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ぼくのミュージック・ライフ

  • Songs Remains the Same
    Led Zeppelin: 聖なる館
    数あるレッド・ツェッペリンの名曲の中でもこれが特に好き。この曲はダブルネック・ギターがあったからこそできたような曲でこういう変則的なギターを使いこなしてるという意味でもジミー・ペイジは凄い。ロックの歴史の中で数々のギターを使ったギタリストはいたがこうしてちゃんと曲のクオリティーを保った形で生かした例というのは他にないのではないだろうか。だからぼくはレッド・ツェッペリンのライブではこの曲が一番聴きたい。そういう意味でDVD、CD含めてライブの音源が一枚しかないというのは勿体無い。だからツェッペリンの海賊版はやたらと高いんだろう。 (★★★★★)
  • モータウン・ジャンク
    Manic Street Preachers: ジェネレーション・テロリスト
     ぼくはこの曲を聴いた時はぶっ飛んでしまった。パンクのエモーショナルな躍動感がありそれでいてヴォーカルの高い声。パンクとは一線を引いてるようでその情熱はパンクだった。ハードロックとも言えないその曲調はこのバンドの大きな特徴だった。  元々このバンド、2枚組みのアルバムを出して解散すると豪語してたが結局15年経った今でも活動している。しかもCDは当時より売れて作品の評価も高くなってる。同時期に出たバンドがまるで残ってないことからすると相当に快挙である。それについて本人達ももっともらしいコメントを出すがそれがいかにも洗練されてる。パンク的でありながら教養のある人達だというのが分かる。そのどうしようもなくハチャメチャでありそうでいながら実はごくマトモな人達というギャップが親近感を呼んでる。だからこのバンドの曲は歌詞までジックリと読んでしまう。  しかし、この人達の作品は結構多く全部網羅するのは骨が折れる。この音楽へのバイタリティ、これだけは間違いなく本物だということだ。 (★★★★★)
  • ルイ・ルイ
    Johnny Thunders: New Rose Collection
     ジョニー・サンダースの死後に出たライブ音源とアコースティック・ギターによるスタジオ録音を音源に編集したアルバム。その中でもこの曲とDo You Love Meは圧巻だった。ラジカセで録ったような音源であるが、それが逆に臨場感を出している。分かる人にしか分からないという作品だ。  ちなみに現在このCDが売ってるのかどうか知らない。これだけセンスのある人がこんなカルト的な存在で終わってしまったのは理不尽な気がする。だからこそ好きな人にはよりたまらない存在になってしまうのだ。 (★★★★)
  • ロクサーヌ
    Police: ロクサーヌ
     これが売春婦に関する歌だと知ったのはずっと後のこと。歌詞も分からずずっとこの曲を聴いていた。勿論歌詞を知ってからもこの曲は大好きな曲だけど。  本当かどうか知らないけどこの曲の入ってるファースト・アルバムはわざと下手に演奏したらしい。理由は当時パンク・ニュー・ウェーブのブームの中でスタイルを合わせたということだろう。そしてセカンド・アルバムでは実力に見合った演奏で上手くなったと思わせたらしい。そういわれてみるとファーストでは音数が少ないシンプルな曲が多いような気がする。このバンド、5作しかアルバムがないのだがそういう抜け目なさというのは元から持ってたようだ。5作とも素晴らしく駄作のないバンドだった。 (★★★★★)

ぼくのブック・ライフ

  • トニー・サンチェス: 悪魔を憐れむ歌
    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

サンフレッチェの魂~リンク集

  • SANFRECCE Diary
    このブログを読んでる人ならすでに知ってるだろうから今更リンクを貼るのが恥ずかしい気もする。 何せこのサイト1997年から毎日更新してるというのが凄い。 過去の記事などはぼくも参考にさせてもらうことも多い。 継続は力なりというが実際には継続するのに力がいる。 そういう意味でも管理人のせと☆ひできさんは偉大である。
  • ススボウブログ
    自分サッカーやグルメについてのブログということです。 かなり熱心に応援してる方のようです。
  • ひろしま日記&サンフレッチェコーナー
    試合を時系列で紹介したりかなり凝った内容となってます。 現地の様子など行った人でしか分からないことがあり興味深いです。 試合に行った人も行けなかった人も楽しめるのではないでしょうか。
  • ゆみしん徒然の書
    ゆみしんさんのブログ。本当に色んなスタジアムに観戦に出かけて現地の様子をレポートしてます。観戦者視点でそれぞれのスタジアムの様子が分かり現地に行く時の参考になりそうです。
  • Scud Sanfrecce
    MICRAさんのサイト。ここの特集のコーナーは必見。サンフレッチェはなぜ人気がないかという考察については今までに見ない観点がある。是非一度読んでください。
  • ヒロシマ・コーリング
    今そこにある危機。サンフレッチェにはメディアが少ない。その為妙にぬるい記事が目立つ。そんな甘い現状にこのまま放置していいのかという危機感を感じた時発言していく。

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2012年11月30日 (金)

優勝の余韻

 「ない」

 そう銘打たれたメールは広島のタイセイさんからだった。それには本屋で3軒廻るもどこにも『サッカー・マガジン』と『サッカー・ダイジェスト』の姿がなかったということだった。挙句の果てコンビニでようやく『サッカー・マガジン』を手に入れたということだった。関東にいるぼくは当然どちらも手に入れることはできた。そもそも発売日に買いそびれたぼくは何と駅前の露店で150円の古本を買ってしまった。何とも貧乏臭いもののたまたま目についてしまったんだからしょうがない。

