浦項戦~やっと掴んだ勝ち点1
2013/04/10 ACLグループステージ 浦項スティーラーズvsサンフレッチェ広島 スティールヤード
サンフレッチェの試合があるのが楽しみだ。
そんなことを言ってた時期があった。勿論今でもそうだが事、ACLに関してはそんな気分にはならなくなってしまった。苦痛、苦行、そんな言葉が当てはまる。元々選手層の薄さから勝ち上がることは考えてなかったのかもしれないが、3試合戦い勝ち点0というのはさすがに辛い。これなら出場しないで国内でナビスコカップでもやってる方が良かった。そんな気分にさえなってくるのだった。
ACL。一部には罰ゲームという呼ばれ方をされてる。確かに客入らないし注目度もないし厳しい過密日程を戦い抜いても賞金も低くクラブにとってあまり利益のないものだというのがその意味に含まれてる。が、正直なとこそこにはやっかみが多く含まれてる。結局出ても勝てない。Jリーグのクラブはことごとく勝てない。言ってみれば負けた言い訳のようなものである。そして前シーズン優勝チームとして出場したサンフレッチェ。勝てないどころか全て負けてしまってる。もうこれは辛い。観るに堪えれない。サンフレッチェの試合があればいつだって楽しみにしていたぼくがこんな苦痛を感じるとは。やはりACLとは苦行の場ではないか。
いや、よく考えると2007年のJ2降格の決まったシーズン、毎試合負けていた時も辛かった。その前の小野監督時代はそのつまらないサッカーに絶望していた。更にその前の2002年のJ2降格の時は本当に悲嘆に暮れたものだ。そう思えばACLでの全戦全敗なんて別にどうってことない気がしてきた。そうだ、辛いことは一杯あったんだ。
これで元気が出てきた。さあ、気を取り直して試合を観よう。ところが画面に飛び込んだのはACLで続けてきた情けない試合だった。
ボールが前に行かない。パスでミスが出る。クリアしてもクリアしても敵にセカンドボールを拾われる。一体何をやってるんだ。このACLでサンフレッチェはその一連のプレーに魂がないというかもしかしてわざとやってるんじゃないかというようなプレーをやってしまうのだった。
ただ救われたのは西川のセービングが当たってたのと浦項のシュートが枠を外れてくれたことだ。あれだけシュートを食らっててよく失点しないものだ。もういつ失点してもおかしくはない。いや、むしろその内失点するだろう。そんな諦めた目で見ていたのだった。
ところが後半に入り高萩が入り状況が変わった。ボールの持てる高萩にボールを納められる石原。この2人による貢献が大きかった。それでピッチを退いたのは寿人。実はリーグ戦でもこの形の方がチャンスが創れるのではと思っていたが森保監督もついに決断したようである。ワントップにボールを触ることもできない寿人ではなくボールに食らいついていける石原。これにより攻撃に活力が現れたのだった。
そして得たバイタルエリアでのフリーキック。蹴るのはパク・ヒョンジン。ヒョンジンが蹴った瞬間浦項の選手はオフサイドトラップの為ラインを上げその逆を突いた水本が石原へ折り返す。そしてどフリーの状態合わせた石原のシュートはすとんと入ったのである。
先制点。まさかこの圧倒的劣性の試合で先制するとは思わなかった。石原ACL、2ゴール目である。もはや石原しかゴールの可能性がないのだった。
このまま残り時間を過ごせるか。その想いが浮かれる感情を押し殺すのである。何といっても逆転負けはサンフレッチェの専売特許である。いつまた失点するか。というより何分持つんだろう。そんなことを考えてしまったのだった。
するとやはり5分くらいして綺麗に失点してしまった。守備の人数も揃ってたのに何の効果もなかった。まるで案山子である。実は点を入れたかったらいつでもいれることができたと浦項の選手に言われそうなくらいあっさりと失点してしまったのである。ああ、やはりACLで勝つことはできないんだ。
そして引き分けに終わった。この引き分けは敗退も意味してた。実は3連敗した時点でもう終わったとは思っていたのだが。それでも勝ち点1は取ることができた。0だとさすがに恥ずかしい。それでもJリーグ優勝チームの初めての予選リーグ敗退という不名誉な記録を作ってしまった。これは永遠に語り継がれることだろう。そしていつかその不名誉な経験があったからこそ飛躍したと言える時期が来ることを願っている。野津田や岡本がそういうコメントをしてくれる日が来ると信じている。そう、サンフレッチェは辛い想いを続けてやっとJリーグで優勝できたということを忘れてはいけない。そう自分に言い聞かせるのだった。
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