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ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

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  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles

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2015年6月28日 (日)

鳥栖戦~延長したアディショナルタイム

2015/06/27 サガン鳥栖vsサンフレッチェ広島 ベストアメニティスタジアム

 雨予報の通り晴れ間が覗かなく過ごしやすいかと思いきや何気に蒸し暑い日だった。かといって関東から遠く離れた鳥栖、気象条件は違うのだろうか。
 1stステージ最終節。その為かアウェイゴール裏にはサンフレッチェサポーターでビッシリと埋められてた。前節5点取ったということもあり期待という意味では相当大きいものがあった。
 しかし、蓋を開けてみれば完全に鳥栖が支配する試合となってしまった。前から果敢に掛けるプレッシャーにちっともボールを前に運べない。その結果すぐに相手ボールとなってしまい守備に戻る。そしてボールを奪ってもミスで失ってしまう。特にチームの要となる青山が敵にパスをしたり後ろからかっさらわれたりとまるでいいとこがない。ここ何試合か観て思ってたがやはり安定感がないのだった。そしてそれに呼応するかのようにチームそのものも覚束ないものとなるのだった。
 相手のボールは奪えない。サイドでは積極的に奪いに行くというより距離を保っていることが多い。まるでそれは1対1の勝負を最初から諦めてるかのように見えた。するとそのプレッシャーのないのをいいことにあっさりとアーリークロスを上げられてしまう。そしてゴール前に豊田に飛び込まれヘディングでゴールを決められてしまった。対峙していた水本など弾き飛ばされてしまってまるで無に帰してたのだった。
 あまりにも、あまりにも簡単な失点。でも考えてみればいつもこういう単純なクロスにやられてしまうのだった。昨シーズンのナビスコカップ決勝、その前のACLの決勝リーグ。その全てが同じようなやられ方をしてるのだった。結局こういうゴール前のクロスは防ぐことができないのだった。
 点を取るべく柏が右サイドを突破する。そしてクロスを蹴るもそれはあまりにもマイナスになりゴールからは距離がある。が、それをダイレクトで蹴ったのが青山だった。そしてロングシュートがゴールにぶち込まれたのだった。
 同点。青山、青山、青山。ミスが多いだの散々なこと言っておきながらそのゴールに狂喜乱舞するのだった。生き返った。これで振り出しに戻り息を吹き返した。
 今度は右サイドのミキッチが駆け上がる。そしてアーリークロスを上げる。が、クリアされてしまったと思ったらホイッスルが鳴った。そのプレーがハンドでPKの判定が下ったのだった。キッカーはドウグラス。鋭いキックできっちりと決め勝ち越しゴールを決めたのだった。
 このままいけば勝てる。もはや露骨な時間稼ぎも厭わない。そんな中でも一瞬の隙でシュートチャンスがあると浅野が見事にシュートを外してしまった。ここで決めていたら楽だったのに。そしてここで外してしまうのがいかにも浅野らしいのだった。
 そしてアディショナルタイムへ。時間は4分。途中ドウグラスが倒れたというのもあるが時間が経ってもちっとも終了の笛が鳴らない。おいおい、まだ終わらないのかよ。一体いつになったら終わるんだよ。そして鳥栖のCKとなってしまう。すると最後の最後にまたしても豊田に決められた。その時間、アディショナルタイム6分目。訳が分からなかった。結局鳥栖がゴール決めるまで試合終わらせないつもりだったんだろうか。そもそもサッカーって90分の競技じゃないのか?
 そんな不満、不平を感じながらもそれでもやはり豊田を抑えることができなかった。マークに付いてた水本はまたしても豊田との競り合いに負けてしまったのだった。
 かくして1stステージの最終節は引き分けで終わってしまった。あと一歩が足りなかった。そのあと一歩で取り逃したものがまた走馬燈のように駆け巡る。あと1分、あとワンプレー、それを堪えるだけのタフさが欠けてると痛感させられてしまった。

2015年6月21日 (日)