 その前には『エル・ゴラッソ』を買い優勝の翌日には特に一般紙を注目してみた。どうせサンフレッチェだから取り上げてはくれまいと思いきや『読売新聞』は1面にカラー写真で紹介されその記事も意外と的を外れたものではなかった。地方クラブの持つ不利な点、お金がなく自前で選手を育成しなくてはいけない環境。そうやって育てても選手を引き抜かれるという中でもクラブの確固たるスタイルを築き上げて優勝したと概ね好意的な内容である。人気がなく誰も注目されなかったというイメージの強いサンフレッチェであるがやはり見てる人は見てるんだなということが嬉しかった。

 関東で生活する中、広島出身という人には何人も知り合った。広島の人は県外に出ると郷土愛に目覚める人が多くサンフレッチェについてもぼくはアピールしてみたりした。だけどまるで相手にされなかったというのが現実だ。広島においてサッカー、もしくはサンフレッチェという存在がいかに遊離されたものなのかと愕然としたものである。

 そして関東の試合でのアウェイゴール裏となると紫のシャツを着ている人は10人程度、その少なさに悲壮感を感じたものだった。逆に言うとそこまで人気がないとせめてぼくだけは応援してやろうと気になったのはぼくのマイナー嗜好によるところが大きかった。ただ、人気がなく強くもないチームを応援するというのはとてつもなく空虚なものでもあった。

 そんな中、せめて仲間を見つけようと関東でサンフレッチェを応援してる人を探してみようと考えた。実際関東の試合でアウェイゴール裏にいる人は人数が少ないせいもあっていつも来てる人というのは認識できたのだった。そういう人を11人声掛けることによって2人、3人と輪が広がっていった時、そんな少人数の集まりでも幸福感を感じたものである。応援してるのがぼく1人じゃなかったというだけで幸せだったのだ。

 だがサンフレッチェは弱かった。特に関東では弱く少ないサポーターにとって毎度打ちひしがれて帰る様は苦痛に満ちていた。一体何でこんなチーム応援してるんだろう。そんな疑問を抱いても不思議ではなく、一種の天然記念物のような目で見られたこともあった。

 実際ぼくは近所のサッカークラブに入りサンフレッチェのユニフォームで練習に行ったものの当時誰もそれがサンフレッチェだということを知らなかった。そして何で広島?ということでやはり天然記念物だった。まあこちらはこちらで誰も知らないから何の気兼ねなくサンフグッズを着て行けると常に紫の出で立ちで練習に通ってたのだった。その内に徐々に認識されるようになり今度は逆にサンフレッチェの関係者かと聞かれるようにもなった。実はその頃から世間にもサンフレッチェが少しずつではあるが認知されていたのかもしれない。

 その後様々な紆余曲折の末いつの間にかサポーターが爆発的に増えていった。アウェイゴール裏のチケットが取れない。そんなことが余り前のようになってしまった。変われば変わるものである。確かにチームも変わった。攻撃的に、面白いチームとなった。そしてユースから上がってきた選手を中心に魅力的な選手が増えた。決してお金を掛けた補強ではないが的確な人事が広島らしかった。かつての貧相なサンフレッチェを知ってる者としてはその変化の過程はとても楽しかった。そしてそれ故にもっとこのサッカーを楽しみたい。そしてこのサッカーで結果を出したいと思うようになった。

 いくら面白いサッカーをしてても結果が出ないと注目されない。そしてタイトルが欲しいという欲求は日々強まっていった。だがその一方で不安があった。果たしてサンフレッチェが優勝して広島は盛り上がるのだろうかと。タイトルを渇望しながらも優勝しても注目されないという不安の中でぼくの中では揺れ動くものがあった。

 が、優勝が近づくにつれ機運というものを感じずにいられなくなる。ビッグアーチの観客入場者も増えている。ほぼ全てのホームゲームに通ってるタイセイさんによると何だか初めて観に来たような人が増えてる気がするということだった。そして優勝。ビッグアーチの割れんばかりの歓声にぼくは涙した。もはやそこにあったのは全く相手にされないサンフレッチェではなかった。ただ単に優勝の気分に浸りたかった歓声ではなく本心からの歓声に聞こえた。サンフレッチェは広島のクラブだった。そんなことを本当に感じる瞬間だった。

 優勝の翌日「優勝あめでとう」と何人にも声掛けられた。嬉しい反面恥ずかしくもあった。そして世間でも認知されてきたんだなと感慨深くなるのだった。

2012年11月25日 (日)

セレッソ戦~ついに優勝

20121127日 サンフレッチェ広島vsセレッソ大阪 広島ビッグアーチ

 

 PKの場面。ボールをセットする寿人。セレッソのGKは時間を掛け駆け引きを試みる。だがその間寿人の表情には笑顔があった。そして主審の笛が鳴るとゆっくりとした助走からゴールの上にバシッと決めたのだった。

 3点目。そして1人多い。これはかなり有利な状況だった。だがここで記憶が蘇ってきた。かつて3点差を付け前半を終えるも後半5失点してしまったことを。そしてその時の相手は紛れもない、セレッソだったのだった。

 そういう訳でハーフタイムを迎えた時浮かれることはなかった。だが同時刻に行われてる2位の仙台が負けてるという情報には波が来てるという気にさせられた。こちらの大差のスコアというのもプレッシャーになるはずだ。波が来ている。波が。

