリーグ戦が楽しみになっていったのも事実である。

次の試合が楽しみ。この感覚こそ一番欲しかったもの。この根源的なものを首位の重圧に負けて忘れてしまってたような気がするのだった。

2018年8月19日 (日)

川崎戦~負けのパターン

2018/08/19 サンフレッチェ広島 vs 川崎フロンターレ エディオンスタジアム広島
 お盆を過ぎて急に秋の気配を感じるようになった。日中はまだ蝉の声も聞こえるものの日が落ちるとコオロギの音色が響く。日没を迎えたスタジアムの空はコバルトブルーへと色彩を変えていきつつあった。
 ピッチにはナイターの光が降り注ぐ。首位決戦。これで勝つか負けるかというのは勝ち点の上でも精神の上でも大きく変わる。その意味を噛みしめていたのか、サンフレッチェは開始から飛ばしていく。前線からのプレッシング。それにより川崎の自由を奪っていく。いい時間が続く。それなのにシュートが打てない。パスで打開しようとするが最後は読まれてしまう。最後の最後でカットされるのだった。
 そういう場面が続くと川崎がペースを戻してきた。守って守って守る展開。それでもボールホルダーへの寄せをサボらないことで最後の攻撃に蓋をしていた。それにより前半はスコアレスのまま終えることができ後半へとつなげる。
 右サイドで柴崎が抜けクロス。ゴールに入ったパトリック。ヘディングが決まりゴールネットを揺らした。入った。先制。
「よっしゃあああああ!」
 パトリック。やっぱり前線にこういう強い選手がいるのが頼もしい。やはりパスサッカーのチームに対してはこういうパワープレーの方が効果がある。もう一人パトリックもいるだけにもっとサイドからクロスの入る場面をつくりたいものだった。
 ところがここからボールを持たれてまたしても守備に回る。それでも先制したことで気分が高揚してたのだろうか、中盤から縦へポーンと蹴られると簡単に裏を取られてしまう。エーシーニョが折り返し。小林にあっさりと中で合わせられてしまったのだった。
 早い。あまりにも早い同点だった。先制してすぐに追いつかれるというのは前節と同じ。こういう悪癖をつけるとどんどん悪いサイクルに入ってしまうのは昨シーズン嫌という程味わった。そしてその残留争いをしてた頃と同じ光景が繰り広げられるのだった。
 マイボールにしても前線に収められない。スローインもマイボールにできない。ゴールキックさえ奪われる。それによって川崎はいよいよ攻撃への重心を高めていった。それもそのはず、絶対にボールが奪われないのだから。
 いくら何でも攻められすぎだろう。どうしてここまでサンドバックのようになるのか。もはやつなげることなんて考えない方がいい。それなのにつねげようとしては数人に囲まれて奪われてしまう。窒息しそうな守備への圧力。そしてついにサイドを突破されクロスを上げられると追走した千葉の手に当たってしまった。主審の笛。ハンド。PKだった。ああ、千葉はまたしてもPKを与えてしまったのだ。
 GK林も読みは当たったものの小林のPKを阻止できず逆転されてしまう。あれだけ攻められ続ければこうなるのは当然だろ。そんな溜息が出てしまうもここから追いつくべくギアを上げる。相手陣地へ向かう時間が多くなる。だけどさすがに何でこういう状況になってから尻に火がつくんだろうとこれまた昨シーズンの悪癖がぶり返してしまったのだった。
 コーナーキック、サイドからのクロス。やはりこういうシーンでパトリックの強さが生き得点の匂いを感じさせる。遅かった。やるのが遅すぎた。もう1回くらいチャンスがあればと思った時に終了の笛がなってしまった。川崎は遅延行為でスローインにちっともいかなかったりしたがその分の時間は延長してくれなかった。カードも出してくれなかった。そして何かにつけ倒れて大袈裟なジェスチャーをする阿部選手に注意を与えることもしなかった。そしてそんな相手に負けたというのが大いなる屈辱であった。
 何を言っても負け犬の遠吠えである。確かに手も足も出ない時間帯があった。負けるべくして負けたと言われればそれまでだった。
 パトリック以外の得点のなさ、押し込まれる時間帯からの立て直しができない、PKの多さ。負ける時のパターンそのままの試合だった。サブのメンバーの突き上げもない。首位にいるという心の余裕がちっともないのはどういうことなんだろう。吉野や川辺といった期待の若手がちっとも活躍しないのはなぜなんだろう。その謎がもはや迷宮入りの様相を見せているようなのだった。

