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2018年4月 9日 (月)

柏戦~苦しみぬいた勝利

2018/04/08 柏レイソルvsサンフレッチェ広島 三協フロンテア柏スタジアム

 

 澄み渡った空。温暖な気候。昼に設定された試合時間はスタジアムを超満員にするかと思いきやバックスタンドには所々空席があった。元々それ程の収容力を持ってないこのスタジアムはこの先増設されることはないだろう。ピッチとの高低差があまりないアウェイゴール裏の立見席でこの先観戦環境がよくなることがないという予測に落胆を覚えた。

 とはいえピッチまでの近さでいえば他に及ばなく、すぐ間近でサンフレッチェの選手たちが見れる。パトリックの筋肉の筋まではっきりと確認でき、林の身体の大きさも再認識することができるのだった。

 そんなパトリックに当てて展開するというパターンはいつもと一緒なものの、素早い寄せ、果敢なチェックは柏に攻撃へ転じる隙を与えなかった。奪われても取り返す、そんな好循環が攻撃への厚みを増す。SBの和田がオーヴァーラップする。前線での工藤のキープからパスを受けるとクロスを上げる。混戦のゴール前ではヘディングが前に飛ばずに流れるも逆サイドに佐々木がいた。左SBの佐々木がなぜかペナルティエリアにまで上がってボールを収めシュート。ゴール隅に一直線に飛んだボールはネットにはっきりと突き刺さったのだった。

「うおおおおおっ!」

 手を振り上げ雄たけびを上げ狂喜乱舞するアウェイゴール裏。あれだけ押してる展開だから誰かが決めそうでもあった。それでもそれがDFの佐々木とは思わなかった。怪我で2シーズン棒に振ったディフェンダーがここまで強烈で制度のあるゴールを決めたというのも驚きだった。

 まずは1点。そしてまだ1点。決して油断できる点差ではないし守りに入る時間でもない。追加点、追加点が欲しいのだった。

 ところが後半に入ると状況が一変する。柏の攻撃に歯止めが利かなくなりクロスを放たれる。クリスティアーノの縦へのドリブルが止めれない。前でキープしようにもクリアボールが全部柏に渡ってしまう。プレスも掻い潜られるようになり中盤から前線へとパスをつなげられる。ドリブルで突き進む山崎。懸命に追いすがる和田。だが切り返しのところでやってしまった。倒してしまった。脚を引っ掛けてしまうとペナルティエリアに倒れ込んでしまったのだった。

 PK。

 松尾主審はペナルティスポットを差す。あれ本当に脚だったのか、ボールにいったんじゃないのか、そんな議論がアウェイゴール裏で沸騰する。だが後で判明したことだが、確かにファールではあったもののその位置はペナルティ外であった。PKをもらえるような倒れ方をしたのは明白だった。

「タクト!タクト!」

 GK林への希望と願望がコールとなって繰り出される。セットしたクリスティアーノ。主審のホイッスル。わずかな助走の後に蹴った。弾いた。ボールは山越しにゴールラインを越えていった。

「おおおおおおおっ!」

 アウェイゴール裏の沸騰が再び訪れる。ぼくも隣の仲間にハイタッチを求められた。だがまだ終わってない。相手のCKである。すぐに気を取り直し守備への集中へと切り替えるのだった。

 防いだ。またしても危機をしのいで失点は免れた。だがその後もボールの支配権を奪われ責められ続ける。身体を張った守備。シュートに対しては身体を投げ出しブロック。ドリブルに対しては人数をかけて侵入を許さない。それでも伊東純也のドリブルには対応できずゴール前まで入られる。が、最後の砦、林が飛び出して防いでしまうのだった。

 苦しい苦しい守備の時間。ボールが下がった時には工藤が果敢にプレッシャーを掛ける。それが少しでも攻撃を遅らせることにつながる。工藤も結果に飢えている。柏下部組織出身であることからもこの試合に対する意気込みは大きかったろう。もはやシュートまでいく展開にはなりづらくなってるので守備で貢献してる。だがそこを称賛されるのは本人としても不本意だろう。本当は点を取る選手。そんなプライドが全速力のチェイシングへと向かわせているかのようだった。

 そんな気概も空しく川辺との交代を告げられる。ピッチを去る背番号9は昨シーズンの低迷の元凶とされたものの大きな声援が送られた。決めさせてやりたい。そんな気持ちが皆に共有されたかのようだった。

 そしてパトリックにも渡との交代を告げられいよいよ守備堅めの様相を呈してくる。跳ね返して跳ね返して跳ね返し、前線では渡がロングボールに競り合いを掛ける。ライン際ではボールキープに努めて少しでも時計の針を進めようとする。

 あと何分?時計が見えないのでさっぱりわからない。アディショナルタイムの4分は掲示された。ゴールキックやスローインになるとそれだけで拍手喝采が飛ぶ。じりじりと焦れる想いの中で鳴った。タイムアップの笛が吹かれたのだった。

 苦しい苦しい後半の苦闘は勝利という名の元に開放されたのだった。

 開幕から負けなし。それは誇るべきことでありながら楽な試合は1試合もなかった。そして今日も紙一重で勝てた。なので強いという実感はない。それでもこうして結果を残してるチームに称賛の念が尽きないのだった。

 ところがもう3日後にはもう次の対戦が控えている。全くもってワールドカップイヤーの過密日程は息つく暇もないのだった。

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