 そしてその波は後半になっても衰えることがなかった。ボールが奪える。相手のボールをカットするとそのボールが吸いつくように見方に渡る。そんな流れの時、高萩にボールが渡った。そして右サイドのスペースへスルーパスをだした。

 そのボールに猛然と駆けつける石川。ボールにたどり着くと勢いそのままゴールに向かってドリブルをした。構えるGK。その時の石川の選択は。マイナスのパスか、それともファーへシュートか。そして選んだのはニアへの強烈なシュートなのだった。

 シュートコースとしては狭い空間に違いなかった。だがその狭いスペースにフェイントも何もなくぶち込んだ。石川の初ゴールなのだった。

 決まった。さすがにこの時はそう思った。4点差がひっくり返ることはないだろう。仙台のスコアはまだ変わらないらしい。でも一々仙台の結果を気にしなくても流れはこちらにあるような気がした。そう、波が来てるのだ。このまま点を取り続けるぞ。

 だがその後そのいけいけムードが緩みとなってしまったのだろうか。深い位置までボールを運ばれるようになった。右サイドをえぐられた石川はたまらずスライディング。それをいとも簡単にかわされクロスを入れられるとゴール真正面で合わせられ失点してしまうのだった。ああ、石川、せっかくゴールを決めたというのに。あそこでスライディングはないだろと頭を抱えてしまった。

 その後メンバー交代をして戦局の安定を試みるもどうも落ち着かない。石川と代わったファン・ソッコはボールを持ちすぎてせっかくのチャンスをつぶしてしまう。石川もボールを納めようとするもどうも攻撃へとつながらない。さすがにセレッソもこのままでは終われないという意地があったのだろうか。

 それでもスコアは動くことなく時間が過ぎていく。ピッチの脇にミキッチを始め出場してない選手が姿を現しタイムアップの時間を待っていた。手には携帯電話。仙台の結果を確認してるらしい。そしてタイムアップ、勝利を決めた後ピッチの選手は落ち着いていた。が、そのすぐ後に一報が入ったのである。仙台が負けた。その瞬間サンフレッチェの優勝が決まったのである。

 駆け上がるサンフレッチェの選手。スタジアムが揺れる。優勝が決まった。Jリーグオリジナル10のチームでありながら唯一何のタイトルもないサンフレッチェがついに優勝したのである。長い長いシーズンを征することができたのだ。ユニフォームに星を付けることができたのだ。

 ビッグアーチにいるタイセイさんからメールが来た。泣きそうだと。そうだろうな。でも男子たる者人前で泣きたくないというとこだろうか。そしてTV観戦を家でしてたぼくには人目などなく、目から止めどなく溢れるものを拭うので必死なのだった。

セレッソ戦~ハンディと思われたメンバー

20121127日 サンフレッチェ広島vsセレッソ大阪 広島ビッグアーチ

 

 ミキッチ、千葉が出場停止というのは大きなハンディだった。代わりに入るのが石川、塩谷。特に塩谷のCB起用というのは実績がないだけに不安は拭えない。しかも相手が残留争いの渦中のセレッソというのも不気味だった。そして何より前節の浦和戦がとてもありえないようなミスの連発でまるで何もできなかったという事実が悲観的にさせた。優勝を狙うチームのする試合ではなかった。あんな試合をするとは優勝する資格がないのではなどとも考えてしまったものだった。

 しかし、ピッチに入場した選手に過度の緊張感は見て取れなかった。それどころか笑顔がある。雨が降ってるもののスタンドにいるサポーターの厚みのある声援はいつものビッグアーチとは違う雰囲気を醸し出していた。ああ、今日は違う。もうその時点で何かが起こる空気があったのだった。

 立ち上がり、ボールが落ち着かない。が、サンフレッチェの選手はボールに近い選手が果敢にプレッシャーを掛ける。その積極性が浦和戦とは違った。かわされてボールを前に運ばれる、もしくはファールによりカードを貰ってしまう、そんな不安をあえて考えてないようでもあった。それはやはりガチガチで固まった浦和戦の反省があったのかもしれない。

 そんなサンフレッチェは攻められてもバイタルエリアでボールを摘み取り反撃に転じる。守備が効いてる。攻められても最後までいけないだろうという安心感があった。それは塩谷が予想以上に安定してたせいだろう。いや、むしろ高い位置までドリブルで駆け上がる様など攻撃的な姿勢も魅せかつてのストヤノフを思い出させるのだった。

 そしてそんな攻撃に転じた時のサンフレッチェからは後ろからどんどん人がわき出ているかのようだった。高萩にボールが渡る。その時にはもう浩司と寿人が前を走り2つパスコースをつくってる。そして浩司の方へのパスを選択した高萩だがディフェンダーに引っかかってしまう。だがすかさずそのルーズボールに駆け寄った高萩は左足を振り抜いた。一閃した弾道。それはゴールに突き刺さったのだった。

 高萩、先制点。早い時間の先制。アシストはするがシュートを打たない高萩が放った大胆なシュートが決まった。優勝の為は絶対勝ちたい試合、そんな条件の試合で、しかも早い時間に高萩が先制点を決めたというのは大きな勇気を貰った。やはりいける。今日はいける。そんな空気を醸し出すことができたのだった。

