千葉戦~負けるパターンはいつも一緒
2009/05/09 ジェフユナイテッド千葉vsサンフレッチェ広島 フクダ電子アリーナ
高萩のゴール。これでもういけるような気がした。プレーが軽いとか何だかんだ言われてるがゴールは決める。それが高萩なのだった。ボールも良く廻りサンフレッチェのサッカーができる。そして千葉に負ける要素はどこにもない。そんな気がしてたものだった。が、そこにはとんでもないブレーキがいたのだった。
中盤前目でパスを受けた柏木は余裕がないのかよりによって敵にパスをしてしまった。しかもそのパスが最悪の形でカウンターを受けてしまい深井に決められてしまった。そしてその後はCKから巻に決められてしまった。この時の失点、一番マークしなきゃいけない巻をフリーにしてたように見えたが後で『スーパーサッカー』で確認すると槙野が見事なまでに振り切られていたのだった。わずか5分の間で2失点というこれまで無失点で切り抜けていたGK中林にとっては迷惑な失点だった。
カウンターとセットプレー、いつものパターンで失点した。本当に安い失点だった。それでも得点は取れるという自身があったためそれ程焦りもしなかった。これから2点取ればいい、まだ試合は終わったわけじゃないと。
だけどどうもおかしい。パスがぶれている。オフサイドに掛かりまくる。シュートを打っても全て枠の外。段々焦りとなっていった。時間の経過と共にそれが上手くいってないとはっきりと判断できるようになっていった。
そしてこの日の主役は何と言っても柏木だった。ボールを持ったら判断が遅く、または判断を間違いボールを取られる。シュートを打てば枠の外。せっかく攻めているのに柏木のところでプレーが止まるという感じになって明らかにチームにとってマイナス要因だった。1トップというフォーメーションを取ってる限りシャドーにいる高萩と柏木もゴールが求められるものの柏木にはゴールできないとハッキリと予想できた。
「大体シュート練習でさえ入らないのに試合で入る訳ないんだよな」
隣にいたドクトルが口に出した。そういえばアップの時のシュート練習は入ってなかった。柏木を代えたい。それなのにミシャの選択は柏木ではなく高萩だった。ゴールがあったとはいえこちらも簡単に敵にボールを渡していた。意表を付くようなプレーをしようとしてたがそれがちっとも敵の意表を付かれてないのは目を覆いたくなるとこはあった。
交代で出たのは平繁。そしてそのすぐ後服部に代わって楽山が出る。平繁はボールに触れない。楽山に至ってはボールが廻ってくるが本当に11人の中の1人。そこから何かが起こることは皆無だった。こんなのでわざわざ服部を交代させたのは何か意味あるんだろうか。最初に不安定だった森脇と盛田の交代があった時は理にかなっていたがミシャの選手交代は理解不能のことが多い。
ただし平繁だけはボールを持つと何かがありそうだった。3人に囲まれてでも突破をしようと試みたりああいうのを続けていけばいつか守備は破綻するだろう。だけど残念なのは平繁に残されてる時間はそう多くなかったのだ。今更ながら前2試合で中島をトップ下で使うくらいなら平繁を使って欲しかった。あまりにも突然の出場で試合に馴染んでないようにも見えた。
シュートまでは行くが何せ枠に入らない。いい位置でFKを得ても最初から入らないような気がする。ストヤノフまでキックの精度がない。かといって柏木が蹴ったら尚更入りそうもないのだった。
2点目は取れなかった。そしてカウンターとCKでやられた。何だか相手にやられたというより自ら負けたような感覚だった。攻めても攻めても点が取れないのは清水戦と一緒だった。そしてこの状況でも柏木を使わないといけないというのは苦しかった。
「トップ下の選手がいないってのが辛いよね」
仲間が言った。
「本当はそこのポジション選手一杯いるんだけどね」
「高柳、浩司、桑田。一体サンフのトレーナーはどうなってるんだろう」
「とりあえず高柳は次の試合には間に合うんじゃないかな」
そんな戦列を離れてる選手に期待を抱き妄想にふける。
帰り、4、5人で蘇我駅まで行きホームで電車を待つ。終わった試合についてああでもない、こうでもないと議論を深めているとふともう一人ぼくらの後ろに紫のレプリカが立ってるのに気付いた。「あ、お疲れ様です」と挨拶すると彼もこの終わりのない議論に加わってきたのだった。
「でも今のサンフレッチェってバクスター時代の感覚に似てますよね。負けたけど面白いですよ」
そう言ったのがJリーグ元年から応援をしてるというシロさんだった。
「ああ、そうですよ。ぼくもそんな気がしますよ」
そう返したのがさっき知り合った彼で彼はJリーグ元年のレプリカを着ていた。ぼくはサッカーを観だしたのがそのもっと後だっただけに貴重な話だった。
でもそうやってずっと昔から関東で応援してるのに知り合わなかった人もいる。そしてアウェイ自由席は明らかに増えている。まだまだ関東も開拓する余地があるのが確信として持てたのだった。
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