2018年8月16日 (木)

神戸戦~イニエスタ効果

2018/08/15 ヴィッセル神戸vsサンフレッチェ広島 ノエビアスタジアム神戸
 終戦の日。
 毎年この日は1年で1番暑いんじゃないかという酷暑になるのだがどことなく秋の風を感じるようになった。それでも照明の灯ったスタジアムの中で団扇を扇ぐ姿が目立った。
 スタートを3人入れ替えたサンフレッチェ。そして神戸はイニエスタ、ポドルスキという世界的に知名度のある選手を揃えてる。それはJリーグにおいては反則級な選手構成。恐い。それでいてこういうチームと戦える幸せ。その為、試合に特別感をもたらすのだった。
 イニエスタを自由にさせない。
 サンフレッチェの選手はボールの出所に激しくプレスを掛ける。そしてボールを奪い後ろで回す。青山がフリーで持つ。パスコースを探すかと思いきや縦にロングキック。逆回転で裏に出たボールにパトリック。DFと競りながらもこぼれ球を押し込んだ。
 うおおおおおおおおっ!先制、先制、先制!イニエスタ、ポドルスキのチームに先制した。青山のパスセンスはこういう世界的選手の前でも決して引けを取ってないぞ。
 そんな興奮と高揚感の中、それで勝ったという気はちっとも起きなかった。いつまたイニエスタが個人技を発揮するかわからない。するとバイタルエリアでイニエスタがボールを持つというまさにその状況が生まれた。対峙した川辺。逆の動きをさせられることでカットインの動きへ。野上が遅れつつもそれに食らいつく。パスをするのかそのままドリブルするのか。が、全ての予想を裏切りシュートを打った。GK林の手の届かないコースに飛びネットを揺さぶるのだった。
 うおおおおおっ!
 失点である。追いつかれてしまった。振り出しに戻されてしまった。止めることができなかったのが悔しい。悔しいはずである。なのに吠えてしまった。ワールドクラスのゴールはただ感嘆の声をあげるしかなかったのだった。
 やはり1点ではどうにもならなかった。追加点をあげたい。守備に回りつつも奪ったら前線への一発を狙いロングフィード。
 パトリックがドリブル。ペナルティエリアに入る。ゴール前は目の前のGK1人。
 打った。が、そのシュートはゴールの上を逸れてしまった。何気にパトリックは真正面のGKとの1対1に弱い。
 更に工藤がトラップからの反転シュート。これもGKが防いでしまう。決まらない。いいシュートだと思ったのだが相手GKの方が一枚上手だった。
 そして更に攻勢を強めるべく、工藤に代わりティーラシンが入る。川辺からのパスで右サイドでドリブルで持ち上がり折り返す。ゴール真正面から川辺が打った。これは決まった。大きくガッツポーズをしようとしたものの、バーを超えていく光景が見えた。
 ああ、決められない。特に川辺など柴崎とのポジション争いの面で考えてもこれを決めるのと決めないのとでは大きく違ってくる。2度ほどあったゴール前のFKも全部壁に当ててしまうしキッカーとしても柴崎の優位性は消えてない。その証拠に柏に代わって柴崎が入るとCKのキッカーは柴崎に譲ることになるのだった。
 決定的場面はつくり出している。あとは決めるだけ。だけどこの決めるだけということをパトリック以外の選手ができないのだった。そんな決めるべきとこで決めれないことが相手に活力を生んでしまう。そして最後はほぼサンドバック状態に陥るのだった。
 跳ね返しても跳ね返しても神戸の攻撃は続く。つなげる余裕がないので前に蹴るだけになる。たまにいい形でボールを奪ってもつなげていく内にボールを奪われてしまう。どこに出そうか悩んでる内にボールをかっ攫われカウンターにつながる。シュートの精度のなさに救われたがやられてもおかしくない場面だった。それによりもはや点を取ることよりこのまま失点せずに終われたら御の字という気がした。
 無事引き分けで終える。それはそれでホッとしたもののやはり勝てたような気もしてくるのだった。決定力。いつもこの言葉に行き当たるのだが逆に言うとどうしてあそこまで決めきれないんだろう。
 イニエスタがたった1人で決めたゴール。素晴らしかった。パスの精度があるだっけあってシュートも上手かった。それなのにサンフレッチェの選手はパスはできるのにどうしてシュートは精度がないんだろう。そこが謎だった。
 終了の挨拶が行われる時、まるでピッチから湯気がたってるような錯覚にとらわれた。両者結果には満足してない。それでいて負けなかったという最低限の結果は残した。そしてその中には世界基準のプレーを垣間見れたという満足感も含まれていた。こういう相手と対戦することこそがレベルアップにつながる。そしてこういう選手と一緒にプレーしてる神戸は一段とグレードアップしていくことに羨ましさを感じるのだった。