山形戦~J1・J2通算200ゴールとハットトリック

2015/06/20 サンフレッチェ広島vsモンテディオ山形

「どうしてこうなってしまうのか」
 そんなボヤキが漏れた。試合が始まってから間もないというのに防戦一方。逆襲に出ようとするとパスミス。ああ、面白くない。どうしてサンフレッチェはいつもこんなつまらないサッカーをするのだろう。
 佐藤寿人のJ1・J2通算200ゴールがかかってるとして試合を盛り上げようとするもシュートにすらいけない。頼みの柏も蓋をされちっとも縦への勝負ができない。そもそも試合を盛り上げようと何かしらの記録を標榜した時、得てしてその通りにはいかないものなのだった。
 サンフレッチェはボールを持っても山形のブロックの外をぐるぐるボールを回してるだけ。後ろでボールを回してブロックの隙を探す。だがそれはとてつもなく難しい。中にボールを入れようものなら途端にプレスが入り後ろに戻すしかなくなる。攻撃のスイッチとも言える青山に入った時、またそんな動きを繰り返すのかと思った。が、縦へ入れる。トップの寿人に入った。ゴールを背にしてる体制から反転してシュート。GKをかわしてゴールに入った。
 ゴール。200ゴール達成である。まさかこの展開でこの記録が成就するとは思わなかった。記念すべきゴールは貴重な先制点になったがこれで火が着いたサンフレッチェは更に攻撃への厚みを増していく。柏も左サイドを駆け上がる。そしてクロスを上げるとドウグラスが折り返す。そしてシュートを打つもブロック。そして混戦のゴール前。打って、ブロック、打って、ブロック、そして最後はゴールに入ったのだった。2点目、それを決めたのはまたしても寿人だった。
 更に続く。柏の突破から柴崎に出ると浮き球の折り返し、ゴール前でヘディングで決めたのはまたしても寿人だった。ハットトリック。点が取れない試合が続いた寿人だったが大活躍である。こうなったのもチームが前掛かりになれたことによる。そしてその口火を切ったのが寿人の先制点なのだった。
 だがこれで安心はしてられない。3点差をひっくり返されたこともある。そう気を引き締めたら今度はミキッチに出ると右からのクロス。一旦は弾き返されるもセカンドボールをダイレクトでシュートを放ったのは柴崎だった。ボールはディフェンダーとGKの間を縫ってゴールに入ったのだった。
 4点目。前半の内にこれだけの差を付けたことに狂喜乱舞する。もうここまでいくと何点入るだろうと期待が先行していくようになった。こんな気持ちで後半を迎えたのは圧倒的強さで勝ち抜いたJ2時代以来ではないだろうか。
 ところがここから先点が入らない。そしてついには寿人も浅野との交代で下がってしまう。それでも今度は浅野が決めてくれるだろうと思っているとチャンスはすぐに訪れた。爆発的なスピードを生かしてGKと1体1。ループシュート、フェイントからのシュート、ドリブルでの突破、一体どのプレーを選択するだろうと思ったら横にドリブルするという最も恐くないプレーをするとシュートを打ったもののGKにセーブされてしまった。
 ああ、あれは決めろよとため息とつく。だがそんな意気消沈してる隙に山形は速攻でゴール前まで攻めると簡単に1点返されてしまうのだった。ああ、このまま無失点で終わりたかった。そしてこの失点、浅野が決められなかったことに起因した。
 その後野津田が出場すると更に混乱していく。2人で動きが被ったりシュートを打つのに時間が掛かったりしてチャンスを潰してしまう。ゴールへの意欲はあるのだがどうも空回りしてるようだった。もうこの試合はこのまま終了だろう。大勝といえば大勝だがどことなく消化不良だ。
 最後の最後。山形は前がかりである。それを絡め取るとドウグラスがゆっくりと持ち上がる。フリーだったので選択肢は無数にあった。懸命に戻る山形。そしてそれをいなすように横へパスを入れると駆け上がった野津田にピッタリ合った。ダイレクトで放ったシュートは5点目となったのだった。
 決まった。そして終了のホイッスルが鳴ったのだが高揚する気分は抑えることができなかった。そしてこの日、浦和レッズの1stステージの優勝が決まってしまった。いい順位にいながら取りこぼした試合が悔やまれたもののそんなこともうどうでもよかった。それ以上にまだまだ寿人がストライカーとして存在してるというのが嬉しかった。2人、3人と得点に絡めるのが素晴らしかった。試合序盤あれだけ文句を言ってたのに終わってみれば大勝だった。色んな要素が重なっていつまでもこの幸福感に浸りたい気分なのだった。

2015年6月 8日 (月)

柏戦~シーソーゲームの行方

2015/06/07 柏レイソルvsサンフレッチェ広島 柏スタジアム


 よく晴れた日曜日だった。澄み渡った空は気温の高さにつながりもはや初夏を思わせるものだった。今年は例年に比べて真夏日が多い。まだ暑くなることが予測され、これから夏に向けて考えるとげんなりとしてくるのだった。

