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ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

JリーグPR

  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles

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2013年8月31日 (土)

FC東京戦~同点による希望

2013/08/31 サンフレッチェ広島vs FC東京 エディオンスタジアム広島

 降格争いをしてるチームに2試合続けて勝てなかった。それもわざわざ相手にリズムを与えてまるでわざと負けてやったかのようなふがいなさ。チームは明らかに下降線。点が取れない。ボールも取れない。何もできない。そんなチームにすっかりと期待をなくしてしまった。もういいかな。どうせまた負けるだろう。そんな気持ちにもなっていたのだった。
 ところがキックオフから積極的に前に出ていく。高い位置のプレスから相手を自由にさせない。ボールを奪ったらとにかく前へ行こうとする意志が見える。たった3日前とはまるで違う姿勢になっていたのだった。亀のように自陣に縮こまった戦術を使わなくなった。ああ、やっぱり自分でも分かってるようだ。失点を恐れるあまり相手にやりやすいようにやりやすいようにさせてしまったということを。
 ところが攻めてはいるものの点が取れないという病気は治ってはなかった。ペナルティエリアでゴール真正面まで行きながらも石原のシュートは権田に止められてしまった。だがそれを続けていければチャンスはある。そう信じていた。信じていたが思わぬ落とし穴があった。最後列の千葉にボールあ渡った瞬間遠く離れた場所から渡辺がプレスに突進してきた。出汁どころがないなら大きく蹴り出せば何の問題もない場面でありながらどこにつなごうか迷った。迷った挙げ句ボールをかっさらわれてそのままゴールにたたき込まれてしまったのだった。失点。呆気ない先制点。年間を通して何度かやってしまう千葉の致命的なミスがこんなところに出てしまったのだった。
 点の取れないチームが先制された。それはもう絶望を意味してた。だけどまだ希望は残されている。この日のサンフレッチェは前からアグレッシブにボールを取ろうとしている。それにより相手はボールを下げざるを得ない状況に陥り更にそういう状態の時にボールを奪うと決定的チャンスにつながるのだった。ただ残念なことに左サイドの清水はクロスに精度がなかった。そしてここぞという場面でトラップミスをしてしまう。昨シーズンのヒーローだった清水は今やすっかりサンフレッチェの足枷になっているのだった。
 さすがにその清水はパク・ヒョンジンに交代をした。するとヒョンジンのCKからソッコがコースを変え寿人が押し込んだ。寿人4試合振りのゴールである。試合を振り出しに戻した。ゴールというものを久々に味わったような気がした。そしてヒョンジンが入ることによりセットプレーという武器ができた。少なくとも高萩のキックはちっとも入る気がしなかったのである。さあ、これから。勝ち点3、絶対取るぞ。そんな前向きな気分になれたのは何試合振りだったのだろうか。

2013年8月30日 (金)

FC東京戦~沸かない勝つイメージ

2013/08/31 サンフレッチェ広島vs FC東京 エディオンスタジアム広島

 チームは間違いなく停滞している。5連勝をしてた間も決して順風満帆ではなく薄氷を踏むような勝利だったことを考えればこうなってもおかしくはなかった。だがぼくはそれ以上にあのぎりぎりの状態で勝っていったことが逆に停滞生み出したような気もするのだった。上手くいってなくても勝てる。それは勝負強さという面では逞しくはあったものの失点をせずに逃げ切るという姿勢を生み出してしまった。それにより失点への恐怖が増大していきとても後ろ向きな戦い方になっていったのである。

 パスを出す時に一番安全なのは敵のいないとこだ。そして敵のいないとこというのは最後列になってしまう。そして最後列でパスを回して隙を伺ってるつもりであるが人数を掛けた相手の守備網にはどこにも出しどころがなく無為に時間が過ぎ去っていく。そこでたまにチャレンジした縦パスを入れるもそれをことごとく奪われ相手の逆襲を受けるのである。更に悪いことにボールを持った相手のパスのインターセプトばかりを狙うのでボールがなかなか奪えない。それによって相手にリズムを与えるのだった。

 こういう時サイドの選手の突破が効くのだがミキッチがいないとまるで前に進める要素がないのを甲府戦で思い知らされた。清水など昨シーズンのキレは全くなくなってしまって全く歯切れの悪いプレーばかりしている。ファン・ソッコにしても韓国代表に選ばれる程の選手でありながら何でサンフレッチェの時はあんなにプレーに迷いがあるのだろう。何で俺がスタメンじゃないんだよというくらい気概を持ってるかと思っていたのだがそれは単なる思い込みだったのかもしれない。

 そんなリズムの悪さがあるのでボールを大事にしたい心理が働いてミドルシュートを打つ選手がいなくなってしまった。だから相手はゴール前の中央さえがっちり固めてれば大丈夫なのである。パスでしか中央を崩す手段がないのだからサイドのクロスさえケアできれば何の怖さもないのだった。しかもそれが自ら陥った苦境のような気がしてならないのだった。

 こんな時、せめてセットプレーでも決めることができれば。高萩のキックはちっとも入る気がしない。だからこそ浩司の復帰は喜ばしい限りなのだった。

 今は点を取るイメージが沸かない。セットプレーやミドルシュート。そういったプレーで局面を打開してくれるのは一体誰なんだろうか。そして攻めることによって相手を退ける、そんな試合を望むものの前節から3日しか経たない試合でそこまで劇的に変わってる姿が想像できない。ああ、ぼくに何か楽観的になる言葉を掛けてくれる人はいないだろうか。

 ぼくの観に行った試合は勝てない。そんな気がしてきた。だがそうであるならばこの試合は現地に行ける訳ではない。もしかしたらそれこそが一番肯定的な要素なのかもしれないのだった。

2013年8月29日 (木)

甲府戦~無得点、2失点

2013/08/28 ヴァンフォーレ甲府vsサンフレッチェ広島 山梨中銀スタジアム

 あまりもの早い失点にもはやプランは崩れてしまった。サンフレッチェはボールを奪われないように大事に大事にパスを回していたのだが相手をじらすことも隙を伺うこともできずに自ら不利な状況へと追い込まれてしまった。それでいてまるで攻める様子も見せず相変わらず後ろでばかりボールを回している。点を入れる気はないのだろうか。もはや点を入れるより失点の方が怖い。そんな様子にも見えるのだった。
 もう中央はがっちり固められ少しでも突くと途端にプレッシャーを受けてしまいサイドに出すと清水もソッコも有効な手だてを繰り出すことができない。清水などかつて見せた1対1の勝負を恐れてるかのようだった。そしてソッコは右サイドの高い位置を動きもなく張ってしまうのでマークする方は楽である。それでいてディフェンスからのオーバーラップもないものだから打開のしようもないのだった。ボールを取られたくない。その意志はあまりにも安直な方へ流れてるようだった。
 それも致し方ないのかもしれない。少しでも相手のブロックをこじ開けようとすると途端にボールを奪われてしまう。もはや中でボール貰っても高萩のパスは全て読まれてしまってる。寿人はボールを納めることができない。初スタメンの川辺などどこか姿をけしたかのように存在感がなかったのである。こういう時ミキッチがいれば。今のサンフレッチェがミキッチに依存してるのが痛感させられるのだった。
 そうこうしている内にミドルシュートにより2失点目を喫してしまった。ゴールの隅、西川も対処できないスーパーゴールであったがマークが緩かったのは事実である。サンフレッチェの守備は自陣で人数を掛けて網の目のように相手のボールを絡め取る戦法だがそれがあくまでも相手がパスをしてくるという前提に立ってる為ボールが奪えない。プレッシャーを掛けても接触プレーを嫌うので相手は後ろを向けば簡単にボールを守ることができる。それで後ろへ下げてやり直せばいいだけだ。そんな緩い守備が相手に勢いを与えてる。もしかしたらこれはフェアプレー賞なんか貰ってしまったことの弊害なのかもしれないのだった。
 2点差とされてしまいいよいよ欠に火がついたサンフレッチェは人数を掛けて攻め上がる。左右からクロスを入れる。中央からパスで持ち上がる。そのどちらも人数を掛けた甲府の守備は崩すことができなかった。時間が足りない、時間が足りない。交代をして打開を謀るがちっとも状況は変わらない。時としてカウンターでピンチを迎えるがそのリスクを犯しても攻めなきゃどうしようもないのである。
 もはや甲府サイドでだけボールが動く時間が長くなった。でもどこをどうしてもゴールをこじ開けることができない。時間はどんどん過ぎていく。もっと時間があれば、もっと時間があれば。
 そして空しく試合は終わったのである。時間がなかったという印象は前半の受けて立つ戦法がそのまま仇となってしまったことを意味していた。そしてここ数試合いつもそういう戦い方をして相手にリズムを与えてるのも事実だった。これでは勝てない。点の取れる気配がない。攻撃的なチームにおいて点が取れないというのは致命傷なのだった。
 首位に立ったことで腰が引けていたのは明白だ。でもこの試合でぼろ負けしたせいでもう順位も落としてしまった。もはや守るものなんてあるのだろうか。それでも引き上げる選手達に拍手で迎え入れたアウェイゴール裏であったがぼくにはとてもそんな気力がなかった。もしかしてもうずっと勝てないのではなかろうか。そんな虚無感がこみ上げるのだった。
 でもぼくが見たかったのはこんな受けてたつサッカーだったのだろうか。点は取れなかったが終了間際のような熱くなる瞬間が欲しかったのである。順位の優劣よりもそういう血肉騒ぐサッカーを見たいのだった。