2018年8月11日 (土)

長崎戦~ピースマッチ

2018811日 サンフレッチェ広島vs Vファーレン長崎 エディオンスタジアム広島

 

 19458月、2発の原爆投下により日本は敗戦を受け入れ太平洋戦争の終結を迎えた。その2つの被爆地である広島と長崎がJ1で対戦することによりこの試合はピースマッチと称され試合前には黙祷が行われた。

 そんな平和を祈る式典を行える長崎にはどことなく親近感を覚える。実際慮チームに広島と長崎出身の選手が結構多くそういう感覚を強くするのだった。

 8月の夜に似つかわしくじっとりとした蒸し暑さ。スタンドでは団扇を仰ぐ姿が多く観られたが、湿度を帯びた籠った空気しか来なかっただろう。この湿度、気温の中でスタートから前線の守備に走り回ったパトリックには前節の身勝手なプレーによって勝ち点を失ったことの反省があったのだろうか。

 ところがそんな前線からのプレッシャーも空しく長崎はボールをズンズンと前に運んでくる。動きにダイナミックさがある。左サイド裏へ出されたスルーパスでクロスを上げられた時、中央の和田の頭を超えてしまいやられたと思った。だがこれは鈴木武蔵のヘディングに威力がなくて助かった。危ない。長崎は以前対戦した時よりグレードを上げてきてる。その証拠にサンフレッチェがボールを持ってもすぐにパスコースを消されてしまいやけくそのロングボールを蹴らざるを得なくなる。結果、また長崎ボールになってしまう。

 それでもそれが裏を狙う動きにつながると徐々にボールを扱う時間も増えていった。右サイドのスペースに出るとパトリックが抜け出す。ドリブルでゴールを目掛ける。が、グラウンダーのシュート。枠に入らなかった。中には渡もいた。入らないならせめてパスを出してほしかった。

 それでもペナルティエリア前にいるパトリックはターゲットになる。サイドハーフから渡が上げたロングボール。競ったパトリック。ボールを収めようとルーズボールを拾おうとすると倒された。笛が鳴る。ゴール真正面のFKだ。

「よっしゃあ!」

 そんな雄叫びを一旦は上げた。だがすぐに冷静になった。なぜならそんな直接FKをサンフレッチェが決めたのを観たことがない。枠には入らないだろう。せいぜいどちらのサイドに蹴るか予想をしたが、GKが左に寄ってるので逆サイドだろうと思ってた。

