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2013年7月29日 (月)

東アジアカップ初優勝

2013728日 東アジア選手権 日本vs韓国 蚕室五輪スタジアム

 東アジア選手権、第3戦。第1戦の中国戦と同じメンバに戻り西川、高萩、青山がスタメンで登場した。他にも槙野や駒野といった元サンフレッチェの選手もいる。更にはサンフレッチェの下部組織に所属してた森重もいる。サンフレッチェを応援する身としては今まででにない楽しめるメンバーである。選手入場の時、心ときめいてしまったのだった。

 立ち上がり、日本は攻撃に行く姿勢を見せながらもすぐにペースは韓国に奪われてしまう。でもこんなのは試合を通せば必ずある時間帯だ。我慢の時間。ここを堪えしのげば必ずチャンスはある。そう思っていたものの日本のチャンスはなかなか訪れない。それどころか一方的に攻められもう弾き返すのが精一杯だ。跳ね返しても跳ね返してもボールは相手に渡りまた攻められる。ボールがラインを割ってゴールキックやスローインになっても相手ボールになってしまう。それ故に試合そのものがほとんどコートの半分でやってるような様子になってしまった。これってどこかで見た光景のような。

 どうしてもボールが取れない。うまくカットしてもパスの精度が悪くつながらない。競り合いではほぼ負けてしまいドリブルはまるで通用しない。Jリーグであれだけボールキープをしてきた高萩はボールを3秒くらいしか持てない。青山はどこにいるのか分からない。唯一キーパーの西川だけは安定したセービングで見せ場を創ってる。だがこれはそれだけシュートやクロスを入れられてるということの裏返しで手放しで喜べる状況ではないのだった。

 Jリーグの選手だけによる日本代表。それだけにこちらの期待も膨張してたのだがそれは虚脱感に変わりつつあった。Jリーグってやっぱりレベル低いのか。そんな卑下した気持ちになった時青山がボールカットから前線へロングボールを蹴った。青山、それはサンフレッチェでは通用するがここでは無謀だろうと思ったもののその先には日本の選手が1人ボールの落下点へと走ってた。これが韓国ディフェンスラインの裏を取り完全なるキーパーとの11へと持ち込む。背後から押し寄せるディフェンダー。それらが追いつく前に放ったシュートは見事キーパーの脇をかすめゴールに突き刺さったのだった。

 決めたのは柿谷。シュートの決定力も大したものだがよくあの青山のパスを感じてくれたものだ。圧倒的に攻められてる時に1本のパスでゴールを決めてしまう。これこそが青山の醍醐味なのだ。TⅤでは決して触れないことだったがぼくはそのロングパスに恍惚となるのだった。

 これで前掛かりとなる相手には隙が生まれてくる。劣性だった試合は有利になる。そんな希望的観測はあっという間に崩れてしまった。そもそも最初から攻められっ放しだった日本にとってこの得点によって変わったことと言えばより攻められるようになったというだけである。攻められ攻められ攻められる。そして失点してしまった。相手の壁パスからのミドルシュート。西川の精一杯伸ばした手も届かないスーパーゴールだった。何でこんなシュートが飛び出してしまうのだ。

 こうなればもう引き分けで終われば御の字。耐えて耐えて耐えきってくれと願うのだった。時間と共に青山のファールが多くなる。それにより余裕のなさが窺い知れた。選手はもう一杯一杯なんだな。遂には槙野が足を吊って交代してしまった。

 ところがこの槙野に代わって入った徳永がずいぶん安定したプレーを見せ右サイドからの攻撃を封じてしまう。その為かボールが前に行くようになった。中盤でもプレスが緩くなり速攻の機会が何度か訪れる。ただその度に高萩のパスは見方と合わなかった。ボールを取られてしまった。少なくとも高萩が中心に攻撃を組み立てられることはなかったのである。

 その為最後は大型FWの豊田に交代してしまった。とにかく日本は前に大きく蹴りだして豊田に競り合いに勝ってもらうというセイフティファーストの戦法に打って出た。それで失点しなければ引き分けでとりあえずこの大会の優勝は決まる。例えこの試合引き分けても3試合トータルで勝ってればいいという実利を取ったのである。

 それはサッカーという競技において正攻法であろうものの観てるこちらとしては釈然としないものもあった。もしこれがお互いがっぷりと組み合った中での攻防で引き分けたのなら納得もいこう。だけど防戦一方、やられてやられてやられまくってる。そんな蹂躙されたような試合でゴール前を固めて引き分けに持ち込んだというのではあまりにも惨めだった。

 そんな残り時間も少なくなった時、原口がペナルティエリアに切り込むのだった。角度はなかったがシュートを放つ。キーパーに弾かれ逆サイドに流れる。だがそのセカンドボールの先には柿谷が。左足で放ったシュートはゴールの隅に入ったのだった。

 劇的である。もう残り時間もほとんどない。あれだけ耐えて耐えた展開で勝ち越し点を入れてしまった。あと耐えるのは3分だ。

 その後の3分は更に攻められに攻められた。日本はコーナーキックに逃げるのが精一杯。だがそれは一瞬攻撃を止めただけでピンチは続いていくのだった。耐えに耐えに耐えた。もうみんな守備に回る。FWの豊田まで守備に廻りシュートをクリアする。そして終了のホイッスルを聴いたのだった。

 ああ、今までまるで相手にされなかったJリーグの選手だけによる日本代表。皮肉にもこのメンバーで初めてこの大会の優勝を飾ることができた。それでいて守備一辺倒だった試合にやきもきしながらも最後には勝ってる。この展開もどこかで見たような気がする。そういえば大会前のJリーグでサンフレッチェはこんな試合を2試合もしてしまった。それにより、どこか不思議な気分になる東アジア選手権なのだった。

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