渦巻く潮流
2007/06/17 ジェフユナイテッド千葉 vs ヴァンフォーレ甲府 フクダ電子アリーナ
千葉に住んでるぼくは蘇我には行きやすい。その為ジェフの試合は年に何回か行くのだが今年に入ってこのスタジアムでの試合は全部面白い。ホームチームだけでなくアウェイチームも盛り上がれる何かがある。サンフレッチェもここで試合した時は盛り上がったし甲府も盛り上がってた。まさにホームを飲み込むような勢いを出していた。ジェフにとって試合を進めるに当たって決して有利な状況ではなくなる訳だが試合としては盛り上がる。ぼくのような第3者にとっては理想的な状況になるのだ。
アウェイ・ゴール裏は正に満員でみんながみんな手を叩いてる。座ってる人も声を出してる。じっくり観戦したいという人はコーナー自由席に座ってるという棲み分けになってた。甲府の選手もそんな声援に押されるかのように積極的に攻撃に守備にと動き回る。そしてジェフも決してそれに負けてはいない。それでも最初にゴールを決めたのは甲府だった。この勢いは甲府の方に部があったようだ。このまま大きな波となって甲府が試合を支配しそうだった。が、ジェフはこれにひるまず突き進んでいったのである。
点が取れないということで批判の矢面に立ってる巻だがやはりこの選手ヘディングは強い。競り合いの場面では全部勝ってる。足が遅い、足元が上手くないという欠点もあるがあのフィジカルの強さは頼りになる。といって先制点のループシュートはよく決めた。これによってジェフも息を吹き返し再び接戦となったのだ。ジェフに勢いが出てきたが甲府も決して怯んではいない。本当にこの試合がどちらに傾くのか分からなかった。
巻はこの日2ゴール目を奪い闘志を感じさせた。そして同点にされた後のPKのチャンスでは自らボールに歩み寄ってPKを蹴る。これがゴールバーの上に逸れて行く。横に逸らしたりするのは見たことあるがキーパーの真上に外してしまうPKは初めて見た。やはり上手い選手ではない。そしてこのPKの失敗が甲府に再び息を吹き返したのだった。
押し寄せる波のぶつかり合い。互いに水しぶきを上げながら激しさを増していく。こんな試合をしてたら応援する方も気持ちがいいだろう。どちらも1点が欲しかったがその1点を取ったのはジェフだった。それでも甲府はサポーターも含めて誰一人怯むことなく突き進んでいた。
あと一歩足りなかったのだろうか。甲府は試合には負けた。それでも出し切るものは全て出し切った。これだけやれば負けても不満はないだろう。選手を称える気持ちになれる。次はがんばれと声を掛ける気にもなる。そういう試合を観ただけに前日のサンフレッチェの鹿島戦にはなおさら寂しさを覚えたのだった。
試合後のあのシーンとした空気、居心地が悪かった。選手を非難するのは簡単だろうがそれができなかった。それは選手を突き動かす波を作れなかったゴール裏にも原因があるのではなかろうか。もっとも、人数からして甲府の方が多かったが甲府サポーターを見て考えさせられるものがあった。
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