セットした柴崎。審判の合図によりキック。次の瞬間ゴールの中に入っていた。それはあまりにも一瞬の内の出来事だったが左上のGKの届かない一点のスポットに決めたのだった。

先制、先制、先制。直接FK。こういう点の取り方は今シーズン初めてだった。得点にパターンができてきたことに大いに勇気づけられるのだった。

それでも1点では心もとない。パスも回せるようになってきた。それでも追加点を入れるまでに至らない。特にFWの渡は結果を出したくて仕方ないだろう。が、ティーラシンとの交代が告げられた。

ティーラシンのボールの収まりは攻撃に安定感をもたらす。ところが最初こそ攻撃への時間が目立ったものの次第に長崎の時間の方が増えていった。ああ、これはもう最初の1点を守ってこのまま終わらせるべきか。そんなことを思わせる時間になって川辺が柴崎に代わって入った。

上手く試合をクローズさせること、それが川辺の役目だった。本来攻撃でアピールしたいのだろうがまずは勝つことが必要だった。守備でも走りそこは役割をこなしていた。相手をサイドに追い込みスローインを得る。そしてそのスローインをパトリックが競ると中盤のスペースに。川辺が拾うとドリブルで突き進む。右にティーラシンが走ってるがそのまま縦に走る勢いを見せるも右に出した。GK11になったティーラシン。飛び出したGK。その上をフワッと抜けるループシュート。入った。入った、入った、入った。追加点が決まった。もはや終了間近のそのゴールは勝利を決定的にさせるものだった。

アシストを決めた川辺と決めたティーラシン。交代した選手が結果を出したことはこれからのリーグ戦に明るい兆しを感じるのだった。

そして試合後にはスタンドからお互いにコール交換がされた。平和な瞬間である。勝ったことによる気分的な余裕もあったのだろうが同じJリーグを愛する仲間という雰囲気がいい。まさにそれはピースマッチの名にふさわしい光景なのだった。

2018年8月 5日 (日)

湘南戦~不安感に満ちた未来

201885日 サンフレッチェ広島vs湘南ベルマーレ エディオンスタジアム広島

 

 毎日毎日暑い。日が落ちても一向に気温が下がらないのは休まる時間がない。そこにおいて中3日の試合、身体的負担は相当なものではなかろうか。それなのに前節と同じメンバーというのはいいような悪いような。固定されてるとも言えるがそれ程他のオプションがないのという危惧も感じてしまった。

 そんな中、パトリックと渡は前線の守備に走る。身体を寄せボールをむしり取ろうとする渡のプレスは時にはファールになり時にはボール奪取につながる。が、その後が続かない。せっかく高い位置で奪ってもどうにもシュートへ結びつかない。湘南の守備への戻りが速いのだろうがそれ以上にサンフレッチェのプレーに精度がないのだった。

 いくら攻めてもシュートを打てない。その事実が湘南を活気づけたのか、一旦ボールを奪うと雪崩を打ったように選手が飛び出しゴール前まで差し迫ってくる。そのお陰で湘南の方がシュートを打っている。手数を掛け手間を掛けてゴールに向かうもシュートの打てないサンフレッチェに対して効率性においては大きくリードされてるのだった。

 そしてその極めつけが左サイドでボールを奪われた場面だった。スカッと抜かれると縦へ猛ダッシュ。フリーで放ったゴール前へのクロスに千葉が競った。が、これがPKとなる。よりによって千葉はボールを手に当ててしまったのだった。

 2試合前に続いてまたしてもPK。いくら何でもこれは取られ過ぎである。ここまで取られると審判にも妙な固定観念が刷り込まれてしまう。サンフレッチェはPKを与える。それにより余計にファールを取られやすくなるのだ。

 このPKを山崎が決める。GK林も読みは合ってたものの届かないギリギリのコースに決められてしまった。これはマズイ。この展開から考えてこのままゴール前を固められて点が取れずに終わってしまうパターンではなかろうか。