2013年8月28日 (水)

甲府へたどり着く

2013/08/28 ヴァンフォーレ甲府vsサンフレッチェ広島 山梨中銀スタジアム

 フロントガラスから差し込む紫外線は肌を突き刺すような刺激があった。それにより頭がぼやけてくる。意識が薄れる。前の景色も朧になってきた。もうこのまま眠ってしまうのだろうか。この波打つような眠りへの誘惑に耐えることはできなかった。
 それ程長い時間ではなかったが目が覚めた時にはすでに都内を抜けてもう山の風景だった。運転席でドクトルは黙ってハンドルを握ってる。乗せてもらってる身分でありながらうたた寝をしたことに少し気まずさを感じるのだった。
「前方の山の方には積乱雲が掛かってるよ。もしかしたら一雨来るのかなあ。降って欲しくないな」
 これだけ晴れてれば天気の心配することないだろというのはもう今では通用しない理屈なのだった。いつ、いかなる所でゲリラ豪雨が来るか分からない。サッカーの観戦をしていればそれを身を持って体験することが1度はあるだろう。
 今朝の天気予報だと甲府の方だけ雲が掛かってたなどという声が後部座席から聞こえもしかして道中眠ってたのはぼくだけなのかと思うのだった。
 天井が落ちる事故が落ちた笹子トンネルは工事中で車線規制が強いてありぼくらの行く手を阻む。その前には衝突事故にも出会した。でもそこで多少時間をロスしたとこでぼくらにはまだ余裕があった。むしろ早く出過ぎたぼくらにとってそれは丁度よい時間調整になったかもしれない。
 トンネルを抜けると山に囲まれた町が見えてきた。その光景にいよいよ着いたなという気分になってくる。こうして見ると甲府は本当に盆地なんだなとぼくらは話し合ったのだった。
 甲府南インターを出るとすぐに産地直売所があり車を止めた。記憶の中ではスタジアムまでろくすっぽ店もないような気がして寄ったのだがこういうとこに入ると余計なものを買ってしまうものである。ぼくは一升瓶のぶどうジュースとワインを手にレジまで向かった。こんなに一杯ジュースなんて飲めるんだろうか、ワインなんかあったってぼくは酒を飲まないんだったということなど頭から抜けてるのだった。
 今日はアウェイ席は人少ないだろうな。そんなことを言いながら再びスタジアムを目指す。車でないと不便な場所でありながらも駐車場がちゃんとスタジアムと隣接してて行きやすい。不便な場所にありながら駐車場が確保できないどこかのスタジアムとは大違いだった。
 車を降りぼくらはスタジアムへと歩くとそこにはもう紫の姿をした人達が並んでいた。一瞬こんなにいるのと思いきやすぐに冷静になりスタンドに入ったらそれでもすかすかであるのは容易に想像できた。
 そんな並んでるぼくらにスタッフが来場者プレゼントで浅漬けの素を配ってた。うーむ、野菜ならまだしもわざわざ浅漬けを自分で作ろうとはしないだろうがと思いながらも貰える物は何でも貰ってしまうのは人間の性なのだろうか。
 空は依然として積乱雲が点在しているものの上空は青く澄み切っていた。空気も心地よい。何気に夜になると過ごしやすい気温になるんじゃなかろうかという予測がたった。
 ドクトルがスマホでスタメンの確認をする。どうやらいつもと顔ぶれが変わってるようだ。果たしてそれが吉と出るか凶と出ると判断は付きかねるのだった。

2013年8月27日 (火)

甲府への道筋

2013/08/28 ヴァンフォーレ甲府vsサンフレッチェ広島 山梨中銀スタジアム

 平日のナイトゲーム。同じ関東とはいえ自宅の千葉から一県またがる位置にある甲府は元は行く気などなかった。しかもここ2試合先制しながらも相手の強引な放り込みに屈して勝ちを逃したという同じパターンを繰り返したことでもうすっかりモチベーションをなくしてしまったことで甲府へ行くことは考えられなかった。家でスカパーでの観戦。お金も使わないし労力も掛からないのでそうする予定だった。それなのにドクトルは有給を取って車で行くと言う。同乗の誘いも受けたもののさすがにそれは無理だろうと断りを入れてた。それなのに、それなのにぼくの仕事の予定はエアポケットのようにこの日が空いてしまい物理的には何の支障もなくなってしまった。そしてぼくも会社に休みを申請したのである。結局甲府へ行くことになってしまった。

 これは幸運、であるはずである。それなのにどこか心にわだかまりがあるのはとても勝てるイメージが持てないからだった。前節負傷交代した石原は復帰できるのだろうか。中心選手としては不調だった高萩はこの連戦でコンディションが戻るとは考え難かった。チームとしても点が取れてない。考えれば考える程悲観的要素ばかり頭に浮かぶのだった。

 こんなぼくに他の仲間は必死にモチベーションを高める項目を挙げて行った。甲府は来場者プレゼントにトウモロコシをくれたことがあった。今回も配るんじゃない。それにこの日のアウェイゴール裏は絶対に人が少ないからチームを助けると思って来るべきだよ。

 よりによってぼくを食い物で釣ろうとしてるのである。いや、実はそんな簡単なものでぼくはあっさりと釣られてしまうのだった。

 しかし、ぼくがそこまでモチベーションを下げたのには他にも理由があったのだ。どうもぼくはこのスタジアムへ行ったいい思い出というのがないのであった。確かに勝った試合は観たことはある。だけど残留が掛かったり昇格に向けて勝ち点を落としてはいけないような試合の時にここで勝てた記憶がないのだ。実際甲府には勝てなかった。そのかつての記憶がトラウマとなってぼくの中を渦巻くのだった。

 そんな不安に苛まれつつもなぜか行く要素が固まってしまう。それはもしかしてぼくが甲府へ行くことを導かれているのだろうか。何か目に見えぬ力が働いてるとしか思えない。そしてそれは後悔しない為の暗示なのかという気もするのだった。

2013年8月25日 (日)

