鹿島戦~連覇
2013/12/07 鹿島アントラーズvsサンフレッチェ広島 カシマスタジアム
大迫がゴール前へ飛び出した時、もう駄目だと頭を抱えた。が、その威力がなく西川は難なくキャッチしてしまう。やはり大迫は恐い。代表にも選ばれ結果を出してるだけはある。何とかして先に点を取りたい。
すると中盤でボールを奪って速攻の形となった。バイタルの真ん中でボールを受けた高萩。そこで真正面を向いたままアウトサイドキックで右斜め前のスペースに出す。鹿島のDFは寿人のマークに付いて無人のスペースだったが駆け込んだ石原がボールに追いついた。GKと1対1。コースは切られてる。だがこの一瞬のタイミングの判断で石原はループシュートを選択しボールはGKの頭上を飛びゴールへと落ちていったのだった。
先制点。石原は忘れた頃に点を入れる。いいとこまではいくものの最後のシュートがどうも決まらなかった石原だがこのフィニッシュはシュートの技術としても高いものだった。寿人のゴールがない中、こうやって他の選手がゴールを決めるのはチームとして助かる。だが、サンフレッチェのサッカーはこうやって色んな選手が点を取るのが本来の姿なのだった。
とりあえずは先制したものの1点というのは実に心許ない点数でもあるのだった。ちょっとした事故でも失点の可能性はあるし何が起こるか分からない。だからもう1点狙いたい。鹿島もゴールを目指して猛攻を加えるが、最終ラインで上手くせき止めると塩谷がドリブルで駆け上がる。前掛かりの鹿島サイドには広大なスペースがありそのまま駆け上がるとビッグチャンスであるのは間違いなかった。が、ここで倒される。後ろから手が掛かったようだった。すぐにホイッスルが吹かれると主審からはイエローカードが差し出されるのだった。
カードを受けたのは大迫だった。大迫はすでに1枚貰ってることによりこれで退場となってしまった。抗議をする鹿島の選手。だがこの時アウェイゴール裏では5点取ったかのようなお祭り騒ぎとなったのだった。そして昨シーズンを思い出した。優勝の決まった試合で相手チームに退場者が出たということを。それはまるで何かの暗示であるかのようだった。
後半に入ると1人少なくなったにも関わらず鹿島は怒濤の攻撃をするのだった。サンフレッチェはここを守りきってカウンターというので何度も乗り切ってきた。だが右サイドのミキッチはスピードを生かした突破で何度もチャンス演出するのに対して左のファン・ソッコはちっともチャンスにならない。なので最初の交代選手はソッコだとばかり思ってたがミキッチだった。体力の消耗を考えてのことだろうが代わりに入った清水も期待が持てない。もうこれは1点を守ればいいという采配なんだろうか。
するとその後にペナルティエリア前で混戦が訪れる。ソッコが強引に中へ絞ってシュートを狙うもブロックされると跳ね返りが右のスペースに出された。ボールに追いつく清水。グラウンダーの横パスは綺麗にゴール真正面に入り石原が決めたのだった。
追加点。ここに来て大きな大きな追加点だった。相手は1人少ない。この試合の勝利が現実味を帯びてきたのだった。あとは時間の経過を待つのみだった。
その為にもあと1枠残ってる交代選手を使いたかった。通常だとソッコに代えて山岸である。それなのに待てど暮らせど交代カードを切らなかった。何でだ、何でだと不思議に思う。と、その内にソッコが2枚目のカードを貰い退場してしまった。ああ、だから言わんこっちゃない。早めに交代させれば良かったのに。
だがアディショナルタイムになった時、その真意が分かった。交代選手として引退が決まってる中島が用意してるのだった。もう絶対に勝てるという状況になって中島を出すという森保監督の心意気だったのだ。
そして5分と表示されたアディショナルタイムも終わり終了のホイッスルが吹かれる。一瞬ワッと勝利の歓声が上がったもののすぐに静かになる。スタンドではいたる所でマリノスの試合結果を携帯で確認してる人がいた。そちらはまだ試合が終わってないのである。
しかし、その時ベンチから飛び出すサンフレッチェの選手の姿があった。その瞬間、1位だったマリノスが負けサンフレッチェの逆転優勝が決まったことを知りスタンドがウワーッと盛り上がったのである。2年連続の優勝である。昨シーズンは感涙の涙であったが今回は笑顔だった。これが連覇というものなのだろう。最後の最後で優勝が決まった。幸せな幸せな瞬間であった。
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コメント
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カシマに行ってきました。C大阪戦後に可能性がある限りあきらめない気持ちになったことがこの優勝につながったと思います。
とにかく昨日のカシマは、サポの数の多さ(その関係でアウェイゴール裏1階が全部ウチのエリアになり、その関係でコンコースの売店も数が増え内容も充実していました)に熱気、どれをとっても素晴らしく最高だったですね。その中の一員として現地にいて優勝の瞬間を観れたことを嬉しく思います。
投稿: ゆみしん | 2013年12月 8日 (日) 21時12分
>ゆみしんさん
現地観戦羨ましいです。
よりによってぼくは2度も優勝の瞬間に立ち会えませんでした。
セレッソ戦の後、ぼくは正直諦めてましたけどね。
やはりそれでも信じてた人による神通力が通ったのでしょうか。
とりあえず、おめでとうございます。
投稿: Miles | 2013年12月 9日 (月) 22時09分