 そうはさせまじとサンフレッチェはパスによって打開しようとする。裏へのロングキック、サイドからの攻撃、青山のミドルシュート。だがどれも決まらない。パトリックと柴崎がヘディングシュートをした場面があったがGK含めDF陣に最後の最後が決めさせてもらえない。堅い堅い湘南の守り。そしてサンフレッチェはこういう守備を崩すのが苦手でしょうがないのだった。

 CKを蹴っても競り負けるし向かうとこ打開策がないと思われたその時、ペナルティエリアで笛が鳴った。佐々木が倒されたということでPKを獲得した。おお、やった。蹴るのはパトリック。GKの逆を突いてきっちりと決めたのだった。

 振り出しに戻った。これで湘南も前に出てくるのでやりやすくなりそうだ。

 その目論見通りそこからはサンフレッチェの攻撃が続いた。クロスを入れ跳ね返されるとそのセカンドボールを拾い波状攻撃を掛ける。それでも決まらない。何度も訪れるCKでは競り合いにすら勝てない。攻めてるようで決めることができない。そこで現状を打開する為にティーラシンが投入され、川辺が投入された。といってこの2人が出て戦況が変わったという例がここのところない。特に川辺が入ると余計に点が入らなくなる傾向があるのだった。

 そんな川辺が左サイドで受ける。ゴール前へパスを送ると思いきやドリブルで切り込んでいった。ゴール前の密集。グラウンダーのクロスを出すと後方へ落とされると走りこんだ柏。右足を振りぬいたシュートはDFの股下をすり抜けゴールにぶち込まれた。

 逆転。柏、柏、柏!パトリック以外がゴールを決めたということに勇気を与えられた。どんなに振り動かしても崩れない壁が崩れた瞬間だった。そしてその柏を下げて吉野を入れたのだがこれはもう守備への意識を持つというメッセージである。残り時間をやり過ごし試合をクローズさせる。ところがその割にボールを支配できる。次はどう展開してやろう。ティーラシンはそんな余裕すら持ってしまったのだろうか、中盤でボールを掻っ攫われるとそのままカウンターに持っていかれてしまう。奪われたティーラシン本人がファールによって止めたのだがここから流れが変わった。湘南の一方的な攻撃になっていったのだった。

 跳ね返し跳ね返し跳ね返す。サイドも何とかクロスを上げさせまいと踏ん張る。そんなセカンドボールをパトリックが受けるとそのままカウンターへとつながる。ただ相手の人数の方が多いし。ここは無難にボールキープに徹すればいいだろう。ところがここでシュートを打ってしまう。そしてそれが入るのならいいが枠にすら入らないでただ単に湘南にボールを返しただけの状態になってしまう。それにより湘南も尚更攻めやすくなってしまうのだった。

 そんな折、前線に1本のロングボールが入る。千葉が競るもかすりもしない。そして最終ラインにいた和田が頭で後ろに逸らした。が、この時GK林も飛び出していたのでそのまま無人のゴールに入ってしまったのだった。

 同点、しかもオウンゴールである。あと数分で終わりだったのにみすみす勝ち点を分け与えてしまった。そのまま引き分けで終わるもそれはもはや負けに等しいものだった。

 PKとオウンゴール。それは自滅としか言いようがなかった。和田や林だけじゃない。時間稼ぎをすればいい場面で入りもしないシュートを打ちにいったパトリック。真正面のシュートをGKにぶち当て、とんでもない場所でボールを取られて相手に流れを与えたティーラシン。守備の空中戦に弱い千葉。これはもうお笑いだった。喜劇としか言いようがなかった。ぼくは笑った。力ない笑いを発してしまった。その表情は青ざめていただろうが。

 これでは勝てない。90分の中での時間にストーリーをつくることができてない。勝ってる時期はそういうのが上手くできてた。それがここ最近はまるでやってる内容が劣化してしまったのはどういうことなんだろう。