 柏駅からは少し距離があるもののぼくは歩いて行くのだった。スタジアムまでの道を歩いていると次第に黄色い人が多くなる。そして紫の人も結構容易に見つかる。サンフレッチェも応援する人増えたななどと考えてると目の前のわき道からタクシーが入ってきて立ち止まった。するとその中にも紫の人が。そしてよく見るとそれはいつも一緒に観戦する仲間だった。

「乗ってください。一緒に行きましょう」

 そう促され便乗させてもらうことになった。ぼくは人の世話になる。だらしなく不安定なぼくに手を差し伸べてくれる。そしてスタジアムに着いてからは別の仲間が場所を確保しててくれた。ありがたや、ありがたやである。

「柏はピッチが近くて臨場感があるねえ」

 目の前でアップをしてる選手の様子に仲間は興奮してた。シュート練習などは枠を外れたのがそのままスタンドに飛んでくる。ぼくらはシュートを入れる度に歓声を上げたが寿人だけは入らなかった。

「やっぱり寿人は感覚が変わってきちゃったんだな」

 ぼくらはそんなことを言い合いながら寿人のゴールに期待を寄せることはなかった。そして実際に試合が始まると寿人のとこでボールが収まらない。ああ、やっぱり寿人はもう限界なんだろう。そんな諦めのようなものを囁き合ったのだった。

 ボールへの寄せの速い柏。そう見えるのはピッチが近いせいもあったろう。ボールを奪った後柏の攻撃は厚みがあった。そしてレアンドロがゴール前で持つとそれだけでやられてしまいそうだ。そんな脅威に負けて水本が倒してしまった。でもこれはレアンドロが上手かった。とても水本を批判する気になれなかった。

 FKに対して壁が一線に並べられる。だがそんな守備へ対応もゴール隅への綺麗なFKの前では何のやくにも立たなかった。林の手の届かないゴール隅にあっさりと決められてしまったのだった。

 追いつかないといけないサンフレッチェ。だがなかなか攻めても最後はやらせてもらえない。すざましいプレッシャー。これにはさすがのミキッチもドリブルで切り込めない。そのため、簡単にクロスを上げてしまった。これは駄目。あまりに安直だ。だが次の瞬間、ボールはゴールに入っていたのだった。

 反対側のゴールなのでよくわからなかったがコーナーフラッグに走ってる姿が見える。あれは寿人がゴールを決めた時のパフォーマンス。寿人、寿人が決めたのである。ぼくらは割れんばかりの歓喜に沸いた。

「ヒ・サ・ト!ヒ・サ・ト!」

 はち切れんばかりの声援。さっきまで散々に言ってた寿人。だけど寿人のゴールには単なる1点以上の喜びがある。その為、アウェイゴール裏はより一層声が大きくなるのだった。

 それが勢いになったのだろうか、今度は最前線にいたドウグラスにボールが出た。ワンタッチで裏へ抜けGKと1対1。だがここでドウグラスはこけてしまった。何やってるんだよ。そう叫びたくなった瞬間足を伸ばした。すると何とかボールに触れゴールに入れたのだった。

 逆転ゴール!まさかあんな体制から打つとは。ゴール裏に駆け寄るドウグラス。ゴール裏はもう誰もがドウグラスのコールをして腕を振り上げるのだった。

 この勢いを生かし更に猛攻を仕掛ける。まだまだ点が取れる。そんな気がしてた。が、なぜか押し込まれてしまう。守って守って守るばかり。たまにボールを取っても前線に博打のようなロングパスを出しては相手に取られてしまう。ああ、どうして勝ち越してるといつも後ろ向きな姿勢になってしまうんだろう。

 林のビッグセーブに救われつつも最後にはやはり堪えきれなくて失点してしまった。なんだか簡単に抜かれたような気がしたもののさすがにあそこまで攻められっぱなしだと集中力が続かないのだろう。

「点入れよーっ!」

 仲間が叫ぶ。この期に及んでまだ諦めてないようだ。だけどここでエンジンがかかった。攻撃に重心が向いた。そしてCKを得ると柴崎はファーサイドへ蹴った。ドウグラスがジャンプして折り返したように見えたがその後どうなったか分からない。だが気づいたらゴールの中に入ってたのだった。

 この瞬間、副審の旗が上がってないのを確認した。そしてこれがゴールとして認められたのを知ると一斉に歓声が起こるのだった。そして沸き上がるドウグラス・コール。あれってドウグラスのゴールだったのだろうか。

