オークランドシティ戦~国際試合の難しさ
2012/12/06 クラブワールドカップ開幕戦 サンフレッチェ広島vsオークランドシティ戦 横浜国際競技場
2階席を閉鎖しているせいかスタジアムは閑散とした印象だった。カテゴリー4に続いてカテゴリー3も売切れてた割に空席があるのはどういうことなんだろう。そして全席指定席という条件がなかなかゴール裏に一体感を産むのがむずかしかった。その為応援もどこかおとなしい。ぼくの周りでは手拍子は合わせるもののコールに合わせて声を張り上げるとはっきりと浮いてしまう雰囲気があった。
そんなぎこちない雰囲気はピッチの中も一緒だった。いや、積極的に前からボールを奪おうとしている。それなのに攻撃もミキッチの単独突破とどこか単調。左右からクロスを入れるも全て中央で弾き返される。あの背の高いオークランドシティの選手にサンフの選手は競り勝てない。それなら中央がある。真ん中から裏へ抜けるボール、寿人を狙ったラストパスはことごとくカットされシュートに至らない。何でここまで堅いんだ。オークランドのゴール前には巨大な壁がそびえているかのようだった。
そんなゴール前を固めた相手から点を取るのは至難の業である。寿人の裏への飛び出しも左右に散らしてのシュートもオフサイドやGKのセービングに防がれてしまう。そう、このGK、何でこんなに反応してしまうんだ。これを崩すには、とにかくシュートを打つしかないだろう。
しかし、シュートは入らない。それはまるでゴールから逸れるようにボールが逃げていくのだった。入らない、入らない。ボールは支配しててもゴールが入らない、こういう試合の時一発のカウンターでやられたりするものだ。そういう場面を何度も観てきてるだけに不安という名の靄がじわじわと漂ってくるのだった。
一体何が悪いんだろう。ハーフタイムに近くに知り合いがいたので話し合った。後ろからロングボールで裏を狙うべきだとぼくは論じた。だが決してそんな動きをしなかったわけではない。シュートも打たなかった訳ではない。でもことごとくブロックされてしまう。ゴール前のラストパスもことごとくブロックされてしまう。まるでその動きを熟知してるかのようだった。そう、オークランドはサンフレッチェのことを相当研究してたに違いないのだった。
こういう静かな前半を折り返した後半は必ずピッチを上げてくる。攻撃の方向もサンフサポのいる北ゴール裏へ向かってくるので熱が入る。選手の運動量も上がってきたような気がする。それにより前半座ってた人も立ち上がり声を張り上げるようになってきた。もっと遠くからでもシュート打て!
すると高萩が低い弾道のミドルシュートを打った。ガツン、とポストに弾き飛ばされる。何であれが入らないんだ。だが攻勢はまだ続いてる。千葉から長いパスが出ると攻撃のスイッチが入る。駆け上がったミキッチは右からクロスを入れる。ゴール前でDFの間からヘディング。GKがブロック。そのこぼれをシュート。それも阻まれる。何て何て堅いゴールなんだ。だがボールはまだ生きていたのだった。
ルーズボールを拾った寿人は右サイドへ逃げボールを下げる。前に入れたくも買たるエリアは敵のブロック。ボールはその周りを軌道するしかない。横へ出し横へ出す。そして青山へ渡った時、一瞬だけゴールまでの軌道がぽっかり空いた。その一瞬、その好機を逃さなかった。青山は一閃、足を振りぬくとボールはゴールめがけて飛んできたのだった。
そのボールの軌道はまるでGKをよけながらゴールの隅を突くというまさにそこしかないという空間を伝っていった。あれだけシュートを防いでいたGKもゴールが入ったことを確認すると頭を抱えてしゃがみこんでしまった。入らない、入らないと思ったシュートはその難攻不落さ故に青山のスーパーゴールが生まれたような気がした。1点を入れる為にはこんなシュートを決めないといけない。改めてサッカーの難しさを知るのだった。
このゴールによりゴールらのボルテージは一層上がる。まだチャンスはある。1点ではなだ危ない。森脇もミドルシュートを放つ。だけどこれもバーに跳ね返される。一体何回バーやポストに阻まれるんだ。
先制したことでメンバー交代する余裕も生まれたがミキッチに代わって入ったファン・ソッコは球離れが悪い。ペナルティエリアに近付くと迷ってしまう。それによりボールを奪われカウンターを食らってしまう。ああ、落ち着かない、落ち着かない。もう2、3点欲しいと思ってたぼくはもうこのまま時間が過ぎればよくなってしまった。
ここにきて相手の攻撃に厚さが増してきた。ペナルティアリア内からシュートを打たれた時にはさすがにやられたかと肝を冷やした。だが運よく外れてくれて安堵の溜息をつくのだった。
そして終了のホイッスルを聞いた時、喜びと同時に肩の荷が落ちるような気がしたのだった。開催国枠出場チームとしてのノルマ、とりあえずはそれは果たしたのではないだろうか。でも難しかった。相手はセミプロのチームなのにこんなに苦労するとは。国際試合の手強さを思い知った気がしたのだった。
来シーズンACLではこんな戦いが続くんだろうか。だとしたら気が遠く遠くなっていくのだった。
« オークランドシティ戦~勝手の違い、雰囲気の違い | トップページ | アルアハリ戦~国際試合の多様性 »
お疲れ様でした。非常に寒かったですね。
試合についてはあれだけ引かれると難しくなるという典型的な試合でしたね。遠目からのシュートが効果的だなと思っていた矢先の決勝ゴールだったのは驚きましたが、ゴール自体は素晴らしかったと思います。いろいろな意味で国際試合は難しいですね。来年のACLも厳しいでしょうね。
月曜日は仕事なので悩みましたが、明日は豊田スタジアムに行くことにしました。
投稿: ゆみしん | 2012年12月 8日 (土) 12時24分
>ゆみしんさん
豊田スタジアムは雪が降って寒そうでしたね。
お客さんもまばらだったので改めて横国でやってもらいたかったです。
結果については残念としか表現ができません。
投稿: Miles | 2012年12月11日 (火) 09時47分