 試合後、城福監督はピッチにいる選手に向けて露骨に怒りを露わにした。さすがにこの試合だけは言い訳のしようもなかった。シーズン後半になって明らかに内容が悪くなった。実際に勝てなくなってしまった。危機的状況である。果たしてこの先勝っていくことはできるのだろうか。不安ばかりが募るのだった。

2018年8月 3日 (金)

『ダイナミックプライシング』

201881日 横浜Fマリノスvsサンフレッチェ広島 ニッパツ三ツ沢球戯場

 

 試合があった直後、『ワールド・ビジネス・サテライト』でこの試合の報道があった。だがそれは試合内容についてではなく試験的に導入された変動価格販売についてである。実はこの試合のチケットの内4分の1がそういった価格設定だったらしい。実は妙にアウェイゴール裏の席が少なくビジター用指定席が広いような気がしてたが、実はそれと関係してたのかもしれない。

 こういう価格変動制による需給のバランスを取ることをダイナミックプライシングと称するらしい。その特徴はというと、天候・日程・チームの順位などを基本情報とし、AIが分析、最適価格の提示ということをやるらしい。どのような条件でも画一的に同じ価格で販売する今までのやり方とは大きく異なり各座席の販売枚数と価格をAIが割り出すことによって稼働率を上げて集客力アップを目指すというもの。席数の増減もトータルで売ると増えるという設定である。スタジアムの裏で実はそんな目論見がされていたのだった。

 元々これは三井物産がヤフー、ぴあと共同で新会社ダイナミックプラスを設立したところから始まったらしい。欧米では2009年頃からスポーツエンターテイメント市場においてすでに導入されてきたというのであるが、これを日本に広めたいということらしく今後試合毎にチケット価格が変動するというのが一般になるのかもしれない。

 例えば優勝の掛かった試合は価格が高騰するだろうし梅雨時期のナイトゲームなんかはもっと安くなってしまうかもしれない。サッカーなんて来る奴は絶対に来る競技であるのが分かった上でぼくはこの試みを歓迎したい。それはこの制度が秀逸とかそういうことではなく新しいことをJリーグが始めるというのが嬉しい。元々サッカーのプロ化として始まったJリーグは時代の最先端だった。それがいつしか旧態依然としたスタジアムで地域と行政の支援によって成り立っているようなものになってしまった。もっと意欲的にチャレンジしてもらいたい。新しい息吹を感じさせて欲しい。少なくとも世界は凄い勢いで変わりつつあるのだ。

 でもこのダイナミックプライシング、天候など当日にしか分からない要素がありながらどうやって販売するんだろうという疑問も残る。そこも含めてどうやって運用していくか今後の動きに注目ではないだろうか。

マリノス戦~大敗の後の大勝試合

201881日 横浜Fマリノスvsサンフレッチェ広島 ニッパツ三ツ沢球戯場

 

 後半の開始から、更にパトリックは走る。スルーパスを呼び込む。相手に当たってCKになった。それだけでも価値のあるプレーだった。が、このCKを叩き込んだ。ヘディングでゴールにぶち込んだのはパトリックだった。

 パトリック、パトリック、パトリック!

 絶叫が止まらない。そしてパトリックのチャントを皆が声を合わせるのだった。

 前半終了間際、そして後半開始早々。この短時間で2点差をつけたのは相手の出鼻を挫くのに絶大な効果をもたらせた。

 追いつくべく攻めるマリノス。そして攻められれば攻められるほどカウンターからのチャンスがつくりやすい。もはやこの時になると少々攻められても防ぐ自信があった。事実、シュートを放たれようとするもそのほとんどをDFがブロックしてしまいGK林のところに到達しない。まれにシュートが飛んできてもそのほとんどが真正面で受けている。DF陣も含めた守備の構築ができてる証拠だった。

 そんな守備への安心感からか、攻撃に転じた場合一発を狙ったパスが多くなった。そのほとんどがトップの渡に収まることがなく見せ場をつくれない。まだJ1でゴールがない渡。FWとしてやはりどうしても寂しさが残る。

