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2009年11月15日 (日)

南アフリカでの試合

2009/11/15 南アフリカvs 日本 ネルソン・マンデラ・ベイスタジアム

 南アフリカ共和国。そんな国で本当にW杯が開催できるのか。治安、インフラ、社会情勢、そういうあらゆる要素を考えると実現は不可能という見方があった。だからその代替地として日本での開催もあるという噂が真しやかに囁かれた。ただ、実際にはこうしてW杯用のスタジアムで試合ができるということはその噂が流れてる間にも計画は着々と進行してて当の南アフリカにしてみれば当然自国であるということで気運を高めていたのだろう。

 FIFAにしても一度決めた決定を覆すのは面子にも関わるしそこは絶対に偏向はしたくなかったはずだ。アフリカ初の開催ということで話題性も大きい。人種隔離精度、アパルトヘイトを解消されて自由と平等を勝ち得た国での開催、まさに平和と秩序を世界にアピールするいい機会だ。大方そんな名目で演出されるのだろうというのは誰もが予想できるとこだった。

 かつては支配階級の白人が黒人を支配する国として非難の矢面に立たされる国だった。1990年代にアパルトヘイトの法律が撤廃されるまで白人による太陽都市、サン・シティという居住区がありそこに世界的なロックスターがコンサートに行くことがあった。ただ、1986年頃アパルトヘイト政策に反対するミュージシャンが集まって『サン・シティ』というチャリティ・アルバムを作って注目されることになるとそれまでサン・シティでコンサートを行ったことのあるクイーンやロッド・スチュアートなどは途端に悪のレッテルを貼られるようになってしまうのだった。

 スタジアムの名前にもなってるネルソン・マンデラ元大統領だが反アパルトヘイト運動の為長く獄中生活をしていたのだが、世界的に名前を知られてたのはこういったロック・ミュージシャンの活動による影響も大きかった。この時期アパルトヘイト反対のロックフェスティバルを開いたりネルソン・マンデラのメッセージ・ソングなんてのも結構あったのだった。

 果たしてそれが純粋に人種差別に反対する気持ちから行った行動なのかどうかは今となっては分からない。実はこの当時チャリティ・ブームでそういう活動に参加することにより忘れ去られたミュージシャンが再び脚光を浴びるという効果もあったからだ。いや、それは穿った見方だが物事には何事も裏と表があるということだ。

 その裏と表という意味においてアフリカのほとんどの国々は西洋諸国から独立して自由を確立することができた。が、そこは本当に自由になったかというと今度は貧困と独裁という別の不自由が出てきた。そして一見独立したかに見えるその国は巧みに旧支配国に利用されていたりするのだ。そこは人権問題という国際世論からの観点から植民地支配を止めたという面もあるが実は植民地として管理する手間を考えたら自分達で自治させて旨い汁だけ吸う方が割がいいという計算もあったようだ。そこでアフリカのほとんどの国では形の上では独立してるものの本当の意味では全く独立してないという現実がある。ただ、そういった中でも南アフリカはまだマシな部類に入るのである。

 まさか全世界にTV中継されてるようなスタジアムで危険なことはないだろう。そして代表選手やその観戦客は徹底してガードしてくれるだろう。それこそ国の威信に関わるから。そして民衆に政治に対する不満を緩和するのにスポーツは時として良い道具となり得るのだった。だから南アフリカW杯は絶対に成功させることだろう。

 そんな憶測めいたことを考えるもTVに映し出されたスタジアムは日差しの強さにより芝生の緑が映え屋根の陰とくっきりとしたコントラストを示していた。そして観客の自国を応援する様子、そこからは何の陰謀めいたものは感じられなかった。やはり平和だ。そして結果もスコアレスドローと平和に終わった。危ない地域でやってる割には刺激のない雰囲気だったと感じたのはつまらないと言われ続けてる岡田監督のサッカーのせいなのかそれともそれ以外の要素なのかは判断がつきかねるのだった。

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