そして勝ち点0
2007/06/23 ヴィッセル神戸vsサンフレッチェ広島 ホームスタジアム
「ハア~ッ」
深いため息をつく。絶対勝てると思った。勝ったと思った。これがどうして負けるのか。不思議で不思議でしょうがない。どうやったら負けるんだ。さすがにこれはこたえた。同点にされただけでも不本意だったが逆転のPKを献上した時には開いた口がふさがらなかった。茫然自失、意気消沈、悲憤慷慨、信じられないという感情と共にチームに対する激しい怒りを感じるのだった。
「柏木が得点をすると負けてしまうな」
一緒にモニター観戦をしてたMさんが口にした。でも清水戦は柏木のゴールで勝っただろと思ったがここで気付いた。確かに早い時間での柏木のゴールは負けにつながってる。これは決して偶然ではない。柏木の得点はいつも芸術性に富み一度は決めてみたいゴールを決める。これにより相手チームより自分達の方がレベルが上という錯覚を起こしてしまう。確かにあんなチームが連動した中でのゴールは実際の試合では起こりにくい。それだけに酔ってしまうのだ。ぼくも酔った。Mさんも酔ってた。そしてアウェイ・ゴール裏のサポーターも酔ったことだろう。いい試合をしている、今日は勝ったも同然だと。
しかし、その後2度も追いつかれ最後はPKで逆転をされるという結末にはもう怒りを感じた。度々あるシュートチャンスはことごとく外し相手には下らない得点ばかり許す。本当に点をやらないという気があるのだろうか。そして得点のチャンスはいくらでもあると思ってるのではないだろうか。寿人も浩司も本当に点を入れない。寿人は以前なら入れたはずのシュートが入らない。この辺が選手層の薄いチームの厳しいとこだ。
以前森崎ツインズについてカズが良い時は浩司が悪い、浩司が良い時はカズが悪いと言われてた。そしてサイドの服部が良い時は駒野が悪い、駒野が良い時は服部が悪いと言われてた。そして今は柏木が得点をするようになれば寿人が得点できなくなってしまった。本当に一つを得れば一つを失うクラブだ。守備的になれば得点力がなくなり攻撃的になれば守備力がなくなるというのもそうだし。結局このクラブは理想の域に達することができないのではないだろうか。まるで戦力の能力値というものが決まっていてその容量を超えることができないかのようだ。
「来週わたしが新潟行って勝たせますから」
Mさんは別れしなそう言い残した。本当にここ数試合は魂を感じさせない。望月監督の頃の不細工でも勝ち点を重ねるサッカーをやってた頃と今とでは明らかに精神が違う。個々のレベルでは相手より巧いと感じることが多いが試合をやれば負ける。ガッカリだ。シーズン前はどれだけ躍進してくれるのかと期待したのにこんなものだ。サポーターの中にもこんなものじゃないのに勝てないという現状にやり場のない気持ちがしているだろう。
せっかく神戸には結構サポーターが集まってたというのに。鹿島の時はサポーターが少ないから乗れない感覚があったのだろうと思ったがそうでもなかったみたいだ。一体どうすればチームを勝たすことができるのだろうか。弱いと感じてないだけにこのジリジリと負けてる現状は頭を抱えてしまう。そういや以前だったらこういう時小野監督の悪口大会をやって憂さ晴らしをしてた。もう一人の避雷針として大木のだめっぷりも大いに話題になったが。今にしてみればあれはあれで結構楽しんでたのかもしれないのだった。
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