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2017年10月 1日 (日)

札幌戦~負の象徴

2017/09/30 サンフレッチェ広島vs北海道コンサドーレ札幌 エディオンスタジアム広島
 
 札幌。残留争いのライバル。アウェイでの敗戦。昨シーズン、佐々木へ悪質なタックルで長期の怪我を負わせた横山がいる。そしてベンチに座ってる小野伸二にはACLにおいてもう少しでベスト16を勝ち抜けるというとこで得点につながるクロスを入れられてしまった。FWの都倉はなぜかサンフレッチェの試合だけは点を入れる。探せば色んなとこに因縁の見つかる相手なのだった。
 そのせいなのだろうか、エディオンスタジアムのスタンドには珍しく空席が見つけにくいくらい埋まりその光景は壮観だった。サポーターが集まりチャントへ呼応する声も大きい。そういう時、こういう時こそ勝たなきゃいけない。もはや細かい理由などなしにこの雰囲気を壊さない為にも勝利は必須なのだった。
 この試合に当たって稲垣、フェリペ、椋原の3人がスタメンに名を連ねた。ここ最近のパフォーマンスの良さからの抜擢といったところだろうか。
 ところが出足は札幌の方が攻めてきた。開始早々の都倉のシュート。やっぱりサンフレッチェには点を取れるという自信があるみたいだ。そして前回対戦で勝ったというのも自信の上乗せにしてるのかもしれない。
 それでもその時のサンフレッチェとが違う。簡単にゴールを割らせる守備をしない。最期の最期で跳ね返す。そして攻撃へと向かえる。相手ゴールに向かって突き進む。逆サイドへの折り返しがあり柏がクロス。ふわっとしたボールはDFの裏からパトリックがヘッド。が、入らない。攻撃の形としては良かったものの最期が決まらないのだった。
 その後ロペスがバイタルエリアから放ったシュートも沸くに入らず相変わらず皆シュートの精度が低い。ロペスは他にもカウンター場面でのドリブルが縦一辺倒なので全部引っかかってしまう。この選手、本当に上手いんだか下手なんだかよく分からない選手なのだった。
 そんなロペス、ペナルティエリア前でのトラップが足に収まらなかった。「ああ、また」とため息をつきそうになるもそのままゴールに向かっていく。すると次の瞬間、倒れた。DFの足が掛かってしまいPKになったのだった。
 おおおおおっ!ロペス、ナイスプレーだ。
 まだ点が入った訳じゃないが雄叫びをあげてしまう。ここはきっちり決めたい。そういえば今シーズンPKって1回も決まってないじゃないか。それどころかPKのシーン自体がない。一体誰が蹴るのか。そしてペナルティスポットに目をやると歩んでいるのはアンデルソン・ロペス本人だった。
 えええええ!ロペスPK決めれるのかよ。
 限りない不安が増幅していく。今シーズン9点決めてチーム内得点王にも関わらずどうもこの選手はシュートが下手というイメージがある。プレーも一本調子なとこがあってここぞというチャンスで見事に敵に止められたりブラジル人らしい狡猾さが見あたらないのだった。
 固唾を飲んで見守る中、フェイントを交えたPK。決まった。が、やり直しを宣告。そして再度蹴ったPKは全く同じコース、同じモーション、同じ蹴り方で見事に決めたのだった。ああ、ロペスって実はPK蹴れる人だったようだ。
 貴重な貴重な先制点を入れたサンフレッチェ。ここで叩き込みたい。ホームの声援を受けて上調子になっていったとこなのにここからトーンダウンしてしまう。
 失点が怖かったか、攻撃への軸足を緩めることでみすみす相手に勢いを与えると、ゴール前へ攻勢を強めてきた。ペナルティエリアに侵入する札幌。何とかくい止め危機を脱しようととするサンフレッチェ。だがこのつなぎの部分でハンドがあった。PKを宣告された。
 一体誰が・・・?
 そのハンドは稲垣だった。トラップした際腕に当ててしまった。ああ、またやってしまった。彼は前所属の甲府時代から本当にこういうプレーが多い。ゴール前でのハンド、オウンゴール。一旦こういう癖をつけてしまった選手はもう直ることはない。なのでゴールに近い位置まで侵入された時点で勝負あったのかもしれない。
 そしてこのPKを都倉は事も無げに決めてしまった。GK中林も見事に反対に飛んでしまった当たり、サンフレッチェに対しては点が取れると確信を持ってるようだった。
 振り出しに戻ってしまった。再び点を取らないといけない。そこでパトリックに入る。ヘッドでサイドに振るとフリーで駆け込んできた柏、シュート!が、ファーポストの外に流れていってしまった。
 決定的。決まったと思った。あんな場面もう現れないだろう。どうしてあれを決められないのか。いや、決められないからこそこの順位にいるのだった。
 案の定その後は見せ場のないまま終わってしまった。引き分け。だがそれは限りなく負けに等しい引き分けだった。
 うなだれるサンフレッチェの選手に対して札幌の選手の表情は明るかった。当然である、引き分けでも順位は向こうが上なのだから。
 簡単に相手をペナルティエリアに入れる。決定的なシュートを外す。点を取った後に勢いを持続できない。不調続きだった今シーズンの集大成のような試合だった。せっかく多く観客の集まった試合で最期を盛り上げることができなかった。そういう意味でも今シーズンを象徴してしまったのだった。

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