ゼロックスに向け
J1王者広島と柏、FWが対抗心 今季開幕開けのゼロックス杯
昨季のJ1王者広島と、天皇杯全日本選手権優勝の柏が対戦する富士ゼロックス・スーパーカップ(2月23日・国立競技場)の記者会見が17日、東京都内で開かれ、広島の佐藤、柏の工藤の両FWが対抗心をあらわにして熱戦を誓った。
昨シーズンのJリーグ最優秀選手で得点王に輝いた佐藤が「工藤君に負けないようにFWとしてゴールを決めたい」と意気込めば、今季背番号9を背負う工藤も「佐藤選手の前でしっかりゴールを決めたい」と応じた。
(中国新聞)
ゼロックス・スーパーカップ。その存在意義を問う声がある。そんなものは興業だと言えばそれで終わってしまうのだがそもそもそんなことを言えるというのが贅沢な話なのだった。2008年、タナボタ式に廻ってきた初めての出場にサンフレッチェ・サポーターは沸いた。前年のリーグ戦王者と天皇杯王者の対決というどちらも縁のなかったサンフレッチェにとってそれは夢のような舞台だった。その結果が成績とは何の関係もないものだとしても。
そのシーズン、サンフレッチェは前年降格してしまったことでJ2でカテゴリーとされてしまった。相手はJ1王者鹿島。ということはJ1のチームとJ2のチームとの戦いだ。これにはサンフレッチェのサポーターを含む誰もが厳しい結果を予想してた。恐らく鹿島にしてみれば軽く相手をいなしてシーズンの弾みにしようくらいの余裕があっただろう。そしてあっさりと失点をしてしまいやっぱりそういう展開かと諦めたものだった。
しかし、その後奇跡は起こった。久保がPKを貰ったのである。その判定に鹿島からは不満たらたらである。その状況にも久保は何ら影響されることもなく簡単に決めてしまうと俄然勢いを増してしまった。そしてサイドからのクロスを寿人が身体を倒しながらもゴールに入れてしまう。その光景はもう何年も経っているというのに今でも目に焼き付いてるのだった。
その結果引き分けとなりPK戦へ。その時GKの木寺が大当たりだった。別に木寺がファインセーブを連発したのではない。ただ立っていたのである。だがその立ち振る舞いが功を奏したのか鹿島の選手が次々にPKを外してしまったのだ。そして最後のキッカー寿人。一度は失敗したものの審判にやり直しを命じられここできっちり決めることができた。サンフレッチェが大会を制した初めての瞬間だった。
この時鹿島からは審判への抗議が相当にあった。確かにこの試合においてカードを連発したことにより2人も退場者が出たという経緯もある。そしてPK戦で2回もやり直しを命じたという経緯もあった。だが一番気に食わなかったのはJ2のチームに負けたということだったのだろうと思う。だからこそあそこまで熱くなったのだろう。
あの時表彰台に上る選手を誇らしく観たものだった。J2に落ちてしまったけど本当はJ1のチームとも戦えるチームなんだという信念を持てた。そしてJ1王者に勝ったのに翌週からはJ2のカテゴリーで戦わないといけないという葛藤もあった。単なる興業でしかない大会であるのに深く、大きく印象に残ることになったのである。
その当時と比べるとこの大会自体へ向けての意気込みは小さくはなってしまった。むしろACLなどの過密日程を考えるとサブの選手を積極的に使って欲しいとも思う。そうなると確かにこの大会の存在意義はという先の問題点に行きついてしまうのだ。
だがぼくはこう考える。各チームシーズン前にプレシーズンマッチを組むがそれをJリーグがちゃんと大会の形式を取ってやってくれると。そしてそれをお金を貰ってやることができると。そう考えれば決して無駄ではない。そして何より試合があれば何かがあるのだ。ただの興業であるはずのゼロックスだが2008年の勝利は強烈に印象に残ってる。そして今回も試合をする限りは何かがあるはずだと考えるのだった。
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