 早い時間の先制点はサンフレッチェにとって鬼門。実はそんなジンクスがあった。だがそんな不安は微塵も感じることなく今度は左サイドの清水からクロスが上がる。ファーに流れたボールは右サイドの石川がヘディングで折り返す。そして中央にいたのは青山だ。ボランチの青山が何でそんなとこにいたんだろう。ラストパスに対してまるでストライカーのような身のこなしでシュートを打ったのだった。

 2点目。追加点。まさか青山が。先制点もまさかの高萩だったが2点目もまさかの青山だ。寿人がゴールを取れないのはマークが厳しくなってるから。それならばそれを囮にして他の選手が取ればいい。理論的には誰もが考えること。それを具現化させた。素晴らしい。本当にそれを狙ってたのかどうか分からない。だけど結果が出れば何でもいいんだ。

 続けざまの得点。これはもうチームに勢いを与えた。まだまだ取れる、そんな気概を感じさせた。それがフリーの清水へのパスにつながったのだろう。ゴールに向かってドリブルする清水。追いかけるセレッソのDF。ペナルティエリアに入った時、背後の敵をブロックするように身体を向けた清水は後ろから倒された。PK、それは明白だった。だがそれだけで終わらなかった。家本主審の手にはレッドカードがあった。3点目のチャンスを得てそして1人多い状態にすることができたのだった。

2012年11月24日 (土)

セレッソ戦~ホーム最終戦

20121127日 サンフレッチェ広島vsセレッソ大阪 広島ビッグアーチ

 

 どこへいても優勝への想いは一緒。

 その言葉にぼくは涙が出そうになった。広島へ行ってるドクトルからのメール。うかうかしている内にチケットがなくなってしまいTV観戦になってしまったぼくへと気遣いのメール。そんなことでサンフレッチェを応援してて良かったという気がしたのだった。

 まあ大体においてそういうチケット争奪戦のような状況になると決まって大して興味も持ってないような人が取っていたりするものだ。昔志村けんがビートルズが来日した時学校のクラスでなぜあんたがという人がチケットを持ってたらしい。どうしても観たい志村けんはお前が観るより俺が観た方が絶対にいいからと強引にチケットを譲ってもらったという話お思い出した。

 家でおとなしくTV観戦となったぼくだが地上波のNHKで中継があるというのも驚きだったがその前に特番として『優勝へのワンタッチゴール』というサンフレッチェ、特に寿人を中心とした番組が放送されたことだ。人気ない、知名度ない、弱いと揶揄されたサンフレッチェがメディアにこういう扱いを受けるというのは感慨深いものがあった。やはり優勝争いをしてると違う。そう、優勝するチームは違うのだ。

 ここでぼくは初めて優勝という言葉を使う。それまでどこかまだ遊離したような、現実味のないものとしてその言葉を使うのに恐れがあった。それというのも今までカップ戦で優勝の可能性はありながらいつも最後に負けてきた負の記憶のせいだろう。サンフレッチェに優勝はない。永遠のシルバー・コレクター。いつの間にかそんな自虐感が芽生えていたのだった。応援する人間がそんなんでどうするんだと言われるだろう。言われてみればその通りである。

 家で孤独にTVに向かわざるを得ないぼくを気遣い仲間からメールが届く。当たり前だが人が多いらしく年間パスポートを持ったドクトルはいち早く入場して仲間の為席を確保するのも大変な状況らしい。一般チケットを持つ人は入場まで時間が掛かってなかなかそこまでたどり着けないということだった。

 そんな現地の喧噪とTV観戦のぼくではまるで境遇が違う。その時、やはり取り残されたような感覚がした。が、TVを付けたその瞬間、ぼくの感情移入はまるで現地にいるかのように熱くなった。それもそのはず、ビッグアーチのスタンドにはびっしりと詰められた人。雨は降ってるがもう今日は勝てるぞという空気を感じた。モニター越しであるが何かが起こる、そういう予感を感じさせたのだった。

2012年11月21日 (水)

ホーム最終戦、チケット完売

 あと2節を残して首位。この状況にありながら広島に行かないのか。そんな連絡がぼくの元に届き、確かにこんな機会生きてる内にないかもという焦燥感に駆られた。関東から行くには決して安い交通費ではないがほとんどの仲間は広島へ行く準備を早々に進めてたようである。それに引き替えぼくとくれば、どうせチケット完売してもファンクラブのチケット引換券がるから大丈夫だとタカを括ったのが災いした。いつの間にかその交換枚数もなくなってしまったのである。つまり、ぼくが現地で観戦できる可能性はゼロとなってしまったのだ。何たる不覚、何たる後悔。でも本当の理由はぼくの怠惰によるものだった。

 中には親切にも事前に郵送してチケット引き替えしてもらった方がいいとアドヴァイスを送ってくれる人がいた。実家へ送ってくれたら代行で交換に行ってもらうよと言ってくれる人もいた。それなのに大丈夫だよとまだのん気に構えていたのである。するとなくなってしまい後の祭りになってしまった。まるで災害時に事の重大さを舐めた末にどうにもならなくなるような感じである。恐らくそういう事態が起こった時、ぼくのような人間は生き残ることができないんだろう。

 満員のビッグアーチを観てみたかった。大音量の声援を体感してみたかった。そして勝利した時の盛り上がりに酔いしれてみたかった。それができないのは残念である。が、満員のビッグアーチが実際にどういう状況になるのかそれは誰にも分からないのでもあった。