大分戦~勝てないサンフレッチェ

2013/08/24 大分トリニータvsサンフレッチェ広島 大分銀行ドーム

 家にたどり着いた時にはもう試合は始まってた。仲間がうちに観戦に来るというので迎えに行ってたら遅くなってしまった。その時映った画面の映像はどこか違和感があった。そう、大銀ドームは開閉式の屋根を締めていたのである。雨を心配したのかもしれないがよりによってこの時期屋根を閉める必要はないだろ。暑さを考えたらまだずぶ濡れになった方がましのような気がするのだった。
 試合は0ー0。J1になって丸谷は試合に出れなくなったなと仲間と話してたもののよりによってこの試合出場してるのである。その為だかどうだか分からないがサンフレッチェの攻撃は行き詰まってた。確かに惜しいシーンはあったもののそのどれも決めることができず返って大分の攻撃に受け身にまる時間が多くなる。その様相、とても2位のチームと最下位のチームの対戦には見えなかった。
 人数を掛けて必至に攻撃を跳ね返すサンフレッチェ。だがそのセカンドボールは必ず大分の選手が拾う。ボールにプレッシャーを掛けて弾くもまた大分の選手の足下にボールは収まる。ボールが取れない。取っても数秒もマイボールとならない。どうしてしまったのか。ここ数試合似たような展開になってるのは相手が強いせいと思ってたがそうではなかったのだ。どのチームと対戦しても同じような展開になるのだった。そこに大きな悲嘆があるのだった。しかも石原が足を痛め早々に交代してしまった。代わったのはまだ17歳の川辺だった。
 やばい、やばい、やばい。まさか大分相手に負けてしまうのではないか。そんな感情が沸いてきたのも無理もない。優勝を考えた場合最下位の相手に取りこぼすというのは完全なる後退を意味するのだった。
 後ろで回してる間大分は取りに来ない。だがちょっと前線へボールを入れると途端にプレッシャーを受け耐えきれずに奪われカウンター。結局前からプレッシャーを掛けるチームにも後ろでブロックを造るチームにもどちらにも苦戦してしまうのである。ここ数試合プールの中で溺れそうになるような状態だったがそれはこの試合でも健在なのだった。この煮詰まった状態、後ろと前の選手で断絶してるように見える。これにはディフェンスからのオーバーラップでマークを外してやるしかないだろう。
 その時だった。前線でボールを受けた川辺がゴール前でシュート。GK正面で弾かれたものの高萩がボールを受ける。そこで強引にシュートと思いきやボールをこねてしまった。そしてシュートコースがなくなってしまったが後ろから駆け込んだ動きを見逃さなかった。デイフェンダーである塩谷はその走り込んだスピードの威力にも関わらず高萩から受けたボールへのシュートは低い弾道の一直線の軌道を描きゴールへと突き刺さったのだった。堅い堅い大分の壁はDFの塩谷によってこじ開けられたのである。
 やっと決めることができた。何度か惜しいシーンはあったもののそのことごとく決めることができなかった。こういう時の予期しない選手のゴールというのは助けられる。塩谷、前節の名古屋戦では失点の起点ともなりうるパスミスをしたもののこれで帳消しにされた。そんな気分がした。これで肩の荷が下りた。
 そんな歓喜と安堵の雰囲気はチームに前へ行く推進力を高め攻撃の展開が多くなる。これはいける、追加点取れるぞ。だがせっかく訪れたシュートチャンス、高萩はGKの立ちふさがるゴールにぶち込むのではなくてパスを選ぶ。そしてその余計なプレーが相手のDFの戻りを呼びシュートチャンスを潰してしまうのだった。ああ、高萩。何でシュート打たないんだよ。
 事もあろうにその後にも同じような場面で高萩はシュートを打たなかった。高萩のシュート打たない病は深刻である。
「高萩って一時期シュートの意識出てきたような気がしたんだけどまた元戻ったね」
「うーん、あれって寿人に点取らそうとしてるのかねえ」
 そんな会話をしたもののもしそれが本当ならそんな余計な親心でみすみす得点機会を失ってることになる。
「でもこの前の名古屋戦なんてぼくの隣に座ってた小学3年生の女の子でさえあの人何でシュート打たなかったんだろうねと言ってましたよ。その子いたら今のシーンでも同じこと言ったでしょうね」
 多少苦みを混じえた笑いを浮かべた仲間であるが事もあろうに高萩はまたしても似たようなシュートチャンスで余計な切り返しをしてシュートチャンスを潰してしまったのである。やっぱりこれは病気であるに違いない。
「これだから最近点が取れなくなってきたんだろうね」ぼくは話し相手がいることをいいことに通ぶった解説をするのである。「寿人に点を取らそうとしてるのかもしれないけどそれで寿人にマークが集まってしまうんでしょう。他の選手が点を取ればそれだけマークが分散して寿人自身も点を取りやすくなるでしょう」
 その説に仲間は妙に納得したような表情を浮かべてくれる。もっともそれはぼくの"暑い”語り口に相槌を打たざるを得なかっただけの話かもしれない。
 いずれにしても追加点があれば非常に楽になったのは間違いなくそこを狙いにいかなかった高萩には深淵よりも深いため息をついたがそれに反して大分の攻めは単純だった。ボールを奪ったら速攻。そしてサイドからはゴール前へのアーリークロス。いささか強引とも取れるこの攻撃によって中央の森島によりあっさりと同点を決められてしまったのである。ああ、やっちゃった。それだけに追加点が取れなかったことが悔やまれる。そして2試合続けてこういうサイドからの半ば力ずく、成り行き任せのクロスに対して対応できなかったことに大きな落胆を感じるのだった。
 何としてでも追加点を入れろ。勝つぞ。勝て、勝て、絶対勝て。
 そんな声も空しくまるでゴールの予感がない。唯一川辺だけは遠目からのシュートを狙ったりと希望を持たせてくれたのだがそれは希望だけで終わってしまった。残り時間が少なくなるにつれ大分の方が攻め込む時間が多くなる。一体どっちが優勝狙ってるチームなんだよ。
 こうなるとサンフレッチェはもう守るので精一杯である。もう早く終わってくれ。よりによって勝ち点3よりも同点で御の字という心境になってしまうのは追い込まれてる証拠である。
 跳ね返しても跳ね返してもボールは奪われず最後に相手のCKを迎える。もうこれを凌いでくれ。そして何とかこれを耐えてみせたもののそれはとても失望感にまみれた防戦だった。勝ってる状態で耐えてたならまだしも引き分けで耐えてたのである。気分的には負けた気分であった。
 しかしその後順位表を確認すると首位に返り咲いてる。不思議だ。どうしてだ。これぞマジックである。だが首位という誇りも喜悦の感情もない。それほどまでに危うい危うい引き分けであった。そしてもうこの先勝つことはできないのでは。そんな悲観めいた感情になるのもずいぶんと贅沢なことと分かりつつも到底素直に喜ぶことはできないのだった。

2013年8月24日 (土)

大分戦~激しい雨の予感

2013/08/24 大分トリニータvsサンフレッチェ広島 大分銀行ドーム

 今シーズン、エディオンスタジアムでの大分戦。シャトルバス内で大分のサポーターの会話をタイセイさんは聞いたらしい。西川もすっかり大分の人じゃなくなったな、でも愛されてるんだからいいか。チームの顔とも言える選手が去っていった後の心境というのはサンフレッチェを応援してる身とすればよく分かるものだった。
 それで西川が大分の選手だったのを思い出した。デビュー当時からその実力は注目されたことで大分では希望の星だったろう。だが無理な経営がたたってJ2降格を機にサンフレッチェへ売られることになった。他にも多くの主力選手が各クラブへと籍を移すことになりクラブ存続さえ危ぶまれた。だがもうJ1に上がることはないだろうと思っていた。それがわずか4年で上がってくるのだから世の中何が起こるか分からない。ある意味諦めたら終わりという言葉を本当に実践してみせたクラブとも言えるのだった。
 そんな大分にサンフレッチェから丸谷がレンタル移籍している。J2だった昨シーズン主力としてチームの昇格に貢献。順調にプロとしてのキャリアを積んでるかのように見えた。が、J1に上がると当然補強もあり出場機会を失う。こうなると果たしてJ1に上がったことが良かったのか悪かったのかという話になる。だが当然チームを勝たせることができなければ使ってもらえなかっただろうし昇格して試合に出れないのはそれだけのものがなかったということでもある。ましてやサンフレッチェに戻ることを考えたらJ1で試合に出る実力がないと厳しいという事情もあるのだった。
 そういう訳だから丸谷との直接対決には至らないだろう。そして西川へ対する遺恨というものも大分には残ってないだろうし両者の関係に特に因縁がないのである。が、両者の置かれた立場は大いに違いそれがこの試合に激しさを生みそうだった。
 2位にいて首位も狙えるサンフレッチェに対し最下位に低迷していよいよ降格への危機感を感じてる大分。間違いなく力関係からするとサンフレッチェの方が有利だ。恐らく大分もそれは意識してるだろう。そういう時の下位チームの獰猛さというのは筆舌につくしがたいものがあるのだった。サッカーというものは時に魔力を帯びることがある。その魔力がなぜか掛かってしまうことがあるのだった。
 広島では大雨だというのをタイセイさんに聞いた。雨の音で目を覚ましたと言う。九州ではどんなもんだろうか。そういう常軌を逸した天候、それだけでも不可思議な力を与える可能性は十分にあるのだった。

2013年8月19日 (月)

名古屋戦~転げ落ちた勝利

2013年8月17日 サンフレッチェ広島vs名古屋グランパス ディオンスタジアム広島

 一方的、まさに一方的なボール支配率だった。ピッチは半分になったかのようにワンサイドゲームである。攻める名古屋、守るサンフレッチェ。ああ、ぼくはこんな試合を観に千葉から来たんだろうか。とはいえ攻める名古屋も慎重に慎重にボールを回してやばくなるとすぐにバックパスで逃げる。もういつまでこんな光景を観なければいけないんだろう。
 人数を掛けて守るサンフレッチェはカウンターを狙ってるのだろう。だけどボールを奪うとすぐ2、3人に囲まれ蜘蛛の巣のように絡め取られる。そのボール奪取までの時間は2秒か3秒だ。サンフレッチェのボール支配はそんな秒単位でしか実現しないのだった。
 そんなことの繰り返し、動きのない展開、にらみ合いの硬直状態、それだけで時間は過ぎていきハーフタイムを迎えた時もうこんなに時間が経ったのかとぼくらは話し合ったのだった。名古屋の前からプレッシャーを掛ける守備に完全に打つ手なしといったところである。ゴールキックでさえも2秒もマイボールにできない状況には絶望感しかないのだった。
「こういう時って監督はどんな指示出すんだろうね」
「やっぱりカウンターしかないんじゃないかな」
 でもそれだったら前半の繰り返しではないかとぼくらの思考も行き詰まってた。でも左サイドの清水が高い位置でボール持ってもあそこで迷ってしまいどうするか考えてる内に相手にボールを取られる場面が何度もあった。昨シーズンのシンデレラボーイは完全な足枷となっていたのである。ぼくらはそれに大きな嘆きを感じるのだった。
 後半に入り多少は動きがあるかと思いきやまた前半の繰り返しだった。相変わらずボールはすぐに奪われる。逆にボールを奪おうとしても意図も簡単にかわされる。そして名古屋は安全に安全にボールを回す。このまま時間切れで終わってしまうのではなかろうか。そう思った時サンフレッチェの攻撃が始まったのだった。
 速攻のような形の時、ミキッチの右サイドからの攻撃程驚異になるものはない。単独でも突破できるミキッチは人数を掛けた攻撃の時は更に的を絞りにくくさせる。縦へ抜けるかと思ったら中へ切り込む。そこでパスか?いや、ここまで入ったら打つべきだろう。だけどシュートの入らないミキッチが無理して狙うことはない。と思ってたら足を振り抜いた。ボールは一直線にゴールに突き刺さったのである。
 ミキッチのゴール!スタジアムDJが叫ぶ。
「ミハエルーッ!」
 そしてぼくらは「ミキッチーッ!」と叫ぶ。
「ミハエルーッ!」
「ミキッチーッ!」
 総立ちで繰り広げられたそのやりとりはとても気持ちのいいものだった。
 そこから一気にスタンドの熱気が上がりサンフレッチェの攻撃もより厚みを増す。最後で跳ね返されようとセカンドボールも取れて波状攻撃へとつながる。そして高萩がペナルティエリアに進入しまさにゴール前でのシュートチャンスにパスをしてしまった。そのパスは無情にも詰めていた見方選手の背後に転がりせっかくのチャンスを不意にしてしまい大きく頭を抱えてしまった。シュートを打たない。高萩の悪い癖が出てしまった。そしてその悪い癖が交代で入ったファン・ソッコにも伝染したのかバイタルエリアでどうするか迷ってしまうのである。前節思い切って打ったシュートが試合を決めヒーローになったのをもう忘れてしまったのだろうか。またいつものソッコに戻っていたのだった。
 清水に代わって入ったパク・ヒョンジンは何度か可能性のあるクロスや切り込みを魅せるも得点には結びつかない。でも間違いなく攻撃を活性化させるのだった。その為時間がなくなるにつれ、もうこの試合は勝ったという気になるのだった。
 サンフレッチェはもう時間を掛けたい。無理なら後ろでつないだ方がいい。ロングキックを蹴ると100%競り合いで負けてしまう。そんな思いからだろうか、右の後ろにいた塩谷はサイドぎりぎりの縦パスを出そうとしてそれがラインを割ってしまう。この時間を掛けたい状況でわざわざ相手に自陣でのスローインを与えてしまったのだ。同じボールを取られるにしてもクリアをしたら何秒稼げただろう。そんなわずかな違いでしかなかったがもたらせた結果はまるで違った。早めのスローインは素早くファーへクロスを入れられゴール前の混戦から決められてしまったのだった。決めたのは闘莉王だった。
 闘莉王は喜び喜び喜びまくる。遠くて表情は見えないがさぞ闘志を燃やした表情をしてるのだろうがなかなか自陣へ戻らない。明らかに時間稼ぎだった。よりによって闘莉王にやられたという悔しさがあったもののその姑息さにまたこみ上げるものがあるのだった。
 焦ったサンフレッチェ。高萩はすぐに訳の分からないパスを出しラインを割ってしまう。おい、時間がないんだぞ。そしてCKのチャンスではまた闘莉王がイザコザを起こしプレーを止めてしまう。あれは多分時間稼ぎだったんだろうと後になれば思うのだった。そしてあえなくタイムアップ。あともうすぐで勝ってただけに深いため息をつくのだった。
「何だかうちがいつも名古屋にやってる展開を今回はやられたな」
 タイセイさんがつぶやいた。シュートを打たなかった高萩、塩谷のパスミス、清水の思い切りの無さ、ぼくらは勝てなかった要素にそんな事例を挙げていった。でも西川のスーパーセーブで2点は防いでもらったことを考えると妥当な結果かもしれない。
 遂に首位陥落してしまった。そして岡本はスタメンの試合でまたしても勝つことができないのだった。それは本人も相当意識してる部分だろう。そしてぼくも苦労して来たエディオンスタジアムでの勝利を観れないのは失望感が大きかった。そして2万人入れたエディオンスタジアムで勝利の盛り上がりを演出できなかったのも残念だった。残念。残念、残念、残念。その言葉しか思いつかないのだった。