 後で分かったのだがそれはオウンゴールだったらしい。目の前で見てたのに分からなかった。それほどまでに一瞬の出来事なのだった。

 そして堪えた残り時間。終了の瞬間はまたしてもドッと歓声が起こったのだった。ぼくらは勝利を喜び合った。先制され逆転して追いつかれてまた勝ち越して。目まぐるしく状況の変わり面白い試合だったと言い合った。

「だけどあのまま同点にされないまま勝手も消化不良だったろうな」

 ドクトルが言うのでぼくは答えた。

「そうだね、あのまま堪えるだけで終わってしまったらここまで気分は高揚しなかっただろうね。でも何でいつも勝ち越すと気持ちが後ろ向きになるんだろう。あそこまで引いてしまうことはないだろうに。結局攻めなきゃいけない状況にならなきゃ尻に火がつかないんだよね」

 そんなことを話しながらぼくらは柏駅へ向かった。人混みの中を歩くもこの幸せな時間に一つも苦に思わないのだった。


2015年6月 4日 (木)

ナビスコカップ甲府戦~静かな敗退

2015年6月3日 ナビスコカップ予選リーグ サンフレッチェ広島vsヴァンフォーレ甲府 エディオンスタジアム広島


 ナビスコカップ予選最終節。もはや自力での決勝トーナメント進出の芽は絶たれてる。対戦相手の甲府に至ってはもはや敗退が決まってるので完全に消化試合だ。こういう試合、モチベーションの持って行き方に難しさがあるもののサンフレッチェはサブ組とも言える若手メンバーは自らのアピールの意味合いも持っていた。それが躍動感を生み相手にボールの取り所も与えず一方的に攻めることができる。このメンバーでもここまで相手を圧倒させることに希望を見出し大会の勝ち抜き関係なしに試合を楽しめるのだった。

 サイドの高橋も清水も縦へ行く意識が強い。そして中央では中盤からバツンと入る縦パスに攻撃にスイッチが入る。密集してる敵を崩すパス交換に沸いてしまう。これは一体何点とれるだろう、実際そう考えていたのだった。

 しかし、待てど暮らせどシュートが入らない。野津田が遠目からでもミドルシュートを狙うが全てブロックされてしまう。カウンターでゴール前まで持ち出してもGKに阻まれてしまう。攻撃の組み立ては良い。それなのにフィニッシュに至らないのだ。そうしてる内に段々と余裕は不安へと変わっていった。

 完全にブロックを敷いて守りに徹する甲府。そこを崩すのは確かに用意ではなかった。どこからどうやってもシュートまで至らない光景はこれまで何度も見ている。それでも微かな希望を持っていたのはこれからを担う若手への期待でもあった。

 それでも手詰まり感がある。それなのによりによってサイドの高橋はボールが出るとトラップミスでボールが大きく前に出した。ああ、何やってるんだ声を上げたその時、高橋はボールを追いかけてた。それは間に合わないだろと思ってた縦へ走ると追いついた。そして間髪入れずゴール前へクロス。誰も上がってない。が、走り込んだ浅野が飛ぶとダイレクトでシュートを叩き込んだのだった。

 ジャンピングボレーシュート。堅い堅い城壁は意表をつくプレーによって亀裂を生じさせた。意表を突くプレー、衝撃のプレー、この感覚、昔を思い出してしまった。弱くてどうしようもなかったサンフレッチェにおいて唯一輝き放ったストライカーの久保竜彦を思い出してしまった。その片鱗を見せた浅野に熱くなってしまった。

 更にアシストを決めた高橋は縦への突破を試みる。そしてゴール前へクロスを上げると今度は中央を通り越してしまった。だが逆サイドに詰めた清水がゴールにぶち込んだ。高橋の活躍は眩しかった。というのも左サイドには特別な想いがある。かつて久保へクロスを供給し続けた服部公太の存在があったからだった。あの頃とは何もかもが違うようでいてちゃんとつながってる。そんな気がしてしまいまたしてもこみ上げるものがあるのだった。

 そして2-0で試合を終える。試合は勝った。だが別会場で他チームの動向によりサンフレッチェのナビスコカップの予選リーグ敗退が決まった。所詮他力本願なとこがあっただけにしょうがないとは思ってる。でも勿体なかった。本当に勿体なかった。もっと観てみたかった。このメンバーでの戦いを観たかった。そこが何よりも残念だった。

 ほんのわずかな差での予選敗退。カップ戦ではいつもこういう苦渋を舐めさせられる。だけどいつの日か、この若いメンバーがその苦い思い出を塗り替えてくれるのだろうか。ナビスコカップ、昨シーズンの決勝のリベンジを果たすどころか予選リーグでの敗退で終えてしまったのだった。

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