ナビスコ敗退後の戦い
2012/06/09 ナビスコカップ予選リーグ サンフレッチェ広島vsサガン鳥栖 広島ビッグアーチ
もはやナビスコカップは敗退が決まりサンフレッチェにとって残りは消化試合でしかなくなってしまった。それでもう若手の経験の場とすべきという意見もある。一方でこのまま終わってしまうのはあまりにも空しいという心情もある。そのどちらを取るべきか、悩むべきだと言いたいもののその実とても気楽なものである。勝っても負けても一緒、こういうのが時として異常なパワーを生み出してしまうこともあるのだった。カップ戦の醍醐味というのはこういうとこにもあるのだった。
もはやベストメンバー規定についても考慮する必要もないということで本当に何をやっても自由だ。こういう表現を使うとそれこそナビスコを舐めているとJリーグやサッカー協会にお叱りを受けそうだがその根幹は倫理の問題ということになるだろう。だが倫理の問題ということになると実はベストメンバー規定こそが倫理の範疇を超える危うさを持っているのに多くの人は気付いてないのだった。
第40条第1項第1号から第3号までの試合における先発メンバー11人は,当該試合直前のリーグ戦5試合の内,1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならず,詳細に関しては「Jリーグ規約第42条の補足基準」によるものとする。
(Jリーグ規約第42条)
以上がJリーグ規約として定義され違反すると罰金というペナルティを科されるが、もしこれをペナルティと感じないクラブが出てきたらどうなるだろう。現状においてどのクラブも財政難で苦しんでるので問題はないのだろうがもしどこかの大富豪がクラブを買収しお金については使いたいだけ使えるような状態になったとしよう。そうなった時、このベストメンバー規定は意味をなさないと考えられないだろうか。その金満クラブはただ罰金を払いさえすればどんなメンバーで試合をしようと構わないということになってしまう。そうなるとそれはすでにペナルティではなく規定を逸脱して選手を自由に出場させることができる権利金のようなものになってしまう。だとするとその時にはお金を持ってるクラブとそうでないクラブとの不均衡という問題になってしまうだろう。
それと似たような事例はサッカーから離れるといたるとこに存在している。中国では1人っこ政策に違反して2人目以上の子供の欲しい人は公然と罰金を払って子供を産んでいる。そうなるともはや罰金という意識もなく富める者だけが2人目を産む権利というようにすり替わってしまうだろう。そこにどこかすっきりしないわだかまりのようなものがあるのはやはり受け入れるには難しい何かが存在するからだろう。
論調が段々マイケル・サンデルのようになってきたが要はペナルティが「持てる者の権利」となる時、そこに不均衡が生まれる。そして往々にしてそこから腐敗が始まるのだ。
そういう危険をはらんでるベストメンバー規定、見直すなら今の内である。ぼくのような一介のファンが騒いだって聞く耳は持たないのだろうがスポンサーへの気遣いがあるなら尚更のこと検証してもらいたいものだ。
しかし、ぼくも論じててどうも歯切れが悪くなってしまう。それもこれも負けて予選敗退が決まってしまったからであるのだった。
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「Jリーグ規約第42条の補足基準」には、制裁金以外に勝ち点剥奪や翌年のカップ戦への出場権剥奪という制裁も載ってます。
ベストメンバー規定について触れるなら、リーグ規程を見て、次に補足基準に行き着くのが自然で、ろくに調べもせず思い込みで書くのはやめましょう。
制度などについては「調べて書く」「調べるのが面倒なら書かない」
なお、ベストメンバー規定については、特にナビ杯などは「23歳以下3人以上」とかを組み合わせるなどもっと弾力的にするべきとは思います。
投稿: 通りすがり | 2012年6月10日 (日) 07時55分
>通りすがりさん
ご指摘ありがとうございます。
確かに規約全て読んだわけではありませんが当然勝ち点の剥奪等のペナルティはあるはずだと思ってました。
ただ、世間一般で語られてるのとは別の視点でベストメンバー規定を論じてみたかったです。
ついでに翌年のカップ戦への出場権剥奪という規定は実質意味がないと思ってます。
仮にJリーグにメガクラブができたとしてそういうクラブを外してしまうのは大会の盛り上がりを考えればできないでしょう。
勝ち点の剥奪も別に八百長をした訳でもないのにすれば当然問題になるでしょうしそれもリーグ戦に水を差す結果になりかねない。
ということで現実的にお金さえあればベストメンバー規定を無視することができると考えてます。
投稿: Miles | 2012年6月10日 (日) 14時07分