平繁レンタル移籍
平繁がJ2徳島に期限付き移籍することが決まった。山崎の加入で立場が厳しいなと思っていたらそのすぐ後に発表があった。ということは山崎の獲得と同時進行でこの移籍も進めてたということだ。そしてこれはやはり戦力としては物足りないという判断をされたという証拠でもあった。
だがこれは平繁にとって最良の処置であった。このままチームに残っても出場の見込みはない。それでもJ2であればまだ可能性があり、レンタルということでまた復帰できる芽が残されている。過去には高萩や森脇も通った道だ。ここで結果を出せばサンフに戻って来られる。そしてレギュラー級の扱いにグレードアップしてる可能性も高い。当然クラブもそういう目論見で出してるはずだ。
ある意味平繁は2009年シーズン、もっとも期待外れな選手だった。2007年の入れ替え戦で圧倒的に劣勢な中、第2戦へと希望をつなげるゴールを決めた。そして2008年のJ2でも0トップで頭打ちになったチームに途中出場で2ゴールとストライカーとしての存在感を見せ付けた。このまま行けば主力として成長していくだろうという、誰もがそんな期待を寄せて行ったはずだ。それなのにそんな時に腰痛で戦列を離れてしまった。
その為、あの時怪我がなかったらというのはどうしても考えてしまう。恐らく本人ものってただろうから無念さがあったはずだ。これからという時の怪我だった。そしてその怪我から復帰した後はどうも精細を欠いてた。やはり実践から遠のいたことが響いたようだ。
9試合0得点。それが全てを物語ってた。仮に平繁の使える目処があれば李忠成の獲得も山崎のレンタルでの加入もなかっただろう。逆に言えばそういう動きがあったことで今回のレンタル移籍の話も予想できないこともなかった。ただ、レンタル移籍も相手あっての話なのでそういう面をクリアして話がまとまったということは平繁にとって幸運だったのではなかろうか。
ストライカーというのは本当に難しいポジションである。他と違って単純にゴール数がハッキリと数字となって現れてしまう。特に若い選手の場合パッと出てきてゴールを決めたりするとその印象が大きくなり過ぎてその後しばらくゴールを決めれないともう駄目だという烙印を押されがちだ。それこそ毎年毎年新しい選手は入ってくるもので結果が出ないともう次の選手に目が向いてしまう。少なくとも中盤より後ろのように危ない面もあったがよくがんばったと言われるポジションではない。
そういう意味で選手を続けていくには最高の環境を与えてもらった。だそれは逆にここで結果を出さない次はないというメッセージでもある。それでもいつかまた紫のユニフォームでゴールに向かう平繁を目に浮かべているのだった。それはあのふてぶてしい表情とゴール前のドリブルに魅了されたのは事実だからだ。パス主体のサンフレッチェにあって唯一ドリブルで勝負できる選手。それが真の意味でチームに融合した時どんなサッカーになるのだろう。少なくとも個性という意味では平繁は十分にストライカーの素質を持っている。といってだからといってJ2で得点王争いできるかというとそれもまた不安がある。かつての期待の星は未知数の領域に入ってしまった。果たして来年平繁は戻ってくることができるのだろうか。
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