2013年8月18日 (日)

名古屋戦~岡本のスタメン

2013年8月17日 サンフレッチェ広島vs名古屋グランパス ディオンスタジアム広島

 平和記念公園で容赦のない日差しを受けた。広島の空は東京に比べスーッと澄み渡るような色彩があり、逆にそれがより日の光を感じさせもするのだった。その為か東京より暑い気がする。気温を計った訳でもないのだが実際にはどうなんだろう。
 子供の頃行ったっきりで以後入ったことのない原爆資料館ではクーラーが効いてて救われた気分であった。普段どれだけの来館者があるのかということも知らず入っただけにすでに整理券売場で順番待ちがあるというのは計算外だった。もっともナイトゲームには余裕過ぎるくらい時間があるのだった。
 ずいぶん昔入ったので観覧の記憶も薄れているのだが大人になって改めて観るとずいぶん骨の折れる内容だった。真面目に資料を閲覧してると結構な労力を使う。それと共に広島への想いをより強くしていくのだった。多くの閲覧者の中でたった一人紫のレプリカを着たぼくは想いを胸に秘めるのだった。
 原爆資料館を出たぼくはすっかり疲れたのは空腹も煩ってるせいだった。せっかく広島に来たのでお好み焼きを食べようと店を探すもののそういえばこの近くで絶対に入らない方がいいと忠告されたことを思いだしタイセイさんにどこへ入ればいいかメールでアドバイスを貰うのだった。そごうセンター街の店を紹介されたもののセンター街なるものが分からない。ぼくも段々と広島のことが分からなくなってきたのを実感するのだった。
 すでに広島で過ごした年数より関東での生活の方が長くなったことにより戻ってきたというより旅行気分の方が大きい。朝の早い時間からサンフレッチェのレプリカで広島の街中をうろうろすることに抵抗がないのは関東の人間だからだと割り切っていた。だがアストラムラインの乗り場に行くともう紫の人の姿が見かけられた辺り、広島もずいぶん変わってきたなと感慨深くなるのだった。
 アストラムラインで広域公園を下車するとむっとする熱気が身体を包んだ。もうこれからずっと屋外で過ごすことになると思うとうんざりであったが、それもスタジアムを前にしたらたどり着いた感激により気持ちが高ぶるのだった。実際の日差しの強さもあるがその場に漂う空気がより高揚感を高めるのだった。
 早すぎる来場と思っていたものの入場門からはもう何列も人が並んでいた。それぞれの屋台も人で賑わいそれらを含めると1日過ごせるようになっている。それは年に1回しか行けないぼくだから思うことなのだろうか。
 そして早い入場を済ませたぼくだがここで現地で落ち合う約束をしてた仲間の為に席を取る。いつも座る場所は一緒だからその内見つけてもらえるだろう。バックスタンドのゴール裏との境界線は以前だったらぽっかりと観客の埋まらない空白地帯のようなものだったが人が集まるようになっていた。不変のものは存在しないと言うがそれを実感させられるのだった。
 しかし、時間の経過と共に増えていくバックスタンドは徐々に人を増やしていきついにはアウェイゴール裏の境界まで達するのだった。もしかしたらただ単に客が多かったというだけの話かもしれない。クラブも集客がんばったんだなあとしみじみするのだった。
 その内にタイセイさんは現れドクトルなど関東での観戦仲間が姿を現した。お盆前後のこの時期、こういうぼくらのような帰省を兼ねて来る人間がいるのも集客にはつながっているんだろう。
 ゴール裏ではコアサポのリードにより手拍子のデモンストレーションが行われる。そしてバックスタンドでもその実演が行われ皆の応援への誘導を行おうとしている。そのアナウンスがとてもフレンドリーなのでとても和んだような雰囲気になった。中には声を出すのはためらいがある人もいるだろう。でも勝つにしろ負けるにしろ本当に応援する気持ちこそが観戦を面白くするというのに気付いてもらうきっかけになるだろう。
 選手がピッチに現れると拍手で迎え入れられる。特に累積警告で出場停止のカズに代わって出場する岡本には声援が一際大きい。まだスタメンで勝った試合がない。それは本人も意識してるだろう。サンフレッチェにとっても岡本にとっても勝てるかどうかというのは大きな意味のある一戦となるのだった。

2013年8月17日 (土)

名古屋戦~エディスタへ向けて

2013年8月17日 サンフレッチェ広島vs名古屋グランパス ディオンスタジアム広島

 山口へ向けての夜行バスは眠れはしなかった。勿論、格安のカテゴリーの為乗り心地の問題はあった。考え事も多くあった。だがそれ以上に後ろの席の話し声が気になった。何度か舌打ちするも意に介さないのか気付かないのか一向に止まることを知らない。血管がぶち切れそうになった時その隣の列に座ってる女性によって注意されるのだった。ああ、こういう時女の人の方が強い。その女性に賞賛の拍手を送りたい気分になると共に自らの気の小ささにため息をつくのだった。
 帰省を兼ねてエディオンスタジアムへの観戦だがぼくの場合実家が山口ということでなかなかに大事だ。もう今年は一度もエディスタに行くこともないだろうと思っていたが何とか都合を付けることができた。逆にせっかく帰省したのにホームでの試合がないと損した気分になる。ゴールデンウィークとお盆の日程はぼくにとって死活問題なのだった。
 そんな訳でぼくがエディスタに行けるのはせいぜい年に1回である。その貴重な場での勝敗、これは重要である。だからこそあらゆる事にナイーブになってしまう。青山が代表でコンディションを落とさないか、カズが累積警告により出場停止を食らった影響はないか、代役の岡本はスタメンで勝利することはできるだろうか。その上に対戦相手の名古屋は5連勝と調子づいてしまってる。なぜにこんな巡り合わせになるのだろう。不運にはち合わせたようでいながらこのような不安は必ず抱えるものでもあるのだった。
 山口で過ごした数日は暑かった。気のせいか東京より暑い気もする。気温は夜になったってちっとも下がることはない。土曜のナイトゲーム、観客を集めたエディオンスタジアムのスタンドはどれほどの気温になるのか想像しただけで気が遠くなりそうなのだった。

2013年8月15日 (木)

