無料ブログはココログ

ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

JリーグPR

  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles

« 2015年4月 | トップページ | 2015年6月 »

2015年5月31日 (日)

湘南戦~地震に揺れたゲーム

2015/05/30 湘南ベルマーレvsサンフレッチェ広島 湘南BMWスタジアム平塚

 夕暮れの淡い光が雲の隙間から照らされる。地平線から朱色に輝いた空は色彩に富んでいた。そんな中、照明には灯が点りこれから選手たちはアップをしていた。サポーター席から選手へコールが繰り出されるもののどことなく声が遠い。アウェイ席には人が埋まってはいるもののどうもこれはスタジアムの構造上の問題のように思われる。このスタジアムはあまりにもピッチとスタンドが遠いのだった。
 そして選手紹介が終わった頃になると闇は濃さを増していき照明が存在感を増す。眩しいとさえ感じたその光は不思議なことに段々と気にならなくなった。その時にはすでに夜の様相を呈していたのだった。
 かつてはこのスタジアムアウェイ席は100人くらいしかいなかったよな。嵐の中試合やったこともあったよな。そんなことを仲間と話してる内に試合は始まったのだった。そんないつの間にか始まったというように感じたのもスタジアムのせいだったのだろうか。
 立ち上がりこそ相手をいなしながらボールを回してたサンフレッチェだったが次第に行き詰まってくる。後ろで回してるばかりで前に行かない。こういう膠着状態の時の頼みの柏にはマークが2人も3人もついててどうにもならない。それならばと逆サイドのミキッチに預けるとここが結構高い位置まで上がれた。そしてクロスも上げれた。だけど合わない。最後の最後が合わない。ミキッチのクロスからのゴール、一体いつからそんなシーンを観てないだろうか。
 そんな手詰まり、攻め倦ねは湘南の攻撃への圧力を強めていった。まるで分身の術でも使ってるかのように次々に飛び出してくる。防戦一方のサンフレッチェ。クリアしてもトップの寿人で収まることは決してない。どうしてサンフレッチェはどのチームに対してもこういう状態になってしまうのだろう。
 魅惑的なサッカーはどこ行ったんだろう。ボールの動くサッカーは幻だったのだろうか。連動した動きは夢だったのだろうか。ミキッチの動きだしと塩谷のパスの意図が何度となく逆を突いてたことでその想いは一層強くなるのだった。
 そんな状況を打破すべく浅野が寿人と代わって出ると一気に攻撃にモードが切り替わる。浅野のとこにボールが出ると何とかボールをつなげられるのが大きい。それにより活性化してきた。柏が何度も左サイドで突破を仕掛ける。2人に囲まれても抜いてしまうそのプレーにぼくらは沸いた。そしてゴールを期待した。でもせっかく上げたクロスも中に入るのがいつも1人か2人なのでちっともシュートに結びつかないのだった。
 シュートが打てないという無力感によりまどろむ。応援すべく声を出そうにも段々と輪郭がぼやけてくる。意識が揺れ、身体も揺れる。船で波を受けてるようだ。もはや精神もおかしくなってしまったんだろうか。だが違った。それは地震で本当に揺れていて、地表から確実に伝わってきたのだった。
 騒然とするスタジアム。試合は中断され安全を確認する。
「スタジアムは耐震構造になってますのでそのまま座っていてください」
 スタッフによる説明があったがスタンドにいるほとんどの人がそんなことより早く試合再開してくれという顔をしていた。
 ところがこの中断は選手に休養を与えてしまった。柏やミキッチが果敢に縦を突き浅野が裏へ飛び出した攻撃は相手の体力を奪っていったはずであるがリセットされてしまった。そのせいだろうか、再開後は湘南のペースが一気に上がってしまったのだった。
 ボールを奪えない。守備網を抜けられる。ゴール前まで出ちゃったじゃないか。だがそれらの場面をことごとくシュートミスにより救われたのだった。
 時間がない。時間がないが青山や佐々木は肝心な場面で敵にパスを出したり悪い形でボールを取られたりする。時間がないのにわざわざピンチを招くようなプレーが増えてくる。そして終了してしまった。引き分けは物足りないと思いつつもだからといってこのまま続いたとしても点が取れたような気はしない。またしても点の取れないサンフレッチェになってしまったのだった。
 サポーター席に挨拶に来る選手。その中の何人かはミスをしたことを通説に感じてる表情だった。やはり本人もわかってるんだなと思うのだった。
 試合を終えぼくたちは平塚駅に向かった。その時、地震により電車が止まったという情報を得た。一体、今日帰れるんだろうか。そんな不安を抱えた。
「このスタジアムに来ると必ず何か起こるな」
 ドクトルが言ったが前回は火事でもっと前には嵐というのもあった。今後平塚に来る時には用心するように心がけよう。それよりもとりあえず電車を動かしてくれと願うのだった。

2015年5月28日 (木)

ナビスコFC東京戦~いつか花開くことを夢みて

2015年5月27日 ナビスコカップ予選リーグ サンフレッチェ広島vsFC東京 エディオンスタジアム広島


 ナビスコカップ。それは若い力の実践の場でもあった。サブ組とも言える若手主体のメンバー構成はフルメンバーを揃えたFC東京にとってそれは勝敗以前にメンツの問題も掛かっていた。絶対に負けてはならないという意味では東京の方がプレッシャーはあっただろう。

