『「J」の履歴書』
日本サッカー協会が新潮社を提訴=週刊誌報道で 日本サッカー協会、犬飼基昭同協会会長、川淵三郎同協会名誉会長は26日、週刊新潮の2009年11月26日号に掲載された記事で3者の名誉を傷つけられたとして、発行元の新潮社(佐藤隆信代表取締役)に対して3000万円の慰謝料と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こした。 (時事通信) 何か悲しくなった。話題作りの為にはしょうがないんだろうが一々記事にするようなことではない。週刊新潮の記事に対してだが、それはそれぞれ考え方の違いというものがあるから意見の衝突はあるだろう。だがそこで深刻な対立と表現するとこに眉唾的なものを感じてしまう。 確かにこの記事全文を読んでないので判断はできない。だが、やはりこの件に関しては違和感が拭い去ることができない。 元々犬飼基昭会長は川渕三郎が日本サッカー協会会長を任期満了で退任する際全幅の信頼を置いて選んだ人事である。今のサッカー界はサッカーだけ知ってればいいというのでは通用しないということで経済、教育の方面においても精通し、浦和レッズの社長時代にクラブを躍進させた実績も買われて当時川渕会長自身が指名をしたというのはラジオで本人が話しているのを聞いたことがある。まあ裏を返せばせっかく選んでやったのに自分の思い通り動かないとでもいった軋轢が起こる可能性がないとも限らないが組織の長がそこまで器が小さいものかなとやはり理解に苦しむ。 川渕名誉会長も独裁者というレッテルを貼られたこともあるが確かに初期のJリーグにおいてはそれに近いこともあったかもしれない。だけど立ち上げたばかりのプロリーグにおいてどんな周到な準備をしても想定外の事態というのは起こるものだ。企業の論理に振り回されたと見える場合も企業人経験を持つ川渕元チェアマンだからこそ企業側の事情も飲み込めてしまうという現実もあったようである。それらを強い推進力で押し進めないといけない時期は確かにあった。そのお陰で現在のJリーグも存在してるのは間違いない。 是非一度川渕三郎著の『「J」の履歴書』を読んでいただきたい。ここまでサッカーの発展、そしてスポーツ、地域の発展の為に情熱を燃やしてきた人はやはり偉大である。勿論一人の力で日本のサッカーをここまで発展させた訳ではない。実際同氏は著書の中でJリーグ初期の頃何かと衝突してた渡辺恒雄読売新聞社長でさえあれだけ知名度がある人が何かと反論してくれたお陰でJリーグの普及に役立ったと感謝してるというのである。 それにしてもJリーグの誕生の話からその後の紆余曲折と較べると今の日本のサッカー界はこじんまりとまとまってしまった感はある。出てくる記事もどこまで本当か分からないが所詮内輪の揉め事。渡辺恒雄とJリーグチェアマンが喧嘩をする、良い悪いは別にしてやはりダイナミズムがあったんだな。といってぼくはその当時まだサッカーは観てなかったんだった。
訴訟代理人によると、「旭日重光章受章でも川淵三郎が浴びたブーイング」と題した記事で、川淵名誉会長と犬飼会長との間に深刻な対立があるかのような虚偽の事実を記載されたことは日本サッカー界として看過できないとして提訴に踏み切った。
週刊新潮編集部は「記事には自信を持っている。訴状を見て対応を検討する」としている。
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