ウルグアイ戦に思いを馳せ

ウルグアイ戦に思いを馳せ

2013/08/14 日本vsウルグアイ 宮城スタジアム

 よりによってこんな日に夜行バスで山口に帰ることになってしまった。日本代表の親善試合。ウルグアイという好カード。そしてそれ以上に青山が選出されてるという思いもよらなかった機会。どうしても観たい。だが8時50分東京発という条件はちょうど試合と被るのだった。だがギリギリまでTVで観ることにした。ピッチに入場する選手。そこには青山の姿はなかった。その瞬間、もうどうでもいいものとなりとっとと家を出ようという気にもなった。それでも後半途中から交代があるかもしれない。よりによってもう一番観たい時間帯を前にして家を出なければならないのだった。
 中継では1トップとして出場する新メンバーの柿谷が注目選手として実況も煽り立ててる。だがどうも腑に落ちない。それはその実況してる本人にしたって代表に呼ばれるまで名前も知らなかったのではないかという妙に冷めた感覚があるからだ。Jリーグなんか観てる訳がない。TV局でたまたま代表の試合を割り当てられたからメンバー表で勉強しただけのような気がする。その証拠にハイライト番組でも観てれば分かりそうなセレッソでのプレーの話などまるで出てこないのだった。
 そこが代表の中継で最も白ける部分でありガッカリする部分であるのだった。確かに一般受けするように誰でも分かりやすい実況となるように無難な線を目指してるんだろうが少なくともサッカーが好きでしょうがない人に実況してもらいたいというのがサッカーファンとして心情である。この辺が何年経っても変わらない日本の中継スタンスで正にミステリーな部分でもある。
 でも青山本当に出場しても大丈夫なのだろうか。コンディションが心配にもなるのだった。3日後には名古屋戦。もしかしたら後半ちょこっとだけ出るくらいの方がいいのかもしれない。出ないと出ないで文句言い出ると出るで不安になる。サッカーファンの心情とはかくも複雑である。
 青山出たのかな。やっぱり出してもらえないのかな。出さないんだったら呼ばなければいいのにな。でも国内の試合だからいいか。ぼくの頭の中ではそんな自問自答が繰り返され消灯時間が過ぎてもちっとも眠れそうにないのだった。

2013年8月11日 (日)

磐田戦~ソッコの決勝弾

2013/08/10 サンフレッチェ広島vsジュビロ磐田 エディオンスタジアム広島

 

 いつかは決まる。漠然としたそんな感覚はミキッチの右サイドからの突破で惜しいシーンが何度もあったことによる。ただし今シーズンはミキッチからのクロスがどうも合ってない。クロスを上げてる割にはそれが得点へと結びついてないような気がするのだった。

 だが中盤で青山のボールカットから始まったその攻撃は速攻の形となりミキッチが高い位置で受けることになった。ゴールにも近い位置に進入し自分で打っても良さそうな場面である。ただし圧倒的にシュートが入らないミキッチがこの角度のあるシュートを決められるかと固唾を飲むと真横にグラウンダーのクロスを放った。真ん中には高萩がいた。シュート。だがこれはディフェンダーに当たってしまいボールは宙を飛ぶ。ああ、決まらなかったと思ったがそのボールの落下点へ詰め寄ったのが寿人だった。まるで最初からそこにボールが落ちることを計算してたかのような反応でゴールにボールを叩き込んだのだった。

 先制。これは楽になった。前半の内にリードできたことで余裕ができてきた。ただしこれが磐田をヒートアップさせるのであった。後半スタメンを外れてた前田が投入されたのである。前田、それはサンフレッチェにとって呪いの選手だった。ナビスコカップで敗退するのはいつも前田のせいだった。リーグ戦でもやられるのはいつも前田だ。そんな前田もスタメンを外れるということは調子が悪いものと考えられた。が、前田が入ることによって明らかに磐田の攻撃の時間が増えるのだった。

 サンフレッチェは例によっって自陣に全員戻った人数を掛けたディフェンスをする。この守備の陣形はクリアしてもセカンドボールを相手に拾われるということである。後ろに人数が掛かってる分前でボールを受ける人がいないのは当然の理だった。だから高い位置で相手のボールを奪えれば追加点のチャンスも広がるだろう、そんなことを思ったのかもしれない。磐田のボールを高い位置でプレスを掛け奪おうとするがあっさりとパスでかわされその次もパスでかわされサンフレッチェのプレスをことごとくいなして前線へ送っていくとそこにはサンフレッチェの守備の人数が揃ってなかった。ゴール前へクロスを上げられる。ふわっとした遅い球だ。だけど走り込んだ花園のヘディングを誰も防ぐことはできず同点にされてしまった。ああ、ついにやられてしまったのだ。

 ここに至るまで再三駒野にクロスを上げられてたがそれは左サイドの清水が1対1で負けてるのは明白だった。攻撃の時も突破できずクロスの質も悪かった。そしてシュートも当たり損ねの力のないもの。失点に直接絡まなかったとはいえ苦しい時間が続いたのもそんなとこに起因しそれがついには失点に結びついたような気もしたのだった。その為ファン・ソッコとの交代は清水だった。でも普段右をやってるソッコが入っても何も起こらないだろう。ただ守備では清水よりは期待できる、これは同点で終わればいいかと思ったのだった。

 しかし左サイドの高い位置でボールを受けたソッコはそのまま中へ切れ込む。マークを外すとそのまま右足を振り抜いた。ボールはスーッとゴールへ飛んでいく。まるでそれは磁力で吸い寄せられるようにゴールに入ったのだった。

 勝ち越し。まさかこんな簡単に、こんな早い時間に、交代で入って間もない間に、ソッコは決めてしまった。思わぬ時に思わぬ人が決めた。こんなことってあるのだろうか。

 残り時間は少なくなっている。すると圧倒的に磐田の攻撃が続く。跳ね返しても跳ね返しても波状攻撃は続く。ゴールキックで難を逃れるもそのゴールキックがまた相手ボールになってしまう。もはやサンフレッチェにはCKさえも時間稼ぎに使わざるを得ない状況だった。この状況、ナビスコカップ決勝であと数分という時間稼ぎができずに追いつかれたのを思い出した。耐えろ、耐えろ。時間を稼げ。パスを回すもののどうしてだろう、こういう時相手のプレスがとてつもなく強力に思えるのだった。

 時間よ、早く過ぎ去れ。もはやアディショナルタイム4分を過ぎた。でも肝心な場面でボールを奪われてしまった。少なくともこの攻撃が止まるまでは笛を吹いてくれないだろう。凌げ、これを凌ぐのだ。

 バイタルエリアまで運ばれるもののボールがゴールラインを割ったことで笛が鳴った。勝った。苦しい苦しい戦いだった。勝った優越感より緊張を解き放たれたという虚脱感の方が大きい。連敗は阻止できた。でもイエロー3枚も貰ったことからも苦しい展開であったのは確かだ。爽快感を伴った勝利ではないものの順位を落とさなかったというのが大きい。そして来週、ぼくはこのスタジアムへ行く。期待感をさらに膨らますのだった。

磐田戦~煮えたぎる暑さ

2013/08/10 サンフレッチェ広島vsジュビロ磐田 エディオンスタジアム広島

 

 朝起きるとじっとりと寝汗をかいていた。薄暗がりの早朝は深夜と言ってもいい時間帯であるがもう寝ることはできない。もはやとても人間が過ごせる気温ではないのだ。1日の中で一時も休まる時間もない程に暑さが途切れないのは拷問に近かった。

 さすがに寝る前には冷房を入れた。頑なに家では冷房を使わない主義を貫いてきたぼくだが睡眠中足をつって以来無理をしなくなった。痛みは1週間続きマッサージ器に湿布と使ってると冷房の電気代よりも治療費の方が高くつくような気がしてきたのだ。その為寝る時は冷房を入れるのだがタイマーが切れると目が覚めてしまう。そしてその後は決して眠れないのだった。

 そういえばサッカー選手も身体のことを思えば冷房は付けるべきかどうかという葛藤があるらしい。冷房は決して身体には良くないのだが、かといって寝れなかったら本末転倒。夏はコンディションの維持が難しいのかもしれない。こんな日々が何日も続きさぞ選手も消耗しているのかもしれない。

 そしてナイトゲームとはいえ気温は一向に下がる気配はない。夜の試合といったって気温は昼間と大して変わりはしない。ただ直射日光に当たらないというだけの違いだ。それを理由に秋春制を主張することもあるが実際問題集客の望める夏休みを外す訳にはいかない。だとしたら暑いからという理由はシーズン移行の問題から度外視して欲しい。どうも都合の良い方向へ議論を持って行く為の餌のように温暖化の問題を使われてるような気がしてならないのだった。

 それにしても暑い。暑い暑い暑い。この暑さどうにかならないものだろうか。消耗戦になるのは必至だ。1点を巡る争い。ギリギリの戦い。やっぱりこういう展開になるんだろうか。そんな想像を張り巡らしてる内にこっちの方が消耗しそうだ。身体が痛い。疲れが取れない。思考が鈍る。それなのに試合が始まると選手に向かって叫ぶのだ。もっと走れ、運動量を増やせと。しょうがない、サンフレッチェの試合ではとても正気が保てないのだから。

 日中仕事をしてきたぼくはすでに消耗していた。外の水道の蛇口をひねると熱湯が出てきたのにはびっくりした。アルミの梯子を移動させようと素手で触ると火傷しそうだった。そんなとこに日中いたぼくはさすがに家では冷房を付けないと身体が燃えそうだった。部屋の温度を下げ落ち着いた環境で煮えたぎるような熱気のエディオンスタジアムの映像を観る。日が落ちても33度あるらしい。そこはとても自己同一化をするには難しい環境だった。とわいえここで冷房を切る根性もないのだった。

 それでも立ち上がりのゆっくりとした展開には理解は示したつもりだった。磐田も後ろでのパス回しには食いついてこない。それをいいことにミキッチの突破を中心に攻めていく。だけど最後が決まらない。ただ、生半可攻めてるだけにその内決まるだろうという安易な感覚に支配されるようになったのだった。

