新旧サンフレッチェのエース達
2003.9.20 横浜FCvsサンフレッチェ広島 夢の島陸上競技場
あれは9月だった。激しい雨の日だった。J2での横浜FCとの試合はなぜかみな印象に残ってる。この頃の横浜FCは手が付けられないくらい弱くて連敗を重ねてた。しかもクラブ内のゴタゴタがあり何とかクラブとしての体裁を整えているという感じだった。それでも元日本代表の城が入ったり外国人選手を入れたりとそのクラブの実態を知らない者にとって不思議な存在であった。ただJ1に上がらないといけないサンフにとっては絶対に勝たなければいけない相手であるのは間違いなかった。
それまでのデータでJ1に昇格するチームは4回の対戦で4回共勝つチームがあることというのがあった。単に勝ち点を稼げばいいだけの話だがこういうジンクスみたいは話は応援してる立場としては不吉な響きがあった。すでに第4クールに入り4回勝てる見込みがあるのが横浜FCのみとなってしまって妙な緊張感を憶えたものだ。理屈でいえば勝てる。それくらいの戦力差はある。だが第3クールに入ってからの苦戦をそのまま引きずりこの試合も苦しかった。なかなか点が入らなかった。何とか大木の1点で勝てたのだ。正直一杯一杯だった。どうしてここまで追い詰められたのか。チームはどんどん弱くなってる気がしてたが横浜FCに普通に勝てないのでは本当に弱くなったという気がした。
試合後安堵と喚起の入り混じった表情を見せるサンフサポーターとは離れた場所で連敗中のチームに怒号を浴びせる横浜FCのサポーターがいた。まるで右翼のような荒々しさだがその声の大きさは人数の割には迫力があった。特に印象に残ったのはサンフレッチェからレンタル移籍した河野淳吾へのブーイングだった。太鼓を叩きながら「広島帰れ」という声が響いた。でもそれを聞いたサンフサポは声に出さずとも思っていたはずである。河野にはもう広島に戻る場所がないということを。
あれ以来もう横浜FCとは対戦したくないと思ってた。それはJ2はもうこりごりということ。同様に小瀬にはもう行くことはないだろうと言ってたがしっかり行ってる。つまり絶対にJ1に上がらないと思ってたクラブが結構J1に上がっているのだ。J2からJ1へと舞台を変えてまた対戦するようになった。こんどはもうちょっとレベルの高い戦いが見れるだろう。というかやはりサンフを応援するぼくらの心の底には今回は勝てるなという慢心がある。実際J2の第4クールでも最後には勝てるだろと思っていた。横浜FCはどうしも弛緩した気持ちになる。それが2004年の天皇杯での負けにつながったのだろう。
それにしても、久保は来るだろうか。どこに行こうとやっぱり久保はサンフレッチェのイメージが強い。横浜FCに移籍し開幕でとんでもないゴールを決めたかと思うとそれ以来沈黙している。やっぱりたまたまだったのかと軽く見てると思いついたように活躍する。非常に計算のできない選手であるがインパクトは大きい。それに対して今のサンフレッチェのエースは佐藤寿人。ゴールは重ねるもののあんまり印象的なゴールはない。結構誰でも取れるようなゴールを決める。実はそんなに簡単じゃないのだろうがそう見えてしまうのはその小さい体格による印象もあるのだろう。ここまで対照的なサンフにとっての新旧のエースが対決する。しかもDFに小村までいる。さらに監督は高木卓也だ。これは面白い試合になりそうだ。といってまた客来ないんだろうな。
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