柏戦を向かえ
2009/09/20 柏レイソルvsサンフレッチェ広島 日立柏サッカースタジアム
柏スタジアム、サッカー専用スタジアムの臨場感を味わうにはここほど適当な場所はない。場所によってはCK時本当に選手が手に届きそうなくらいの距離に来る。一つ一つのプレー、選手間の声の掛け合い、ボールの音、それらが直に聞こえる。だからここでの試合は他の試合とは違った味がある。
だが、それでいてそれ程このスタジアムには客が入らない。それは単純に柏の集客力の問題もあるだろうがスタジアム自体の企画の問題もある。見渡す限り席が埋まってるように見える時でも1万人ぐらいしか入ってない。それゆえ本当に1万5千人入るんだろうとという疑問の声は聞くことが多い。実際ぼくも1万5千人は入らないだろうと思っているのだった。
要するに柏スタジアムというのは狭いのだった。収容力としては小さいことが逆にこのスタジアムならではの味を出しているのだった。
しかし柏という街はどこか遊離してるような街だ。千葉県で一番栄えてる所はと聞くと最近は柏だなと言われる。確かに人口も多いし東京、茨城、埼玉などの隣接の県の中継地となっている。それなのにどこかこじんまりとした印象を受けてしまう。駅前ではストリート・ミュージシャンをやっていたりアーケード街も華やかに彩られている。それなのにそのアーケード街を一歩踏み出すとそこはもう生活の匂いに満ちている。まあどこの都市に行ってもそんなもんだが柏レイソルのイメージというのはぼくにとってこの生活の匂いと共存してるのだった。それ故にどことなく同じ千葉県内でも柏というのは違うのである。千葉には柏と千葉で2チーム存在してるが実はその棲み分けは絶妙なのかもしれない。
過去における柏スタジアムの試合は強烈に記憶に残っている。そしてそれはピッチが近いということと無関係ではない。特にゴール裏にいるサポーターの声はGKにモロに聞こえる。2002年の対戦ではサンフレッチェのサポーターの野次に対しGKの南は中指を突き出した。激高するサンフサポに対し南は余計に挑発をしたのだがその試合見事にサンフは負けてしまって南への感情は怨念へとなったのだった。だがその年J2に降格したことで柏スタジアムでの対戦は2004年まで訪れなかった。そしてシーズンを前にして今度こそ南への怨念を晴らすことができると意気込んだものだ。
しかし再び柏スタジアムで対戦した時には南へのブーイングはなかった。むしろサンフサポから南コールが起こったのである。それもそのはず、そのシーズンのホームでの対戦の時何と南はキャッチングしたボールを誤って自ゴールへ投げてしまったのだ。それが先制点となりその試合は3-0というスコアで勝つことができた。チーム自体それまでなかなか勝てなかっただけにその勝利はありがたかったのである。
その南への感謝、そしてまたオウンゴールをしてくれるのではという突拍子もない期待にアウェイゴール裏は沸いた。南がキャッチすると投げてくれと叫んだ。それは決して揶揄というものではなかった。本当にやってくれるのではと思い込んでいたのだった。今考えると陳腐だが恐らく今でも南がゴールマウスに立つとぼくはオウンゴールを期待してしまうだろう。
その南も横浜FCから移籍してきた菅野にポジションを奪われピッチに立つことはなくなった。確かに菅野の方がゴツイ顔をしていてGK向きだ。若い頃から将来を嘱望された南にしてみれば不遇が続いている。そこで一時はサンフレッチェへ移籍なんて噂まであったものだ。だけどどうしても見方になる南というものがぼくにはイメージできなかった。敵であって欲しい、そして倒しがいのある敵が南なのだった。残念ながら南の出場はないだろうが菅野は確かにそれよりもしぶとい敵なのだった。
やっぱり柏スタジアムでは熱くなりそうだ。あそこでサポーター同士のイザコザが起こるというのもしょうがないのかもしれない。でもお互い同じサッカーファン、相手がいなければ試合はできない。試合以外のとこでは落ち着こう。こんな発言ができるのもきっともう降格はないような順位にいるせいだろう。ああ、こんな気分で試合に臨めるって一体何年振りだろう。
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今日の試合は相手のモチベーションも高いし好調、こちらはストヤノフ欠場濃厚でまた総力戦になりそうですね。(総力戦・・・いつもそんな感じではありますが)
それとカズが練習に完全復帰したそうで、今はそちらも素直に喜びたいです。焦らず回りも急かさずゆっくりと見守りたいと思います。
しかし本当にこの順位にいるのは中島さまさまだなと思います。
投稿: まさ | 2009年9月20日 (日) 08時10分
中島はストヤノフの穴をよくこなしてました。
本当にさまさまという感じでした。
投稿: Miles | 2009年9月22日 (火) 06時01分