浩司への期待感
得点のできる攻撃的MF。浩司に期待したのはこれだ。だから森崎ツインズでも浩司の方が人気があった。それは守備より攻撃の方が華があるからだ。実際2003年のJ2では9ゴールを記録し2004年もJ1でチーム内得点王の成績を残した。FKやミドルシュートを持っていてゴールの期待できる選手。一時期浩司がゴールした試合は必ず勝つとさえ言われたものだ。
それがこのところの浩司ときたら、得点する方が珍しい。ゴール前でパスを貰ってもシュートしようか迷ってからパスをする。シュートをする時も一旦迷ってからシュートする。そんなコンマ何秒といった差でゴールができてない。大体敵のゴール前でそんなに時間の余裕がある訳ないのだから振り向いたらシュート、交わしたらシュートというくらいの意識じゃないとシュートすら打てない。このシュートを打たないというところから今のサンフレッチェを象徴してる選手であるかのようだ。
カズと違い浩司は長い間スタメンで出場することができなかった。いつか浩司のスタメンを見たいと思ったものだが実際にスタメンに定着したらチームをJ2に落としてしまった。そのせいで浩司に対する印象はすこぶる悪いものになった。いらない選手とさえ言われた。それなのに天皇杯の磐田戦はFK2本決めて勝利に導いた。若手主体で臨んだ最終戦でもチームとして悪くなかったにも関わらず浩司が出るとやはり他の選手よりプレーに安定感がある。だからレベルの低い選手ではないんだろう。だからこそぼくらは理想を高く持ってしまいそのイメージに追いついてない浩司に不満を感じるのだ。
しかし、浩司にも悪い部分はある。どうしてFKを自分で蹴らないのか。PKを蹴らないのか。監督の指示かもしれないがそういうチャンスを外国人選手に譲るというのは弱さというように見えてしまう。もっと強い意志、自分こそが試合を決めてやるというオーラを出して欲しい。いつまでも若手のままじゃないだぞ。2003年FKの場面で3流選手のマルセロにFKを譲ってまるで入りもしないキックをされてしまった。2005年シュートの下手なチアゴにPKを蹴らせて外してしまった。2007年全てのFKをウェズレイが蹴りまるでチャンスにならなかった。どうしてここでお前が出てこないんだ。そんなに自信ないのかと言いたくなる。いや、むしろそういうとこが自信のないような印象を与え浩司に駄目なイメージをもたらせてるのだった。
もはや選手としてピークの年齢に達した。それなのにチームはJ2という理不尽さがある。だけどそのJ2に降格させた責任は浩司にもある。大体こうやって説教めいた論説が出てくること自体選手としてどうなのだろうかという気になる。それでいて本音ではまだ期待をしてる部分がある。そのギャップが浩司への評価を浮遊したものにさせている。
かつてヴァレリー監督は将来スーパースターになる人材と言った。その将来は今年なのか、来年なのか。批判をしながらもずっとそんなことを考えてしまうのだった。
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