清水戦~日本平での勝利
突然の雨にモニターは黒くなった。電波を受信しなくなったアンテナはもはや機能せずTVには何も映らなくなってしまった。せっかくムジリが出てこれから試合が動く予感があった。なのに一番いいとこで電源を切られた、そんな感覚だった。あと20分もすれば終わる。なのに何でこの時間にこんな大雨が降るんだろう。天気を恨めしく想いながら文明の機器もちょっとした自然環境の変化に対応できないことに儚ささえ感じるのだった。
あ、そうだ。ネットで調べればいいんだ。パソコンに電源を入れる。そして途中経過、サンフレッチェが1点リードしてた。得点者はムジリ。何ということか。このゴールシーンをぼくはリアルタイムで観ることができなかった。時間的に電波が途切れた直後のようである。何というタイミングで雨が降ったんだろう。やり場のないもどかしさがこみ上げるのだった。
だけど本当のもどかしさはこの時スタジアムにいなかったということに尽きる。そもそも現地にいれば天候の影響で観れなくなることなどない。そして現地にいればムジリのゴールが目の前で観れたはずだ。そして16年振りとなる日本平での勝利に立ち会うことができたのである。
日本平では勝てない。これはジンクスという種類のものだろうか。相性という問題にしてしまうにはどうもそぐわないものがある。なぜなら日本平はそれ程やり難い雰囲気がある訳ではない。清水の応援もサンバを基調としたものでリズミカルであるが相手に威圧感を与えるものではない。まるでそれは相手を圧倒させるのが目的ではなく自分達へテンポを与えるためにやっているかのようだ。そしてそれは清水の戦い方にも言えた。相手の良さを消すというよりあくまでも自分達の良さを出す。そしてサンフレッチェも時として相手のスカウティングなんてやったことあるのかと疑問に思う程に自らのやり方を貫き通す傾向がある。ある意味それはサンフにとって望むべき状況であったのだった。
勿論これは中継解説の受け売りである。だけどその解説者の論調は決してサンフレッチェを弱小と見てないことだった。それは買いかぶりすぎだろと切り返したくもなったが確かにCKやFKのピンチで怖さを感じることがなかった。それは中島が以前に比べて簡単に抜かれなくなったこと、カズがDFで当たり負けしなくなったこと、水本が穴のないDFのできることによる安心感によるのだろう。だがそれ以上に西川がゴールマウスに立っているというのも大きいのだった。この日も決定的な場面を2点は防いだだろう。そして正確なフィード、チームの歴史の中でGKには恵まれてはいたがそれでも西川はより穴のないGKなのだった。
そう考えるとずい分と選手個々のレベルが上がったものである。更にムジリのようなスーパーサブもいるというのはかなり心強いものだ。開幕から負けなし。そして15年間勝つことのできなかった日本平での勝利、これはもう特別なことを意味してるのではないだろうか。
だがそれ以上は言えないのである。言うと何もかもなくなってしまいそうだ。そしてそれ以上にまだ4節が終わっただけなのである。まだまだ先は長い。そう思うと気が遠くなりそうだ。いつも上位にいるようなチームはこの時期どういう精神状態であるんだろう。もっともJリーグの場合常に上位にいるようなビッグクラブは存在しないのではあるが。
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アウスタに行きました。得点するまでは呪縛にかかったように硬さが目立っていました。得点後は硬さが取れた感じで最後以外はある程度安心して見れた感じでした。勝利の瞬間は選手もそうでしたが、アウェイ席の我々サポの喜びようは凄かったですね。歴史的な試合を観戦できてよかったです。
次節の甲府戦はこういうときにコロッと負けるのが今まででしたが、タイトルを取るのであれば甲府戦こそ負けないことが必要でしょう。ちなみに自分は広島で観戦します。
投稿: ゆみしん | 2011年5月 3日 (火) 23時25分
>ゆみしんさん
甲府戦ぼくも広島行くの決めました。
バックスタンド観戦予定ですが見かけたら声掛けてください。
投稿: Miles | 2011年5月 4日 (水) 17時35分