山形戦~祭りのビッグアーチ
2008/05/03 サンフレッチェ広島vsモンテディオ山形 広島ビッグアーチ
スタジアムに入りしばらく時間を潰してると電話が鳴った。もう席に座ってるので来てくれといったのは市川の観戦会でいつも一緒のMさんだ。人でゴッタ返しているコンコースを抜けてバックスタンドに出た。予め指定しておいた場所にMさんはいた。アタッシュケースを脇に置き結構な荷物である。そんな重装備で何と午前中吉田の練習場へ見学へ行ってたらしい。ユースの試合を観るのが目的だがそこで久保を見かけて今日のベンチ入りがないことを知りガッカリしたらしい。久保の様子はというと元気そうだったから特に体長が悪いということではなさそうだ。
スタジアムに目を回すと以前より紫の人が増えている。大体半分くらいは紫だという印象があった。ゴール裏は結構詰まってるので統一感がある。どうしてもサンフレッチェの応援に厚みがないのはこの広大なゴール裏に人が埋まってないというのも大きかった。人がいないとどうしても閑散とした雰囲気になる。選手入場のコールをやった時も結構声を出してる人が増えたような気がする。ぼくの前に座ってた小学生達は必死に声を出していた。そしてタオルマフラーを掲げていたのだがその後ろに陣取ってたお母さん達はわたし持ってないわ、どうしようという様子がおかしかった。でも自分もその応援にしっかり加わろうとしてるとこはスタジアムの雰囲気に同化したんだろうか。
試合が始まるとそのお母さん達はまた熱心にマッチデープログラムを開き、あの人が誰選手であの人が誰選手ねという会話をしていた。そして18番のこの選手、リュウって言うんだ、若い~とピッチのどこにいるのか探してるのだが残念ながらスタメンではない。そんなほとんど知識のないお母さん達が子供以上に騒いでる気がした。
ピッチの上ではほぼサンフレッチェがボールを持って回している。回して回して回している。だけどシュートは打たない。どこかで強引さがない。かといって危ない場面もない。山形も無理をしてこないのだがこの辺は小林監督の影響だろう。クリーンなサッカー、ファールで止めるとかコケてFKを貰おうという姿勢は山形にはなかった。圧倒的にボールを支配されながらも実力で勝負するというそのスタイルは敵でありながら好感がもてた。
ただサンフのあまりものシュートを打たないのにはMさんとハーフタイムに呆れた顔で目を合わせることになってしまった。このチームはシュートを打たないというのが伝統でもあるかのようだ。もうこの試合スコアレスドローで終わってしまう、そんな気もし始めたのだった。
後半、またしても同じ展開。いい加減ヤキモキしてきたがこういう誰もシュートしない時にシュートするのが槙野なのである。少々遠目で無謀だったがそれでもこのシュートでスイッチが入ったかのようにシュートを打てるようになった。そしてそれは珍しくミシャの采配が当たったのかもしれない。平繁がピッチに入ることの影響も大きかったと思う。平繁の登場シーンでは先程のお母さん達が「リュウよ、リュウよ」なんて言いながら手を叩いてた。そして実際にドリブルで仕掛けるプレーに「リュウ凄い~!」なんて言って微笑ましくなってしまった。そしてその平繁がドリブルでシュートした跳ね返りを寿人が決めると「キャーッ!」なんて騒いでた。でも何気に最初から平繁に目をつけてたとはなかなか侮れないお母さん達だった。
このゴールはトンネル工事でツルハシで岩を砕いて砕いてやっと貫通したような達成感があった。勿論ぼくも負けじと飛び上がり大喜びした。これで展開が楽になってきた。もう1点は欲しい。寿人に代わってユキッチが入った。未だ脱がないヴェールを脱いでくれと祈った。試合の流れからいってそれは可能であった。そしてユキッチ再考のチャンスが訪れた。ゴール前に来た浮き球、ユキッチは見事に外してしまった。ヴェールはやはり隠されたままなのであった。
試合終了。もう終わりかよという感覚があったがでも勝ったんだから喜ばなくちゃなと皆ワンテンポ遅れて勝利を喜ぶのだった。もっと点を取らなければいけない、しょうもないミスがある、ゴール前のパス回しが余計だという不満もあるにはあった。それでもこの場は喜びで満ち溢れていた。なぜなら今日はゴールデン・ウィーク、祝うべき日だ。市内ではフラワーフェスティバルをやってるがこっちも祭りだ。ビッグアーチの祭り、それは決してどこにも引けをとらないものだ、そんな気分になった。

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