甲府戦~陽気に包まれたスタジアム
2011年5月7日 サンフレッチェ広島vsヴァンフォーレ甲府 広島ビッグアーチ
広島に着いた時、体が痛かった。夜行バスでの一夜は眠れるわけもなく狭いシートにうずくまって凝り固まった身体をグッと伸ばすと解放感があった。
朝食を食べその足でタイセイさんを訪ねた。一番料金の安いバスに乗ってきたらとても窮屈だったと言うとそれならうちで少し休んでいくかと提案された。
「でも13時キックオフでしょ。シャトルバスだって9時には出てるでしょうから。出店とかも早くからやってるんじゃないでしょうか」
それで早めに出掛けることになったんだがこの時やはり13時キックオフというのは早い気がした。と同時にこの時間にやるからこそぼくは観戦に訪れることができたのも思い出した。
横川駅に着くとバスを待つ人はまばらだった。それでもシャトルバスは停留所までやってきた。その運転手が紫のユニフォームを着ているのですぐにそれと分かる。いつの間にこんな演出をやるようになったんだと驚いたもののタイセイさんはとっくに慣れてるようで別に反応はなかった。
そしてシャトルバスでビッグアーチに着くと客はパラパラといるという感じだった。それは休日の午前中、まだ多くの人が活動をしてない横川駅の様子とさして変わらない印象だった。
ぼくらはまず腹ごしらえをしようとおまつり広場へ向かった。屋台をくまなく廻ってる内に山梨名物のもつ煮は売り切れてしまった。正直ここの来るまでそんな名物があるとは知らなかったので特にそれが食べたいという訳でもなかったが、いざなくなってしまうとやっぱり先にあそこに並んで食べときゃ良かったという気がしてしまうのだった。
仕方なく別のものを買い隅の芝生の上で腰かけて食べることにした。食べ物の熱のせいか座ってるとジトッと汗がにじみ出てくる。時々日光が雲の隙間から顔を覗かせると肌が焼きつくしそうだった。寝不足のぼくにはそんな陽気がたまらなく意識をおぼろげにさせた。そのせいかその後スタジアムに入った際どこかボワ~ンとして見えたのである。ただしこれは単にぼくの意識の問題だったのだろうか。いつもより客足が鈍い。陽気な気候。緑の山に囲まれた景観。それら全てが輪郭のないぼやっとした雰囲気を作っていたとも感じられたのだった。
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