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2017年9月24日 (日)

清水戦~変貌するチーム

2017/09/23 清水エスパルスvsサンフレッチェ広島 IAIスタジアム日本平
 
 それは開始6分のことだった。
 柴崎からのCKを水本がニアで合わせた。まさにピンポイント、ドンピシャ。ヘディングシュートをゴールを突き刺したのだった。
 CKでここまで綺麗に決めたのは今シーズン始めてではないだろうか。水本のようなDFの選手が決めたというのも久しぶりのような気がする。というよりこれってシーズン序盤に散々やられた失点の形だった。それを自分たちの得点として具現化したとこが希望なのだった。
 そんな開始早々のリードの為、チームは落ち着きを持ってるような気がした。相手ボールになっても帰陣を速くしブロックをつくって守備に備える。そしてボールを奪うとDFの裏へとロングボール。何度かあったそのプレーは最前線のパトリックにつながる。それがカウンターの起点となるのだった。
 ところがゴール前へピンポイントのパスを放り込まれたというのに最期が決められない。GKに当ててしまう。何気にパトリックって得点力ない。こういう決定機をつくりだす割には2点しか取ってないのが全てを表してる。
 他にもサイドからシュートを放つもGKにぶち当てた。スピードもありパワーもありテクニックもあるのになぜか最期の最期が決まらない。それでもこれだけ競り合いに勝ってボールを収めてくれるのだからそれ以上は望んではいけないのだろうか。
 ただ、そんなチャンスを決めきれずにことごとく潰してきたサンフレッチェはやはり怒濤の攻撃に晒されることになる。サイドからクロスを入れられミドルシュートは打たれドリブルによる突破を試みられる。それらの攻撃を跳ね返しても跳ね返してもセカンドボールを拾われる。ああ、サンフレッチェお得意のサンドバック状態がやってきたのだった。
 一度はボールカットして相手の攻撃を止めるも速いプレスからすぐにまたボールを奪われる。そしてサイドへのチェックが甘くなるとゴール前へ向けてふんわりとしたクロスが入った。さすがにこんな緩いクロス跳ね返せるだろうと思っていたら後ろから入ってきたチョン・テセに決められたのだった。
 怒濤のような歓声が沸く日本平。この熱気、この異様な盛り上がり、まさかこのまま勢いに乗ってくるのではという危惧が起こった。だがこちらも負けてはいられない。引き分けではいけないんだ。欲しいのは勝ち点3、勝ち点3なのだった。
 尻に火がついたように攻撃へ軸足が向いてきた。途中出場のフェリペが意表を突いたパスを出す。柏もサイドからドリブルで勝負する。青山がセカンドボールを拾い攻撃に厚みを加える。だがシュートらしいシュートは打てない。ああ、このまま引き分けで終わるのだろうか。
 だけど不思議なのはあんなに閉じこもってたのが追いつかれた瞬間攻撃に軸足を向けたことである。こうやってパスが回せるなら攻めてほしかった。そうすればあんな失点はなかったかもしれない。そう思うとあまりにも勿体ないのだった。
 残り時間わずか。前に前に重心を向けていく。点を取りたいと前掛かりになる。だけどそう簡単にゴールは取れないだろう。どうせならもっと早い時間からこういう姿勢をみせていればよかった。そうすれば相手だって攻撃ばかりしてられなくなるはずだ。
 もう90分になろうとしている。フェリペが巧みなトラップから敵をかわす。裏へスルーパス。抜けだしたのはボランチから駆け上がった稲垣。ゴール前でシュート。が、GKに当たってしまいボールは跳ねてしまった。
 ああ、また決定機を決めきれなかったよと天を仰ぐとボールの落下点にはパトリックがいた。頭で押し込むと清水のDFも間に合わずクリアできずにゴールに入ったのだった。
 再度勝ち越し。もはや引き分けが精一杯と思ってただけにこのゴールは血管がぶち切れそうな程の興奮があった。ゴール裏へ駆けたパトリックは思わずシャツを脱いでしまった。その彫刻のような筋肉を見せびらかしてる。その行為はイエローカードの対象。分かってはいてもその衝動は止めようがなかったのだった。
 アディショナルタイム5分。堪えていきたい。だが守備に徹して時間を稼ぐというよりはマイボールにしたなら攻撃へとつなげていった。当然のことながら守備の時間は減る。そうすることによって時計の針も進めることができるのだった。
 柏のドリブルも効いている。少し前までそれしか攻め手がなかったが今は違った。フェリペにボールが渡ると巧みなトラップで前を向き柏に出す。ドリブルで突っかけるも守備に戻った相手に前を塞がれると横パスを出した。するとそれを受けたフェリペ、そのままミドルシュートを決めたのだった。
 勝った、勝った、勝ったーっ!
 実際にこのゴールが決まった瞬間試合終了のホイッスルが鳴るのだった。
 がっくりと倒れる清水の選手。ああ、この光景、つい3日前の自分たちの姿そのものだった。それにも関わらずよく気分を持ち上げ勝ちにつなげたものだ。
 パトリック、今シーズンの3点目。そしてフェリペの公式戦3試合連続ゴール。ロペスも守備で助けられた面がある。いつの間にかブラジル人トリオが機能してるのであった。
 やっとそれぞれが自分の持ち味を出せるようになってきた。そしてしぶとい勝ち方ができるようになってきた。ヨンソン監督、勝てるチームへと変貌させてくれた。とはいえまだ確信には至ってないのはあまりにも負け続けたせいだろう。
 それを確信に変える為にも残りのシーズン、1試合も無駄にはできない。だけどそもそも残留争いをしているチームに無駄な試合なんて最初からないのだった。

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