 一体あのスタジアム、一杯入って何人なんだろう。今まで今回は3万人超えるだろうと思った時も3万を超えることはなかった。結構スタンド一杯に人が入ってるように見えながらもそんなもんということは本当に5万人入れることができるのだろうかという疑問がある。もしかしてスタジアムでの混乱を避ける為ある程度のとこで打ち切ったのかもしれない。どちらにしても今まで経験がないような混雑ぶりが起こるのはハッキリしてる。果たしてそれだけの人を捌き切ることはできるのだろうか。

 それ以前にビッグアーチへ無事たどり着けるかどうかである。そういうのを考えた場合、やはりあの場所にスタジアムがあるというのは無理があるような気がする。今更な話ではあるがその今更の話を知らない人が多い。何せスタジアムの近くにいながらまだ一度も観に行ったことがないという人をぼくは何人も知ってる。恐らく今回初めての観戦客というのも相当いるだろう。

 そういう御新規さんを取り込む絶好のチャンスである。どうせだからこういう機会にグッズもたくさん売りたいものである。開門前に最後列が分からないくらいの長蛇の列ができるだろうがそういう人たちに向けて籠売りでグッズの販売で廻ってもいいんじゃないだろうか。どうせ売店なんて人が多くて入りきれないんだから。そしてそんなのでも待ち時間の暇潰しにはなるだろう。

 だがこういう時になって初めて年間パスポートを持ってる人の優位性が出るのだった。チケットの入手の心配がない、先行入場がある。この一戦の為に来シーズンの年間パスポートの売り上げも上がるような気もする。チケットが完売するってそういうことなんだと改めて気付かされるのだった。

 かつては1万人入っただけで凄い入ったと目を丸くしたことあったんだよな。そんな時、サンフレッチェの健闘を祈りながらももし優勝争いをするようなことがあっても客が入らなかったらどうしようなどと不安に感じたこともあったんだよな。でもどうやらそれは杞憂に終わったらしい。あとはこれだけ客が集まった状態でどんな試合ができるかだけなのだった。

2012年11月18日 (日)

浦和戦~そしてまだ終わってなかった

 

2012/11/17 浦和レッドダイアモンズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 

 

 

 後半の始め、流れるようなパス回しでゴール前まで進入していった。それは浦和の守備網をあざ笑うかのような鮮やかなものであとは決めるだけだった。だがここで決めることができないのだった。

 

 その後も攻める時間はつくったもののどうもシュートまで行かない。相手に上手く守られてるというより肝心なとこでトラップミスしたり合わなかったりと残念なシーンが続く。その為あの後半始めに魅せたシュートまでの一連の流れは幻だったのかと思うのだった。こういう膠着した状態の時、単独でのドリブル突破でもしいなけりゃどうしようもない。そういう役目をするのは左サイドの清水だ。ペナルティエリアに切り込み相手の守備をかわしシュートを打つ。だがその至近距離からのシュートはゴールの上を無情にも飛んでいくのだった。

 

 一体今日何本シュートを打ったんだろう。公式記録ではどうなってるのか分からないが本当にシュートと呼びたくなるような印象のあるものは1本か2本くらいしかないのだった。点を入れなきゃいけない状況でシュートも打てない。ああ、これはもう駄目だ。こういう時こそ選手を励ます声援を挙げないといけない。だけどそれすらもできないぼくはますます内に篭もったような感情になるのだった。

 

 更にぼくは落ち込む事態が起こった。最終ラインにいたCBの千葉は真正面から着たドリブルでいとも簡単に振り切られてしまった。そのドリブルをしたのはセンターFWでもない、攻撃的MFでもない、ボランチの鈴木啓太だというのが哀しかった。そしてずっこけた千葉を後目にまたしても西川との1体1の状況に陥ってしまう。シュート練習。正にシュート練習のような状況だった。そして鈴木は練習のように実に事もなく悠々とシュートを決めてしまったのだった。

 

 2点差。もうこれは絶望的な数字だった。しかも取られ方が悪かった。その2点は全てミスによって与えたようなものだった。逆に浦和にもミスが多くそれをついて逆襲のチャンスはあったもののそのことごとくを決めることができなかった。相手のミスを点につなげたチーム、相手のミスを点につなげられえなかったチーム。勝敗はそんなとこでついてしまったという印象である。

 

 果たしてこれは1位と3位のチームの試合なのだろうか。気温が低くて身体が動かなかったのだろうか。それともピッチが濡れててボールコントロールが上手くできなかったのだろうか。少なくともサンフレッチェには強いという雰囲気がちっとも感じられないのだった。

 

 これはかつてのサンフレッチェ。眼を覆いたくなるような展開の連続。選手は替わってもやはりどこかで受け継がれたものがあるようだった。

 

 高萩、もっと必死にボール取ろうとしろよ。西川、どうしてゴールキックがいつも相手ボールになるんだよ。森脇、危なっかしいプレーが多いよ。それぞれへの不満が洪水のように押し寄せてくる。そしてこういう状態、ある種の懐かしさを憶えた。というよりサンフレッチェを応援するというのは元々そういうものであったというのを思い出した。

 

 降格争いをしてた当時、上位にいるともっとせいせいした精神状態でいることができるんだろうなと思ってた。だけど実際にはどの順位にいようとストレスがなくなるというのはないんだということに気付かされるのだった。

 

 終了と共に周囲には大きな歓声。ぼくはその声に押しつぶされそうになる。そしてそそくさとスタジアムを後にしたのだがもはや傘なしではいられない大粒の雨が降っていた。はあ、一体何のために観に来たんだろう。何もかもが終わった。と、その時スタジアム内から他会場の結果がアナウンスされ大きな歓声が上がる。これは救いがあったのかもと希望をつなぐのだった。