 そんなことを話してる時だった。ペナルティエリアへ向けたボールに柴崎が追いついた。だがそこでシュートを打たず後ろへ落とした。距離は遠くなったが猛烈な勢いで走ってた渡がシュート。その強烈な弾道がゴールネットに突き刺さったのだった。

 決まった、決まった、決まった。渡が決めた。J1初ゴール。やった、ついにやったこの時をどんなに待ち望んでいたことか。そう思ってるのは皆同じようで渡コールが響き渡る。腹の力を振り絞って声を出す。チームメートに揉みくちゃにされる渡のゴールはチームとしてもやっとという想いがあったのだろう。

 0-3。勝利を確信できる時間に近づきつつあった。反撃を試みるマリノス。だけど攻められれば攻められる程隙が生じ奪った後のカウンターが効いてくる。CKを跳ね返され縦へ急ごうとしたマリノスのボールをカットすると右サイドの和田がクロス。そしてこれをゴール前で合わせたのはディフェンダーの千葉だった。2試合連続のゴール。何気に得点力があることを見せつけられアウェイエリアはお祭り気分で喜び合うのだった。

 大勝、大勝。4点も入れた。こういう時だからサブのメンバーの起用がされる。川辺にベリーシャ。アピールのチャンスだとばかり積極的にゴールを目指す。DFラインの裏へ繰り出したのでシュートを打った川辺。が、これは枠に収めることができなかった。それによりGKから前へ持ち上がったマリノスはサイドからのクロス。中で合わせられ1点返されてしまった。もはやあと30秒もすれば終わるとこだった。それを堪えることができず無得点で終わることができなかった。

 そこに一点の曇りを感じた勝利なのだが得点者を知り別の感情が生まれた。

 伊藤翔。ああ、またこの選手にやられた。なぜマリノスとなる時はいつもこの選手に決められてしまうのだろう。そういう選手はもう一人、中町という選手がいるのだが、都合のいいことにベンチだった。こういうとこはマリノスの監督が外国人であるが故のデメリットなのだった。

 何はともあれ1-4で勝つことができた。前節と同じスコアということで差し引きゼロのようなものだ。無失点で終われなかった無念さもある。それでも勝ち点3は貴重だ。去年の今頃は残留に向けて尻に火が付いた状態だったんだな。もはや今シーズンは降格だけはすることはない。そんなことを話しながらドクトルと横浜駅まで坂道を歩いて行った。話題に尽きることはない。それもこれも勝ったからこそ足取りも軽快である。そしてこの試合に来るまでの過程であまりにもぼくを導いてると感じた巡り合わせの数々。やはりそれはぼくに絶対に来たほうがよいと仄めかす暗示なのかもしれなかった。

2018年8月 2日 (木)

マリノス戦~PKによる先制

201881日 横浜Fマリノスvsサンフレッチェ広島 ニッパツ三ツ沢球戯場

 

 キックオフから飛ばしていた。渡、パトリックの2トップは前線からの守備を高い強度で行ってた。そんなに走ると後でバテのではと不安になりつつも少なくとも久々にスタメンに入った渡にしてみれば結果が欲しく必死という事情があった。

 ところがそんな2人のプレスも簡単にいなされ前線につなげられる。そしてマリノスの攻撃ばかりが続く。守備に追われるサンフレッチェはファールで止める回数が多くなってしまった。相手の突破を止めようとした水本が遅れてしまいイエローカードを貰ったが、このまま続くと更に貰ってしまう可能性さえ感じてしまった。

 マリノスのパス回しには最終ラインのまたその後ろにGK飯倉が加わっている。それによりフィールドプレイヤーが1人多いような状態になりそれによりいい体制で中盤がボールを受けることができる。だがこのパスの起点を潰すべくパトリックがGK飯倉のボールを掻っ攫うと無人のゴールへシュート。が、これはポストに当てて決めることができなかった。千載一遇のチャンス。これを逃したのは痛かった。

