負け続けるACL
2010/03/10 アジアチャンピオンズリーグ・グループリーグ 浦項スティーラーズvsサンフレッチェ広島 スティールヤード
ACLのアウェイに行くなら韓国だ。地理的に一番近く一日休めば行けそうだ。だが実際に行くとなったらツアーなどに参加することとなりどうしても宿泊が伴ってしまう。平日の休みを連続で取るのは難しいと断念した仲間もいた。まあぼくの場合パスポート自体持ってないので休みが取れるとかいう以前の話なのだった。
そして中継を観る為に何とか早く帰宅しようと努めるのだった。だがこれも7時半のキックオフと通常より30分遅い開始時間の為ずいぶん余裕があるのだった。平日開催の試合をTV観戦するにはこれくらいの時間が調度良い。でも実際に観戦するとなると帰りが遅くなりたくない為これでは遅い気もする。いずれにしても平日の試合というのは色々と頭を悩ますことが多いのだった。
BSのチャンネルに合わせると韓国のスタジアムが映った。サッカー専用である。そして観客もガラガラかと思いきやある程度は入っていた。そしてちゃんと浦項の赤紺横縞のレプリカを着たサポーターも応援をしていた。だがJリーグでいうとJ2程度というとこだろうか。といっても日本だってACLの試合に関してはそんなに客が入る訳ではないので判断もできないのだった。
サンフレッチェのサポーターもまとまった人数がゴール裏に陣取っていた。これも思ったよりはいた。ACL出場は夢だったがアウェイの試合にサポーターがまるでいないのではと数年前は危惧をした。だが韓国へ駆けつけたサポーターはそこそこいたのは期待の表われでもあるのだった。
しかし、試合はそれはそれは酷いものだった。ボールはハーフウェイラインより後方ばかりで展開されまるでハーフコートのサッカーかと見紛う状態だった。守って守って守り跳ね返したらボールは相手の足元に行く。アウェイ用の白いサンフレッチェのユニフォームが羽のように軽く見えるのだった。
TV解説は前半は堪えて後半ホームで勝ちたい相手が焦ってきたとこを突いていくゲームプランなんだろうと推測してこの無残なる戦いに理解を得た。だが後半になったら運動量が落ちるのはサンフレッチェも一緒のことのような気もした。しかも相手の方がフィジカルも強くボール奪取能力も明らかに優れていた。それで攻撃の可能性をどれだけ潰されたことか。そういった負のイメージはハーフタイムを過ぎると実際の光景として再現されたのだった。
そしてついに失点は訪れた。森脇がバイタルエリアでファールを起こし与えたFKでヘディングで合わされてしまった。そう、これはいつもの失点パターンである。まるで成長がないというのはこのことを言うのだろうか。つい4日前にした失点をまたやってしまい悔しさを通り越して笑いが起こってしまった。
もう終わった。これまでろくに攻撃できてないサンフレッチェに得点の匂いはなかった。だがこれで尻に火がついたのか前方に人数をかけるようになってきた。Jリーグのようにパスを廻すことができない。そしてシュートを打つことができない。やっとシュートを打つことができてもゴールには入らない。そこで決めろよと叫ぶぼくの声は空しく部屋に木霊するのだった。
ああ、駄目だ。やっぱりACLなんか出なきゃ良かった。もしかしてこの大会無得点で敗退するんじゃないか。ACLの経験がないせいだろうか。だがそれならわざわざ毎年トルコまでキャンプに行って海外のチームと試合をしてるのは何なんだろう。
半ば諦めた心境になった時ドリブルで切り込んだ槙野がペナルティエリアで倒された。PKだ。ガッツポーズする槙野。これをストヤノフがキッチリ決め同点。残り時間も少ない。勝ち点1でもいいだろう。それともあくまでも勝ちを目指すのか?
その辺の判断が曖昧だった。時間を掛けるでもない、攻撃に出るでもない、そういう明確な意思を感じることなくロスタイムに失点してしまった。ロスタイムの失点、これも2試合続けてである。
4チームある中で唯一勝ち点0。勿論最下位である。果たしてこの大会思い出作りに終わってしまうのか。
この時言ってはならない言葉がまた頭の中に浮かび上がるのだった。やはり出なきゃ良かったと。
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