 

浦和戦~ハートに火を付けて

 

20121117日 浦和レッドダイアモンズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 

 2階のSC指定席にたどり着くと周りはやはり赤い人しかいなかった。アウェイエリアじゃないので当たり前だがアウェイゴール裏が完売してるのでもうちょっとそこからあぶれた人がいるかなと思ってたが意外といなかったなというのが正直なとこであった。そしてゴール裏へ目を向けると結構空席があるように見えた。本当にあのエリア売り切れたんだろうかと首を傾げたのだった。

 すでに選手はピッチでアップを始めてた。少し霞掛かってるが雨は降ってないようだ。ゴール裏では圧倒的にカッパを着ている人が多かったが、自分が屋根の下にいるせいでそれを体感することはできなかった。

 サンフレッチェの応援はよく聞こえる。ぼくもそのコールに合わせたいもののさすがに声を出すことはできない。何か寂しい。何か物足りない。ここでぼくのできることは映画のように鑑賞し、じっと座って勝利を祈るだけである。もっともゴールが決まったりしようものならそんな冷静でいられることはないだろう。ゴールが決まったらどうしよう。ゴールが決まったら。だが、そんな心配はちっとも必要なかったことに後で気付かされるのだった。

 ゲームの立ち上がりは硬かった。硬く硬く硬かった。後ろでボールを回し無難に無難につないだ。そしてそのボールが半分より前行く機会はほとほと訪れなかった。まずい取られ方をしては自陣に引いて守る。そんな展開が続き攻撃する意志はないのかと叱咤を飛ばしたい衝動に駆られるのだった。

 後ろで回して回して回して気を観て入れた縦パスはことごとくカットされ反撃を受ける。ラインは下がらざるを得ない。それでも浦和の攻撃に鋭さがなくしのいでいる。浦和もミスが多い。だけどそれと同じくらいサンフレッチェにもミスは多いのだった。

 青山は判断が遅く高萩はボールが収まらない。そしてこういう時の頼みのミキッチは右サイドから突破をはかろうとするもそのことごとくを防がれてしまうのだ。どうもミキッチはリハビリから復帰して以来かつてのパフォーマンスを発揮してないような気がする。そして両者共に重かった。確かに浦和の方が攻めてるけどもしかしたらサンフレッチェも前半は無失点で切り抜けて後半に勝負を駆けてるのではと淡い期待を掛けて観ることもできなくもなかったのである。

 だがそれが幻想だというのを思い知らされることとなった。中盤でカットされたサンフレッチェはカウンターで裏へ1本のパスを出されてしまった。綺麗にDFの背後を取られたそのパスでいとも簡単にGKと1体1という状況をつくられ西川もビッグセーブに運を掛けるしかなくなった。だがそんな決定的場面をプロの選手が外す訳もなくあっさりと先制される。DF3人は無力化されGKもなす術もなくまるでそれはゴールへのお膳立て出もやってあげたかのような展開だった。

 失点した。これでもう攻めなきゃいけなくなった。それが踏ん切りを付けるだろう。ハートに火がつくはずだった。

2012年11月17日 (土)

浦和戦~寒い試合日

2012/11/17 浦和レッドダイアモンズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 

 昨日までの晴れ間が嘘のように灰色の雲で覆われ外気は正に寒気であった。前日がTシャツ1枚で過ごせたせいで尚更寒く感じられる。この気温差はまるで別の地域にでも行ってしまったかのような錯覚さえ憶えてしまうのだった。

 家を出る時、冷たいものがぽつぽつと頭上に落ちてきた。すでに天気予報で雨の情報を得てるぼくは紫のジャンパーを身につけている。恐らくスタジアムに行ってもこの格好のままだろう。こんな時、レプリカを着てても何の意味もないのだがそれでも持って行くのはまあ気分の問題なのだろうか。

 前日の『エル・ゴラッソ』によると柏木がコンディション不足の為欠場するかもしれないという。そしてもはや優勝の芽はないに等しくなったもののまだACL出場の為に青空ミーティングをしたとか浦和の情報が事細かく書かれていた。その扱いはこの試合を注目の一戦としての位置付けを与えているのだった。

 上野に用事で寄ったぼくは日比谷線に乗り北越谷を目指す。厚着をしているのだがそれが電車内だと暑い。外との気温差に眠たくなってきた。そのせいで何だか電車を降りるのが億劫にさえなってきた。停車駅でドアが開く度に寒気が入り込んでくると特にそう思うのだった。

 北先住から東武線に乗り換えるがこれがまるで赤い人を見かけない。段々と本当にここでいいんだろうかと不安になってきた。ただし、やはり電車が進むにつれて一人、また一人と赤い人が乗ってくる。敵チームでありながらその姿に妙に安心感を憶えるのだった。

 北越谷からのシャトルバスでのルートはマイナーなコースな為か紫の人はまるで見かけることはなかった。バスの中でぽつんと紫のジャンパーで座るが特に気にしてる人はいない様子だった。

 それにしてもバスの中も暑い。窓は曇って外の様子がまるで把握できない。一体今日はどれだけ雨が降るんだろうかと考えながらただじっと埼玉スタジアムへの到着を待つのだった。

2012年11月16日 (金)

浦和戦へ向けて

2012/11/17 浦和レッドダイアモンズvsサンフレッチェ広島 埼玉スタジアム2002

 

