2012年の佐藤寿人を考える
90分の内に1回しかないチャンスを決める。2007年、J2であったが寿人はワントップという新境地を開きこのような抜群の決定力を見せつけた。Jリーグの中でもある一定の期間ゴールを決めまくるストライカーはいるものの安定してこれだけ決めるという選手はとても少ない。寿人はそういう意味で希少価値のあるストライカーだ。
その寿人にゴールがなくなった。チームそのものにチャンスが少なくなったというのもあるが以前なら入ったというシュートを決められなくなったのである。そもそも90分の内にたった1回しかないチャンスを決める、これ自体がマトモなことではないのだがぼくらはもうそれに慣れて当たり前になってしまっていたのだった。チャンスに決めれない寿人、これはもうストライカーとしての終焉を意味してるのではと危惧した。
大体において選手のピークは30歳を目安に見てしまう。30歳を過ぎればもう下降していく。特にストライカーにはそういう目を向けてしまう。そして11ゴールしか上げれなかった寿人にもはやかつての結果を望むのは無理な話と考えてしまうのも無理も無い。そしてそれ故にチームへの期待感が薄れるのは自然な成り行きなのだった。
ただし、2011年シーズンに寿人の得点が低かったことは寿人だけの責任であろうか。そもそも90分に1回のチャンスを決めるというのは逆に言うと極めてゴールを決めやすい状況になってるということでもあるのだった。触れば入るという状況、それをチームとして創ってないということでもあるのだった。
そもそも1トップというのは中央でボールを収める屈強な身体を持つのが一般的だが身体の小さい寿人は裏への飛び出しを狙うことによって相手のDFラインに脅威を与える効果を与えてる。そう考えると2011年シーズンあまりそういう状況になかった印象があるのはもしかしたらチュンソンとの共存が上手くいってなかったのかとも思えるのだ。得点力のあるチュンソンがシャドーにいることで寿人の特徴が生きなかったのかという気もしてくるのだった。
年間2桁得点。これはもうノルマのようになってる寿人。30歳を過ぎピークは過ぎたはずなのにしぶとく結果を出し続ける選手もたまにいる。寿人にとってもチームにとっても2012年シーズンは分岐点となるシーズンとなるのではなかろうか。
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自分もチュンソンと寿人は共存していなかったと考えている一人です。チュンソンの爆発に期待する一方で、流れを変えるため65分-75分くらいまでに交代させられる寿人。90分を戦わせていなかったのが現実で、フルで出るであろう今シーズンは点を獲ってくれると信じ、来シーズン前に「やっぱり寿人とチュンソンは共存できてなかった」論をやりたいと思っています。戦術的に点が取れていなかったのではないか?と信じて1年間寿人を見続けていこうと思っていますよ。
投稿: yam | 2012年2月16日 (木) 16時14分
>yamさん
とても気の利いたコメントありがとうございます。
来シーズンおっしゃるような論議を本当にやりたいものですね。
投稿: Miles | 2012年2月19日 (日) 20時57分