2013年8月 9日 (金)

磐田戦~余裕なき首位

2013/08/10 サンフレッチェ広島vsジュビロ磐田 エディオンスタジアム広島

 

 因縁の対決での敗戦、あれから1週間。もう1週間という気もするが長かったような気もする。順位はまだ首位。それなのに1敗しただけでもう自信がぐらついてしまった。これで負けてしまうと坂道を転がり落ちるように順位を落としていくのではなかろうか。もう試合が近付くのが恐い気もした。わずか1敗しただけ。やはりあの試合の影響はあまりにも大きかった。

 でもよく考えたら首位に上り詰める過程において余裕というものはちっともなかったのだった。その多くはこれでよく勝てたなという内容だ。5連勝中アディショナルタイムで決勝点を決めた試合が2試合もあるというのが全てを物語ってる。結局そのギリギリの状況で最後に点を取ったか取らなかったか、もしくは失点を抑えることができたかできなかったかという差である。そう考えると今までと何も変わらないのだ。今までと一緒。何だか急に落ち着いてしまった。不安が和らいでくるのだった。

 とはいえ対戦相手の磐田。監督が関塚監督に代わった。忘れもしない川崎の監督時代70という屈辱的なスコアで叩きのめされてしまった。カウンターサッカー。攻撃的なサンフレッチェの裏をかいた戦術の術中にまんまと嵌ってしまった。怨念の炎が燃え出した。負けられん。絶対に負けられない。今度はこっちが叩きのめしてやるぞ。そんな闘志が沸くのだった。

 確かに関塚監督は攻撃力のある相手の裏をかいてカウンターで点を取るというサッカーをやるのは得意のようだ。ロンドンオリンピックでのU23代表のベスト4進出も正にそういうサッカーでその戦術が効かない相手には見事に何もできないで終わってしまった。川崎時代良いとこまで行きまがら決してタイトルが獲れなかったのはそういう理由があるのだろう。ある程度は行くが頂点には立てない。成績が上がってる内はいいがいざその上に行けないという状態になるおと不満になる。だけど降格圏内にある磐田にとっては打ってつけの監督でもあるのだった。

 その降格圏内というのも厄介な要素である。しかもサンフレッチェ出身の駒野はこういう時だけターボが掛かってしまうかもしれない。厳しい厳しい試合になるのは予想できる。結局どのチームと戦っても苦戦するようだ。本当に首位という順位には誇りよりも気苦労の方が大きいのだった。

2013年8月 5日 (月)

2日目の浦和戦

2013年8月4日 サテライト 浦和レッズvsサンフレッチェ広島 大原サッカー練習場


 練習場なんて行ったことはない。でも戸田駅から時間を掛ければ歩いていけそうだった。後で知ったことだがそもそも埼玉新都心からの方が行きやすかったらしい。そういう訳でそもそも降りる駅さえ間違っていたのだった。

 更に困ったことは調度駅を出ようとした時に大粒の雨が降ってきたということだ。駅で雨宿りしてる人も多くいたので恐らく予報にもなかったのだろう。幸いにもバッグには折り畳みの傘があって事なきを得たのだが面積の小さい折り畳み傘はぼくの大きい身体を包むにはサイズが不足していた。

 何でよりによって。この時間に計ったように降り出したことに恨めしくなる。肩は濡れ足元もずぶずぶだ。場所がよく分からないで時々手書きの地図を取り出すもすでに水けを含んでてぐちゃぐちゃになってきているのだった。

 空には明るい個所のあるので雨は一向に降り止まない。もしかしてぼくは雨雲の移動する先にそのまま付いて行ってるのではなかろうかという気さえしてくるのだった。

 用水路をの脇をを歩いて学校を通り過ぎると練習場は現れた。こんなに雨が降ってるのに来る人はやはり来るのである。すでにグラウンドの前は人だかり、しかも傘を差してるのでちっとも見えやしない。誰が出てるんだ?それすらも分からない状況だった。

 クラブハウスの2階へ上がり何とか前の人の頭越しに観ることができた。おお、サンフレッチェの選手がいるじゃないか。そんな当たり前のことに感嘆したのはサテライトというものを初めて観たからだ。練習試合用の白の横縞ユニフォームが新鮮だった。だけどよく見てみると浦和も同じユニフォームデザインでその時両方共メーカーがナイキだったのを思い出した。

 それにしても前の人の傘が邪魔だ。ピッチが見え辛い。ちくしょう、何でこんな時雨なんか降るんだよ。せっかくここまで来たのに試合の様子が見えないのはとてつもないフラストレーションだったもののしばらくすると雨の勢いが落ちてきた。お、止んだかとぼくはそれをアピールするかのように傘をしまい込む。それに乗じて前の人も傘を閉じてくれた。おお、やっとまともに観れるようになった。

 歓声に包まれることもないピッチでは選手の声が良く聞こえる。そして支持を出すコーチの声も明白だ。その都度その都度ポジションの修正を指示され、それにより若い選手は覚えていくのだろう。でも練習試合とはいえ怪我で退場する選手も出る。さすがは浦和の練習試合だけあってフェンスの前も1階のベンチも全て埋まってる。観てる人がいるというのは選手もモチベーションを上げる要素にはなるようだ。

 出場してる選手の中には顔を見て分からない選手もいた。全員覚えてるようでさすがに普段見ない選手は知らないのに気付く。所々これはというプレーを見せた選手にこれ誰だと思っても調べる術もないのだった。

 ところがハーフタイムになるとすぐ近くに知り合いのサンフレッチェサポーターがいるのに気付きそこに合流させてもらった。お陰であまり肩身の狭い想いをしなくて済む。そして全てのメンバーを把握してる生き字引のような人がいたのでぼくのパフォーマンスチェックにも大いに役立たせてもらえたのだった。

 惜しいシュートシーンに決めろよ、激しい身体の寄せからのボール奪取に感嘆の声、思わず漏れてしまうこれらの声を周囲の目を気にせず発せられるのがいい。そして繰り出されるキックの音が生々しく受ける際の身体の動き、ターンの鋭さにやっぱりプロは凄いんだなと呆気にとられるのだった。もっと観ていたい。だけどほぼ時間きっちりと終わってしまったのである。

 その後はコートの出口に人が集まる。選手にサインを求めるのだろうが今日は時間がないのでとスタッフに制されスタスタとクラブハウスに姿を消すのだった。それを楽しみに行ったような人は期待外れかもしれないがそういうミーハー心理を持ってないぼくはそもそもカメラもペンも持ってきてないのだった。

 2日続けての浦和戦との対戦。何か変な気分がした。練習場で会った仲間と戸田駅まで雨上がりの道を歩いて行ったがこれだったら埼玉新都心の方が近かったと言われたが、その時わざわざ遠い順路を最悪のタイミングで来たというのを知ったのだった。

2013年8月 4日 (日)

浦和戦~完膚なきまでの敗戦

2013/08/03 浦和レッズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 

 ハーフタイムに花火が上がる。盛り上がる観客。だがその光景は嫌みにも見えるのだった。前半を観る限りちっとも点が入る気配がない。ミキッチのクロスはちっとも合わない。ミドルシュートを打つ積極性もない。崩して崩して崩そうとして全てその動きが読まれてるという感じだった。

 それでもこの点差を追いついたら、それはさぞ盛り上がるだろう。この時点ではまだそんな希望も持ってはいたのだ。だが、それも後半脆くも崩れ去るのだった。

 またしてもカウンター。

それは左サイドからの真横のクロスだった。そこに走り込んだのは興梠こおろぎ1人だった。だが圧倒的に揃ってるサンフレッチェのディフェンス陣はそれを阻むことができなかった。こおろぎが行ったプレーはただ足を伸ばしただけである。それ以外プレーの選択肢はなかった。そしてその限られたプレーを誰も止めることができなかったのである。

3失点目。もはやこれは勝利を考えるには絶望的な点差であった。

 高萩はボールを持っても簡単に潰される。寿人にはボールが収まらない。石原もマークがきつく自由にさせてもらえない。それらのいくつかはファールではと思うものの笛は全く吹かれることはなく流されそれくらいはげしくいっていいのかとボールを取りかえしにいこうとすると笛が吹かれるという始末。他にも絶好のチャンスで流して欲しかった場面で笛を吹かれたり下手くそな審判だなというのも余計にフラストレーションを高めるのだった。

 その後センターバックの千葉を攻撃もできるファン・ソッコに代えたり突破系のミキッチを左足のキックというタイプの異なるパク・ヒョンジンに代えたことからもこの試合が上手くいってないのは明白だった。ただ、このメンバー変更が効いたのかサンフレッチェは攻勢に行く時間が増えていく。

 ところが皆が皆シュートを打つテンポがどうもずれてる。何で高萩はゴール前に行った時無駄にボールをこねるのだ?何で清水はボレーでシュートを打とうとしないのだ?そして何で浦和はこんなにも堅い守備をできるんだろう。

 残り時間が気になる。それなのにこともあろうにこの時オーロラビジョンの電気が消えてしまい時間が分からなくなってしまった。姑息な。そこまでやるかよ。恐らくは機械トラブルではあるのだろうがこのタイミングでそういうトラブルが起きるというのはそうとらえられてもしょうがないことだった。