 タイセイさんからメールだった。写真が添付されてあり、Vポイント前の寿人の等身大パネルに掲げられてるホーム最終戦であるセレッソ戦の告知。そこにはチケット完売という文字が書かれていた。ビッグアーチでこんなことがあるとは。ビッグアーチでは絶対にありえないことだと思っていた。が、Jリーグ開幕当初は何度かそういうことがあったらしい。

 思えばビッグアーチも環境がずい分変わった。かつては臨時駐車場が徒歩圏内に設置されてた。だがその後ビッグアーチの位置する西風新都がどんどん開発されそれに伴い臨時駐車場も徐々に遠くなり、公共交通機関での来場を推奨するようになってきた。決してそれらの状況が観客動員の苦戦につながったという訳ではないが少なくとも西風新都とビッグアーチは同じ土地にありながら街として遊離してるような印象がしたものだ。いくら臨時駐車場が減ったとはいえ周辺地域に人が増えれば物理的に観戦可能な人は増えてるはずである。それが実際にスタジアムには来てないということは本当にそこにあるだけの構造物となってるという気がした。

 だがそんな状況にもクラブの努力もあって2008年頃から1万人以上、そしてその後も徐々に観客を増やしていった。ポイントとなる試合では告知やPR活動で集客を試みた結果2万人を超えることはできた。ただし3万人はどうしても及ばなかった。その理由がアクセスの悪さと決して無関係ではなかったのである。

 公共交通機関として横川駅からのシャトルバス、そしてアストラムラインの2つがある。前者は輸送力に限界があり後者はスタジアムから遠いことから2万人以上集まるとパニックになってたようだ。それ故にあそこに人を集めるというのは所詮無理があると思ってた。だが前売りで完売してしまった。首位争いでシーズンも大詰め、人を集めるというのは結局そういうことなんだと思い知ったような気がした。

 だがそのホーム最終戦が盛り上がるかどうかはその前の浦和戦に掛かっているのだ。ここで勝つかどうかで期待値の上がり方がずい分変わってしまう。絶対に勝たなければならない試合。そしてその絶対勝たなければいけない時に対戦するのがミシャ率いるレッズとは何たる因縁だろう。もっとレベルアップをしたいと出て行った柏木と槙野もいる。結果的にサンフの方が順位が上になったというのも彼らにとって由々しきものがあるに違いない。凄い試合になる予感が漂うのだった。

 ぼくはうかうかしてたせいかアウェイゴール裏のチケットは入手することができず2階のSC指定席での観戦となってしまった。浦和を応援してる人に聞くとどうやらそこはアウェイの人も結構入り込んでるエリアらしく何とかぼくも紫のユニフォームで観戦することはできるようだ。でもあんまり騒げないだろうな。ま、もっとも2階席から声を出したってピッチの選手には届きはしないのだが。

 何でもよりによって雨の予報が出てる。どうして土曜だけ狙ったように雨が降るのか。そう考えるとあながち屋根のないゴール裏の席でなくて良かったのかもしれんと根性のないことを考えるのだった。

2012年11月 8日 (木)

札幌戦~残り3節へ

2012117日 サンフレッチェ広島vsコンサドーレ札幌 広島ビッグアーチ

 

 静かな序盤だった。ゆっくり、じっくりとボールを回す。ここ数試合の手堅い試合の入り方だ。だがここ3試合こういう入り方をしていずれも勝ってない。札幌のように降格が決まり勝敗が関係ないチームにはもっと猛烈に攻めていきたいものだった。

 ボールは支配できる。だけど札幌も手堅い守備で跳ね返してる。こういう一見攻めてるようでチャンスが訪れない展開が続くとその内焦りが出てくる。それが恐かった。シュートまでいって欲しい。守備を崩せないだろうか。ゴールを割りたい。最下位の相手でありながらもちっとも余裕を感じない。これがプレッシャーというものだろうか。だがそれはある種の心地良さもあるのだった。

 札幌は後ろに引いた守備をする。前からプレッシャーを掛けることはない。だから簡単に後ろではボールが回せた。ただ、中に切れ込めないのだ。どこかでギアを上げないと。どこでギアを上げるか。当然それは選手だって狙っているのだった。

 ふとその時、中盤から前線へ縦パスが入る。ボールの先には寿人。寿人はディフェンダーの間のポジションでボールを受けるとそのままターンしてシュート態勢へ。だがここで相手ディフェンダーに寄せられてしまって倒れてしまった。これは倒しただろ。そう叫んだが瞬間笛が吹かれたのだった。

 イエローカードを手に持ちPKを宣告した。やった。でかした。これは大きい。だがまだ喜ぶには早い。決まらなきゃ何にもならないんだから。寿人、決めてくれ。そう思ってたらペナルティスポットに立ったのは浩司だった。PKを貰った本人が蹴ると決められない。そんな危機感を感じたのだろう。寿人はPKを浩司に譲ったのである。そして浩司はゴール左隅にグラウンダーのシュートをきっちりと決めたのだった。

 寿人に決めて欲しかった。でも早い時間の先制点。これで楽になった。この後プレッシャーから解放されたとまでは言わないまでも解き放たれるものはあった。ボール支配はより多くなりボールもより回っていくようになった。と思いきややっぱり攻められる時間というのが出てしまうのである。札幌もまるでひるむことなく攻めてきた。人数を掛けて守っているがやはり攻められるというのは気分の落ち着かないものである。切り抜けてくれ、守ってくれ、そう願うのだった。

