FC東京戦~試合が終わり
2009/07/25 FC東京vsサンフレッチェ広島 味の素スタジアム
ドクトルとは飛田給の駅で会うことができた。改札で待ってるからと電話をしたものの周囲の音がうるさくて上手く聞き取れたかどうかは不安だった。だが大量の人の中からぼくを見つけてくれた。やはり紫のユニフォームは目立つということだろう。
「いやあ、今日は何とも言いがたいがまあミキッチと槙野がいない状態で勝ち点1取れただけでもいいんじゃないでしょうかねえ。そういや1階席は人一杯でしたよ。まあ埼玉スタジアムのようにオールスタンディングということもなかったんですけど。サイトウさんも一緒にいたんだけど途中で2階に上がっていっちゃいましたね」
「あ、サイトウさんぼくのとこに来たんですよ。2階はまだ余裕があってずいぶんと優雅に観ることができましたけどね」
正しく優雅だった。優雅過ぎて面食らった程である。声を出そうにも他に出してる人がいないだけに躊躇されてしまった。やはり1階にすれば良かったかと思ったものの後半になって日が落ちてきたら別にそんなこと気にならないような雰囲気になった。それは試合展開がそうさせたのか単に視覚的な影響なのか判断はつきかねた。ただ、後半高萩が入って攻撃に躍動感が出てきたことは事実だった。それなのに点が取れない、もしくはあまり決定的な場面にならないということがあと一歩の物足りなさでもあったかもしれない。
ドクトルと一緒に京王線で新宿まで向かった。駅にあれだけの人がいただけにやはり車内は混んでいた。味の素スタジアムでの観戦はこの帰りの京王線だけはしんどい。と思っていたものの乗った電車がたまたま準急だったので新宿には早々に着いてしまった。
乗り換えの為に新宿駅構内をドクトルと歩いていたが所々に紫の姿が目に入った。やっぱりサンフのサポーター増えたよねとつぶやいてしまった。
JRに乗ると座席に座ることができたが調度真向かいにFC東京のレプリカを着たカップルと鉢合わせとなり目が合ってしまった。いやあ、スタジアムと同じ状態になりましたねえとドクトルが言うとカップルもクスッと笑ってしまった。
「今日の試合はどうでしたか?」とドクトル。
「いやあ、最後の方はかなりヒヤヒヤしましたよ。サンフレッチェには広島でやった時にやられてますから警戒はしてましたよ」
何と、そんなに難しい相手だと思われていたとは。FC東京もここのところ調子が良くコテンパンに叩きのめすくらいのつもりじゃないかと思っていた。実際ぼくの目からは東京の方がチャンスを創ってたような気がした。だからこそファインセーブを連発した中林が試合後にサポーターからコールを受けていたのだ。
「みなさん広島から来たんじゃないですよね」と尋ねられ東京の人間だと答えておいた。ただ広島出身というのも付け加えておいたが。
カップルはぼくらより先に電車を降りた。もうその時には乗客が多く話を交わすことはできなくなっていたが窓越しにお互い手を振り合ったのだった。敵であるものの気持ちのいい瞬間だった。
Jリーグではサポーター同士の諍いが問題となりやたらとお互いを隔離するような対策を取るようになった。だけどぼくはことあるごとに相手チームのサポーターの世話になってる。浦和戦の時は改札を出て反対方向に行こうとするぼくを呼び止めてバス停まで案内してもらったしぼくが広島に行った際には相手サポーターに案内をすることもあった。そういう交流こそが紛争を解決するのであって隔離は却って第3者意識を高めるだけという気がするのだが。
相手があってこそのJリーグ。そして相手がいるからこそ自分の応援するチームも試合ができるのだ。いやあ、ぼくもずいぶんと聖人めいてきちゃったよな。これでみんなのぼくの見る目が変わってくるかな。
でも、ぼくの見た目は身体がゴツくてフーリガンの方が似合っているのだった。


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