« オークランドシティ戦~勝手の違い、雰囲気の違い | トップページ | アルアハリ戦~国際試合の多様性 »

2012年12月 8日 (土)

オークランドシティ戦~国際試合の難しさ

2012/12/06 クラブワールドカップ開幕戦 サンフレッチェ広島vsオークランドシティ戦 横浜国際競技場

 2階席を閉鎖しているせいかスタジアムは閑散とした印象だった。カテゴリー4に続いてカテゴリー3も売切れてた割に空席があるのはどういうことなんだろう。そして全席指定席という条件がなかなかゴール裏に一体感を産むのがむずかしかった。その為応援もどこかおとなしい。ぼくの周りでは手拍子は合わせるもののコールに合わせて声を張り上げるとはっきりと浮いてしまう雰囲気があった。

 そんなぎこちない雰囲気はピッチの中も一緒だった。いや、積極的に前からボールを奪おうとしている。それなのに攻撃もミキッチの単独突破とどこか単調。左右からクロスを入れるも全て中央で弾き返される。あの背の高いオークランドシティの選手にサンフの選手は競り勝てない。それなら中央がある。真ん中から裏へ抜けるボール、寿人を狙ったラストパスはことごとくカットされシュートに至らない。何でここまで堅いんだ。オークランドのゴール前には巨大な壁がそびえているかのようだった。

 そんなゴール前を固めた相手から点を取るのは至難の業である。寿人の裏への飛び出しも左右に散らしてのシュートもオフサイドやGKのセービングに防がれてしまう。そう、このGK、何でこんなに反応してしまうんだ。これを崩すには、とにかくシュートを打つしかないだろう。

 しかし、シュートは入らない。それはまるでゴールから逸れるようにボールが逃げていくのだった。入らない、入らない。ボールは支配しててもゴールが入らない、こういう試合の時一発のカウンターでやられたりするものだ。そういう場面を何度も観てきてるだけに不安という名の靄がじわじわと漂ってくるのだった。

 一体何が悪いんだろう。ハーフタイムに近くに知り合いがいたので話し合った。後ろからロングボールで裏を狙うべきだとぼくは論じた。だが決してそんな動きをしなかったわけではない。シュートも打たなかった訳ではない。でもことごとくブロックされてしまう。ゴール前のラストパスもことごとくブロックされてしまう。まるでその動きを熟知してるかのようだった。そう、オークランドはサンフレッチェのことを相当研究してたに違いないのだった。

 こういう静かな前半を折り返した後半は必ずピッチを上げてくる。攻撃の方向もサンフサポのいる北ゴール裏へ向かってくるので熱が入る。選手の運動量も上がってきたような気がする。それにより前半座ってた人も立ち上がり声を張り上げるようになってきた。もっと遠くからでもシュート打て!

 すると高萩が低い弾道のミドルシュートを打った。ガツン、とポストに弾き飛ばされる。何であれが入らないんだ。だが攻勢はまだ続いてる。千葉から長いパスが出ると攻撃のスイッチが入る。駆け上がったミキッチは右からクロスを入れる。ゴール前でDFの間からヘディング。GKがブロック。そのこぼれをシュート。それも阻まれる。何て何て堅いゴールなんだ。だがボールはまだ生きていたのだった。

 ルーズボールを拾った寿人は右サイドへ逃げボールを下げる。前に入れたくも買たるエリアは敵のブロック。ボールはその周りを軌道するしかない。横へ出し横へ出す。そして青山へ渡った時、一瞬だけゴールまでの軌道がぽっかり空いた。その一瞬、その好機を逃さなかった。青山は一閃、足を振りぬくとボールはゴールめがけて飛んできたのだった。

 そのボールの軌道はまるでGKをよけながらゴールの隅を突くというまさにそこしかないという空間を伝っていった。あれだけシュートを防いでいたGKもゴールが入ったことを確認すると頭を抱えてしゃがみこんでしまった。入らない、入らないと思ったシュートはその難攻不落さ故に青山のスーパーゴールが生まれたような気がした。1点を入れる為にはこんなシュートを決めないといけない。改めてサッカーの難しさを知るのだった。

 このゴールによりゴールらのボルテージは一層上がる。まだチャンスはある。1点ではなだ危ない。森脇もミドルシュートを放つ。だけどこれもバーに跳ね返される。一体何回バーやポストに阻まれるんだ。

 先制したことでメンバー交代する余裕も生まれたがミキッチに代わって入ったファン・ソッコは球離れが悪い。ペナルティエリアに近付くと迷ってしまう。それによりボールを奪われカウンターを食らってしまう。ああ、落ち着かない、落ち着かない。もう2、3点欲しいと思ってたぼくはもうこのまま時間が過ぎればよくなってしまった。

 ここにきて相手の攻撃に厚さが増してきた。ペナルティアリア内からシュートを打たれた時にはさすがにやられたかと肝を冷やした。だが運よく外れてくれて安堵の溜息をつくのだった。

 そして終了のホイッスルを聞いた時、喜びと同時に肩の荷が落ちるような気がしたのだった。開催国枠出場チームとしてのノルマ、とりあえずはそれは果たしたのではないだろうか。でも難しかった。相手はセミプロのチームなのにこんなに苦労するとは。国際試合の手強さを思い知った気がしたのだった。

 来シーズンACLではこんな戦いが続くんだろうか。だとしたら気が遠く遠くなっていくのだった。

« オークランドシティ戦~勝手の違い、雰囲気の違い | トップページ | アルアハリ戦~国際試合の多様性 »

コメント

お疲れ様でした。非常に寒かったですね。
試合についてはあれだけ引かれると難しくなるという典型的な試合でしたね。遠目からのシュートが効果的だなと思っていた矢先の決勝ゴールだったのは驚きましたが、ゴール自体は素晴らしかったと思います。いろいろな意味で国際試合は難しいですね。来年のACLも厳しいでしょうね。
月曜日は仕事なので悩みましたが、明日は豊田スタジアムに行くことにしました。

>ゆみしんさん

豊田スタジアムは雪が降って寒そうでしたね。
お客さんもまばらだったので改めて横国でやってもらいたかったです。
結果については残念としか表現ができません。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« オークランドシティ戦~勝手の違い、雰囲気の違い | トップページ | アルアハリ戦~国際試合の多様性 »

最近のトラックバック

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

JリーグPR

  • Jリーグ2010特命PR部員 Miles