 やっと電気が付いた時にはいよいよ時間が残されてないのを知った。もう勝てる訳はない。それでも0点で終わってしまうのはあまりにも屈辱的だった。

 コーナーキック。ヒョンジンが蹴る。他のキッカーと違ってヒョンジンのボールは落下への弧の描き方が大きい。それに対応できなかったのかあれだけ入らなかったシュートが水本のヘディングによっていとも簡単に決まってしまったのだ。ああ、これがもう10分早かったなら。

 終了のホイッスルには無常感が漂ってた。盛り上がる浦和のスタンドがまた一層空しい。5連勝した後、そろそろ負ける頃だろうとは思っていたがよりによって浦和に負けるとは。一番負けたくない相手に手も足も出ないで負けたという感じである。勝利の歓喜に酔う浦和のサポーターに囲まれるあのバスに乗って帰らないといけないと思うととても憂鬱で気が滅入るのだった。

浦和戦~簡単な2失点

2013/08/03 浦和レッズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 

 パス回しの質ならサンフレッチェの方が上だろう。そんな余裕の気持ちがあった。ところが開始早々ファールでフリーキックを与えてしまう。サイドからで距離もある。普通に守れば防げるだろう。その為そこまで警戒してなかったのかもしれない。柏木の蹴ったボールはスワーブが掛かり浦和の選手の頭に当たる。ふわりとしたボール。余裕でセーブできるだろうと思った。が、西川の手は届くことなく無情にもゴールに入ったのだった。

 そのあまりにもあっさりとしたゴールに入ったというのが信じられなかった。そのコースを狙ったというよりヤケクソで何とか頭に当てたというようにも見えた。ゆるいゆるいボールを西川は止めることができなかった。日本代表の西川は反応できなかった。ついでにディフェンスを含めたサンフレッチェの選手は誰もヘディングに対して対応できなかったのだった。

 とはいえあまりにも早い失点に現実味がなくショックもなかった。これから取ってくれるだろう。これから、これから。また後ろからパスをつないで相手をいなしてゴールに近付けようとする。ところがいくらいいとこまで行ってもシュートが打てない。シュートを打たない。ペナルティエリアに入った高萩などは絶好のシュートチャンスをキーパーにぶち当ててしまった。あれが決まらないときつい。あれは入れて欲しかった。次こそは決めてくれ。そんなことを言ってると逆襲を食らった。

 キーパーとの11を西川は飛び込まず踏ん張る。それにより一瞬攻撃を遅らせたものの2人、3人と絡まれたらたまったものじゃない。一度はシュート戻った水本がブロックしたものの跳ね返りを蹴り込まれこれまたあっさりと決められてしまった。

 どうしちゃったの。そんな言葉を吐いてしまった。堅守を誇ると言われておきながらこの情けないまでの簡単な失点。サンフレッチェは攻めても攻めてもシュートさえ打てないのに守備の人数が揃ってても簡単に決められてしまう。どうしちゃったの。もう一度ぼくは口にしてしまった。

 だが仲間はまだこれからだと鼓舞しようと声を張り上げる。ぼくもがんばろうとそれに続くもどこかこの日のゴール裏の声は認識し辛くリズムに合わせることが難しい。何かやりにくい。ピッチの上だけでなくスタンドにまでこの日は見えない力に遮られてたかのようだった。

 

2013年8月 3日 (土)

浦和戦~負けられない相手

2013/08/03 浦和レッズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 

 確かに花火の時期である。駅前を中心にちらほらと浴衣の姿を目にする。まだ昼過ぎだというのに気の早いことだ。近所で大規模な花火大会あるというのにぼくは行ったことがない。あの祭り特有の浮ついた雰囲気、いちゃついたカップル、ああ、ぼくにそういう機会はついぞ訪れることはない。人があふれ出すし花火なんて何もいいことはない。そう、ぼくは花火が嫌いなのだ。

 そんな頑なな態度が余計に敬遠されてしまう。いや、それは薄々自分でも感づいているものの染み着いた性格というのは変わりようもないのだ。

 ただ幸運なことにちょうどこういう日にサンフレッチェの試合がある。花火に行かない良い口実ができるのだ。都合の良い日に試合があったものだ。そして都合良くぼくの仕事のスケジュールも空いてくれたものだ。幸運、幸運である。ぼくは試合に行けるというだけですでに幸福感に満たされてるのだった。

 埼玉スタジアムへの経路はいつも北越谷からのシャトルバスを利用する。比較的マイナーな行き方ということもあって紫のシャツを着ているのは見事にぼく一人だった。赤い人に囲まれてバスの中にたった一人座ってる様は目立つものの誰も気にしてる様子はなかった。さすがにそんな人毎回何人かは紛れるというので慣れてるのだろう。ただ、以前はサンフレッチェのサポーターというと天然記念物のような目を向けられたものだがそれがなくなったというのははっきりと感じられるのだった。

 浦和のサポーターがレッズの応援マガジンなるものを読んでる。あろうことかその表紙は柏木だった。収まってた感情がふつふつと沸き立つ。やっぱり負けたくない。絶対に負けたくない。一人静かに闘志を燃やすのだった。

 バスがスタジアムへ向けて走ってる間の光景はというと結構殺風景である。所々開発中で重機が入ってるが未着手のとこも多い。この地域も確かに以前に比べればマシになったとはいえ思った程開けてこない。スタジアムを中心とした都市構想を描いていたのだろうがあまり上手くいってないような印象を受けるのはぼくだけだろうか。浦和の観客動員が減ったことが嘆かれてるもののこのスタジアムへ行くことの利便性が改正されないとなかなか厳しいような気がするのだった。

 バスを降りスタジアムを前にすると強い日差しを受けた。昨日は涼しかったのによりによって今日は何で暑いんだろう。ただし、スタンドに出た時には仲間と合流したこともあってそんなこと忘れてしまった。それよりも席の確保が先だ。3人でその後来そうな頭数分の席を確保する。

「そんなに慌てる必要あるかなあ」

 仲間の一人がそう言ったが、確かにその時はまばらな人しかいなかった。ただ、キックオフ30分くらい前になるとドッと押し寄せてくるのは経験上予測でき、実際にその通りになるのだった。ぼくらは席を詰め合わせる。それでも席が見つからずにうろうろしてる人が多くいるのだった。

 こうなってくると困ったことがある。前の人が立ったら当然連鎖的にみんな立たなくてはいけなくなる。おくは構わないのだが連れは背が小さい。何とか座ってくれることを祈ってたものの選手が入場してきたらもう駄目である。サンフレッチェの選手を目の当たりにしただけで一種の興奮状態である。柏木、槙野、森脇、見てろよ、絶対に勝ってやるからな。選手紹介時この3選手へのブーイングが起こったことからも皆思ってることは同じである。同じ相手に2回も負ける訳がない。そんな自信にも満ちていたのだった。

 そしてハーフタイムには花火が上がるというアナウンスがあった。これはサンフレッチェの勝利の花火になるだろうと仲間が言う。そこまで楽観はしてなかったものの、嫌いだ嫌いだと言ってる花火を結局観ることになるのかと妙な因果を感じるのだった。

2013年8月 2日 (金)

浦和戦~因縁の対決

2013/08/03 浦和レッドダイヤモンズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 大宮との首位決戦を終えたと思ったらまたしても浦和との上位対決である。しかも今更言うまでもなく柏木、槙野、森脇とサンフレッチェユースからの生え抜き選手がほぼ毎年のように移籍していく。特に森脇は優勝した次の年に移籍という経緯にチームの弱体化が懸念された。代わりの補強ができる訳でもなく、それはある程度覚悟してた面はある。そして開幕戦でいきなり対戦して負けてしまった辺り、今シーズンの厳しさを目の当たりにした気分だった。もう今年は落ちなければいい、優勝したチームとは思えないような発言が聞こえてきたのも致し方ない話だろう。

 一方の浦和というと森脇を始め大型補強を行い本気度が伝わってきた。それはミシャ体制になった2年目、クラブ規模からいってもいい加減タイトルを狙わなければいけない状況になってる。サンフレッチェの前監督でもあるペトロビッチ、間違いなくサンフレッチェのサッカースタイルを創り上げてくれたのだが浦和で本当に自分の希望する選手を補強できるならどんなチームに仕立てるのか興味はあった。そして一定の成果を上げながらもまだ満足はできてないはずである。なぜならサンフレッチェの方が順位が上なのだから。

 これには監督のミシャも含めて移籍した3選手も心穏やかではないものがあるだろう。確かに年棒は上がったかもしれないが自ら離れたチームに順位で上回れたのである。直接対決があれば絶対に落とせないと闘志を燃やしてるはずだ。

 同じ監督が創り上げたということもあって両者のサッカーは似ている。共にこのサッカーの長所も弱点も知ってる。特に昨シーズン終盤での対戦では優勝を前にしてサンフレッチェの選手が緊張してまるでいつものプレーができなかったという悔しさがある。更に開幕戦でも負けてしまい今のとこミシャの浦和には12敗と負け越してるのである。お互い絶対に負けられない理由がある。そういう対戦が中2日で行われるというのがよりによってという感じである。

 当たり前だが勝てば勝つ程順位が上がっていった。だが順位が上がれば上がる程厳しくなってるような気がする。それが上位チームの宿命だろう。といってギリギリの試合を何とかモノにしてきたというだけでそこにちっとも余裕がなく首位にいるといってもちっとも強豪チームという自覚はないのだった。