 そうやって全体的に下がり気味になってるとどうしても一発を狙ってしまいたくなる。中央より低い位置でボールを受けた青山はいきなり縦へ勢いのある球を出した。いくら何でもそれは無謀だろと思いきやその前線のスペースには寿人が斜めから走っていたのである。DFとの競争。だが斜めの軌道が有利な体勢となり先にボールに追いついたのは寿人。左足一閃、ファーへシュートを叩き込んだのだった。

 追加点。素晴らしいゴールであった。逆にそれ故に簡単に入れてしまったようにも感じた。いや、むしろそれを簡単に魅せているのが凄い。青山にしてもどうしてあんなパスを出せるんだろう。正に紙一重のパスに紙一重のシュートが決まった。それをこういう舞台でやってしまう光景に恍惚としてしまうのだった。

 20、かなり有利なスコアである。それ故に余裕も出てきた。後半札幌に交代で前田俊介が出た時にはサンフレッチェサポーターから拍手が起こったらしい。前田こそサンフレッチェのエースストライカーになるべく選手だった。そして同じく札幌のベンチに座ってる高柳も中盤の中心選手となるべく選手であった。だが2人共プロとして思うような結果が出せず降格の決まったチームで敵として会いまみえている。そしてサンフレッチェは今首位を争ってるという現実に因果なものを感じてしまうのだった。

 もはや時間の経過と共に勝ちは見えてきつつあったものの追加点が欲しかった。最後で得失点差のことも考えれば取れるだけ取っておいた方が良い。ミキッチのゴール前でのシュート、寿人のヘッド、清水のミドルシュート、どれも可能性がありながら決めきることができなかった。最後の一押しが足りない。最後の一押しが。アタッカー陣にはもっと奮闘してもらいたいものだ。と思ってたらついに3点目が決まったのである。決めたのはDFの水本なのだった。

 30となりいよいよ試合を決定付けた。珍しい人がCKのヘディングというこれまた珍しい展開により決めたのである。CKもヘディングも綺麗にお手本のような恰好だったが、こういうパターンでの得点がもっとできればもっと楽だったろうにと今シーズンの戦いが走馬灯のように脳裏に走るのだった。もっともまだそういうシーズンを回顧するには早過ぎるとすぐに気付くのだが。

 そしてタイムアップ。勝利の歓喜に浸る。安堵のため息をつく。嬉しさと安心感を同時に感じる。これであと3節。いよいよラストスパートだ。あと3節。短いようで長い。でもあと3節。勝ち点9ポイントの勝負。9ポイント、9ポイント、9ポイント。その中の色々な想定を頭の中で繰り広げるのだった。

2012年11月 7日 (水)

札幌戦~平日のビッグアーチ

 

2012117日 サンフレッチェ広島vsコンサドーレ札幌 広島ビッグアーチ

 

 霧の覆い朝だった。昨日降った雨が蒸気として舞い上がったらしい。果たして広島はどうなんだろう。

 週の真ん中で札幌戦となった。残り4試合、首位争いという条件を考えるとこれが週末なら格好の集客になったろうと悔やまれるのであった。あの交通の便の悪いビッグアーチで平日の開催というのはどう考えても無理がある。あの立地というのは所詮商業地域でないために人が集まったとこで周辺地域に何の恩恵もない。そこがまたあのスタジアムへの吸引力を弱めてるような気がしてしまうのだった。

 そういう訳でどれだけ観客が集まるか分からないが絶対に勝たなければいけない試合であるのは明白だった。残り4節となりしかも相手は降格の決まった札幌。当然ここは勝ち点3を計算しなければいけない。が、これがそう簡単にいくかというと不安な要素も多々ある。まず、札幌が降格が決まってふっきれてしまったのか、なかなかにしぶといチームとなってしまったのだ。実際成績も降格決定後1勝1敗1分。勝っても負けても良いという状態はある種の思い切りを生んだのではなかろうか。

 こういうチームは厄介だ。負けてもいいと割り切って襲いかかるとややもすると勢いに乗ってしまうかもしれない。そしてその異様な雰囲気に飲まれてしまう可能性もある。そうならない為にもまずは先制点。そして畳み掛けるような追加点が欲しい。チーム力を考えるとそれくらいあってしかるべきだ。かくしてこの試合はチーム力に見合った戦いができるか、そういった試金石でもあるのかもしれない。

 そういえばサンフレッチェも1ヶ月勝ってないのだった。そのせいでずいぶん勝ってないイメージがある。更にビッグアーチでなかなか勝てないという今シーズン。ホームの利というものは何なんだろうとふと考えてしまうのだった。

 群馬まで仕事で通ったぼくは帰りが中継の時間に間に合うか気掛かりだった。気が競ってるぼくのことなぞお構いなしにこういう時に限って仕事がはかどらないものである。そう、世間はJリーグなんて念頭にないのだ。そこがまたぼくの神経を苛立たせるのだった。

 高速道路とは名ばかりの都心の高速道路を切り抜けやっとのことで家にたどり着く。何とか間に合った。実際にはTVで中継を観るだけなのだから一向に構わないはずだが要は気分の問題である。現地に行けないまでもせめてその時間に立ち会いたいという願望であった。

 そしてTVを付けた時、飛び込んできたのは予想より埋まったスタンドだった。その光景を観た瞬間、この試合における色々な雑念は消し飛んでいるのだった。

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