ナビスコ浦和戦~10年ぶりの勝利
2009/03/25 ナビスコカップ サンフレッチェ広島vs浦和レッドダイヤモンズ 広島ビッグアーチ
「一誠、お前はどうしてこうも煮え切らないんだ」
試合の前にぼくはこういう台詞を用意してた。ということは勝つとは思ってなかったのである。リーグ戦2連敗、しかも鹿島で力の差をまざまざと見せ付けられたお陰ですっかり期待感というものを抱けなくなってしまった。それなのに中継を見ようと行った先はパブリック・アローズだった。そこにはもういつもの仲間がすでに席に着いてるのだった。
おおっ、こんなに来てるとは。元々広い店内ではないものの満席に近い状態だった。初めて見る顔もいてこの観戦会も広がりを見せてるのだった。そしてもっと驚いたのは映像のビッグアーチに結構客が入ってたことである。浦和サポーターも平日の夜だというのにたくさん詰め掛けてくれた。敵の応援の為とはいえありがたいことだった。
公式では10,275人。これはこの日のJリーグの試合で一番の観客数だった。広島が一番客を入れた。誇らしいことだった。不人気と言われJ2がお似合いだと揶揄されてそうなサンフレッチェが一番客を入れたのである。これは充分称賛に値するものだった。
しかし、称賛すべきは試合だった。浦和の速くて激しいチェックを掻い潜りパスを回すのである。選手が飛び出しボールを出しまたそれをいなしていく。あの華麗なパスワークがピッチに現れたのだ。ああ、J1で見ることができた。相手が選手を落としてるとはいえこれこそが誇らしかった。サンフレッチェのサッカーがJ1で通用するのだ。
とはいえやはりJ2のように簡単にシュートまでは行かなかった。最後のところで食い止められるといったとこだろうか。解説の風間八広はこういうところが精度の問題でこの最後の部分ができないといくら良いサッカーだと言われようとそれだけで終わってしまうと言ってた。ああ、風間さんよくサンフレッチェのことを見てるんだな。
ただし浦和はポンテの調子が今一なのが助かった。苦手とするセットプレーでいずれも枠に飛ばなかった。それに加えて佐藤昭大は当たってた。実に際どいシュートも防いで素晴らしかった。風間はここでも不安定なとこがあったが段々J1の雰囲気に慣れてるようだと言ってた。やっぱりよく見てるようだ。
そういう状況で前線に来たボールを寿人は蹴った。ゴールは見てない。ここにあるだろうという予想の元に蹴ったという感じだがゴールに吸い込まれた。本当に吸い込まれるように入った。
どわあぁぁぁぁぁ、と店内が盛り上がった。先制したということもあるが寿人のスーパーゴールにぼく達は酔いしれた。得点力不足の日本代表にこの選手が呼ばれないというのは正にミステリーだった。
1点リードした状態で時間が進む。アナウンサーはこれで勝つと10年ぶりの勝利ですという台詞を繰り返す。あまり繰り返されるのでもう言わないでいいよと突っ込みたくなる。だがその不名誉な記録を終わらせるホイッスルが早く聞きたかった。ロスタイムは、4分。4分?何でそんなに長いんじゃ。
CKを取られる度にドキドキする。失点のパターンとしてはここが一番危ないからだ。凌げ、凌いでくれと願いを込める。そしてタイムアップの笛、終わったあぁあああ。長い4分だった。だけどサンフレッチェもちっとも守る気がなくあくまでも点を取りに行ってた。サッカー的には正解じゃないかもしれないがこれはこれでいいんじゃないだろうか。
いやあ、これで1週間の残りをすがすがしく過ごすことができる。そして負けた時の戦犯と用意してた一誠に深く詫びるのだった。
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