 代表の東アジアカップから青山と高萩は連戦となるがそういう意味では浦和も同じであった。そのどこもかしこも似ているというのがまた因縁めいている。恐らくスタジアムで配布している選手カードも森脇になるだろう。そしたらそれはありがたく頂戴するものの毎年埼玉スタジアムでのサンフレッチェの試合はいつもサンフレッチェからの移籍選手がカードになってるというのが全てを象徴してるようだった。

大宮戦~石原ハットトリック

2013/07/31 サンフレッチェ広島vs大宮アルディージャ エディオンスタジアム広島

 スローインやゴールキックになった時、それだけでも息が抜ける。早く時間が経って欲しい状況ではほんの些細な時間稼ぎができればそれだけでもありがたい。だがそんな時、思ってもみない幸運に見舞われた。青山へのタックルが退場の判定が出たのである。苦し紛れのクリアだった。そこにスライディングがアフターで入ったのである。青山はピッチにうずくまっているものの1人退場は大きかった。

 ところが1人多くなったことがどれだけ優勢になったかというとそれはまるでないのだった。本当に1人多いのだろうか。コーナーキックでさえ時間稼ぎに使う慎重さでプレーするも簡単にボールを奪われてしまう。ミキッチに代わったファン・ソッコはパス回しでキックのスピードが遅くてカットされてしまう場面が何度かあった。せめてパスさえ回っていればそれで時間を費やすことができるのに。攻めることもできない。ボールも回せない。せっかくのマイボールがちっとも時間の消費につながらないのだった。

 そして右サイドでボールを受けた高萩。ミキッチだったらそのまま突破するだろうなというようなスペースが前方に空いてる。そこを突破は無理でも時間を使いたいものの後ろにも敵がいる。そこで高萩が選んだのは斜めに突き進む低い弾道のキックだ。ボールは出たもののそれは苦し紛れのように感じた。が、そのボールは軌道上に石原が走り込んでいたのである。ディフェンダーと競りながらも踵に当てた。キックとは言えないその石原の折り返しは逆サイドに転がる。キーパーは完全に逆を突かれ対応できずそのボールはゴールの隅、本当にギリギリの場所に入ったのだった。

 石原ハットトリック。石原、石原、石原!もう決まった。すでに時間はアディショナルタイム。試合を決定付けるゴール。苦しい苦しい時間のこのゴールはチームを助け、そして歓喜を与えた。点を取るのは寿人だけじゃない。石原もいた。待ち望んだゴール。大活躍である。

 5連勝。この言葉に卒倒しそうになった。まだまだ先は長いリーグ戦、それでもこの首位直接対決に勝ったというのはというのは大きかった。そして元大宮の石原が人生初となるハットトリックを決めた相手が大宮というのも因縁めいてる。前回のリベンジも果たした。苦しんで苦しんだ試合だったのに2点差で勝ったことにあの弱くて頼りないサンフレッチェはどこ行ったんだろうなどと思うのだった。

2013年8月 1日 (木)

大宮戦~石原の勝ち越し点

2013/07/31 サンフレッチェ広島vs大宮アルディージャ エディオンスタジアム広島

 攻められ攻められ攻められる。1点取ったその余裕はどこへやら、いや、もしかして1点取ったからこそだろうかサンフレッチェは防戦一方である。跳ね返しても跳ね返しても相手にボールが渡る。サイドをえぐられ肝を冷やす。中央にパスを通され肝を冷やす。そしてシュートをバーに当てられた時には本当に肝を冷やされたものだった。

 もしかして失点は時間の問題。そんなネガティブ思考が頭を過ったが前半は無失点で乗り切ることができた。あと45分。何て長いんだろうと気が遠くなるのだった。

 そして後半になるとついにズラタンが入ってきたのである。これがマズイ。ここまで一方的に攻められてて失点を押さえていたのは西川の好セーブもあったもののシュートの精度のなさにもずいぶん助けられた。こういう時シュートの上手い選手、個で打開できる選手がいるとまずい。何せボールは最後の1歩手前まで来てるのだから。決める選手としてズラタンを送り出したのは明らかだった。

 サンフレッチェは後ろに人数を揃え相手の攻撃をしのいでいく。時々パスカットして逆襲に出そうになると決まってあっという間にボールを奪われてしまう。どうしても前線に見方がいない為手詰まりになってしまうのだ。何とかこの流れを切りたい。ゴールキックになった時などは一息つけるのだがそれもなぜかすぐに相手ボールになってしまう。その時間わずか3秒くらいしか稼げない。せめて6秒くらい稼いでくれよと嘆くのだった。

 もはや高萩や石原という攻撃の選手まで深い位置まで下がり守備をする。だが所詮守備の役割ではないという意識があるのだろうか、高萩はあっさりと背中を取られ抜かれてしまう。高萩もすぐに切り替えて身体を寄せるとかすれば良いものをすんなりと諦めてしまった。その時、ゴールまでの一筋のコースが空いたのである。ほんの一瞬であったがその瞬間を逃すことなく蹴ったボールはゴール片隅に入ったのだった。

 痛い同点だった。ここから点を取るというのは限りなく不可能のように思われた。防戦一方で攻撃に行く機会がない。もはや同点で満足しなくてはいけないのだろうか。せっかく先制点を入れながらそれで勝つことができない。あの失点さえなければ。あの失点。ああ、何とかならなかったんだろうか。終わってしまったプレーに対して後悔の念がいつまでも消えないでいたのだった。

 そんな時フリキックの判定を貰った。ゴールまでは距離がある。どうせ入らないんだからキック力のある青山がミドルシュート狙ってしまえばいい。だがボールの前に立ったのは高萩なのだった。高萩のキックはちっとも期待できない。直接狙えば枠を大きく外してしまう。誰かに合わすにも縦の位置なので難しい。そもそもこの試合におけるセットプレーでの高萩のキックの質の悪さは劣悪だった。まるでスタンドへ向けて打ってるのかと言わんばかりのキックに一体どこ狙ってるんだよと悪態をついてしまった。

 だがこの時の高萩のキック。スピードはないが山なりの軌道は横一線になった大宮ディフェンスラインを越え、なおかつキーパーにも届かない地点へ落下した。そしてその地点こそまさに石原が飛び出した場所であり飛び上がった石原は頭で軌道を変えゴールに入れたのだった。

 そのあまりにも正確なキックと抜群のタイミングの飛び出しに本当にゴールなのかと反応できなかった。だがオフサイドの旗は上がらない。石原によって勝ち越し点が決まったのだった。

 残り時間はもう少ない。もうこれは絶対に勝っておきたい。それだけに途方もなく時計の進むのが遅く感じられるのだった。

大宮戦~リベンジの舞台

2013/07/31 サンフレッチェ広島vs大宮アルディージャ エディオンスタジアム広島

 平日というのにスタンドは紫で染まってた。折り返し地点の初戦、首位決戦、4人の代表選手、それらの要素は客が入るには大きな動機となり得た。ただ、それがそのまま集客につながらないのが広島。何度も期待外れな観客動員に慣れてしまったが為その面ではもう期待をしなくなってしまった。少なくともそうすれば傷つくことはない。ああ、我ながら何て自虐的なんだろう。

 そして試合のスターティングメンバーの発表があった。何とサンフレッチェは東アジア選手権に出場した選手が皆出場している。GKの西川はまだしもフィールドプレイヤーの高萩と青山は大丈夫なんだろうか。中2日の強行日程である。かといってこの2人に代わる選手はなかなか見当たらずこの試合の重要性を考えたら致し方ない選考であった。

 対して大宮にはベンチにズラタンが入っていた。今シーズン前節までずっと首位に君臨していた好調の要因は間違いなくこの外国人選手の力が大きい。しばらく怪我で戦列を離れてたが何でよりによってこんな時復帰するのだろう。守備一辺倒の展開になった時、こういう個で突出した選手がいるとやられてしまう。そんな選手が控えにいるというのが不気味でしょうがないのだった。

 アウェイの試合では見事に負けてしまった。そのリベンジを果たすべき舞台が首位決戦である。そして前回は相手のカウンターにGK増田が身を挺して防ぎに行ったのが衝突してしまい救急車で運ばれるという事態になった。その際大宮ゴール裏からは増田コールが起こり美談として持ち上げられたが負けたこっちとしてはそんな気持ちの余裕はない。むしろ怪我をしてゴールも決められ踏んだり蹴ったりだ。今度は負けたくない。絶対に負けたくないとふつふつと感情が沸き立つのだった。

 そんな今度こそはという想いのせいか、サンフレッチェは立ち上がりからボールを支配する。いいようにボールを回し相手に取り所を与えない。そして高萩の出したグラウンダーのパスは相手のディフェンスラインをざっくりと切り裂き右サイドへと流れていく。縦へ走った山岸は追いついた。そして切り替えしによりマーカーを外すと中央に山なりのクロスを上げたのである。ゴール前で構えていた大宮ディフェンス陣の頭を超え石原の頭へピンポイントに当たりゴールに入るのだった。先制点。トップ下、シャドーという攻撃的なポジションながらなかなかゴールに恵まれなかった石原が古巣相手に決めることができた。思わぬ人が思わぬ形で決めたのだった。

 これでもうサンフレッチェはいつものパス回しをしていたら相手に付け入る隙はないだろう。開始間もない得点は試合を楽にさせる。NACK5スタジアムの時のようにはいかないぞと余裕の気分になるのだった。あと90分近く失点しなきゃいい。そんな想いが逆にこの試合を難しくしたのかもしれないのだった。

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