 しかし、そんな状況の中サンフレッチェは軽快にボールを回す。相手をいなすようなパス回しは子気味良い。もしかしてあまり出場機会に恵まれない選手が多いので対処に困ってるのかもしれない。代表選手も数名抱えるチーム相手に互角以上に戦ってる様は誇らしくもあるのだった。

 ただ、それだけボールを支配しててもバイタルエリアまでたどり着くと行き詰ってしまう。手を変え品を変え山を登ってるのに肝心の頂上にたどり着かない、そんな気分だった。これはどこかで見た光景。そう、前節の鳥栖戦と一緒なのだった。いいとこまではいってもその先まで行かない。ゴールはおろかシュートでさえも打てないのだった。そしてそのまま時間が経過するに従ってどんどん状況は悪くなっていくのだった。

 押し込まれ、押し込まれ、押し込まれる。ボールを奪うどころか触ることすらもできない。防戦一方、まさにその表現が当てはまる場面の連続に業を煮やしたのか、野津田に代わって浩司が入った。とはいえ体調不良で2か月以上実践から遠ざかってる浩司に期待を掛けることはできなかった。普通にプレーできるのか、そんな最低限な希望しか抱かなかったのだった。

 このメンバーの中にあって明らかに主軸となる存在の浩司は確かにプレーは安定していた。だけどバイタルエリアでボールを受けた後遠目からシュートを狙おうとしている。それを察した東京の選手はブロックに身体を寄せるがそれを避けるが如く中央に運びシュートを打った。その積極性はいいかもしれない。だけどこの距離で相手も予測できる状況で放ったシュートが入る訳があるだろうか。実際、そのボールはゴールを大きく外れるように見えた。

 だがこの時ボールは大きくドロップして落ちてきた。エッと万が一の奇跡を予見した。そして次の瞬間大きな金属音が鳴り響いたのだった。

 ガツン!

 ほんのボール1個分高かったらしくバーに当たって跳ね返ってしまったのだった。

 しかし、このシュートは生き返らせた。活力を与えた。生命を与えた。それまで沈みかかったサンフレッチェの攻撃が一気に活性化されゴールにどんどん近付いていった。両サイドの清水と高橋も積極的に仕掛けていくようになった。そして左の高橋はクロスを上げる。中央で合わそうにも高い。だが逆サイドに走りこんだ清水がボレーでゴールにぶち込んだのだった。

 決めた。ついに決めた。このメンバーで、そして高橋のクロスで、そして清水によって決まった。脇に沸いた。時間帯からいってもかなり有利なゴールである。大きな大きな仕事をやってのけたのだった。

 あとは時間の経過を待つばかり。そんな後ろ向きな発想があった訳ではないだろうが東京の圧力にどんどんラインが下がってしまうのだった。運よくゴールキックやスローインを得たとしてもあっという間に相手ボールになってしまう。一体どうやったらこんなにも早くボールを奪われてしまうのか不思議でしょうがなかった。

 塩谷も投入し守備に万全の状態にしていく。ついにアディショナルタイムに入る。圧力は強まるばかり。すると首の皮一枚で凌ぎ切っていたディフェンスはサイドを突破されることにより最後の最後に決められてしまった。あと3分、あと3分を堪えることができず同点にされてしまうのだった。

 そして引き分けで終わった。がっくりとうなだれるサンフレッチェの選手。負けたのと同じ喪失感があった。そしてこの苦境に陥った原因にはトップの浅野がボールを持っても何もできないという閉塞感にもあった。それにより東京が心置きなく攻撃することができたのである。代表合宿にも呼ばれた浅野だったが相手にまだまだであった。そして他の若きサンフレッチェの選手もまだまだである。

 世の中上手くいかない。終了3分前を境に天と地ほどの心境の変化を味わった。これがいつか花開く。そう信じたい試合後なのだった。

2015年5月24日 (日)

新潟戦~大量点と2つの失点

2015年5月23日 サンフレッチェ広島vsアルビレックス新潟 エディオンスタジアム広島

 青山の出場停止。代わりに入ったのは丸谷だった。確かに出場した時にはそつなくこなしてるような気がする。が、ナビスコカップで負けた負の印象が強かった。そして右サイドのミキッチは以前の対戦でサイドの攻防でコルテースに全く勝てなかった。そのため下位に沈む新潟であるがちっとも安心はできない。むしろ柳下監督はサンフレッチェにはやたらとムキになるとこがある。そこがやりにくさでもあるのだった。

 そしてボールを大事にする新潟に対してサンフレッチェはどこか攻め急いでる感じがした。その為安易にボールを失ってる印象が残りこれはまた苦労しそうだと思ってたその時、CKを得たのだった。ボールをセットする柴崎、そしてキックが放たれるとゴール前でのヘディング。次の瞬間にはゴールネットに突き刺さる光景があった。

 決めたのは塩谷だった。ディフェンダーながらも何本もシュートを放ち今シーズンは決められなかった。ミドルシュートや直接フリーキックでいいものを持っていながら決めたのはヘディングだった。

 それはあまりにも綺麗に決まったせいだろうか、喜ぶというよりもどことなく拍子抜けしたような気分になった。そして先制した余裕からか尚のことサンフレッチェは引いて相手の出方を伺う戦い方になっていったのである。もしかしてこのまま長い残り時間を堪え忍ばないといけないのか。ああ、またバイタルエリアまでボールを運ばれてる。シュートを打たれるかと思ったが上手くカバーリングをしてボールをクリアした。

 クリアボールは右サイドに出た。コルテースは余裕で処理をするのだが低いポジションから果敢に走ってきたミキッチがプレッシャーを掛けた。すると一度はパスで逃げられたものの連動した守備でボールを奪うと柏に渡る。左サイドで仕掛ける。そして相手を振りきって上げたクロス。ファーサイドに流れたそのボール。そこにドウグラスがガツンと頭を当てるとゴールに突き刺さったのだった。

 2点目。ほんの一瞬の隙を突いたようなゴール、これは相当に大きい追加点なのだった。それにより余裕を持ったのだろうか、その後新潟の山崎にドリブルで5人くらい抜かれてゴールを決められて目を覚ましてしまった。試合はまだ終わってない。そして1点差としたことで一時は沈みかけた新潟は息を吹き返したのだった。

 防戦一方のサンフレッチェ。クリアしても前線の寿人にボールが収まることはなくまた攻撃を受ける。上手くボールを取っても出し所もない。手詰まり、袋小路、もはやこうやって堪えしのぐしかないのだろうか。

 そして常套の選手交代として浅野が寿人との交代で入った。それにより一瞬スタジアムがワッと盛り上がった。その空気はチームを前に向かせた。ディフェンスラインの裏へボールが出た。浅野は爆発的なスピードで追いつく。が、惜しくもDFに防がれたのだった。

 それでもこのプレーに沸いた。若い可能性にぼくらは色めき立った。あれだけ攻められてたのにもうムードは攻撃に傾いた。新潟も少し前に進む推進力を失ったようである、後ろでボールを回すようになったのだった。

 が、この時だった。トラップしたボールをかっさらった選手がいた。何と、アンカーのカズである。後ろの守備や攻撃の起点になるカズであるが前線まで上がることのないカズである。何でカズがこんなところにいるのか、そもそもがそんな驚きを感じてしまった。そしてGKと1体1になると横に流した。するとそこには浅野がいて3点目を決めることができたのだった。

 大きな大きな追加点だった。新潟は追いつくことを確信してただろう。実際いつ入れられてもおかしくなかったが逆に引き離したのである。この精神的ショックは大きかったはずである。その証拠にこの後CKから塩谷がもう1度ヘディングを決めた。4点目、これはもうかなり有利な条件となっていった。

 残り時間を考えてももはや勝利は確信してた。このまま終われば3点差。今日は『Jリーグタイム』も観なければなんどと考えてたその時だった。CKから田中達也に決められたのだった。本当にこの選手にはいつもいつも決められてしまう。もはや全盛期のスピードはないがそれでもこうやって結果を出してしまう田中、なんて嫌な選手なんだろう。

 4ー2。試合はこのままのスコアで終わった。4点も取れれば圧勝気分に酔いしれてもよさそうだったがむしろ失点の虚脱感の方が大きかった。追い込んだと思ってたら逆に噛みつかれる。そんな現実を目の当たりにし、この先のリーグ戦も苦労するのだろうと気が遠くなっていくのだった。

2015年5月21日 (木)

ナビスコカップ鳥栖戦~打ちのめされた若手

2015/05/20 ナビスコカップ予選リーグ サガン鳥栖vsサンフレッチェ広島 ベストアメニティスタジアム
 それはまるで大砲を打ち込まれたような威力と衝撃だった。回されて回されて左右に振られた挙げ句に打たれたシュートにGKは触ることすらもできなかった。決めた吉田はDFの選手。快活な笑顔を浮かべる鳥栖の選手を尻目に打ちひしがれた気分になるのだった。
 立ち上がりはサンフレッチェの方が攻めていた。若手主体で臨んだ試合ではあるが相手にボールの取り所を与えず上手くいなしながらも前に進んでいった。だけど最後の最後が決めれない。クロスを上げてもブロックされる、中を崩そうにも摘まれてしまう。そしてミドルシュートはことごとく枠に入らない。もはやリーグ戦にも絡んでる野津田や浅野には相当な期待を込めてたものの時間と共に消えてった。ゴールから遠ざかっていった。そして最後にはいるかいないかすら分からなくなってしまったのだった。
 サイドの清水や高橋も勝負を仕掛ける場面が段々となくなっていった。丸谷や宮原はパスのスピードが遅くてカットされる場面が目に付いた。だがCBのジュンボンに関してはそれほど粗が出なかった。ただそれはプレーが安定してたからというよりも全体がバタバタしたのでその中に同化しただけというだった。若手の突き上げがある、チーム内で競争が出てきた、そんな希望は見事に打ち砕かれたのだった。
 さすがに見るに見かねて青山、塩谷というレギュラークラスのメンバーを入れる。だけど戦況は一向に変わることはなく鳥栖はより強固にゴール前を固める。ゴール前の鳥栖のブロックの周辺をぐるぐるボールが回ってるだけでシュートにすらいけないのだった。
 皆川を投入したのはそういう状況を打破する為だったのだろう。適当な放り込みでも何でもゴール前にボールが入れば競り合いで勝てるかもしれない。だけど皆川が入るとクロスが入らなくなるのだ。それによって余計ゴールから遠ざかってしまう。刻々と減っていく時間の中で同点の可能性も同じように減っていくのだった。
 そして1ー0で負けてしまった。屈辱的だったのはその失点がボールを回してスーパーミドルを決められたことだった。まるでこちらがやりたいことをあざ笑うかの如くやられてしまった。まだまだってことなのだろう。まだまだ、まだまだ・・・・・・。
 今回のメンバーの中にはリーグ戦でも観てみたい選手もいた。だが一瞬にしてその期待もしぼんでしまった。また一から出直しという感じであった。
 やっぱりこんなもんだったのかなあ。
 しばらくの間、こんな疑問が空虚に浮遊するのだった。

2015年5月17日 (日)

鹿島戦~熱き引き分け

2015年5月16日 鹿島アントラーズvsサンフレッチェ広島 カシマスタジアム


 

 失望、失意、落胆。がっくりと肩を落としたぼくはもはやこの試合は終わったと思ってた。防戦一方だった前半からはゴールへの予感がちっとも生まれない。もはやピッチ上の光景さえもが朧げに見えてきた。また今年も鹿島には負けてしまうのか。

 だがこの時トップで張る浅野にボールが出た。ワントラップでターンをしようとした浅野。背後にはディフェンダーが着いていて剥がすのは難しそう。が、この時のボールは足に付かずそのまま裏に流れてしった。ポッカリと空いたスペースに出たボール。そこに柴崎が追いつくとシュート。角度的に厳しいかと思ったそのシュートはゴールにまっすぐ突き刺さったのだった。

 同点。まさか、まさかの展開だった。柴崎の飛び出し、シュートの上手さ、そして浅野の受け流し、それらが折り重なって生まれたゴールにぼくらは狂喜乱舞した。

「浅野もよくあれ後ろに流したな」

「いや、でもあれトラップミスじゃない?」

 そんな疑問もあった。多分あれはトラップミスがそのままフェイントとなったのだろう。いつもはミスに対して怒号を飛ばしてしまう癖にミスで生まれたゴールに喜ぶ。自分でも何て現金なんだろうと思うのだった。

 だがこのゴールで明らかに息を吹き返した。攻めるサンフレッチェ。ミキッチと交代した清水が右サイドから駆け上がりゴール前でフリーで受けた。GKと1対1。放たれたシュートはファーを狙う。軌道はいい。逆転ゴールへと歓喜へと腰を上げた。

「カツン」

 その時ポストに当たる金属音と共に枠の外に跳ね返るボールがあるのだった。

「うわああっ!」

 あれを外すかよ。これで入れてしまえば英雄になれたのに。優勝したシーズンにはゴールも決めてたのに清水はここ2、3年ちっともゴールを決めれなくなってしまったのだった。

 まだ終わってない、まだ終わってない。それでもまだチャンスはあると思っていたぼくらだったが結局このまま試合は終わってしまった。そして整列をして挨拶を終えるとスタンドからは強烈なブーイングの嵐が起こった。それは退場する審判団に向けられたもので審判にはサンフレッチェだけでなく鹿島側にも不満が残ったらしく姿が消えた瞬間ピタッとそのブーイングが収まった様子がおかしくもあるのだった。こういうところはやはりうスタジアムでないと味わえないものでもあるのだった。

 挨拶に来た選手には暖かい拍手で迎えられた。引き分けで良かったとは言えないがスリリングであったことは確かだった。

「いやあ、最後清水決めてたらなあ」

 ドクトルが言葉を噛みしめた。

「清水はヒーローになるチャンスを逃したな。こういうのを決めるともっと出場機会もあるのだろうにな」

 そんなことを言いながらあのシュートシーンがいつまでも頭の中から離れなかった。そして半袖で試合を通したぼくはいつしか寒さのことなど忘れてしまっていたのだった。

鹿島戦~曇った空、曇った感情

2015/05/16 鹿島アントラーズvsサンフレッチェ広島 カシマスタジアム

 寒い。
 車から降りた時漏らした言葉だった。よりによって半袖で来たぼくは深い後悔の念に駆られる。雨上がりの鹿島の空は鈍い色の雲に覆われ見た目だけでもそら寒い。だがスタジアムでの閑散さは尚のこと寒さを憶えるのだった。
 スタジアムに入る。スタンドに出るとどこにでも好きな所に座ることができる。関東でも等々力や味の素スタジアムや埼玉スタジアムであれば席を見つけるのが困難だ。やはり場所の問題は大きい。電車で来るにしても便数は少ない。車も51号線のみしかないというインフラ環境は4万人規模の人数を前提にするには根本的に無理があるのだった。
 それでもスタンドから見下ろす光景は壮観だ。反対のゴールまでとてもよく見える。サッカーを観るにはいい。それだけに尚更残念なスタジアムなのだった。
 選手がピッチに現れアップを始める。途端にアウェイゴール裏の応援が繰り広げられる。みんな必死に声を出すもさすがに人数の少なさは庇いひれない。声に厚みが足りない。が、鹿島の方も決して人が多いとは言えないような客の入りだった。
 そんな閑散さのせいか、試合は何となく始まったように見えるのだった。何となくかわして何となくボールを前に運ぶ。そんな気がしてた。が、ボールは前に行くことなく全て絡め取られてしまう。その反面相手のボールは取れない。ここ数節繰り返してきた一方的に展開はこの試合でも存分に発揮されるのだった。
 一体どうしてこうなってしまうのか。前線にボールを出しても寿人のところで収まらない。結果また相手ボールになってしまう。そんな様子を観てる内に段々とトップを張る寿人がブレーキになってるような気がするのだった。
「もう寿人は限界」
 そう呟いてしまった。今まで数多くのゴールを決めてきたものの肝心のシュートへ持ち込むまでの展開に持っていけない。それなら浅野やドウグラスの方がより適した人材のような気がしてきたのだった。
 引いて守るだけ。そんな夢も希望もないサッカーへその責任の矛を寿人へ向けそろそろスタメンも外れた方がいいのではと口走った。だが後半になると多少は持ち直し前へ進む姿勢が見えてくるもゴールはラインを割ってしまう。鹿島はゴールキックをGKからつないでいく。プレッシャーに行く寿人。あっさりかわされGKに戻される。尚もプレッシャーに行く寿人。またあっさりかわされ徒労に終わると思ったその時、ボールは寿人の足下に吸いついた。そしてそのまま無人のゴールに流し込んだ。
 先制ゴール!この何でもない展開、起こりえないことが起こった。いや、起こしたのである。ヒサトコールが響きわたる。そしてぼくも声を張り上げる。ついさっきまで寿人が不要などと言ってたことなど疾うに頭にはないのだった。
 だがこのプレーで足を痛めた寿人は浅野と交代してしまう。それでも結果を出した寿人へのコールは鳴り響いたのだった。
 そして先制の勢いはサンフレッチェの攻撃を加熱していった。あれだけ前にいかなかったボールはどんどんバイタルエリアに進入し厚みのある攻撃がくりだされる。1人が駄目でも2人が。そんな感じで後ろから次々に選手が現れてはシュートを打っていく。青山も中盤のそこから駆け上がってきてシュートを放つのだった。が、これがブロックされるとボールは大きく飛んでいき相手に渡ってしまうのだった。
 マズイ、後ろが足りない。
 慌てて戻るDFだがペナルティエリアで切り返しされると千葉が倒してしまった。そのプレーにイエローカードが提示されPKを宣告されてしまった。
「あれPKか?」
 ドクトルが疑問を呈する。
「いや、一応手が掛かってたからPKでしょ」
 物知り顔でぼくは答えた。だがそこには審判への信頼もあった。プロのピッチに立つ審判がそう誤審をする訳がないと。だが後で録画を確認すると明らかに鹿島の選手は自分から倒れてたのだった。
 そしてPKは林の逆を突きあっさりと決められてしまった。でもまだ同点だと気を取り直していたら今度は後ろでのパス回しで鹿島のプレッシャーの網にかかってしまい逆転ゴールを決められてしまった。勿体ない、勿体ない失点だった。ちょっと林のパスの出し所が安直だったという気がした。
「でも林には何度もセーブで助けられてるんだよな」
 ドクトルの言う言葉に頷きつつも落胆は大きくもはやぼくには精気というものをなくしてしまったのだった。

2015年5月10日 (日)

ガンバ戦~解けない呪縛

2015/05/02 サンフレッチェ広島vsガンバ大阪 エディオンスタジアム広島

 日曜のナイトゲーム。エディオンスタジアムのロケーションを考えれば集客に不利な条件だと思いきや何気にスタンドは埋まっていたのだった。5連勝という成績は人を惹きつけたのだろうか。確かに色々なものを期待したくもあるのだった。
 しかし、相手はガンバ大阪だった。昨シーズン1度も勝ことができなかった、もう一歩で優勝するナビスコカップを最後の最後で阻止されたガンバ大阪。J2から昇格1年目にして3冠をしてしまったガンバ大阪。勝つのは容易ではないと思いながらも絶対に勝ちたいと思う相手でもあるのだった。勝利への情念が沸々と燃えるのだった。
 サンフレッチェのスタメンには清水と野津田が入っていた。連戦最後の試合ということを考慮して多少のメンバー変更をしてきたのだが、その清水がチャンスとばかりに積極的に攻撃に絡んできた。ミキッチとのポジション争いへのアピールという気持ちを見せていた。
 ところがこの清水、セットプレーの後倒れていた。一体どうしたと思ったらその後のリプレーにはガンバの岩下がプレーが切れた後に清水をぶん殴ってる映像がしっかり収まってた。扇谷主審はその様子がはっきりと見える位置にいながら何の警告も与えなかった。嘘だろ、あれでカードが出ないのかよ。信じられない気分だった。
 そしてプレーが再開すると宇佐見がドリブルによりゴールに向かっていった。速い、これはやばい。あけど塩谷とカズが挟み込み上手く潰して事なきを得たと思ったらそのプレーに笛を吹かれてしまった。何と、それがファールだというのだ。またしても信じられなかった。扇谷主審のジャッジはいつもこういう不可解さが伴う。あんなのでファールだったらドリブルする選手はずいぶん楽だなという気がするのだった。
 FKはゴール前の選手に合わせるのに調度いい位置だった。そして遠藤によって蹴られたボールは一度はクリアしたかのように思えたが清水のヘディングはそのままガンバに選手へのパスとなると折り返されリンスに決められてしまったのだった。呆気ない、呆気ない失点だった。清水のクリアの方向が違っていれば、扇谷がまともなジャッジをしていれば、それ以前に扇谷がまともな審判だったらと落胆をするのだった。
 そしてその後はサンフレッチェもガンバのゴールに迫っていく。が、遠い。サイドからクロスを入れるも入らない。ミドルシュートを打つも入らない。FKを得るも入らない。サンフレッチェのシュートはゴールまでとてつもなく遠いのだった。
 切り札の浅野が入る。ミキッチも入る。ドウグラスも入る。だけどスコアは動かない。シュートを打っても入らないという事実に無力感に覆われるのだった。
 そして0ー1のまま終わってしまった。やっぱりガンバには負けてしまった。そしてもう一つ縁起の悪い要素は扇谷主審だった。あの審判が主審をやった試合はとにかく相性が悪いのだった。そして必ずと言っていいほど試合が終わってから後味の悪さを引きずるジャッジが出るのである。この人、もしかして自分が目立ちたくてわざとやってるのだろうかとっすら思えてしまうのだった。
 因縁、ジンクス、そういったものは容易になくならないようだ。ガンバと扇谷の呪縛、いつになったらサンフレッチェは解き放たれるのだろうか。

2015年5月 8日 (金)

川崎戦~攻められ攻められそして勝っていた

2015年5月6日 川崎フロンターレvsサンフレッチェ広島 等々力陸上競技場


 風間八宏監督が就任して以降の川崎はサンフレッチェと似たパスで崩すサッカーをしてくる。それ故に嵌ったら両者打ち合いのような試合になるとかとてもスリリングなものとなる要素があった。どちらにしても両サイドに縦へ突破できるサンフレッチェにはその長所を存分にいかしていけるだろう。

 キックオフされるとそれは普通の立ち上がりだった。序盤から飛ばすこともなくゆっくり後ろから組み立てていくのはいつものことだ。ところが中盤でボールを拾うと前線へ浮き球が出ると2人のディフェンダーの裏に出されると簡単にブロックされてしまった。が、背後から忍び寄ったドウグラス。足を伸ばしてボールを奪うとゴールを目指す。飛び出すGKにもまた頭上を越える浮き球でかわすとゴールへ突き進む。そして最後は押し込みゴールとなったのだった。

 先制点。開始わずか3分の得点である。そのあまりもの呆気なさにぼくたちは一瞬信じられないような気分になりつつも立ち上がった。喜び合うアウェイゴール裏。そして繰り出されたドウグラスコールなのだった。

 まだまだ試合は始まったばかり。そんな割り切りからか、川崎は落ち着いてるように見えた。そしてサンフレッチェも浮き足立つことなくゆっくりと後ろから組み立てていく。そして時として長いパスを柏に向かって出すも間に合わない。通ればチャンスだったがその時は笑ってた。が、その後出していくパスがことごとくつながらないのである。パスがずれ、トラップが乱れ、ボールコントロールがままならない。一体どうしてしまったんだろうか。まるで皆ウィルスに感染したかのようにミスを重ねるのである。そのお陰で川崎のボール保持の時間が長くなってしまった。そう、サンフレッチェはまるで攻めることができないのである。

 ラインは下がり選手も守備に終われる。トップの寿人まで下がって守備をしなくてはならない状況にもっとプレッシャーを掛けろよと叫んでしまう。だがどんなにボールに食らいつこうと一向にボールは取れない。ブロックしようとクリアしようとカットしようとなぜか川崎の選手にボールは渡ってしまう。もはやピッチの半分でしかプレイが行われてなくぼくらはただ耐えて耐えて耐え忍ぶ姿を見守るしかないのだった。

「サーンフレッチェ!」

 守備の場面で繰り出されるコール。今日はやたらこれを聞く。それもそのはず、終始攻められっ放しなのだから。

 そんな時、ゴール前がぽっかり空いた。やられた。これだけ攻められるといつかは綻びが出る。もはやこれまで。さすがの林も止めれないだろうと思った瞬間パスが出た。それにより時間が掛かるとその攻撃を食い止めることができたのだった。運が良かった。正に首の皮一枚で生き残った感覚である。

「でもこんなことしてるといつかは破綻してしまうよね」

 仲間の一人がそう言うと確かにそんな気がした。むしろ1点取られるとその後ずるずると失点を重ね逆転されてしまいそうな気配が漂ってた。時間はまだまだ無限に残ってる。とりあえずハーフタイムを迎えたい。

 そして無事ハーフタイムを迎えたものの後半になっても戦況は一向に変わることなかった。何かを変えたかった。そして変える為に浅野が用意されシュート1本も打てなかった寿人に交代したのである。前節ゴールを決めたというのもあるが浅野への期待は大きくアウェイゴール裏はそれだけで盛り上がるのだった。

 それでも防戦一方の状況は変わりなかったものの前線へ向かって蹴られたクリアボールは浅野は拾うのである。そしてドリブルで駆け上がりカウンターへと持ち込む。最後は守備に阻まれたりシュートまでいけなかったりするもののそんなプレーが攻撃一辺倒の川崎に脅威を与えたのだった。そしてぼくらはそんな浅野のプレーに勇気づけられるのだった。

 守っては林がセービングで身体を張りボールを奪っては適当なキックを浅野目掛けて蹴るようになった。もはやこの2人に頼ってるようなものだった。

 守って守って守り続ける試合はタイムアップが待ち遠しかった。もうアディショナルタイムも過ぎただろとあちこちで声が挙がる。そして主審の笛が吹かれた時、ぼくらは勝利の歓喜に立ち上がるのだった。

「いやあ、この展開で勝てたなんて素晴らしいねえ」

 ドクトルが言うと皆5連勝を互いに讃え合うのだった。

 果たして90分の内に攻めてる時間なんて何分あっただろうか。それなのに勝ってしまったというのが不思議でしょうがなかった。

 勝てば官軍。そんな言葉があったがこういうのを言うのだろう。アウェイゴール裏の歓喜に混じりながらもどっと疲労感も感じた勝利なのだった。

2015年5月 7日 (木)

川崎戦~川崎との記憶

2015年5月6日 川崎フロンターレvsサンフレッチェ広島 等々力陸上競技場


 連休の最終日、ぼくは近所の大きい公園へサッカーの練習をしに出掛けた。いつもはせいぜい老人が散歩するようなとこだけに広場では心置きなくボールを蹴れるもののこの日は人が多かった。そして時間が経つに連れバーベキューセットを持った集団がわんさかと集まるようになり段々と場所の占拠が難しくなる。先に来たのはこちらの方だから何の気兼ねもする必要もないものの無言のプレッシャーを受けることとなる。結果広場を追い出されたぼくは練習を切り上げてしまうのだった。

 ところがぼくの体力は正直なとこ限界だった。頃合いからすると調度良かったのだろうがその後電車に乗ると一気に眠気が出た。そして気付くと武蔵小杉。あっという間に着いたような気がする。

 そして駅を出るとバス停にはもう長蛇の列が。これに乗るなら歩いても時間変わらないだろうと自らに弁解しつつもその実バス代をケチっただけだった。スタジアムまでの道はそれなりに遠い。せっかく電車で休養したのにまた歩くというのは少々気が遠くなりそうでもあったものの幼少の子を含め歩いてる人は結構いるのだった。

 開場時間には間に合わなかった。だが仲間が席を確保しといてくれると連絡をくれたのである程度余裕がある。ぼくはいつもこうやって人に世話をしてもらってる。自立心がないと言われれば反論する勇気もないのだった。

 メインスタンドを新設した等々力競技場。やっとできたんだなと灌漑に耽るもでも結局陸上競技場という事実に中途半端さを感じる。どうしてもサッカー専用スタジアムにしようとすると色んなとこから反対の圧力が掛かるがこんなところにもサッカーの政治力のなさを感じるのだった。

 アウェイゲートを抜ける。するとそこにはハイタッチで景気づけをしようとする若者がいてぼくもハイタッチを交わす。すでにアウェイ席には紫の人だかりができ気分は盛り上がり2階席へ上がるとすでに空いてる席を探すのも困難な状況になっていた。

 仲間のドクトルはどこにいる。うろうろとしていると向こうから見つけてくれた。最後の最後までぼくは面倒をみてもらわないと席にすら辿り着けないのだった。

「いやあ、さすがに等々力は席が埋まるねえ」

 ドクトルは笑顔で言った。確かにここで試合をする時はいつも席の確保に手間取る。同じ関東でもスタジアムによって人の来るとこと来ないとこは歴然と差があるのだった。

 仲間たちはめいめい談義を始める。

「柏って代表に選ばれてもいいはずなのにねえ。一遍観てみたいよな」

 そうそう、柏のドリブル突破はいつも楽しみである。そして逆の右サイドにもミキッチというスピードスターがいる。それを想像するだけでワクワクするのだった。

 中には寿人のゴールが観たいと言う者もいる。いや、どんな形でもいいから勝てばいいというぼくのような者もいる。そしてメンバー発表では柴崎の名前で川崎側から拍手が起こったことでかつて川崎に在籍してたことを思いだすのだった。逆に川崎のメンバー発表で井川の名前が出るとそういえばサンフレッチェにいたということを思いだす。

「あの時は本当に苦しかったよねえ。井川には助けられたよ」

 そうだった。J2で苦しんだ時期に救ったのは井川だった。そしてその時、苦しめたのは正に川崎だった。思い返すと川崎には色んな意味での印象深い要素があるのだった。

2015年5月 3日 (日)

仙台戦~結果を残した若手

2015/05/02 サンフレッチェ広島vsベガルタ仙台 エディオンスタジアム広島

 エディオンスタジアムは強烈な西日を受けていた。日差しが眩しい。選手の肌にも汗がにじみ出ていた。そのせいか両チームの動きは緩やかだ。静かな静かな立ち上がり。それは連戦の疲労もあったのかもしれない。それを考慮したようにサンフレッチェは3人メンバーを替えてたのだった。
 清水、野津田、この辺りはまあ予想できなくもなかった。右サイドのミキッチはあまり連戦が続くと怪我をしてしまう。清水が入るのは予想の範疇。そして野津田も出場機会を与える意味でも連戦中に出してくるのは妥当だろう。だが丸谷は予想できなかった。入団8年目の選手、いい加減戦力外通告の対象ぐらい考えていたのだった。が、これが以外によかったのであった。
 試合が進むにつれても丸谷は目立たなかった。守備、パス交換、最終列からの組み立て、いずれにおいても目立たなかった。逆に言えば粗が見つからなかったということである。何気に丸谷はカズの代わりをこなしていたのだった。
そんな感心をしてたものの攻撃ではやはり停滞感があった。仙台とはいつもいつもこういう堅い試合になる。攻めても攻めてもシュートが入らない。それは優勝したシーズンでさえそうだった。仙台のゴールには入る気がしない。でもよく考えてみたらあの当時は林がゴールマウスを守ってだった。そしてその林は今サンフレッチェのゴールを守ってる。それだけでフィニッシュへの負担が随分軽減された気がするのだった。
 仙台のブロックの感激を突いたシュート、それはほとんどミドルシュートだった。寿人、芝崎、野津田、皆ことごとく枠に入らない。枠を外れる度に頭を抱える。だがシュートを打ってるということにポジティブになる。本当に悪い時にはそれすらもないのだから。
 やはりペナルティエリアに入らないとゴールは決まらない。そこの最後の崩しだ。そこがないと決められない。ミドルシュートではゴールを割ることができないんだ。そう思った時、野津田はバイタルエリアで切り込んだ。もうその時点でミドルシュートを狙ってるのは予測できたがよりによって利き足じゃない右足を振り抜いた。弧を描いて飛ぶボール。飛び上がるGK。だがそれはGKの手も届かないゴールの隅、ここしかないというとこに入ったのだった。
 先制弾。野津田にとっても初めて先発で決めたゴールだった。ついさっきまでミドルシュートじゃ駄目だと言ってたことなど忘れて喜び、振り上げた拳に力が入った。久々に失点する前に点を取ることができたのである。そこもこの先制点は大きな意味を持っていた。
 すると気の大きくなったぼくはこの後何点取れるかなどと考えるのだが逆に攻められてしまうのだった。ボールは取れずラインは下がり跳ね返すばかり。たまに前線で待つ寿人に渡るもボールキープできずまた防戦が続いてしまう。ああ、この守ってばかりの展開、いつか耐えきれずに失点してしまいそうだ。
 ここで浅野が登場した。寿人と交代でピッチに入った浅野はここ数試合結果を残してるだけに多大なる期待がある。防戦一方の展開は相変わらずだがそんな時青山からロングボールが放たれた。前で待ち構えてた浅野はボールを追う。追いかけるDF。このスピード勝負で1歩抜けだしシュートを放つとゴールのわずかな隙間に決めてしまった。追加点。苦しい苦しい場面でのこのゴールはチームを救ってくれた。そして浅野が期待通りに結果を残したというのも大きなことなのだった。
 野津田、浅野、2人の若い選手がゴールを決めたことは未来に向けて光明をもたらすものだった。2-0で終わりチームも4連勝。ついこの前まで点が取れないと悩んでたのにである。
 だがこの後強豪クラブとの対戦が続く。それは分かってる。分かっているがこの日は幸せな気分に浸りたいのだった。

2015年5月 1日 (金)

マリノス戦~熱き余韻

2015/04/29 横浜Fマリノスvsサンフレッチェ広島 日産スタジアム

 跳ね返されてもセカンドボールを拾う。まるでそれはいつもと逆の光景を観てるようだった。それほどまでにサンフレッチェのボール保持の時間が続く。そして相手のゴールキックを青山がかっさらうとGKと1対1。決まった。立ち上がる準備をしようとしたその瞬間青山はシュートをGKにぶち当ててしまった。
「うそおぉ!」
 そのあまりもの華麗な外しっぷりに腰砕けになってしまった。だがそれはほんの序章でその後にも決定的なヘディングシュートはGKに阻まれミドルシュートは枠を入らない。ああ、やはりこのスタジアムは空間が歪んでるんだと頭を抱えてしまうのだった。
 これがまだ同点だったら気の持ちようも違うだろう。同点だったら、同点だったら。そんな心理からマリノスが単にボールを持たせてるだけにも見えるのだった。どうにか打開したい。その役目のミキッチが右サイドを駆け上がる。人数を掛けて抑えに来られるも勝負を挑まず中へ横パスを出す。密集したバイタルエリア。だがここからゴールに向かってガツンとシュートが放たれたのだった。
 遠いサイドだがゴールネットが揺れるのがはっきり分かった。その瞬間一斉に立ち上がった。手を叩き合った。決めたのはドウグラスだというのがサポーターのコールによって分かった。正直なところ誰がシュートを打ったのかは分からなかったのであった。
 同点。振出しに戻った。俄然やる気が出てきた。まだまだ点の入る気配がある。もうイケイケムードである。だがそれでも点が入らないとピッチの外では浅野が準備していた。それはもう寿人との交代を意味していた。そしてその交代前に右サイドでFKを得た。キッカーの柴崎がボールをセットする。今日も寿人はゴールがなかったことに寂しさを憶えるのだった。
 柴崎がFKを蹴る。ファーに飛んだボールは折り返すと当たり損ねのシュート。GKも反応する。が、つかむことができず前にこぼれるとそれをゴールに蹴り込んだ選手がいた。そう、それこそゴールゲッターの寿人なのだった。何と、交代前のワンプレーで決めてしまったのだった。
 ぼくらは喜び騒ぎまくったがピッチ上でもベンチの選手含めて寿人に抱きよるのだった。それほどまでに待っていた。誰もが寿人のゴールをまっていたのである。そしてこれは逆転ゴールというとても価値のあるゴールでもあるのだった。
 そしてスピードのある浅野が出たとこで追加点の期待も高まったもののなぜかこの後マリノスが一方的に攻めるようになる。我慢して我慢して我慢する時間が続く。でも最後には千葉がカバーリングして塩谷がブロックして最後は佐々木まで投入されてより盤石な守備体制となり終了を迎えるのだった。
 2対1。またしても逆転勝ちである。そして勝てない勝てない日産スタジアムで勝つことができた。ぼくたちは勝利に酔いしれながら選手が挨拶に来るのを待った。待ちきれないサポーターが手を叩いたりゲートフラッグを掲げたり声を出したりしている。そしてせんしゅがやって来ると一斉に掛け声を掛けて両手を振り上げるのだった。
 熱い熱いアウェイゴール裏。気付けばぼくは半袖のままだったのにちっとも寒いと感じてないと気付くのだった。 

« 2015年4月 | トップページ | 2015年6月 »

最近のトラックバック

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30