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2015年3月22日 (日)

浦和戦~浦和へ勝つ日へ向けての遠い眼差し

2015年3月22日 サンフレッチェ広島vs浦和レッドダイヤモンズ エディオンスタジアム広島

 首位決戦。その響きは心地よく、身も引き締まるものの実際にはこれもまだ第3節目だった。たまたま2連勝したチーム同士の対戦となっただけである。が、よく考えれば今シーズンは2ステージ制の短期決戦、早い時期の首位決戦がそのままステージ優勝の流れにつながりかねない。そして相手はあの浦和。高まるモチベーションは抑えることができない。

 そんな気運がスタジアムに26,302人という観客を集めたのかもしれない。さすがにこれだけ人の入ったスタンドは圧巻である。いつもより立ち上がって応援してる人も多いような気がしたのだった。

 選手が入場するとそこにはかつて紫のユニフォームを着てこのスタジアムで躍動してた選手が違うユニフォームで現れた。柏木、槙野、森脇、李、西川、石原、そしてペトロピッチ監督に杉浦コーチである。ここまで元サンフレッチェの選手が揃うのも意図的なものなんだろうか。だが驚きはサンフレッチェにもあった。何と、シャドーのポジションで茶島が入ってるのである。昨シーズンも多少出場したもののあまりにもその機会が少なかったことで大丈夫かなというのが正直な感覚だった。なぜなら浦和には絶対に負けたくないから。ここ3年間、勝ったのがたったの1回。今回だけは絶対に叩きのめしてやりたい。毎年毎年主力選手を引き抜かれる浦和にはせめて勝ち点だけはこちらが引き抜きたいといつも思っているのだった。

 そして序盤はそんな気概を存分に見せてくれた。前から積極的にプレスを掛けてボールホルダーに圧力を与えると攻撃に転ずる。巧みに体を入れ球を散らしドリブルで切り込む。打て、入ったかと思ったそのシュートはことごとく枠に入らないのである。浩司、茶島、寿人、なぜにそこまで外す。崩しまではできてるというのに最後の最後で入らないのである。ああ、この決定力のなさは何て日本人らしいんだろう。

 それでもそんなチャンスを演出してるだけにいつかは入るだろうと高をくくっていると時間と共に段々とペースダウンしてしまう。そしてボールも後ろで回す時間が多くなる。慎重に慎重に空いてるエリアにだけパスを出すものだからボールが前に進みはしない。でも出せば取られる、そんな気がしてきた矢先、ボールを奪った浦和は勢いを持って攻めてくる。懸命に駆け戻るディフェンス。危機一髪のところでセーブすると以後の展開はもう浦和が一方的に攻め立てるのである。もはや全員がひいてしまってクリアするのが精一杯である。大きく蹴りだす度にそのクリアボールは必ず浦和の選手が拾い防戦は続く。

 苦しい、まるで水の中を潜って息のすえないような気分だ。たまにゴールキックを得ると水面に上がったかのように安堵する。だがせっかく一息ついた後のゴールキックは決まって浦和の選手に渡る。どうしてわざわざ敵にパスを出すんだ。そしてスローインを得るもすぐに相手に取られるとこなど昨シーズンの悪い時期そのままのチームであった。2連勝した時のサンフレッチェはアグレッシブに攻撃的に見ていてすがすがしいものがあった。そしてチームはまた別の境地を手に入れたなどと思っていた。だがどうやらそれは幻想だったようである。

 いい加減クリアボールを収めてくれよ。交代で入ったドウグラスも大したインパクトを与えてない。それどころかどんどん重心が下がっていきいよいよこのまま終了すればいいような状態になってしまうのだった。

 もはや浦和は攻撃一辺倒でやりたい放題である。いつしかもうこのまま失点しないことだけを願うようになっていった。1回のクリアで何秒稼げるだろう。だけどどこかでロングボールを収めて攻撃に転ずることができたなら。だがその期待も見事に裏切られゴール前で守ってクリアするだけの戦術になってしまった。こんな惨めな姿を晒すとは。やはりサンフレッチェはサンフレッチェなのだった。

 結局そのままスコアレスドローで終わったのはよかったことなんだろう。どうせあのまま攻めようとしてもすぐいボール奪われたろうし。もう引き分けでいいよとは思ったもののそれは後半入ったばかりの時間帯だった。というかもしかしたら最初から引き分け狙いだったのかという気さえ起きてしまうのだった。

 せっかく多く来た観客の要望に応えることができなかった。勿体ない、勿体ない、勿体ない。なぜ客が集まった時にこういうサッカーをやってしまうんだろう。だけど負けるよりはマシ。何ともジレンマに苛まされてしまう。

 スコアは互角。それでいてどことなく負い目を感じてしまうのは浦和に対しての特別な感情のせいだろう。今回だけは、今回だけは勝ちたかった。そして毎回それは実現されない。一体その日はいつ訪れるんだろう。

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