背番号10=ファンタジスタの重み
柏木が筋断裂 来月中旬復帰か
J2広島は7日、MF柏木陽介(20)が「左恥骨筋断裂および左短内転筋の損傷で、復帰まで1カ月を要する」と発表した。今月中の4試合に加え、6月序盤の数試合も欠場する見込み。
柏木は6日の仙台戦(広島ビッグアーチ)で後半13分から攻撃的MFで途中出場。試合中に、左脚付け根に強い痛みを感じたといい、7日に 広島市
(中国新聞)
柏木のそれまでのパフォーマンスの悪さに合点がいった。山形戦の後本人はやっと調子が上がってきたなどと言ってたがこれで調子が上がったのかよと半ば諦念の感覚に囚われたが結局まだ体調が良くなかったようだ。だけどそれならそれで試合には出て欲しくなかった。焦ってるんだろうか。曲がりなりにも10番という背番号を貰ってベンチにも入れないことに苛立ちを感じたのだろうか。
この10番という番号は厄介だ。なぜなら一番凄い選手、一番華がある選手、一番得点を演出できる選手というイメージがあるからだ。事実そういう期待を込めて柏木にこの背番号を渡したのだろう。確かに昨シーズンの好調時にはそれに値すべきプレーをしてた。それが10番を付けた瞬間に怪我に見舞われるようになったということは柏木にとって決して縁起の良い番号ではなかったんだろう。
背番号10のファンタジスタ。その響きは何とも甘美だ。それ故に10番の選手がトップ下のようなポジションかセンターFWに就くのが一般的なイメージだ。だからぼくは中田英寿がパルマに行ってから活躍できなくなったのは10番を付けたからではないかと思ってる。トップ下のポジションへのこだわりが強過ぎて右サイドでのプレーに納得してなかった。それは監督にしてみれば自分の指示に従えないのかということになる。そして選手をコマとして考えた場合複数のポジションができるというのは戦術的に広がりを持つことになる。オシムが流行らせたポリバレントという言葉を持つ選手は今になって必要性を帯びてきた。もっと柔軟に監督の指示するポジションへ新たな挑戦という風に挑めば新境地が開けたのかもしれないと今になってみれば考えてしまう。
ただ、どうしても10番を付けた選手がFWや攻撃的MFの位置にいないと都落ちのような感覚に観てる方も感じてしまうのは事実である。10番とはこいつがいれば絶対に点が取れるという選手であるべきだ。ということはそもそも柏木に10番は必要だったのだろうか。
柏木の特徴は勿論攻撃だ。2、3人囲まれても突破するドリブルの力とキックの精度、そして運動量とある。ただ、この運動量が豊富なだけに中盤の底でのプレーの機会も多い。その特徴を考えると得点にこだわる10番が必ずしも良かったのかという疑問が出てくる。J1のクラブへ移籍の可能性があった柏木に対して残ってくれたんだからこれだけの待遇を与えるよというつもりで渡した10番なんだろうがこれまでそれが吉とは出てないようだ。
しかし、幸か不幸か怪我ばかり繰り返す柏木にそろそろ期待をしなくなってしまった。高萩や高柳が良いプレーをしている。正直柏木に助けられた試合というのも今シーズンは存在しない。それでいて勝っていれば必要性を感じなくなるだろう。そしてその大して期待されない状態で帰ってきた時、柏木の本来のパフォーマンスが戻ってくるのではないだろうか。そう考えて柏木の復調を首を長くして待つことにしよう。
いや、こう考えるだけでもやっぱり期待してるんだな。だから思い出すことにしよう。柏木の外したシュートの数々、自分でシュート打てばいいのにパスをして潰したチャンスの数々、ああ、やっぱりまだ少し足りないとこがありそうだ。やはり10番は重かったのだろうか。

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