 しかしこのプレーがあってからというものサンフレッチェの攻撃の重心が上がっていった。ショートパスをつなぎサイドで行くと見せかけ中から青山が縦に入れる。するとこれがマリノスの選手に当たってラインを割ってしまった。

 するとどうだろう。ゴール前でなにやら揉めてる。実はよく聞こえなかったがハンドのファールがあったようだ。PK、思わぬとこで先制点のチャンスが貰えた。

 ボールをセットする青山。大丈夫だろうか。そんな不安を抱きつつも固唾を飲んで見守る。短い助走からグラウンダー、GK弾いた。ルーズボールはクリアされせっかくのチャンスをふいにしてしまった。

 ああ、やっぱり外してしまったか。危ない気がしていたんだと嘆いたもののこの直後に副審の旗が上がったのである。PKやり直し。どうやら飯倉がPKを蹴る前にラインより前に出てしまったようなのだった。PKやり直し。これにはマリノスサポーターあら怒涛のようなブーイングが起こるのだった。

 ゴール裏のブーイングはすざましい。やり直しとはいえ蹴りにくいのには変わりがない。そしてこのプレッシャーのかかるPKを今度はパトリックがセットした。やり直しの場合、キッカー交代してもいいというルールをこの時初めて知った。

 主審の笛が鳴る。パトリックのキック。見事にGKの逆を突いたがそれは青山の蹴ったのと全く同じコースなのだった。

 先制。マシンガンポーズでゴールの喜びを表すパトリック。とりあえずは有利な状況にはできた。でもまだ前半を終えただけ。前節4失点もしただけに1点ではまだ心もとなかった。それだけに過剰な喜びは抑えたままハーフタイムを迎えたのだった。

マリノス戦~スタジアムの蒸し暑さ

2018/08/01 横浜Fマリノスvsサンフレッチェ広島 ニッパツ三ツ沢球技場
 鳴り止むことのない蝉の声。全方位から鳴り響くその音は射るような暑さを助長するかのようだった。それでも平日のナイトゲームの開場を待つサポーターは日差しを受けながら談笑にふけっていた。その傍らでぼくもコンクリートの架台に腰を下ろすと火で炙ったような熱さを感じ再び立ち上がってしまいそうになった。
 台風が通過し、再度暑さがぶり返してしまった。もはや日本は熱帯地方と称してもいいような気温である為に一日過ごすこと自体疲労感を覚える。なので横浜は少し遠いような気がしたものの、たまたま近くで仕事してたことにより来てしまった。これは行くように見えざる力が働いたのだろう。
 開場が始まった頃には日の力も落ちてきてそれに付き合うように蝉の声も勢力を弱めてきた。幾分そよ風が吹くのは落ち着きを与えてくれる。とてもこれから決戦を前にしてるという雰囲気ではない。ただサッカーを観たい、チームを応援したいというだけ。それは両チームサポーター共通していた。
 そんな牧歌的な雰囲気を感じつつもスタンドに着くとピッチの近さに感嘆をあげた。アップで選手が入場してくるとその動きがはっきりと視認できるのがいい。キックの正確さ、トラップの技術の高さなどはつぶさに確認できる。やはり広島にもサッカー専用スタジアムが必要である。
 いつの間にか日に代わって照明の灯りが降り注いでいた。隣席と密着するように座ってるとやはり湿度が数割増したようにも感じてしまう。これは試合をする選手にも体力的な負担は大きいかもしれない。果たしてそれぞれのコンディションはどうだろうかとアップをする姿を眺めていると渡の声援が一際大きいのに気づく。久々のスタメン。本人も気負うところがあるだろうが、応援してるこちら側としても早くJ1でゴールを決めてほしいと願ってる選手なのだった。

« 2018年7月 | トップページ | 2018年9月 »

最近のトラックバック

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

JリーグPR

  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles